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作戦コードS・R・W キョウスケルート ~ 第38話 ~

《自動惑星ネビーイーム》

ゲーザ「さあ、説明しろっての!  ヴィレッタが奴らの所にいる 理由をよぉ!!」
イングラム「……理由…だと?」
ゲーザ「寝ぼけてんじゃねえ!  てめえが送り込んだんだろ!?  ああン!?」
アタッド「もうおよし、ゲーザ」
ゲーザ「何だって!?」
アタッド「ああ、わかってた事さね。 あの女はあたしと違って、生粋の バルマー人じゃない…」
アタッド「ガルインと同じ操り人形さ。 糸の切れた…ねえ?」
イングラム「………」
ゲーザ「スカしやがって!  気に入らねえ、ブチ殺してやる!!」
アタッド「相手を間違うんじゃないよ、 ゲーザ」
ゲーザ「何でだ!?」
アタッド「フフフ…結局、この男は ネビーイームを…ジュデッカを 裏切ることなんて出来やしないのさ」
アタッド「だからこそ、目を盗んで 小細工をする…身代わりを作る。 そうだろう? イングラム…」
イングラム「…さあ…な…」
アタッド「そうかい。だけど、 ヴィレッタを放出したのが 決定的だったね」
アタッド「レビ様とジュデッカの 同調が高まるにつれ…あんたに 対する枷の力も増す」
アタッド「だから、その前に あの女を逃がしたのさ。今の人格を 完全に失ってしまう前にねえ…」
イングラム「………」
アタッド「フフフ、 イングラム…何なら、ガルインと 一緒にあんたを調整してやるよ?」
イングラム「…その必要は…ない」
アタッド「…だろうねえ、フフフ」
アタッド「じゃあ、あたしは出るよ」
アタッド「レビ様が、ジュデッカを 完全に起動させるまでの時間を 稼がなきゃならないからね」
ゲーザ「その役目、俺にやらせろ。 仕返しをしなきゃならねえんだ」
アタッド「そう思ってるのは あんただけじゃないんだよ」
アタッド「今度こそ、 あたしをコケにした連中を この手で捕まえてやる」
アタッド「そして、人格が原形を 止めないぐらいに調整し…」
アタッド「木偶人形にしてやるのさ、 ウフフフ…」

《ブリーフィングルーム》

キョウスケ「間もなく作戦開始時刻だ。 各員は自分の機体に搭乗し、 最終チェック後、待機してくれ」
ラッセル「了解です、中尉」
ジャーダ「いよいよ最終決戦だな。 遺書でも書いとくか」
ガーネット「ちょっと、冗談でも そんなこと言わないでよね」
ジャーダ「一応、規則だぜ?」
ガーネット「そんなの嫌よ。あたしは 絶対に生き残るからね。あんたや ラトゥーニ、みんなと一緒に…」
ジャーダ「…ガーネット…」
ガーネット「…あたしを残して、 死ぬのは許さないからね。もし、 あんたが死んだらあたしも…」
ジャーダ「おっと、それ以上は言うな。 絶対に生き残るんだろ?」
ガーネット「うん…」
リョウト「あ、あの…、リオ」
リオ「何? リョウト君」
リョウト「作戦が終わったら… こないだの休暇の時みたいに 横浜の中華街へ行こうよ」
リオ「そうね、みんなも誘って…」
リョウト「そうじゃなくて、二人で…」
リオ「え…!?」
リョウト「だ、駄目かな?」
リオ「う、ううん。そんなことない…。 お互い生き残れたら、ね…」
エクセレン「あらら… これも青春の1ページって もんなのかしらねえ」
エクセレン「んじゃ、私からも。 …ねえ、キョウスケぇ… この戦いが終わったら…」
キョウスケ「何がしたいのか 知らんが、遺書にでも書いておけ」
エクセレン「…そんな不吉な予定表、 見返したくないっつーの」

