back index next


超魔装機エウリード ヒリュウ改に立ち寄る ~ 第17話 ~

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ユン「1時方向、距離30000、高熱源体反応多数!」
ショーン「カークス将軍の離脱コースから判断して、 そこが戦力の再集結地点なのでしょうな」
レフィーナ「将軍がフェイル軍への投降命令を 出しているにも関わらず、まだ付き従う者達が 大勢いるのですね……」
ヤンロン「各地のカークス軍部隊も、その全てがフェイル軍へ 投降したわけではないでしょう」
ヤンロン「ここでカークス将軍を放置すれば…… 彼がルオゾールの力を利用し、反攻を開始すれば、 大きな内乱に発展します」
レフィーナ「そうですね……」
ヤンロン「鋼龍戦隊の他のメンバーの行方が 判明した以上、あなた方にご協力いただくのは 心苦しいのですが……」
ショーン「立つ鳥跡を濁さずと申しますからな。 ここまで来て、素知らぬふりは出来ますまい」
レフィーナ「ええ。この戦乱をここで鎮めましょう。 ヤンロン、直ちに出撃を」
ヤンロン「わかりました」

[ヒリュウ改 格納庫]

ザッシュ「ええっ!?  どういうことなんです、ヤンロンさん!?」
ヤンロン「やはり、父と子が争うのは忍びない。 君は次の作戦に参加しなくていい」
ザッシュ「じょ、冗談じゃありませんよ!  僕が父を止めずして、誰が!」
ヤンロン「思い上がるな。 君は、父親に対して本当に引き金を引けるのか?」
ザッシュ「僕は……僕は、父を殺すつもりはありません。 あの人には生きて、責任を取ってもらう必要が あります」
ヤンロン「………」
ザッシュ「その方が、父を単に討つより困難でしょう?  だから、僕も行くんです。父を拘束することが 出来れば、この戦いは終わります」
ヤンロン「……そこまで考えていたか、ザッシュ」
ヤンロン「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり…… 戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり、と いう。今回、それは至難の業だろうが……」
ヤンロン「君もそれを目指しているのであれば、 君の力を借りることにしよう」
ザッシュ「はい。 それと……気になることがあるんです」
ヤンロン「何だ?」
ザッシュ「父の搭乗機であったガルガードは、後方の基地で オーバーホールを受けることになっていました」
ザッシュ「だからこそ、僕はその直前に あの機体を奪取することが出来たんですが……」
ザッシュ「父があれを手放したことに疑問を感じるんです。 ガルガードは、魔装機神に迫る能力を 発揮する可能性を秘めた魔装機ですから」
ヤンロン「後々のことを考えて、 温存しておく気だったのではないか?」
ザッシュ「もちろん、そうでしょうが…… 他にも理由があるような気がするんです」
ザッシュ「例えば、ガルガードを上回る 強力な機体が用意されているとか……」
ヤンロン「! 超魔装機計画か?  だが、あれは中止になったはず……」
リューネ「ヤンロン、ザッシュ! 何やってんの!  早く機乗しなよ!」
ヤンロン「ああ、わかった。 ……ザッシュ、命を粗末にするなよ」
ザッシュ「はい……!」


