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己の信じるもののために ~ 第39話 ~

《???》

アルフィミィ「……今の『鍵』で 『門』を開くことは困難……」
???(レジセイア)「……」
アルフィミィ「やはり、 『扉』とその『鍵』を 使うしかありませんの……」
???(レジセイア)「我の……依り代……」
アルフィミィ「素材は 地上で手に入れましたの……」
アルフィミィ「私達の構成物質と似た 特性を持ち……向こう側の物質との 融合を促進させる……素材……」
???(レジセイア)「我が……器……」
アルフィミィ「選別は終わりました……。 白き魔星……あれを使いますの」

《ホワイトスター内部》

ウェンドロ「ふうん……。 メキボスは奴らに敗れたのか」
アギーハ「はい」
ウェンドロ「グレイターキンの反応は?」
アギーハ「ありません。 おそらく、撃墜されたかと」
ウェンドロ「意外に呆気なかったね」
アギーハ「ヴィガジも含め、 所詮その程度の男だったと いうことでしょう」
ウェンドロ「……まだわからないけどね」
アギーハ「は?」
ウェンドロ「何でもない。 それより、ネビーイームの警戒態勢を 強化するんだ」
ウェンドロ「これから僕達は アインスト以外の客を 出迎えなきゃならないからね」
アギーハ「では…… ここでハガネとヒリュウ改を 迎え撃つのですか?」
ウェンドロ「ああ。 もっとも、それはシャドウミラーが 自発的にやってくれるみたいだけど」

《ホワイトスター内部》

レモン「……異常重力帯?」
エキドナ「はっ。反応はまだ微弱ですが、 ホワイトスター全体を包むようにして 発生しています」
レモン「……」
ヴィンデル「アインストの仕業か?」
レモン「多分、そうでしょうけど…… 今までになかったケースね。 何だか嫌な予感がするわ」
ヴィンデル「……」
レモン「念のため、ツヴァイを シロガネからこちらへ移しておいた方が いいんじゃないかしら?」
ヴィンデル「うむ、他の戦力も共にな」
(アラート)
レモン「! またアインストかしら?」
ヴィンデル「……リー、状況を報告しろ」
(通信)
リー「第3防衛ライン上に アインスト群が転移出現しました。 規模は前回とほぼ同等です」
ヴィンデル「追撃は?」
リー「インスペクターからは アギーハ隊が出撃するようです。 我々はいかが致しますか?」
ヴィンデル「ツヴァイを シロガネから降ろす。それまで待機だ」
(通信)
アクセル「……悪いが、おれは先に出るぞ」
レモン「ちょっと待って、アクセル。 状況が少し変わってきたのよ。 しばらくの間は……」
アクセル「様子見ならお前達に任せる。 それに……ベーオウルフ達はこちらへ 向かって来ているんだろう?」
ヴィンデル「ああ」
アクセル「ヘリオスの件もある。 ツヴァイの搬出が済み次第、 シロガネを外へ回せ」
(通信)
レモン「あ~あ、 またいつもの病気が……」
ヴィンデル「構わん、奴に任せる。 出来る限り早くヘリオスを 手に入れておきたいのでな」
レモン「そうね……。 重力異常帯のことも気掛かりだし」
ヴィンデル「最悪の場合は シロガネを囮にし、我々だけでも 転移を行う」
レモン「……アクセルは?」
ヴィンデル「ここでもしんがりを 務めるほど愚かではあるまい」
レモン「どうかしら?  彼、最後まで拘るかも知れないわよ」
ヴィンデル「……」
レモン「……W16、 あなたもアクセルと一緒に出なさい」
エキドナ「はっ」
レモン「あなたの 役目はアクセルを守ること……。 ただし、あなたも生還するのよ?」
レモン「もうナンバーズは あなたしか残っていないのだから」
エキドナ「……わかりました」

