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空を望む騎士 ~ 第20話 ~

《地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地》

[伊豆基地 内部(ラウンジ)]

アクア「えっ!? その話、本当なの!?」
ゼオラ「ええ…… 私達は、その場に居合わせてなかったんですが……」
アラド「ヒューゴ少尉から話を聞いてなかったんスか?」
アクア「彼がクライウルブズのメンバーだったことは 知ってたけど……それについては何も……」
アラド「えっ……」
ゼオラ「あの件については 部外者に口外することが禁じられていて……」
ゼオラ「ツェントル・プロジェクトのメンバーである アクア少尉なら、何か御存知じゃないかと 思ったんですが……」
アクア「私、何も聞かされてない……」
(扉が開閉する)
ラトゥーニ「アクア少尉、伝達事項です。 TEアブゾーバー試作7号機の 到着が2時間ほど遅れると……」
アクア「……ありがとう、ラトゥーニ。 ヒューゴに知らせてくるわ」
アクア(あの人に直接確かめなきゃ……)

[伊豆基地 内部(ラウンジ)]

(扉が開閉する)
アクア「ヒューゴ、話があるんだけど……」
ヒューゴ「………」
アクア「どうしたの? 何か顔色悪くない?」
ヒューゴ「悪いが……水を取ってきてくれないか」
アクア「はあ!? 私はあなたのパートナーであって、 メイドさんじゃないんだけど!」
ヒューゴ「……頼む」
アクア「な、何よ、真剣な顔して。 それとも、具合が悪いの?」
ヒューゴ「………」
アクア「もう、しょうがないわね。 お水でいいのね、お水で」
ヒューゴ「ああ……」
アクア「ちょっと待ってて」
(足音・アクアが立ち去る)
ヒューゴ(……足のしびれが……。 薬の効く時間が短くなってきているのか……?)
ヒューゴ(それとも、 ここへ来る前にもらった薬そのものが……?)
アクア「はい、お水」
ヒューゴ「……すまないな」
アクア「喉が渇いたの?」
ヒューゴ「いや……薬を飲もうと思ってな」
アクア「何の薬?」
ヒューゴ「……ただの風邪薬だ。 それで……話とは何だ?」
アクア「うん、あなたに確かめたいことがあって……。 その……聞きにくいんだけど……」
アクア「あなたがいた部隊……クライウルブズは、 もう存在していないのね……」
ヒューゴ「………」
アクア「イェッツトという怪物と戦ったせいだと聞いたわ。 そして……それがツェントル・プロジェクトと 関係があったということも」
ヒューゴ「だから、何だ?」
アクア「何って……プロジェクトにそんな過去があるなんて 聞かされてなかったし、あなたもどうして……」
ヒューゴ「自分の部隊が壊滅するきっかけを作った奴らに、 のうのうと従っているのか……か?」
アクア「そ、そんなことじゃ……」
ヒューゴ「俺がツェントル・プロジェクトに関わったのは、 そういう命令を受けたからだ」
アクア「それは、私もそうだけど…… メディウス・ロクスの件と言い、不明な点が…… そもそも、何のためにイェッツトを……?」
ヒューゴ「末端の人間に全てが知らされることなど、ない。 必要以上に詮索するな。お前は与えられた任務を 果たしていればいい」
アクア「あ、あなたはどうなのよ? ザパト博士とは……」
ヒューゴ「詮索するなと言った。それがお前のためだ」
アクア「………」
(扉が開閉する)
ラミア「ヒューゴ少尉、アクア少尉、 第12ブリーフィング・ルームへ集合だ」
アクア「了解です。何か任務が?」
ラミア「もう一組の出向者が南極から来たのでな、 顔合わせをしてもらう」
ヒューゴ(南極……?)

