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一点突破 キョウスケルート ~ 第39話 ~

《自動惑星ネビーイーム》

レビ「そうか…アタッドが死んだか。 では、現在の戦況は?」
イングラム「依然、 こちら側が有利だ」
レビ「敵の様子は?」
イングラム「態勢を立て直し、 ネビーイームへ攻撃を仕掛けている。 現在は艦隊戦の最中だ」
レビ「手心を加えているとは言え、 我らの防衛線を突破してくるとは さすがとでも言うべきか」
レビ「見事な仕込み具合だったな、 イングラム・プリスケン」
レビ「彼らは この自動惑星ネビーイームにとって 相応しい番人となるだろう」
イングラム「………」
レビ「私は今からジュデッカのコアに 入る。後は任せるぞ、イングラム」
イングラム「了解した……」

(アラート)

《ヒリュウ改艦橋》

ユン「第3、4艦隊、全滅です!!」
ショーン「むう…!  残るは我々の旗艦艦隊と 第6艦隊だけですか…!」
ユン「グレートアークより入電!  我、操舵不能! 我、操舵不能!」
レフィーナ「何ですって!?」
ユン「て、敵艦の集中砲撃を受けて…!  ああ、グレートアークがっ!!」
(爆発・アラート止まる)
ショーン「ノーマン少将!!」
ユン「ご、轟沈だなんて…!」
レフィーナ「あ、ああ…そんな…!」
(アラート)
ユン「あ、新たな敵艦隊が出現!  このままでは全滅ですっ!」
レフィーナ「……!!」
ショーン「くっ… これが、彼我戦力差12対1の 現実ですか…」
ショーン「艦長、 ここはいったん後退し、態勢を 立て直してフェイズ3を…」
レフィーナ「そんなことをしている 時間や余裕はありません!」
ショーン「!」
レフィーナ「フェイズ3を省略、 本艦とハガネ以外の艦は 後退させます!」
ショーン「フェイズ3を省略ですと?  まさか、艦長…」
レフィーナ「ええ、 一気にフェイズ4へ移行します!」
ショーン「今の段階では 危険すぎます! それに、本艦と ハガネの火力だけでは…」
ショーン「ホワイトスターの エネルギーフィールドを破れるか どうかも…」
レフィーナ「いえ、艦首部分に エネルギーフィールドを集中し…」
レフィーナ「相互力場干渉で、 敵の結界表面に結晶薄膜化現象を 発生させます」
ショーン「しかし、それでも…。 む? もしや…」
レフィーナ「そうです。 本艦の超重力衝撃砲と、ハガネの バスターキャノンにより…」
レフィーナ「エネルギーフィールドを 『破る』のではなく、零距離射撃で 『撃ち抜く』のです…!」
ショーン「…やれやれ、 ゼンガー少佐やキョウスケ中尉 顔負けの無謀な策ですなあ…」
ショーン「下手をすれば、本艦と ハガネは撃沈…しかし、PT部隊を 要塞内部へ送り込むには…」
レフィーナ「ええ。 それしかありません…!」


第39話
一点突破

(戦艦出撃、出撃準備)
タスク「おいおい!  何で他の艦隊が後退したんだ!?  援護はどうなるんだよ!?」
ラッセル「旗艦が沈んだんだ… これ以上の損害は敗北に つながってしまう…!」
クスハ「あ、あれだけの敵機を… 私達だけで…!?」
リオ「怖がったら駄目!  …怖がったら…その時点で負けよ」
ゼンガー「そうだ。心が折れれば、 その瞬間に敗北が訪れる。 全員…心しろ!」
キョウスケ「…了解」
レフィーナ「各機へ! これより 本艦とハガネはホワイトスターへ 突撃し…突破口を開きます!」
キョウスケ「突破口… ということは…フェイズ4を?」
レフィーナ「そうです。 私達だけで、敵の最終防衛ラインを 一点突破します」
タスク「で、出た…!  艦長のここ一番の大博打が…!」
エクセレン「反省しなさい?  キョウスケ」
キョウスケ「おれのせいか。 …すまんな、みんな」
タスク「あやまるのかよ!」
ライ「…最終作戦だぞ。 もう少し緊張しろ」
エルザム「いや、これくらいが ちょうどいい。過度な緊張は むしろ妨げとなる」
ガーネット「肩の力を抜かせるのも 戦闘指揮官の役目だもんね」
キョウスケ「…?」
エクセレン「はいはい、そこまで。 本人わかってないから」
ブリット「キョウスケ中尉らしい…」
イルム「ま、部下が こんなのばっかりじゃ…艦長も こういう決断をするわな」
レフィーナ「いえ、あなた達の 力を信じているからこそです」
ダイテツ「突破口を開いた後は… 頼むぞ、キョウスケ中尉」
キョウスケ「了解ですが、どうやって ホワイトスターのエネルギー フィールドを破るのです?」
ショーン「心配はいりません。 あなた達は突入後のことを 考えていればいいのです」
キョウスケ(! …まさか?)
エクセレン(もしかして、 艦長達は…?)
レフィーナ「では、ダイテツ艦長…」
ダイテツ「うむ。これより、 ハガネとヒリュウ改は、 ホワイトスターへ突撃する」
レフィーナ「2艦がそこへ到達すれば、 作戦の第一段階は終了です。各機は 援護をお願いします!」