〔戦域:ホワイトスター周辺宙域〕

アクセル「ゲシュペンストMk-IIIもどきが!  堕ちろ!」
(アインストアイゼンを数機撃墜)
アギーハ「化け物共め、 これ以上先には行かせないよ!」
(南側のアインストを数機撃墜)
アクセル「これで第3ラインまで 入り込んだ連中は片づいたか」
エキドナ「残りは外周部の敵だけです。 しかし……」
アクセル「ああ。 すぐに新手が現れるだろうな」
エキドナ「お気をつけ下さい、 アクセル隊長……」
エキドナ「あなたは シャドウミラーにとって大事なお方。 そして、これはレモン様からの……」
アクセル「人形ごときに 心配される謂れはない」
エキドナ「……」
アクセル「お前達も奴らと同じだ。 代わりはいくらでもいる」
エキドナ「……その通りです」
アクセル「ふん……」
アギーハ「アクセル、こっちは 弾薬が尽きた。しばらく任せるよ」
アクセル「了解した。 ……別に戻って来なくても構わんぞ」
アギーハ「じゃあ、 お言葉に甘えさせてもらうわ」
アギーハ(……化け物相手に あたい達が出張る必要はないからね。 せいぜい利用してやるさ)
(シルベルヴィントが撤退)
アクセル(システムXNの調整が 終われば、お前達に用はない……)
アクセル(束の間の逢瀬を せいぜい楽しむがいい)
(アラート)
リー「S28フィールド付近に アインストの転移反応あり!  全機、警戒せよ!」
(アインストが出現)
アクセル「チッ…… まったく、キリがない」
リー「アインストは我々を ホワイトスターに封じ込める気だとでも 言うのか?」
アクセル「それだけで 終わらせるような連中ではあるまい」
リー「どういうことだ?」
アクセル「……アインストの目的については 連中の方が詳しいかも知れんぞ」
リー「!?」
(アラート)
リー「この反応は……!!」
アクセル「フッ…… 待っていたぞ、お前達を……」
(クロガネとヒリュウ改が出現)
ユン「艦長、ホワイトスター宙域への 侵入に成功しました!」
レフィーナ「ようやく 戻ってくることが出来ましたね、 ここへ……!」
ショーン「ええ。 これからが本当の正念場ですぞ」
レフィーナ「わかっています」
マイ「あれが……ホワイトスター……。 私はかつてあそこにいた……」
アヤ「マイ……!」
マイ「大丈夫だ、アヤ。 あれにはもう……囚われない」
ギリアム「……ここまでの事態を 招いたのは、あの時にホワイトスターを 守れなかった我々の責任でもある……」
ヴィレッタ「ええ。これ以上、 あの自動惑星をインスペクターに 使わせるわけにはいかない」
リューネ「あの時の借り、 あいつらにキッチリ返してやるよ!」
レフィーナ「各機、直ちに出撃を!」
(アルトアイゼン・リーゼ、エクセレン機、ラミア機が出撃、出撃準備)
リー「クロガネ……テツヤ・オノデラか」
テツヤ「リー……!  リー・リンジュン!!」
リー「フン…… ダイテツ・ミナセの命と引きかえに ようやく艦長の座についたか?」
テツヤ「黙れ! 本艦の艦長は 今でもダイテツ中佐だ!」
リー「死人が艦長だと?  貴様らしい考えだな、テツヤ」
テツヤ「何!?」
リー「死んだ者は無力だ。 そんな存在に引きずられるなど…… まったく、反吐が出る」
リー「それに、貴様のことだ…… 新艦長の座を辞退し、艦長代理にでも 甘んじているのだろう」
テツヤ「……!!」
リー「だが、それが分相応というものだ。 やはり、お前はナンバー2が 良く似合うからな」
テツヤ「何とでも言え!  だが、ここでお前達との 決着をつけさせてもらう!」
アクセル「望む所だ。 シャドウミラー隊は間もなく 本来の作戦に移る……」
アクセル「その前に 憂いは断っておかねばならん」
キョウスケ「本来の作戦?」
エクセレン「どういうこと?」
