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敗軍の将 ヒリュウ改に立ち寄る ~ 第16話 ~

[ヒリュウ改 艦内(食堂)]

リューネ「ええっ、カークス軍とフェイル軍が!?」
ザッシュ「はい。近場にいる部隊の交信を傍受したんですが…… 情報が錯綜していて、事実かどうかは不明です」
ザッシュ「中央からの情報を得ようとしても、 エーテル流の乱れが原因で、ままならず……」
キョウスケ「交戦が行われたとして…… 仕掛けたのは、どちらだと思う?」
ヤンロン「まだ何とも言えない。 カークス軍はシュテドニアス追撃のため、 各方面に部隊を展開していたのだが……」
ヤンロン「フェイル軍がその隙を突き、 カークス将軍の本隊に攻撃を仕掛けたとしても、 そのタイミングに疑問が残る」
ゼンガー「今、内乱が勃発すれば…… シュテドニアス軍に格好の機会を 与えることになるからか」
ラッセル「カークス軍がフェイル軍に 仕掛けたという可能性は……?」
ブリット「カークス将軍はテリウス殿下の後ろ盾だし…… 王位を譲ったフェイル殿下に 牙を剥く理由はないと思うけど……」
カチーナ「これを機に、後で邪魔になるフェイルを始末する…… ってことはねえか。それをやっちまったら、 カークスが悪者になるからな」
ヤンロン「未確認だが、カークス将軍が敗走し、 投降命令を出したという情報もある」
クスハ「そんな……」
リュウセイ「何か……しっちゃかめっちゃかだな」
クスハ「エーテル流の乱れは、 何とかならないものなんでしょうか?」
ランシャオ「ここまで不安定なのは、珍しいです。 もしかすると、ヴォルクルスと何らかの 関連性があるのかも知れません」
ヤンロン「いずれにせよ、 通信網の乱れが錯綜に拍車をかけている」
ヤンロン「少しでも中央に近づき、 僕達の耳目で正確な情報を集めるしかない……」
(アラート)
クスハ「!」
リュウセイ「敵襲か!?」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ユン「カークス軍部隊、2時方向へ転換! 離脱する!」
ショーン「こちらに気づいて、逃げ出しましたか。 怪しいですな」
レフィーナ「ええ、直ちに追跡を!」