第17話
超魔装機エウリード

〔戦域:町周辺〕

(南端にヒリュウ改が出現)
レフィーナ「前部全主砲、攻撃用意!  各機は直ちに出撃!」
(出撃準備)
カークス「ついにここまで来たか」
ヤンロン「邪神の力を利用し、ラ・ギアスを統一した所で、 人心を掴むことは出来ませんよ」
ヤンロン「あなたが蛮行を続けると言うのなら、 僕達のような存在が現れ、阻止するでしょう」
カークス「フッ、マサキ達もそうだったが…… やはり、魔装機神は私の味方をしてはくれぬのだな」
ヤンロン「だから、ルオゾールの協力を仰いだのですか。 フェイル軍に仕掛けたタイミングと言い、 何故、そのような……」
カークス「戴冠式の直前にテリウス殿下が出奔し、 クリストフ……シュウ・シラカワに 連れ去られたからだ」
ヤンロン「!」
ゲンナジー「テリウス殿下が……!?」
リューネ「シュウはいったい何のために そんなことを……!?」
カークス「さてな。 ルオゾールにそのことを問い質したが、 与り知らぬと答えおった」
カチーナ「なるほど…… それで、テリウスっていう大看板を失ったてめえは 焦ってフェイル軍に仕掛けたってわけか」
カークス「………」
ヤンロン「ルオゾールは今、どこにいるのです?」
カークス「あの後、姿を消したままだ。 だが、奴が時間を稼いでくれたおかげで、 この機体を受領することが出来たよ」
(ソディウム級移動要塞の前にエウリードが出現)
ザッシュ「あ、あれは!?」
カークス「超魔装機エウリード…… お前もその名を聞いたことがあろう?」
ラッセル「超魔装機……!?」
ヤンロン「かつて、 カークス将軍が提案し、計画が進められていた…… 魔装機神を超越する魔装機だ」
リュウセイ「つまり、特機みてえな魔装機ってことか」
ヤンロン「密かに開発を続行させていたとは……!」
カークス「マサキ達との戦いや王都制圧作戦で エウリードが間に合っていれば、 後れを取ることはなかった……」
カークス「そして、この機体が量産された暁には、 ヴォルクルスの力を頼らずとも、 ラングランは強大な力を手にすることが出来る」
リューネ「そういうのを、取らぬ狸の皮算用って いうんだよ!」
カークス「フン……他にも戦力はある。 これを見るがいい」
(エウリードの前にヴァルシオン改・タイプCFが出現)
ブリット「あれは……量産型ヴァルシオン改か!」
クスハ「あ、あんな物も召喚されていたの……!?」
カークス「そう、手に入れた時は破損していたが…… こちらで修理を行い、使えるようにした。 後々の量産を踏まえてな」
ヤンロン「ブリット、クスハ…… 君達はあの機体を知っているのか?」
クスハ「え、ええ」
リューネ「あれは、あたしの親父が開発した 究極ロボ・ヴァルシオン……そのコピーさ」
ヤンロン「……!」
リューネ「そんなものを使おうだなんて…… カークス、あんた、やっぱり親父に似てるよ」
カークス「ほう、不思議な因縁だな。 だが、エウリードやヴァルシオンの力があれば、 何も恐れるものはない」
カークス「どんな悪にも屈することなく、 正義を貫くことが出来る……」
カークス「そして、ラ・ギアス全土を統一し、 平和な世界を作り上げるのだ」
ヤンロン「そのために多くの人々を巻き込んでも……ですか?」
カークス「改革に流血は付き物だよ。 犠牲を恐れていては、何も出来ん」
リューネ「ハン、聞き飽きた台詞だね!  要するに犠牲なしじゃ、何も出来ないって 言ってるのと同じだよ!」
カークス「……そうまで言われては、 私としても引き下がるわけにはいかんな」
ゼンガー「己が野望に殉ずるか、 カークス・ザン・ヴァルハレヴィア」
カークス「ここで終わるわけにはいかぬのだよ。 他国が地上人召喚事件の真相を知れば、 様々な手段で我々を糾弾するだろう……」
カークス「そして、今回の事件が起きずとも、 魔神によってもたらされる災厄は 予言されているのだ」
カークス「全てが手遅れになる前に、 私はラ・ギアスを統一し、秩序をもたらす。 これを妨げる者は、何人であろうと排除する」
ヤンロン「あなた自身が魔神になるつもりか!」
カークス「大義を成就するためならば、やむを得まい!」
ヤンロン「ならば、魔装機神操者として、 僕はあなたの野望を阻止する!」
カークス「来るがいい! 私もラングランやラ・ギアスの 命運を背負って、ここに立っているのだ!  かつての同胞とて、容赦はせんぞ!」
(作戦目的表示)

〈vs カークス〉

[リューネ]