アクセル「フ…… 予測ぐらい出来るのではないか?」
ラミア「次元転移による元の世界への 帰還……そして制圧、ですね」
アクセル「簡単な図式だろう?」
カチーナ「だったら、 さっさと自分の家へ帰りやがれ!  迷惑なんだよ!」
アクセル「確実性の問題でな…… 今のシステムXNにはヘリオスが要る」
アクセル「奴をツヴァイに組み込めば、 より確実に元の世界へ帰還できるのだ」
ギリアム「……」
アクセル「もっとも……ヴィンデル達は 最悪の場合、お前なしでも次元転移を 行うつもりのようだがな」
ギリアム「だが、それは……」
アクセル「ああ、 あまりにも分の悪すぎる賭け…… おかげでおれは多くの部下を失った」
アクセル「だから、 同じ過ちを繰り返さないために、 おれはここでお前を待っていた」
ラミア「……」
キョウスケ「アクセル・アルマー…… おれ達の世界を荒らしておいて、 ただで帰れると思うな」
アクセル「無論、駄賃はいただいていく。 『向こう側』の貴様を倒すためにもな」
キョウスケ「『こちら側』の おれに戦いを挑んだのは、 その予行演習というわけか」
アクセル「そうだ」
ラミア「それだけではないでしょう?」
アクセル「……!」
ラミア「ヴィンデル様は 執着力の強いお方……」
ラミア「今回の作戦が成功したら、 次の標的はこの世界……ですね?」
アクセル「W17…… 機能不全とは言え、読みは的確だな」
ラミア「……」
アクセル「前にも言った通り、 ヘリオスをシステムXNへ組み込めば、 転移機能がより安定する」
アクセル「そして、奴のクローン…… あるいは、奴を基にしたWシリーズと共に 転移装置付きの機体を量産……」
アクセル「それでおれ達は、 インスペクターより自在に……確実に 敵地へ戦力を送り込むことが出来る」
ギリアム「……」
アクセル「量産機動兵器レベルで 安定した転移機能を持つ軍隊……」
アクセル「異星人共をも凌駕する 最強の軍隊の誕生だ」
キョウスケ「そして…… 様々な世界に戦争の火種を まいて回るというわけか」
アクセル「そうだ。 兵士が兵士であるための世界……」
アクセル「おれ達の存在理由が 確立される世界を創るのだ」
マサキ「じゃあ、てめえらを 黙って返すわけにはいかねえな!」
カーラ「この際だ、ヴィンデル大佐も ここへ引っ張ってきなよ!」
アクセル「おれ達だけで充分だ。 さあ、ベーオウルフ、W17…… 決着をつけよう」
キョウスケ「言われるまでもない」
ラミア「……勝負です、隊長……!」
テツヤ「レフィーナ中佐、 シロガネは本艦で食い止めます!」
テツヤ「そちらは一刻も早く ホワイトスターへの突入を!」
レフィーナ「いえ!  後顧の憂いを断たねばならないのは、 こちらも同じです!」
レフィーナ「そして、私はあなた達を 失うわけにはいきません!」
テツヤ「レフィーナ中佐……!」
レフィーナ「必ず生き延びろ……!  ダイテツ中佐はあなたに そうおっしゃったのでしょう!」
テツヤ「!」
レフィーナ「それに、これからの戦闘は 三つ巴になる可能性が高いのです」
レフィーナ「下手に戦力を分断するのは、 得策ではありません。ですから、 共に戦い、共に生き延びるのです!」
テツヤ「りょ……了解です!」
レフィーナ「ドラゴン2より各機へ!  攻撃を開始して下さい!」
リー「ふん……ナンバー2と 特別措置で艦長になっただけの女が 私に勝てると思っているのか」
アクセル「W16…… ベーオウルフとW17はおれが倒す」
アクセル「お前は ホワイトスターの防衛に徹しろ」
エキドナ「……了解」
(エキドナ機がホワイトスターまで移動)
キョウスケ「アクセル・アルマー、 いつぞやの賭けの続きだ。 ……行くぞ」
アクセル「来い。 貴様らを倒し、おれは本懐を遂げる」
アクセル「そう、己の……」


