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サプライズド・アタック ヒリュウ改に立ち寄る ~ 第7話 ~

[ヒリュウ改 艦内(食堂)]

タスク「いや、ヒリュウ改と合流できて良かったぜ。 ここのコーヒーは、そんじょそこらのサ店より うめえしな」
ラッセル「そうですね…… 戻れる所があるって、いいですよね」
タスク「正直、あのメンバーは ちょっとキツかったしなぁ」
ラッセル「え?」
タスク「まず、お堅いムッツリ系が二人と一匹いるだろ。 んで、良く言えば男勝り、悪く言えば がさつな女の子が二人……」
タスク「いやもう、癒しが足りなくてさ。 渇いちゃったよ、ホント。あのままじゃ、 おめえが癒し役になる所だった」
ラッセル「は、はあ……」
タスク「レフィーナ艦長と会った時、ようやく潤いを感じたぜ。 ああ~、早くレオナちゃんに会いてえなぁ」
ラッセル(と言うか、レオナ少尉は 癒し系じゃないと思うけど……。 ん? 待てよ)
ラッセル「あの、タスク少尉。 さっきの話ですが、一人忘れてますよ」
タスク「へ? 誰だよ?」
ラッセル「ゲンナジーさんです」
タスク「あっ……」
ラッセル「あの人、影が薄いですからね……」
タスク(って、ラッセルに言われちゃなぁ)
ラッセル「そうそう、自分はゲンナジーさんに 見覚えがあるような気がして、 データベースで調べてみたんですけど……」
ラッセル「あの人、水泳の選手だったんですよ。 しかも、オリンピックのゴールド・メダリスト」
タスク「ええっ!? マジかよ!?」
ラッセル「マジです。 念のため、ご本人にも確認しました」
タスク「おめえ、あの人と話してんの?」
ラッセル「ええ……実は、ゲンナジーさんとは 結構気が合いまして……」
タスク(い、いつの間にそんな……!  つーか、二人で話をしてたことすら 気づかなかったぜ)

[ヒリュウ改 艦内(通路)]

ゲンナジー「フェイル殿下が生きているだと……!?  本当か!?」
ヤンロン「ああ」
ゲンナジー「どこからその情報を手に入れた?」
ヤンロン「それは訳あって言えないが…… 間違いはないと思う。マサキはともかく、 テュッティは殿下と行動を共にしているかも知れん」
ゲンナジー「フェイル殿下の件が事実だとしたら…… 何故、カークス将軍は俺達にそれを隠している?」
ヤンロン「今、僕達に知られては困るのだろう。 もしかしたら、将軍は……」
ゲンナジー「何だ?」
ヤンロン「いや……杞憂であって欲しいものだ」
ゲンナジー「………」
(足音)
リューネ「……あっ、いたいた」
ヤンロン「何か用か、リューネ?」
リューネ「うん、レフィーナ艦長が呼んでるよ。 カークス将軍についての話を聞きたいってさ」
ヤンロン「……わかった。行こう」

[ヒリュウ改 艦長室]

レフィーナ「昼行灯、ですか……」
ヤンロン「ええ。カークス将軍は、この戦乱が起きるまで そう言われていました」
ヤンロン「ですが、王都でテロ事件が発生し、 シュテドニアス軍が侵攻を開始した後、 頭角を現したのです」
ヤンロン「そして、自軍を率いて、反抗を開始し…… トロイア州を奪還するまでに至りました」
ショーン「ふむ……遅咲きで才能が開花したのか、 化けの皮が剥がれたのか、どちらなのでしょうな」
ヤンロン「ともかく、現状のカークス軍は ラングラン解放の急先鋒であることに 違いはありません」
レフィーナ「わかりました。まもなく、トロイア州に到着します。 カークス将軍の人となりは、直接お会いして 確かめさせていただきましょう」

[カークス軍 野営地]