[伊豆基地 ブリーフィング・ルーム]

(扉が開閉する)
カイ「皆、揃っているな。 本日付けで、ウチの隊で預かることになった テストパイロットを紹介する」
ジョッシュ「……ジョシュア・ラドクリフです。 ジョッシュと呼んで下さい」
リム「クリアーナ・リムスカヤ……リムです。 兄の付き添いで来ました」
アクア「兄? 苗字が違うんじゃ……」
ジョッシュ「リムは、俺の義理の妹なんです」
アクア「そうなの……」
アクア(二人共、私より若いわよね……。 まさか、新メンバーが年下だったなんて……)
カイ「ジョッシュとリムは軍人ではなく、民間人で…… リ・テクノロジストだ」
ジョッシュ「すみません、カイ少佐。 親父が……父がそうだったというだけで、 自分はリ・テクではありません」
カイ「そうか……」
アラド「あのう……リ・テクって何ですか?」
ジョッシュ「“失われた技術”に取り憑かれた研究者達のことさ。 南極で発見された遺跡の研究をしている」
アラド「南極の……遺跡?」
ラトゥーニ「それに、“失われた技術”って……」
ゼオラ「そんなの初耳です」
ジョッシュ「あれを見つけたのがLTR機構だったなら、 とっくの昔に公表されていただろうが……」
ジョッシュ「親父達は、格好の研究材料を独占することしか 考えていなかった」
ジョッシュ「まず、自分達で気が済むまで調べ尽くす。 ある意味、リ・テクは純粋な研究者なのかも知れない。 でも、それが調査を行き詰まらせる要因となった」
ジョッシュ「結局、親父達は資金繰りに困り、 遺跡のオーバー・テクノロジーの軍事利用を目論む 連中の力を借りなきゃならなくなったんだ」
リム(お兄ちゃん……)
ラトゥーニ「オーバー・テクノロジー…… もしかして、南極の遺跡にはEOTが?」
ジョッシュエアロゲイターインスペクターとの関連性は ないと言われてる。結局、誰が何のために あの遺跡を作ったのか、まだわかっちゃいない」
アクア「なら、あなたが持ってきた機体は……」
ジョッシュ「エール・シュヴァリアー…… あれのレース・アルカーナというシステムの 名前だって、謎とか神秘って意味なんです」
ジョッシュ「とりあえず、ジェネレーター代わりに使えるのは わかったから、組み込んでどうなるか 見てみようって、クリフが……」
ジョッシュ「父の助手であるリ・テクなんですが、 彼がそう言ってました」
ヒューゴ「……つまり、お前は実験台にされたというわけか」
ジョッシュ「………」
アクア「ヒューゴ、そういう言い方って……!」
ジョッシュ「俺だって、人が乗らなきゃ動かないシステムの 実験台にされてたってわかれば、いい気分で いられるわけがありません」
ジョッシュ「ですが、それでもエール・シュヴァリアーに 乗らなきゃならない理由があったんです」
ヒューゴ「父親に頼まれたからか?」
ジョッシュ「……あの辺境でも色々あったんです。 南極事件だけでなく、アインストの襲撃も」
ヒューゴ「……!」
ジョッシュ「連邦軍があの怪物達に対応しきれないのなら、 機動兵器でも何でも使って、自分達で 身を守るしかないでしょう」
ヒューゴ(生き残るための手段……というわけか)
ジョッシュ(……それに、エール・シュヴァリアーにも積まれてる シュンパティアの本質を解析しなきゃ、リムは……)
カイ「ともかく、異例なことではあるが、ケネス司令からの 命令だ……お前達にもエール・シュヴァリアーの データ取りに協力してもらう」
カイ「それと、テスラ研を襲撃した妖機人や 新型機狙いの集団、メディウス・ロクスとの 一件もある。警戒を怠るなよ」
ゼオラ「はい」
ラトゥーニ「わかりました」
ラミア「了解でごんす」
リム「ご、ごんす?」
ジョッシュ「………」
アラド「あら、ジョッシュさんはスルーなんスね。 大概の人はツッコミを入れるのに」
ジョッシュ(……言葉遣いぐらいじゃな……)
カイ「なお、リ・テクと南極の遺跡は機密事項だ。 部外者に口外せぬように」
ゼオラ「わかりました」
カイ「では、本日は水鳥島の演習場へ向かい、 模擬戦を行う。各員はそれぞれの機体の 輸送機への搬入作業に立ち会うように」
アクア「あの、少佐。私達は……」
カイ「ああ、あれの調整に時間がかかるのはわかっている。 お前達のセッティングが終わってから出発する」
アクア「ありがとうございます」
ジョッシュ「……では、すみませんが、よろしくお願いします。 スポンサーからPT特機との戦闘データを出せと 催促されていますので」
ヒューゴ「……それで俺達が相手に選ばれたというわけか。 気安いな」
アクア「ヒューゴ、私達だって立場は同じでしょ。 ガルムレイドのデータを取るんだし……」
ジョッシュ「ヒューゴ・メディオ少尉……でしたね。 本職の方からしたら、面白くないのは理解できます」
ヒューゴ「畑違いは俺も似たようなもんさ」
ジョッシュ「そちらも訳ありということですか」
ヒューゴ「ああ、こっちも新型のデータを取らなきゃならない。 民間人だからと言って、遠慮はしない」
ジョッシュ「わかりました」
アクア(ヒューゴ、イラついてる……?  メディウス・ロクスのことが引っ掛かってるから?  それとも……)