リューネ「覚悟しな、おっさん!」
カークス「そんな物言いでは、嫁のもらい手がなくなるぞ、 お嬢ちゃん!」
リューネ「余計なお世話だよ!」
ザッシュ「僕がいるよ!」
カークス「何だと!?」

[ヤンロン]

ヤンロン「カークス将軍、もう止めましょう!  趨勢は決しつつあるのです!」
カークス「まだだ、まだ終わってはおらん!  このままでは、私のために命を懸けてくれた兵達に 申し訳が立たん!」
ヤンロン「馬鹿な! 死んだ者に縛られて、 生きている自分を見失うなど!」
カークス「そうとでも思わねば、私のやってきたことは 全て無駄になってしまう!」
カークス「それだけは認めん! 認めるわけにはいかん!」
ヤンロン「カークス……!  いいでしょう、僕がその業、払ってあげましょう!」

[ゲンナジー]

ゲンナジー「カークス将軍、あなたの野望もここまでです!」
カークス「貴公も敵に回るか、ゲンナジー!  何故、誰も私の成果を評価せぬ!?」

[ザッシュ]

ザッシュ「父さん! 僕は父さんを止めてみせる!」
カークス「我が大義を理解せぬ愚か者が!  容赦はせんぞ、ザシュフォード!」

[リュウセイ]

リュウセイ「カークス将軍!  あんたは力の使い方を間違ってる!  自分でもそれがわかってんじゃねえのか!?」
カークス「万人から賛同を得られる政治などあり得ぬよ!  ましてや、このような戦時下ではな!」

[キョウスケ]

カークス「地上人に我が大義を否定され、 妨害される謂われはない!」
キョウスケ「その怒り……わからんでもない。 だが、お前の野望こそが、おれ達を巻き込んだ」

[ブリット]

ブリット「カークス将軍、あなたの野心は危険だ!  邪神の力を用いて、それが制御できなくなったら、 どういうことになるか……!」
カークス「ヴォルクルスに対する保険、 それこそがこのエウリードなのだよ!」

[クスハ]

クスハ「カークス将軍! 今はラングランの復興が 最優先されるべきことじゃないんですか!?」
カークス「力を以てラングランの主権を確立させねば、 復興は成し遂げられんのだよ!」

[タスク]

タスク「超が付く魔装機ってのがどんなもんか、 見せてもらうぜ!」
カークス「このエウリード、 地上のマシンに後れは取らぬぞ!」

[レオナ]

レオナ「急激な力の行使は、混乱を招くだけよ!」
カークス「それは一時のこと! 悠長に時間を掛けて、 事態を収拾している場合ではないのだ!」

[カチーナ]

カチーナ「カークス!  てめえもビアン・ゾルダークと同じ結末を 迎えることになるぜ!」
カークス「大義に殉ずる覚悟はある…… だが、今はその時ではない!」

[ラッセル]

ラッセル「あなたの行動は、 いたずらに戦火を広げるだけです!」
カークス「今、この時はな……!  だが、私はラ・ギアスの将来を見据えている!  時代は、強大な力を欲しているのだ!」

[ゼンガー]

ゼンガー「お前がラ・ギアスにもたらすものは、平穏に非ず!  邪神の力を借りようとした時点で、 もはや正義はない!」
カークス「正義とは勝者が語るものよ!  その大剣で我が大義を断てると思うな!」

[シャイン]

シャイン「ここで新たな戦を起こすことが、 民草のためになるとは思えません……!」
カークス「この戦いは、ラ・ギアス全土の未来のためなのだ!  後世の歴史が、それを証明するであろう!」
シャイン(でも、あの方の未来は……!)