第39話
己の信じるもののために

〈ソウルゲインHP30%以下〉

アクセル「うぬっ! 機体の修復が!?」
キョウスケ「その隙……逃さん!」
(キョウスケに『熱血』『ひらめき』『必中』、ソウルゲインに隣接、機械音)
アクセル「ベーオウルフッ!!」
キョウスケ「とったぞ!」
エキドナ「アクセル隊長!」
(エキドナ機がソウルゲインに隣接)
【強制戦闘】
キョウスケ[エリアル・クレイモア]vsアクセル[防御](援護防御(エキドナ))
(エキドナ機に爆煙)
ラミア「W16!!」
キョウスケ「奴は……!」
リューネ「あいつ、 アクセルをかばったの!?」
エキドナ「……損傷率……96%……」
アクセル「W16!  貴様、何の真似だ!?」
エキドナ「私の役目は…… 隊長、あなたを生還させることです」
アクセル「! レモンの命令か!?」
エキドナ「……はい」
アクセル「己を犠牲にしても、 おれを守れと?」
エキドナ「いえ…… そうはおっしゃいませんでした」
ラミア「……!」
エキドナ「ですが……与えられた命令を 確実に遂行するため、自分の判断で 行動しました」
アクセル「何……!?」
ラミア「自分の判断で、だと……!?  まさか、W16……お前も!?」
エキドナ「……」
アクセル「W16……!」
エキドナ「……隊長、 すぐに後退なさって下さい。 我々の作戦を成功させるためにも」
アクセル「余計なことを……人形が!」
エキドナ「それが……私の任務です」
ラミア「W16……いや、エキドナ。 未練はないのか?」
エキドナ「未練だと……? W17、 お前はどうしてしまったのだ……?」
ラミア「……」
エキドナ「私の…… いや、我々の代わりは…… いくらでもいる」
ラミア「そうだ。 しかし、エキドナ・イーサッキという 個体はここで消滅する……」
ラミア「お前は…… それで構わないのか?」
エキドナ「無論だ……。 我々に……自我など必要ない……」
エキドナ「任務を果たす…… 人形……兵器であればいい……」
エキドナ「Wシリーズは…… そのために……作られた」
エキドナ「そして……任務を遂行できぬ お前は……壊れて……いる」
ラミア「エキドナ……!」
エキドナ「私はW16…… エキドナ……イーサッキ…… では……な……」
(エキドナ機が爆発)
ラミア「!!」
カーラ「エキドナ……!!」
ラミア(エキドナ…… 結局はお前も……)
ラミア(レモン様の命令に 背いたのだ……自分の意思で……。 隊長を守るために……)
ラミア(そして、 それは紛れもなく…………)
アクセル「このおれが人形に 助けられるとはな。だが……!」
(通信)
レモン「駄目よ、アクセル。帰還して」
アクセル「レモン!  貴様、余計な差し金を……!」
レモン「その話は後。 ホワイトスターの外周宙域に大規模な 重力異常が発生しつつある……」
レモン「こちらのセンサーが それをキャッチしたのよ」
アクセル「何? まさか……!」
レモン「おそらく、新たなアインスト…… ボスクラスか、それ以上のね」
アクセル「……!」
レモン「どうやら本命が来るみたい。 ヴィンデルは予定を繰り上げる気よ」
アクセル「ヘリオスなしで 次元転移を行うと言うのか……!?」
レモン「それだけ危険な状況が 迫りつつあるってことよ。 敵はアインストだけじゃないしね」
アクセル「そうか……ならば」
(ソウルゲインがホワイトスター方向へ移動)
キョウスケ「逃さんぞ、 アクセル・アルマー!」
アクセル「ベーオウルフ……邪魔者は W16だけではないようだ」
キョウスケ「何……?」
アクセル「ホワイトスターで待っているぞ。 もっとも、お前達が生き延びられたらの 話だがな」
(ソウルゲインが撤退)
キョウスケ「待て!」
(精神感応)
エクセレン「!!」
キョウスケ「ち……!」
クスハ「この感じは!?」
マイ「あの赤い奴だ!」
(アラート)
エイタ「0時方向に転移反応!  新たなアインストです!!」
テツヤ「各機、警戒せよ!!」
(アインストが出現)
アルフィミィ「……」
エクセレン「出たわね、お嬢ちゃん」