第20話
空を望む騎士

〔戦域:水鳥島南東部〕

ゼオラ「あれがTEアブゾーバーの試作7号機、 ガルムレイド……」
(ガルムレイドを指す)
アラド「搬入状態じゃ、形がよくわからなかったけど…… 随分といかついスーパーロボットだな。 リュウセイ少尉が見たら、喜びそうだ」
ラトゥーニ「う、うん……」
アラド「あ……ご、ごめん、ラト」
ラトゥーニ「ううん、大丈夫……。 リュウセイやマイ、キョウスケ中尉、 鋼龍戦隊のみんなも無事だって信じてるから」
ラトゥーニ「だから、ガルムレイドと エール・シュヴァリアーの写真撮っとく……」
ゼオラ「リュウセイ少尉が戻って来たら、見せるの?」
ラトゥーニ「うん」
ジョッシュ「レース・アルカーナ、 シュンパティア、FCS、チェック。 ……よし、いい感じだ」
ヒューゴ「アクア、出力が安定していないぞ。 イエローゾーンの真ん中をフラフラしてちゃ、 話にならん」
アクア「サーベラスよりパワーがあるし、振り幅も大きいから、 上手く調整できないのよ……!」
ヒューゴ「ミタールにそんなわかり易い言い訳を するつもりはない。やってみせろ」
アクア「わ、わかったわよ!」
アラド「ジョッシュさんの機体…… 特機相手じゃ、分が悪いかもなあ」
ラミア「目的は、様々な状況下でのデータ収集だ。 勝ち負けを競うわけではない」
カイ「では、二人共、ラウンド1だ。状況開始!」
ヒューゴ「行くぞ、アクア!」
アクア「りょ、了解!」
ジョッシュ(相手は特機……!  だが、分の悪い賭けをするつもりはない…… ここは確実に仕留める!)
(作戦目的表示)

〈vs ヒューゴ〉

[ジョッシュ]