[レフィーナ]

カークス「貴公らが麾下に加われば、ラ・ギアスの統一を いち早く成し遂げられるものを……!」
レフィーナ「あなたの大義は理解できます……!  ですが、それを成就する方法に問題があるのです!」

[撃墜]

(エウリードに爆煙とスパーク)
カークス「くう、う……!  このエウリードが……敗れるとは……!」
リューネ「言ったろ! 力に頼り過ぎてるって!」
ザッシュ「父さん、脱出して!」
カークス「ザ、ザッシュ……!」
ザッシュ「父さんには、まだやらなきゃいけないことがある!  生きて、全ての責任を取ってもらう!」
カークス「ふっ……ここで私が生き延びるなど…… 私のために命を懸け、死んでいった兵達に 申し訳が……立たぬ……」
ヤンロン「ならば、残された者達への償いは 誰が行うと言うのです!?」
カークス「いずれにせよ……もう遅い…… 脱出装置は……壊れている…… 無論、使うつもりもなかったがな……」
ヤンロン「!!」
ザッシュ「こ、ここで死ぬなんて、卑怯だよ!!  力ずくでも、僕は父さんを!!」
カークス「来るな、ザッシュ…… 母さんとレミアを……頼む……」
(エウリードにスパークが走り、大爆発)
ザッシュ「と、父さぁぁぁぁん!!」
ヤンロン「カークス将軍……!!」
キョウスケ「………」
ゼンガー「……生き恥を晒すつもりはなかったと 言うことか……」
ザッシュ「そ、そんなの……そんなの、卑怯ですよ……!  死んで責任を取るなんて……」
ザッシュ「残された者達は……僕は……」
リューネ「ザッシュ……」
ヤンロン「道は違えてしまったが…… カークス将軍とて、ラングランやラ・ギアスの 将来を案じていたのは事実だ……」
ヤンロン「兵は国の大事、死生の地、存亡の道、 察せざるべからずなり……僕達は、今回の事件から それを学び取らなければならない……」
ザッシュ(……父さん…………)

《神聖ラングラン王国 バランタイン州 セブ神殿》

[セブ神殿(祭壇近く)]