キョウスケ「アルフィミィ……!」
アルフィミィ「キョウスケ…… エクセレン……そして……」
カチーナ「な、何だ!?」
アイビス「あ、頭の中に……声が!」
シロ「お、おいら達にも聞こえるニャ!」
マサキ「どういうことだ!?」
アヤ「これは……強力な思念波!?」
アルフィミィ「はい……。 だいぶ……安定してきましたので」
エクセレン「安定……!?」
アルフィミィ「まだ…… あなたにはなれませんが」
キョウスケ「何……!?」
アルフィミィ「……」
リオ「わけのわからないことばかり 言って……! あなたの本当の 目的は何なのよ!?」
アルフィミィ「……」
リオ「地球人類を滅ぼすこと!?  それとも、始まりの地だって言う 地球そのものを破滅させること!?」
アルフィミィ「あなた達には 理解できない……そう思いますの」
リオ「そんなの、 聞いてみなきゃわからないでしょ!」
アルフィミィ「聞いても どうにもならないですの……」
アルフィミィ「あなたや 龍虎王の操者に……かの者達の 血が受け継がれているとは言え……」
リオ「かの者達の……血……?  何のことなの!?」
アルフィミィ「……」
ブリット「もう一つのルーツ…… 守護者とか言っていたな。 それと何か関係があるのか?」
アルフィミィ「……」
タスク「都合が悪くなったら、 だんまりかよ!」
リュウセイ「……アルフィミィ、 一つだけ教えろ」
アルフィミィ「……」
リュウセイ「何故、 あのデカいアインストはSRXを 取り込もうとしたんだ?」
リュウセイ「お前達はSRXを手に入れて 何をするつもりだったんだ?」
アルフィミィ「失われた古の記録…… それらへ通じる『門』……。 今は……閉ざされた……」
リュウセイ「!?」
ライ「いったい、何のことだ?」
アルフィミィ「あの力は鍵の一つ…… 『門』を開くための……」
ヴィレッタ「……」
ラミア「彼女が言う『門』と、 アギュイエウスの扉には 何か関係があるのか?」
ギリアム「いや……ないだろうな」
アルフィミィ「あのシステムと…… 力を使って……『門』が開けるか どうか試してみたかったんですの」
アヤ「システム……?  T-LINKシステムのこと!?」
アルフィミィ「でも…… あれは不完全な物でしたの……。 まだ『門』を開くことは出来ない……」
リュウセイ「ど、どういうことだ!?  SRXとお前……『門』ってのに 何の関係があるってんだよ!?」
アルフィミィ「『門』が開ければ…… 素材を集めずとも……」
ヴィレッタ「素材?」
アルフィミィ「そう…… マシンセルもその中の一つ……。 でも、あれも不完全でしたの」
ゼンガー「マシンセルだと……!?」
レーツェル「では、 アインストがアースクレイドルを 執拗に攻撃していたのは……!」
アルフィミィ「そう……マシンセルの サンプルを入手するため……」
アルフィミィ「そして、人間が 人間以外のものになり得るか、 興味があったんですの」
レーツェル(人間以外のもの……だと?)
アルフィミィ「でも、もう時間切れですの。 私も、始まりの地の者達も……」
アルフィミィ「決断は下されましたの。 後は『扉』を開くだけ……そして」
リュウセイ「『扉』……!?  さっき言ってた『門』とは 違うのかよ!?」
アルフィミィ「そう……ですの」
ギリアム「『扉』を開く…… そのためにお前達はホワイトスターを 狙っているのか?」
アルフィミィ「ここには私達の望む物が 比較的揃っていますの……」
アルフィミィ「……力……鍵…… そして、新たな器」
キョウスケ「話にならんな。 お前の言葉で喋ったらどうだ?」
アルフィミィ「キョウスケ…… 私は……私です」
キョウスケ「……いや、そうは聞こえん」
アルフィミィ「……」
エクセレン「あなた……私の何なの?  本当の望みは何?」
アルフィミィ(エクセレン…… あなたこそが……私の……)
エクセレン「……」
キョウスケ「行くぞ、エクセレン。 アルフィミィを倒さなければ、 その向こうにいる奴の意思は見えん」
エクセレン「うん……!」