ジョッシュ「エール・シュヴァリアー…… やれるはずだ、俺とお前なら!」
(戦闘・被弾)
ジョッシュ「くっ、被弾したか!」

〈4PP or ガルムレイドのHP7200以下〉

(ガルムレイドが揺れる)
ジョッシュ「ガルムレイドの動きが……!」
ヒューゴ「くっ……!」
ヒューゴ(手と足にしびれが…!  馬鹿な、まだそんな時間じゃないはずだ)
アクア「ヒューゴ、どうしたの!?」
ヒューゴ(やはり、 薬の効く時間が短くなってきている……!?)
ヒューゴ(冗談じゃないぞ、 戦闘中に手足が動かなくなったら……!)
アクア「ヒューゴ、ちゃんと操縦してよ!」
ジョッシュ「よし、今なら!」
(エール・シュヴァリアーがガルムレイドに隣接、ガルムレイドに爆煙)
ヒューゴ「ぐううっ!!」
カイ「ラウンド1、状況終了。 まずは、ジョッシュが一本取ったか」
ジョッシュ「………」
ヒューゴ「う、うう……」
アクア「ねえ、どうしたのよ?  イエローゾーンすれすれだったけど、出力は……」
ヒューゴ「わかっている……」
ジョッシュ(ガルムレイドの動きが妙だった。 だが、マシントラブルじゃない……)
(ラトゥーニ機に警告シグナル)
ラトゥーニ「アンノウン接近、8時方向! 数は……」
(妖機人が出現)
カイ「あれは……!」
ラトゥーニ「テスラ研からのデータと一致しました。 デモン……妖機人です」
ラミア「何故、こんな所に……?」
カイ「ヒューゴ、ジョッシュ、お前達は下がれ!」
ジョッシュ「俺はともかく、ガルムレイドは……」
アクア「ヒューゴ……!」
ヒューゴ「騙し騙しでやってやるさ……短時間ならな」
アクア「本当に大丈夫?  体の具合が悪いんじゃないの?」
ヒューゴ(そんなのは、承知の上だ……!)
カイ「お前達、早く後退しろ!」
ジョッシュ「……実戦データを取るなとは言われていません。 やります」
ヒューゴ「ジョッシュ、お前……」
ジョッシュ「本調子じゃない人を放っておくわけには いきませんよ」
ヒューゴ「……!」
カイ「わかった……だが、無茶はするなよ。 各機、攻撃開始!」
(作戦目的表示)

〈vs 妖機人〉

[カイ]

カイ「奴らの狙いはいったい何だ……!?」

[ラミア]

ラミア「ターゲット、デモン。攻撃を開始する」

[アラド]

アラド「妖機人め、退治してやるぜ!」

[ゼオラ]

ゼオラ「よ、よく見ると気持ち悪い……!」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「妖機人……この機会に少しでもデータを集める」

[ジョッシュ]

ジョッシュ「アインストとは違う。あれが妖機人か……!」

〈敵機全滅〉

ラミア「敵機、全機撃墜。後続はありません」
カイ「よし……周辺を警戒しつつ、後退する」

《地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地》

[伊豆基地 ブリーフィング・ルーム]