リューネ「マサキ!」
マサキ「リューネ、 おめえもラ・ギアスへ来てたとはな……」
リューネ「ようやく会えたよ。 こっちはこっちで大変だったんだから」
マサキ「そうらしいな。 ここへ来る前にだいたいの経緯は聞いたぜ」
ヤンロン「こちらもな。 地上人召喚事件の発端を開いたのが、 フェイル殿下だったとは……」
テュッティ「でも、何らかの原因で召喚プログラムが暴走して…… 予定を遥かに上回る数の地上人が ラ・ギアスに呼び込まれてしまったのよ」
テュッティ「しかも、戦艦や機動兵器ごと……」
マサキ「フェイル殿下は、シュテドニアスに侵略された ラングランを解放しようとして、勇み足を 踏んじまったんだ」
マサキ「戦力増強のため、地上人を召喚したが…… テュッティが言った通りの結果になっちまった。 そして、それがさらなる混乱を呼んで……」
マサキ「余命いくばくもない殿下は、 事態を収拾し、戦いを終わらせるために ラ・ギアスの武力統一を決意した……」
ザッシュ「……最終的にフェイル殿下は、 僕の父と同じような結論を出されたのですね……」
マサキ「ああ……俺達はそれを止めようとしたが、 フェイル殿下は自らの命と引き替えに 責任を取ることを選んだ……」
ミオ「殿下は、デュラクシールの脱出装置を 予め取り外してたんだよね……」
ヤンロン「……彼女が、ザムジードの?」
テュッティ「ええ、そうよ」
ミオ「あたし、ミオ・サスガ。 グランヴェールのヤンロンさん、だよね。 よろしく」
ヤンロン「ああ、こちらこそな」
リューネ「マサキがサイバスター、ヤンロンがグランヴェール、 ミオがザムジード……じゃあ、残りのガッデスは 誰が乗ってるの?」
テュッティ「私よ」
リューネ(わ、美人……)
プレシア「リューネさん、ですよね?  あたし、プレシア・ゼノサキスです。 お兄ちゃんから色々と話を聞いてました」
リューネ「ああ、確か……マサキの義理の妹なんだよね」
プレシア「はい、よろしくお願いします」
タスク「……たは~、そっちは女子率が高かったんだな。 俺もハガネに乗ってりゃよかったぜ」
マサキ「何言ってんだ、お前?」
タスク「あそこの……ART-1に張り付いてる子も お前の知り合い?」
マサキ「ああ、セニア王女だよ」
セニア「……これがART-1…… Rシリーズとヒュッケバイン・シリーズの ラインの合い具合が見事ね」
リュウセイ「おっ、わかる?」
セニア「わかるわかる。 フレームの剛性が上がって、屈伸時の 重心移動がやり易そうな感じとか」
リュウセイ「そ、そんなことまで……」
リョウト「彼女は魔装機の設計をやってるからね。 それに、パーソナルトルーパー特機の 研究もしてたし……」
リュウセイ「つまり、相当なメカ好きってこと?」
リオ「リュウセイ君とはちょっと方向性が違うわよ。 ヒュッケバインを参考にした魔装機を 作ったぐらいだし」
リュウセイ「マジ!? ど、どこにあるんだ、それ!」
リョウト「リオ、そのことは……」
リオ「あっ……ご、ごめんなさい、セニア」
セニア「ううん……いいの」
リュウセイ「どういうことなんだ?」
リョウト「その魔装機は……デュラクシールは、 フェイル殿下が最後に乗った機体なんだ」
リュウセイ「……!  す、すまねえ、事情を知らずに はしゃいじまって……」
セニア「いえ、大丈夫よ。気にしないで。 今度、時間があったら、ゆっくりと メカの話をしたいわね」
リュウセイ「あ、ああ……」
(速い足音)
マイ「リュウ!」
リュウセイ「マイ……!  色々と心配かけちまったみたいだな」
マイ「ううん、リュウが無事で良かった……」
アヤ「行方不明になっていたあなたとキョウスケが ラ・ギアスへ来ていたなんてね……」
リュウセイ「まあ、俺もこっち側へ戻って来た時は びっくりしたけどよ」
エクセレン「ねねね、キョウスケは 私と会えなくなって、寂しがってた?」
リュウセイ「いや、いつも通りだったけど」
エクセレン「あらら……まったく、もう」
アヤ(寂しがってるキョウスケは ちょっと想像できないけどね)
イルム「これで、ラ・ギアスへ召喚された 鋼龍戦隊のメンバーは全員揃ったか?」
ライ「どうやら、そのようですね」
エクセレン「私以外のATXメンバーとカチーナ組、 ボスとシャイン王女、リューネちゃんが ヒリュウに乗ってたのよね」
シャイン「……ライディ様、ご無事で何よりですわ」
ライ「王女こそ…… よもや、あなたまでもが召喚されていたとは……」
アイビス「……ねえ、クスハ。 あんた達、緋色のシリーズ77…… ベガリオンを見掛けなかった?」
クスハ「え……?  緋色って……もしかして、スレイさんも ラ・ギアスへ来てたんですか?」
アイビス「多分……。 でも、本人が乗っているかどうか、 確認は出来なかった……」
ブリット「俺達はその……ベガリオンは見ていない」
アイビス「そう……」
カチーナ「ムラタやアルジャンとか言うムカつくガキ共とは やり合ったけどな」
カーラ「え?  あの三人、そっちにもちょっかい出してたの?」
ゼンガー「ああ……シュテドニアス軍の傭兵としてな」
ユウキ「彼らは、このままラ・ギアスに 居座るつもりなのか……?」
リューネ「じゃあ、あいつらを見掛けたら、 あたしが懲らしめとくよ」
リュウセイ「って、お前……こっちに残るつもりかよ?」
リューネ「うん。ラ・ギアスに愛着も湧いてきちゃったし…… 何より、マサキがいるからね」
ザッシュ「そ、それが理由なんですか、リューネさん……」
エクセレン「むむっ、その顔……もしかしてもしかすると、 リューネちゃんにホの字な感じ?」
ザッシュ「そ、そそそ、そういうわけでは!」
エクセレン「あらん、わかり易いわねぇ。 ま、ストレートなのはいいことだけど♥」
(足音)
テツヤ「……レフィーナ大佐、 こちら側の点呼は終了しました」
レフィーナ「では、地上へ帰還しましょう」
ヴィレッタ「各員は直ちに乗艦しなさい」
アヤ「了解です、隊長」
ヤンロン「レフィーナ大佐…… 今までありがとうございました」
レフィーナ「いえ、こちらこそ……」
セニア「私からもお礼を言わせて下さい。 それと……」
セニア「あなた達をラングランでの戦乱へ 巻き込んでしまった兄を、 どうか許していただけませんか」
レフィーナ「ええ……今回の事件で、 私達も学び得ることが色々とありましたし……」
レフィーナ「これからが大変でしょうが、 ラ・ギアスの未来のために頑張って下さい」
セニア「……はい」
マサキ「あ、そうだ。 リュウセイ、こいつを渡しとくぜ」
リュウセイ「何だ、そりゃ?」
シャイン「笛……に似ておりますわね」
マサキ「そうそう、一回吹いたらプレシアが、 二回でテュッティ、三回で俺が……」
レオナ「何の話なの?」
マサキ「いや、何でもねえ。 そいつは高性能の小型エーテル通信機でな、 地上とラ・ギアス間で連絡が取れるんだ」
マサキ「何かあったら、呼んでくれ。 俺でよけりゃ、力になるぜ」
リュウセイ「ああ、わかった」
マサキ「言っとくが、つまんねえ用事で呼び出すなよ?  しばらくの間は事後処理で忙しくなるんだから」
タスク「まあ、そりゃお互い様だよな。地上じゃ、 俺達は行方不明扱いだろうし……戻ったら 報告書をいっぱい書かされるのは間違いねえな」
リューネ「あらら…… こういう時は、フリーで良かったと思うよ」
カーラ「うん、まったくだね」
キョウスケ「では、マサキ……元気でな」
マサキ「ああ。また会おうぜ、みんな」