〈ペルゼイン・リヒカイト撃墜〉

アルフィミィ「……う……!!」
キョウスケ「終わりだ……!」
エクセレン「逃げられないはず……!  ごめんね、お嬢ちゃん……」
アルフィミィ「新しい宇宙…… もう……すぐ……」
(ペルゼイン・リヒカイトが爆発)
カチーナ「やったか!?」
キョウスケ「……」
エクセレン「少し…… 可哀想だったかもね。 情が移ったわけじゃないけど」
キョウスケ「どうかな」
ラッセル「ま、まだ何か残っているって 言うんですか……!?」
キョウスケ「………」
ライ「SRXを狙ってきた 巨大なアインストが姿を現していない。 まだ終わりではなさそうだな」
キョウスケ「ああ。 ……エクセレン、どう思う?」
エクセレン「『見てる』、わね……」
キョウスケ「やはり、 油断は出来ないということか」

〈シロガネ撃墜〉

リー「ぐううっ!!  まだだ! まだ終わらん!!」
リー「奴らに 負けるわけにはいかんのだ!  奴らでは地球を守れんのだ!!」
テツヤ「もうやめろ、リー!  お前は敗れたんだ!」
リー「馬鹿なことを言うな!  私が貴様などに敗北するものか!  ナンバー2の貴様などに!」
リー「艦首をクロガネに向けろ!  何としてもあの艦を沈めるのだ!!」
(シロガネがクロガネに隣接)
エイタ「か、艦長代理! シロガネが こちらへ突っ込んで来ます!!」
テツヤ「特攻するつもりか!?」
リー「ヴィンデル大佐の理想を!  最強の軍隊を! 貴様などに 潰させるものか!!」
レフィーナ「テツヤ大尉、 早く回避を!!」
テツヤ「……」
エイタ「艦長代理!!」
テツヤ「回避はせん!  艦首をシロガネに向けろ!!」
エイタ「は!?」
テツヤ「復唱はどうした!?」
エイタ「は、はい!  艦首をシロガネに向けます!!」
リー「観念したか、テツヤ!  相変わらず貴様は詰めが甘いな!!」
テツヤ「リー!  この艦の舳先に何が付いているか、 忘れたか!」
リー「な……に!?」
【強制戦闘】
テツヤ[超大型回転衝角]vsリー[防御]
(シロガネに爆煙、はじかれる)
リー「ば、馬鹿な!!  私は……私は最強の軍隊を!!」
テツヤ「最強の軍隊……!?  なら、ナンバー2の俺に 敗れはしないはずだ!」
リー「テ、テツヤ……!」
テツヤ「お前は道を違えたんだ。 シャドウミラー……そして、 インスペクターについた時から」
テツヤ「何を守り、 誰のために戦うのか…… それを間違っていたんだ!」
リー「……!!」
(シロガネが爆発)
テツヤ「……だから、お前は俺に……」
テツヤ「いや、 ダイテツ艦長の遺志を受け継いだ 俺達に……敗れたんだ」