〈ホワイトスターへ到達〉

[ハガネ]

エイタ「目標ポイントへ到達!」
ダイテツ「よし、ヒリュウ改が 来るまで本艦はここに固定!」
ダイテツ「艦首トロニウム・ バスターキャノン、エネルギー 充填開始!」
テツヤ「了解!」
ダイテツ「敵は増援を出してくる はずだ! 各機は本艦と ヒリュウ改の防衛に回れ!」

[ヒリュウ改]

ユン「作戦の第一段階、終了!」
レフィーナ「ホワイトスターの エネルギーフィールドは!?」
ショーン「依然、 展開されております。こちらを 迎え入れる気はないようですな」
レフィーナ「では…」
ショーン「ええ。 始めるとしましょうか…!」
ユン「待って下さい!  エネルギーフィールド外に 重力震反応あり!!」
レフィーナ「!!」
(敵機増援が出現)
ゲーザ「ヒャーハッハッハ!  そこまでだぜ、てめえら!!」
カイ「ガーリオンとバレリオン!?  何故、こんな所に…!!」
ギリアム「いつぞやの ゲシュペンストMk-IIと同じく… 複製された機体か?」
エルザム「いや、機体コードは 確かにDCの物…。だが、すでに 登録は抹消されている」
ライ「何だって…?」
エルザム「つまり、エアロゲイターに 捕らえられ、彼らの尖兵と化した 同胞達というわけだ」
クスハ「そ、そんな…!  あれに乗っているのは私達と同じ 地球人だって言うんですか!?」
エルザム「おそらくな」
クスハ「じゃ、じゃあ… あの人達を助けないと!」
ギリアム「それは無理だ」
クスハ「どうしてですか!?  私だって、ブリット君達が 助けてくれたおかげで…」
ギリアム「君の場合は T-LINKによる制御方法で 操られていたため…」
ギリアム「システムを破壊すれば 良かったが、おそらく彼らは直接的な 改造を受けていると思われる」
ギリアム「助けても元に戻れる可能性は 限りなく低い。カーウァイ・ラウ大佐 のようにな…」
クスハ「……!」
エクセレン「ちょ、ちょい待ち!  私はT-LINKシステムとは 関係なかったんだけど?」
ギリアム「君の場合は 暗示による深層催眠だった。 それに…」
ギリアム「イングラムは君を 返すつもりだったようだからな」
ヴィレッタ「………」
クスハ「……」
カチーナ「クスハ、甘い考えは捨てな。 エクセレンも含めてツイてただけだ。 …あたし達は戦争をやってんだよ」
クスハ「……は…はい…」
リュウセイ「くっ…! 人の命を 何とも思ってねえイングラム達が 企みそうなことだぜ…!」
ライ「薄々は予想していたが、 いざ現実を目の前にすると…」
キョウスケ「感情に流されるな」
エクセレン「…ドライね」
キョウスケ「今は この怒りを飲み込むだけだ」
ゲーザ「相変わらず、スカして やがるなあ! 俺はそういう奴ぁ、 大嫌いなんだっての!!」
ゲーザ「だから、潰してやるぜぇ!  プチプチプチッとなあ!!」
リュウセイ「テンザン!  そこをどけ!!」
ゲーザ「テンザン? 誰だ、そいつぁ?  俺はゲーザ、ゲーザ・ハガナー様 だっての!」
リュウセイ「わからねえのか!?  てめえはエアロゲイターに 捕まって、操られてるんだ!!」
ゲーザ「だったら、どうしたってんだ?  俺はてめえらを殺せば、後は 何だっていいんだよ!」
リュウセイ「な、何…!?」
ゲーザ「そうさ、 ご大層なお題目なんざいらねえ!  過去も未来も関係ねえ!」
ゲーザ「この手で! この足で!  目の前にいる敵を潰せりゃ、 それでいいのさ、ヒャハハハ!!」
リュウセイ「お前…!」
ゲーザ「さあ、かかって来やがれ!  てめえらだって、負けるつもりは ねえんだろ?」
ゲーザ「お互いが命を賭けて戦う… この世の中に、こんな面白い ゲームがあるかっての!!」
リュウセイ「……!」
リュウセイ「いいだろう、テンザン!  ここで最後の決着をつけてやる!!」
キョウスケ「…レフィーナ艦長!」
レフィーナ「あなた達は敵の迎撃を!  エネルギーフィールドの突破は 私達に任せて下さい!」
キョウスケ「…了解。各機へ… 奴のゲームを終わらせるぞ…!」