第16話
敗軍の将

〔戦域:町周辺〕

(ソディウム級移動要塞とガディフォール8機が南端にいる。北端にヒリュウ改が出現)
ユン「カークス軍部隊、停止! 反転する!」
レフィーナ「両舷停止、現在高度でTD滞空!  各機、出撃せよ!」
(出撃準備)
ザッシュ「あ、あの移動要塞は、父さんの……!」
タスク「じゃあ、あれにカークス将軍が乗ってるのか!?」
レオナ「移動要塞も魔装機も かなりのダメージを負っているわね」
キョウスケ「カークス将軍が敗走したという情報は、 真実だったのか?」
ザッシュ「父さん! 父さんなんでしょ!?」
カークス「ザッシュ……! 何故、お前がそこにいる?」
ザッシュ「僕は……リューネさん達と共に戦う。 父さんが心を改めない限りね」
カークス「そうか……ならば、お前とは親子の縁を切る。 あくまでも私の邪魔をするというのなら…… 容赦はせんぞ」
ザッシュ「……わかってるさ」
ヤンロン「カークス将軍…… あなたが戦った相手はフェイル軍ですか?」
カークス「そうだ。魔装機神サイバスター、ガッデス…… そして、ハガネの部隊だ」
レフィーナ「!!」
ブリット「ハガネのみんなは、フェイル軍に……!?」
ヤンロン「そして、彼らに敗れたのですね?」
カークス「フ、フフフ……おかげでこの様だよ。 やはり、魔装機神の力は侮れん…… そして、ハガネの戦士達もな」
リューネ「先に仕掛けたのは、どっちなのさ?」
カークス「それを知って何とする?」
リューネ「ハッ、答えられないってのかい?  じゃあ、仕掛けたのはあんただね。 大方、やましいことがあったんだろ?」
カークス「………」
ヤンロン「事情は後でお聞きします。 シュテドニアスとの戦いがようやく終わるというのに 内乱を起こすなど……以ての外です」
ヤンロン「直ちに武装解除し、投降して下さい」
カークス「それは……出来ん」
ザッシュ「父さん!」
カークス「ここまで踏み出した以上、 後戻りは出来んのだ」
ザッシュ「それに付き合わされる兵は、 たまったもんじゃないよ!」
ザッシュ「ラングラン解放のため、父さんの下に 集った多くの人達を反逆者にするつもりなのか!?」
カークス「……部下達にはフェイル軍への投降命令を出してある。 それでも、まだ私に付き従ってくれる者は いるが……」
ヤンロン「少ない戦力で、 どうやってラ・ギアスを統一すると言うのです?」
カークス「方法は……あるのだよ」
【デモイベント『ナグツァート登場』】
(東端にナグツァートが出現)
ルオゾール「……お待たせしました、カークス殿」
レオナ「ルオゾール!?」
ルオゾール「ここは私にお任せいただき、あなたは例の場所へ」
カークス「うむ」
ヤンロン「カークス将軍!  ルオゾールなどと手を組んだのですか!?」
ザッシュ「ラングランの統一方法って、まさか!?」
カークス「力だよ、ヤンロン、ザッシュ。 時代を作るには魔装機神のような…… いや、それを超える力が必要なのだ」
ヤンロン「馬鹿な!  ルオゾール達の目的が何なのか、御存知でしょう!  あなたは彼に利用されているだけです!」
ルオゾール「利用しているのは、お互い様なのですよ。 さあ、カークス殿……早く離脱を」
カークス「……わかった」
(ソディウム級移動要塞が撤退、ガディフォール8機も撤退)
ザッシュ「と、父さん!!」
ルオゾール「それでは…… しばしの間、お付き合いいただきましょうか」
(町の南側にデモンゴーレムが出現)
タスク「ちっ、デモンゴーレムが!」
ルオゾール「それだけではありませんぞ。 あの後、私はヴォルクルス様の分身の復活に 成功しましてな……」
ゲンナジー「何だと!?」
ルオゾール「あなた達には、 その贄になっていただきましょう」
(ヴォルクルス(上)が5体出現)
シャイン「な、何という禍々しい気ですの……!?」
クスハ「暗くて、重い邪念……!」
ヤンロン「尋常ではない負の気を感じる……!」
レオナ「あれがヴォルクルス……!」
ルオゾール「正確に言えば、その一部ですが…… 我が神は一度目覚めたが最後、 破壊の限りを尽くされます」
ルオゾール「これら分身に知性はございません。 破壊衝動のみで行動されるのです」
シャイン「そ、そんな物が神だなんて……!」
タスク「ただの化け物じゃねえか!」
ルオゾール「万物全てに平等なるは、これ、死のみ。 至高にして絶対の真理を享受なさい」
リューネ「あんな怪物を使って、ラ・ギアスに 平和がもたらされるわけなんてないよ!」
ヤンロン「それどころか、全てが滅ぼされかねん。 カークス将軍は、本気でヴォルクルスを 制御できると考えているのか……!?」
ルオゾール「私共はラングランの混乱が長引けば長引くほど、 活動し易くなります」
ルオゾール「それに、死にゆく者の怨念や悲嘆は ヴォルクルス様への良質な供物ですからね」
ルオゾール「では、あなた方にヴォルクルス様による 救いがもたらされんことを……」
(ナグツァートが撤退)
ヤンロン「くっ、ルオゾールめ……!」
ザッシュ「は、破壊神ヴォルクルス……!  あんな物を倒せるのか……!?」
リューネ「しっかりしなよ、ザッシュ!  破壊神って言っても、あいつらは デッドコピーみたいな物なんでしょ!」
カチーナ「こちとら、地上でアインストっていう 化け物軍団と戦ったことがあるからな!  ビビりはしねえぜ!」
リュウセイ「ハガネのみんなの行方もわかったんだ、 ここで俺達が負けるわけにはいかねえ!」
レフィーナ「各機、攻撃開始!  ヴォルクルスの分身を殲滅するのです!」
(作戦目的表示)

〈vs ヴォルクルス〉

[リューネ]

リューネ「まったく、あんな化け物のどこが 神だって言うのさ!」

[ヤンロン]

ヤンロン「カークス将軍……己の野望を成就させるためには 本気で手段を選ばぬということか!」

[ゲンナジー]

ゲンナジー「醜き化け物め……退治してくれる!」

[ザッシュ]

ザッシュ「あれがヴォルクルス…… 何て邪悪なプラーナなんだ……!」
ザッシュ「あんな物を使うなんて…… 父さんのやり方はどう考えても間違ってる!」

[リュウセイ]

リュウセイ「へっ、いかにも邪神って感じの面構えじゃねえか!  ここできっちり退治してやるぜ!」

[キョウスケ]

キョウスケ「人に仇なす邪神か。 ある意味、能書きをたれる人間よりわかり易い」

[ブリット]

ブリット「あんな怪物を野放しにするわけにいくか!」

[クスハ]

クスハ「ヴォルクルスの邪念……払いのけてみせますっ!」

[タスク]

タスク「ゴーレムに邪神か!  ますますファンタジー物っぽくなって きたじゃねえか!」

[レオナ]

レオナ「ヴォルクルス…… あなたの生け贄になる気はなくてよ」

[カチーナ]

カチーナ「化け物の一つや二つで あたしらを止められると思うんじゃねえぜ!」

[ラッセル]

ラッセル「同じ物が何体もいるということは…… 自己増殖や再生能力を持っているのか!?」

[ゼンガー]

ゼンガー「ヴォルクルス……破邪の剣にて、貴様を断つ!」

[シャイン]

シャイン「あれが邪神ヴォルクルス……でも、退きませんわ!」

〈敵機全滅〉

ユン「戦域内の敵機反応、全て消えました!」
ショーン「ハガネの行方がわかったのは幸いですが、 カークス将軍を放っておくのは危険ですな」
ヤンロン「レフィーナ大佐、将軍を追いましょう。 ここで僕達が彼を止めなければなりません」
レフィーナ「わかりました。 本艦はこれよりカークス将軍を追撃します」


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