〈敵機全滅〉

ユン「戦闘エリア内の敵機、全機撃墜!  アインストの反応もありません!」
レフィーナ「ホワイトスターに 何か動きは見られますか?」
ユン「いえ、新たな敵機が 出てくる気配はないようです!」
ショーン「ふむ……先方は態勢の 立て直しを図っているようですな。 艦長、今がチャンスですぞ」
レフィーナ「ええ、すぐに突入準備を!」
ユン「了解!」
カイ「各機は 周辺警戒を行いつつ、待機!」
カイ「ただし、損傷度の激しい機体と 補給が必要な機体は艦へ戻れ!」
(通信)
エクセレン「プライベート通信……?  キョウスケ?」
キョウスケ「エクセレン、話がある」
エクセレン「もしかして、 最終決戦前にプロポーズとか?  いやん、そんな……心の準備が」
キョウスケ「冗談は後だ。 アルフィミィ……あいつはおそらく」
エクセレン「間違いないわ。 あの子から感じるもの」
エクセレン「ううん、 あの機体から……と言った方が いいかしらね」
キョウスケ「奴ら……アインストが お前をさらった理由……」
キョウスケ「その結果が出るのは 近い気がする」
エクセレン「……」
エクセレン「新しい命…… それがキーワードよ、キョウスケ」
キョウスケ「何?  お前はどこまで知っているんだ?」
キョウスケ「奴らにさらわれ、 その時に何をされた?」
エクセレン「……ごめん……。 断片的にしかわからない……」
エクセレン「だけど……あの事故の時、 私達が助かったのは……」
キョウスケ「何となくわかっている。 だが、確実じゃない……」
エクセレン「聞いて、キョウスケ」
キョウスケ「……推測に過ぎん」
エクセレン「お願い、聞いて」
キョウスケ「……」
エクセレン「あのシャトル事故で…… キョウスケがかばってくれた時……」
エクセレン「私は破片で もう駄目だったことは知ってる……」
キョウスケ「気づいていたのか。 ……そうだ。だが、お前には 傷一つなく……おれも無事だった」
エクセレン「私達を助けたのは…… アインスト……」
キョウスケ「ほぼ間違いないはずだ。 しかし、その理由がお前を 連れ去るためのものだとしたら?」
エクセレン「じゃあ、 何でキョウスケは……?」
キョウスケ「わからん。 だが、お前は返された……」
キョウスケ「それは、 奴らの目的が達せられたからだと 考えられないか?」
エクセレン「……」
キョウスケ「そして、アルフィミィ…… 奴の力が以前より強まったのは……」
エクセレン「あの子は…… あのロボットは分身なのよね」
キョウスケ「分身?」
エクセレン「よくわかんないんだけど…… アインストシリーズって、 大元は一つみたいなの」
キョウスケ「何……?  じゃあ、今まで出てきていたのは?」
エクセレン「言ってみれば、 蜂みたいなものなのよね……」
エクセレン「女王蜂がいて…… それが他のアインストを動かしてる」
キョウスケ「女王蜂…… SRXを取り込もうとした あの巨大な奴か」
キョウスケ「奴を倒さなければ、 アインストは際限なく生まれてくると 言うことなのか?」
エクセレン「確かかどうかは 自信ないけど……地球人類を 滅ぼそうとしてる……」
キョウスケ「何故、そこはわかる?」
エクセレン「何て言うか…… 私もその蜂の一匹だったわけで」
キョウスケ「………」
キョウスケ(アインストの力は 強まっている……)
キョウスケ(女王蜂が力を蓄えれば、 子供も強くなる道理か……ちっ)
エイタ「艦長代理、 突入準備が完了しました!」
テツヤ「よし!  艦首部分にEフィールド展開!  超大型回転衝角、作動!」
テツヤ「これより本艦は ホワイトスター内部へ突入する!!」


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