〈ゲーザ撃墜〉

ゲーザ「うぐっ……かっ…!?」
リュウセイ「今度こそ終わりだ、 テンザン!!」
ゲーザ「かっ…かか…。 そ、そそそうだ…あ、あああ、ああ」
リュウセイ「!?」
ゲーザ「あ、ああ明日は……はは…」
ゲーザ「明日ははは……… バーニングググPTの… けけ決勝大会じゃねえええか…」
リュウセイ「! お前…記憶が!?」
ゲーザ「い、いいい家に帰って、 マママシンの設定しなきゃなななな」
ゲーザ「そ、それでででで… どいつもこここいつも ブチ倒しててて、やる…」
ゲーザ「どいつもこいつももも…なな。 ヒャ、ヒャハハ…ヒヒヒハハハ…!」
ゲーザ「ヒャハハハハハ…ッ、 ヒャーッハッハッハッハァァァ!!」
(爆発)
リュウセイ「…………」
リョウト「…結局… 同じことの繰り返しだった…。 DCとの最終決戦の時も…」
リョウト「…方法は… これしかなかったのか…?」
リオ「…気にすることないわ、 リョウト君……」
リョウト「リオ……」
リオ「……あの人に 同情の余地なんてない。 自業自得よ…」
リョウト「…………」
リオ「…それよりも許せないのは… ああいう形で地球人を利用しようと するエアロゲイターよ…!」
リョウト「うん……」
リュウセイ「…………」
リュウセイ「テンザン……」
リュウセイ「…てめえの ゲームは終わったんだ……」
リュウセイ「今度こそ本当にな…!」
ユン「艦長! 超重力衝撃砲の チャージが完了しました!」
テツヤ「バスターキャノン、 いつでも発射出来ます!」
レフィーナ「わかりました…!  PT各機は両艦の後方に 下がって下さい!」
キョウスケ「了解!」
レフィーナ「キョウスケ中尉、 私達に何が起きても、あなた達は 構わず内部へ突入して下さい」
キョウスケ「やはり、艦長…!」
レフィーナ「いいですね?  必ず要塞の中枢部を破壊し… 私達の所へ戻ってくるのです」
キョウスケ「私達の所…?」
エクセレン「死ぬ気はない… ってことね」
キョウスケ「了解です、 レフィーナ艦長。必ず…!」
ショーン「では、始めましょうか」
レフィーナ「艦首部分に エネルギーフィールドを集中!  機関、最大戦速!!」
レフィーナ「ヒリュウ改、 突撃しますっ!!」
(閃光)

《ヒリュウ改艦橋》

レフィーナ「ううっ!!」
ユン「だ、駄目です!  敵側のフィールドが強力過ぎて… 突破出来ません!!」
レフィーナ「こちらの 出力を最大に!!」
ユン「先程からやってますっ!!」
レフィーナ「オーバーブーストを 使って!!」
ショーン「ユン伍長、 重力ブレーキを解除!  超重力衝撃砲、発射準備!」
レフィーナ「重力ブレーキを!?  そんなことをすれば、発射の 反動で艦体がっ!」
ショーン「越権行為はご容赦を。 それに、この艦はそれほど柔では ありません」
ショーン「あの時の… 冥王星での戦いですら、生き延びた 艦なのですから…!」
レフィーナ「……!」
レフィーナ「わかりました…!」
ショーン「ユン伍長、ハガネにも…」
ユン「すでに同様の申し出が 入って来ています!」
ショーン「さすが、ダイテツ艦長… よくわかってらっしゃる」
ユン「発射10秒前!  総員、対衝撃・閃光防御!!」
ショーン「照準固定!」
ユン「発射5秒前…4…」
レフィーナ(お願い、ヒリュウ… 私達に最後の力を!!)
ユン「3…2…1!」
レフィーナ「超重力衝撃砲、発射!!」
(爆発・閃光)

『SPドリンク』を入手した


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