ヤンロン「……カークス将軍、 ヒリュウ改の艦長をお連れしました」
カークス「ご苦労、ヤンロン」
レフィーナ「地球連邦軍極東方面軍第1独立特殊部隊…… 鋼龍戦隊司令、戦闘母艦ヒリュウ改艦長、 レフィーナ・エンフィールド大佐です」
カークス「わざわざの来訪、痛み入る。 私がカークス・ザン・ヴァルハレヴィアだ。 今の所、ラングランの代表を務めている」
ヤンロン(代表、か……。 フェイル殿下が生きておられると言うのに……)
カークス「ヤンロン達への協力を改めて感謝する。 補給物資の便宜も図ろう」
レフィーナ「ありかどうございます。早速ですが、 この地へ召喚された地上人と、帰還方法について お尋ねしたいことがあります」
カークス「諸君らを地上に戻すことは可能だ。 しかし、送還魔法を使える神官達が散り散りに なっており、準備にかなりの時間が掛かる」
カークス「少なくとも、王都を奪還し、この戦乱が収まらねば 目処が立たん。また、召喚が多発してしまった 原因の追究と地上人の捜索も行ってはいるが……」
カークス「現状で、そちらに人手を割くことは出来ん。 申し訳ないが、諸君らにはしばらくこの地に 留まってもらうしかない」
レフィーナ「地上へ戻れる時が来るまで、 あなた方に協力しろと……?」
カークス「そうしてもらえれば、助かる。 それが元の世界へ帰還する近道だからな」
レフィーナ「我々としても降りかかる火の粉は払うつもりで おりますが……」
(速い足音)
兵士「カークス将軍! 敵部隊が三手に分かれ、 こちらへ急速接近中です!」
カークス「ふん……苦し紛れの奇襲を仕掛けて来たか、 あるいは陽動か。いずれにせよ、迎撃する。 私はガルガードで出るぞ」
レフィーナ「将軍自らが……?」
カークス「自国を奪還するための戦いとは、 そういうものだよ、大佐」
カークス「そして、何としてもシュテドニアス軍を撃退し ラングランに平穏を取り戻すという、 私の決意表明でもある」
レフィーナ「……わかりました。我々も参戦しましょう。 この地の戦乱を終わらせるために」


第7話
サプライズド・アタック

〔戦域:カークス軍野営地周辺〕

(ヒリュウ改、ガルガードが出現済み)
レフィーナ「各機、直ちに出撃せよ!」
(出撃準備)
カークス「こちらへ向かって来る敵は、 私と鋼龍戦隊が引き受ける」
カチーナ「大将自ら出撃かよ。いい度胸じゃねえか」
タスク「あの魔装機、カッコいいッスね。 腕が4本もあるし」
キョウスケ「見た目はグランヴェールに似ているな」
ヤンロン「ガルガードの性能は、魔装機神に迫るものがあるが…… 設計思想は僕の機体より、むしろサイバスターに近い」
ユン「敵部隊、レンジ2に進入します!」
(シュテドニアス軍が出現)
カチーナ「来やがったな! 行くぜ、野郎共!」
リューネ「ちょっと! 野郎で一括りにしないでよ!」
カチーナ「細けえこと気にすんじゃねえ!」
タスク(ああ~、渇くなぁ)
カークス(鋼龍戦隊……その力、直に見せてもらおうか)
(作戦目的表示)

〈3EP or 敵機を7機以上撃墜〉

(ヒリュウ改にアラート)
ユン「敵機接近! 1時方向より真っ直ぐ!  数は4!」
(ケルベリオン・パッセとレンファ3機が出現)
シアン「ヘッ、出遅れちまったぜ。 だが、そのおかげでいい獲物にありつけた」
カチーナ「何だ、あいつ……魔装機にゃ見えねえな。 地上の機体か?」
ラッセル「ですが、該当するデータはありませんよ!」
シアン「いよう。 てめえら、鋼龍戦隊だろ。噂は聞いてるぜ」
リューネ「あんた、地上人だね!?」
シアン「ああ、俺はシアン・アルジャン。 ブーステッド・チルドレンさ」
タスク「何だって!?」
リューネ「本当なの!?」
シアン「ああ。だが、俺をブロンゾ28や27みたいな 格下と一緒にすんなよ」
シアン「俺はアルジャン・クラス…… アウルム1が死んだ今となっちゃ、 ブーステッド・チルドレンのナンバー1だな」
キョウスケ「アラド達から他に生き残りがいると 聞いていたが……」
ラッセル「もしや、彼らもリマコンを受けて……!?」
シアン「おいおい、薬漬けだった連中と一緒にすんなよ。 俺はこの稼業が性に合ってんだ」
シアン「それに、この世界にいた方が稼げそうだしな。 しかも、相手がてめえらなら申し分ねえ」
キョウスケ「お前はどこの所属だ?  連邦軍には見えん……ノイエDCの残党か?」
シアン「今はシュテドニアス軍に雇われてる。 地上での所属を教えるつもりはねえな」
キョウスケ「……答えられないということか?」
シアン「じゃ、ノイエDCの残党で構わんぜ?  がっぽり稼げりゃ、どこでも構わねえからな」
タスク「アラド達とは随分感じが違うな……」
シアン「所詮、あいつらは欠陥品さ。 ブーステッド・チルドレンとして 本来あるべき姿は、この俺だ」
カチーナ「知ったことか!  あたしらに喧嘩を売るってんなら、 買ってやるぜ!」
シアン「ヘッ……鋼龍戦隊を仕留めたとなりゃ、 地上に戻っても俺達は勝ち組だ」
シアン「他の連中には悪いが、手柄をいただく。 てめえらには負け組になってもらうぜ。 覚悟しな!」
(作戦目的表示)