ラトゥーニ「……カイ少佐、妖人機のデータを テスラ研へ送っておきました」
カイ「ああ。模擬戦前に妖機人のことを口にしたものの、 可能性は低いと思っていたが……本当に現れるとはな」
ラミア「テスラ研での事件とは違い、 新たな超機人は現れませんでしたが…… 敵の目的は何でございやしょう?」
カイ「わからんが、 彼らの出現は偶然ではないかも知れん」
ゼオラ「じゃあ、私達を狙って……?」
アラド「でも、何で?」
カイ「……ヒューゴ、ジョッシュ、 お前達に心当たりはないか?」
ヒューゴ「いえ……」
ジョッシュ「……新参者の俺達に、原因があると仰るのですか」
カイ「あくまで可能性の話だ。エール・シュヴァリアーには 未知のテクノロジーが使われている……それと 何らかの関係があるのではないかと思ってな」
ジョッシュ「だとしたら、 彼らは真っ先に南極へ現れるのでは?」
カイ「確かにな……。 念のため、リ・テクにも妖機人のデータを送り、 調べてもらってくれ」
ジョッシュ「依頼はしますが、無駄だと思いますよ。 彼らは遺跡以外の物に興味がありませんから」
カイ「こちらとしては、 少しでも手掛かりが欲しいのだがな」
ジョッシュ「……わかりました」
カイ「では、以上……解散だ」
(扉が開閉する・カイが立ち去る)
ジョッシュ「……ヒューゴ少尉」
ヒューゴ「何だ?」
ジョッシュ「さっきの模擬戦…… ハンデというわけではありませんよね?」
ヒューゴ「ああ、遠慮はしないと言ったはずだ」
ジョッシュ「……そうですか。 マシントラブルには見えなかったもので」
(扉が開閉する・ジョッシュが立ち去る)
ヒューゴ(ふん……いい勘をしているな、あいつ。 それに、腕も確かだった)
アクア「手加減をしたわけじゃないわよね、ヒューゴ。 フィッティングの時間が足りなかったから?」
ヒューゴ「………」
アクア「じゃあ、やっぱり……私のせいよね」
ヒューゴ「……そうじゃない。原因は……俺だ」
ヒューゴ(薬を飲む間隔を狭めなければ……。 減りが早くなってしまうが、戦闘中に 効き目が切れるよりはましだ)
(扉が開閉する・ヒューゴが立ち去る)
アクア(ヒューゴ……)
ゼオラ「何かあったんですか……?」
アクア「ううん、こっちの話。 それより、あなた達に聞きたいことがあるんだけど、 いいかしら?」
ゼオラ「何でしょう?」
アクア「鋼龍戦隊の母港って、この伊豆基地なんでしょう?  ハガネもヒリュウ改も見当たらないけど、 どこかで任務遂行中なの?」
ゼオラ「実は……鋼龍戦隊は、演習中に 消息を絶ってしまったんです」
アクア「えっ!? それ、本当なの!?」
ゼオラ「ええ…… 遭難などではなく、洋上で忽然と消えたんです」
アラド「他にも、テスラ研でキョウスケ・ナンブ中尉と リュウセイ・ダテ少尉が機体ごと 行方不明になったり……」
アラド「浅草の友達とか、知り合いの王女様も いなくなっちまって……」
アクア「そ、そんなことが起きてたなんて……」
ゼオラ「原因は調査中なんですが、 めぼしい手掛かりは掴めていないんです」
アラド「消えちまったおれ達の知り合いは、 これまでの激戦をくぐり抜けてきた人達だから…… きっと無事だって信じてますけど」
アクア(不可解な事件は、妖機人だけじゃないのね……)

[伊豆基地 内部(個室)]

リム(クリス)「あ、お兄ちゃん……お帰りなさい」
ジョッシュ「ああ、ただいま」
リム(リアナ)「アニキ、戦闘があったんだって?」
ジョッシュ「……リアナ、いきなり代わるのはよせよ」
リム(リアナ)「ごめん、ごめん。 ずっと黙ってるの、辛いからさ」
ジョッシュ「すまないな、窮屈な思いをさせて」
リム(リアナ)「しょうがないよ。 あたしとクリスのことを知ったら、 他の人は驚くしね」
リム(クリス)「さっき、食堂に行った時…… ついうっかりリアナと喋って、 軍人さんに変な目で見られちゃった」
ジョッシュ「気をつけろよ。 ここはマザー・ベースじゃないんだから」
リム(リアナ)「わかってるよ、アニキ。 でも、いつまで秘密にしておくの?」
ジョッシュ「しばらくの間はな。 教導隊のメンバーがどういう人間か、 まだよくわかっちゃいない」
リム(リアナ)「悪い人達じゃないと思うけど……」
ジョッシュ「まあな」
リム(クリス)「ねえ、お兄ちゃん…… 今頃……お父さん達、心配してるよね」
ジョッシュ「黙ってお前を連れて来たからか?」
リム(クリス)「う、うん……」
ジョッシュ「南極から連絡は入って来ていない。 連れ出したのが俺だとわかっているんだろう」
ジョッシュ「もっとも、親父が気にしているのは お前達じゃなく、シュンパティアの方かも 知れないがな」
リム(クリス)「そ、そんなこと……」
ジョッシュ「何にせよ、あんな所に お前達を置いておくわけにはいかない」
ジョッシュ「シュンパティアに触れるのは、俺と親父だけで充分だ。 二度とお前達を実験台などにさせるものか……!」
リム(クリス)「………」


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