[セブ神殿]

ミオ「行っちゃったね……寂しくなるなあ」
マサキ「ミオ、リューネ…… 本当に地上へ戻らなくて良かったんだな?」
リューネ「まあ、帰ろうと思えば、いつでも帰れるしね」
ミオ「あたしはザムジードの操者だし…… 責任と義務があるもん」
ヤンロン「ほう……いい心掛けだ」
マサキ「なら、操者としての修行がもっと必要だな、ミオ」
テュッティ「まだ使い魔も持っていないしね」
マサキ「しばらくの間は、俺が訓練に付き合ってやる。 ビシビシしごいてやるから、覚悟しな」
ミオ「はい、先生!」
ゲンナジー「特訓ならば、俺も付き合おう」
ミオ「はい……って、誰!? いつの間に!?」
ゲンナジー「さっきからいたのだが……」
ミオ「か、完璧なまでの気配の消し方…… もしかして、忍者?」
ゲンナジー「いや、元水泳の選手だ」
セニア「さあ、みんな。王都へ戻りましょ。 やらなきゃならない仕事は、たくさんあるわよ」
プレシア「はい!」
リューネ「そうそう、一段落したらデートしよ、マサキ」
マサキ「は? 何でだよ?」
リューネ「あーっ、あんた!  前にデートをすっぽかしたこと、忘れたの!?」
マサキ「う~ん、覚えがあるような、ないような……」
ザッシュ「じゃ、じゃあ、リューネさん。 代わりに僕がデートを……」
テュッティ「はああ…… これから忙しくなるというのに、 緊張感ないんだから」
ヤンロン「気を引き締めなければならないぞ。 シュウやルオゾール達は、まだ暗躍を 続けている……」
ヤンロン「それに、テリウス殿下やモニカ王女も 行方不明のままなのだからな」
マサキ「わかってるよ。 シュウやルオゾールが何をしでかそうと、 俺達の魔装機神で食い止めてやるぜ……!」


back index next