〈vs シアン〉

[リューネ]

シアン「DC総帥の娘を仕留めたとなりゃ、 名が上がるってもんだぜ!」
リューネ「あんたなんかの踏み台になる気はないよ!」

[ヤンロン]

シアン「知ってるぜ、この世界じゃ魔装機神は 大金星だってなぁ!」
ヤンロン「あのような者まで召喚されているとはな……!」

[ゲンナジー]

シアン魔装機神ほどじゃねえが、 魔装機も仕留めりゃ儲かるからな」
ゲンナジー「………」
シアン「おい! 何とか言えよ、おっさん!」

[カークス]

シアン「おいおいおい、ラングランの総大将か!  あいつを殺りゃあ、儲かる所の話じゃねえぜ!」
カークス「そのような低い志で、 私の首を獲れるなどと思うな」

[キョウスケ]

シアン「てめえ、あのATXチームの隊長だろ?  キョウスケ・ナンブだな?」
キョウスケ「それを確かめて、どうする?」
シアン「ATXチームは極上の獲物だからな!  仕留めりゃ、儲かるんだよ!」
キョウスケ「自分の命と引き替えにする気があるなら、 掛かって来るがいい……!」

[カチーナ]

カチーナ「あたしらに喧嘩を吹っ掛けて、 ただで済むと思うなよ!」
シアン「おーおー、年増は怖いな」
カチーナ「誰が年増だっ!  ガキが生意気なことを言ってんじゃねえ!!」

[ラッセル]

シアン「てめえ……ええっと、誰だっけ?」
ラッセル「オクトパス隊、ラッセル・バーグマンだ!」
シアン「知らねえなぁ…… ま、鋼龍戦隊のメンバーなら、手柄になるけどな」

[タスク]

タスク「てめえの機体、もしかしてリオン・シリーズか!?」
シアン「そうだ!  こいつはケルベリオンってんだ、覚えときな!」
シアン「と言っても、ここで死んだら意味ねえけどなぁ!」

[HP8500以下]

シアン「チッ、やってくれるぜ!  だが、俺は負け組になる気なんざねえんだよ!」
(ケルベリオン・パッセが撤退)

〈敵機全滅〉

ユン「戦域内の敵機反応、消えました。 他の敵部隊も撤退を開始したようです」
レフィーナ「敵の本当の目的は、陽動……?」
カチーナ「さっきのガキ…… 色々ほざいた割にゃ、あっさり引き揚げやがったな」
ラッセル「連邦軍でもノイエDCの残党でも なさそうな感じでしたね……」
キョウスケ「奴の機体は新型のリオン・シリーズだった。 イスルギ絡みか、あるいは……」
ラッセル「ひょっとして、GS……?」
リューネ「それ、小耳に挟んだことあるけど……何なの?」
ラッセル「連邦政府大統領の直轄組織で、 新型兵器の開発やテストを行っているそうです」
ラッセル「そして、その本拠地はグランド・クリスマス…… かつて、アイドネウス島と呼ばれていた所です」
リューネ「!!」
ラッセル「そこは周辺海域が封鎖されている上、 島一帯が特殊シェードで覆われていて、 サテライト・シーカーでも不可視状態だとか」
キョウスケ「……色々とキナ臭い噂を聞くな」
リューネ(親父の……かつてのディバイン・クルセイダーズの 本拠地がそんなことに……)
カチーナ「何にせよ、ラ・ギアスにいたんじゃ、 調べようがねえぜ」
ヤンロン「……カークス将軍、よろしいですか?」
カークス「話があるのなら、後にしてもらおう。 我々はこのまま撤退した敵部隊を追撃する」
カークス「このトロイアからシュテドニアス軍を一掃し、 我らの力を示さねばならん。一刻も早く、 連中との戦いを終わらせるためにな」
ヤンロン「了解しました」
カークス「レフィーナ大佐、引き続き協力を頼みたい」
レフィーナ「……わかりました。直ちに追撃に移ります」


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