《ヒリュウ改格納庫》

ブリット「せいっ!!」
ゼンガー「むっ! いい打ち込みだ… しかしッ!!」
ブリット「!!」
ゼンガー「チェストォォォオッ!!」
ブリット「ぐあっ!!」
リシュウ「一本! そこまでじゃ!」
ブリット「う、ううう…くそっ…!  やっぱり、まだ隊長には…」
クスハ「ブリット君! 大丈夫!?」
ブリット「あ、ああ…心配いらないよ」
リシュウ「ふむ…なかなか いい太刀筋じやったぞ、ブリット」
ブリット「あ、ありがとうございます」
リシュウ「しかし…恋人に気を 取られてるようではいかんのう」
クスハ「え…?」
ブリット「い、いや、先生!  そ、そそそんなことは!!」
リシュウ「相変わらずわかりやすい 奴じゃの。ま、いいわい」
リシュウ「守るべき者の 存在は力の源となる。ただし、 次の決戦…命は捨てるでないぞ」
ブリット「え? しかし、 捨て身の一撃こそ、必殺の…」
リシュウ「今はわからんでもいい。 じゃが、斬られる前に斬れという 教えは…」
リシュウ「必勝、 さらに『必生』の極意でもある」
リシュウ「決して、捨て身の意味を はき違えてはならんぞ、ブリット。 そして、ゼンガー…」
ゼンガー「……!」
リシュウ「剣は抜かずに済めば、 無事太平…」
リシュウ「じゃが、抜いたからには 打と意地を以って、立ち塞がる敵を 倒せ。よいな?」
ブリット「は、はい!」
ゼンガー「承知…!」

《艦長室》

テツヤ「テツヤ・オノデラ大尉です」
ダイテツ「そこへ座れ、大尉。 今、杯を出す」
テツヤ「!?  艦長、作戦前ですが…」
ダイテツ「一口だけで構わん。 付き合え」
テツヤ「は、はあ…。では…」
ダイテツ「…お前に酒を注ぐのも これが最後かも知れんな」
テツヤ「艦長…」
ダイテツ「…ワシは今まで多くの 部下を失い過ぎた。もうそろそろ… その報いを受けねばならん」
テツヤ「水くさいことを おっしゃらないで下さい。 自分も…お供します」
ダイテツ「いかん。お前達は何が あっても生き残れ。これは命令だ」
テツヤ「艦長……」
ダイテツ「…今までワシはお前達を実の 子供のように思ってきた。そして… 子に未来を託すのは親の宿命だ」
ダイテツ「今度こそワシに それを果たさせてくれ」
テツヤ(…今度こそ?  そうか、艦長の息子さんは確か…)
ダイテツ「老人の戯れ言だと 笑ってくれても構わんよ」
テツヤ「…自分は今まで常に二番手に 甘んじてきた人間でした」
テツヤ「そして…他人の運に助けられ、 生き残ってきたようなものです」
テツヤ「しかし、今度こそ自分の道は 自分で切り開いてみせます」
テツヤ「ですから、艦長…この杯は 戦いが終わった後でお受けします」
ダイテツ「…わかった。 では、行こうか…ワシらの戦場に」
テツヤ「はっ!」

《ヒリュウ改艦橋》

ショーン「艦長、本艦とハガネは 所定位置に到着しました」
レフィーナ「各員の配置は 完了していますね?」
ショーン「はい」
ユン「作戦開始まで、あと30秒…」
レフィーナ「………」
ショーン「緊張されているようですな。 あまり美容にはよくありませんぞ?」
レフィーナ「ご心配なく。 美容液は普段の3倍増しで塗って ありますから。…ふふ」
ショーン「これはこれは。 動じなくなりましたな」
レフィーナ「今まで 散々からかわれましたから… これぐらいの受け応えは」
ユン「…4…3…2…1…0」
ユン「艦隊旗艦グレートアークより 暗号受信。『トラ・トラ・トラ』。 作戦スタートです!」
(アラート)
ショーン「では、参りましょうか… エアロゲイターが待ち受ける パールハーバーに」
レフィーナ「はい…!」


第38話
作戦コードS・R・W

(戦艦選択後、ハガネ、ヒリュウ改が出現)
エイタ「第5、第6航宙隊、及び 第13混成小隊、S08フィールドで 敵機動部隊と接触!」
ユン「第7航宙隊、及び第8、第9 混成小隊、E13フィールドからの 陽動に成功!」
オペレーター「第4、第5艦隊、 第2次防衛線上に到達!」
ノーマン「よし、HOSジャマー発動。 フェイズ2に移行せよ」
オペレーター「了解!  艦隊旗艦グレートアークより各艦へ!  これよりフェイズ2に移行する!」
テツヤ「こちらハガネ、了解!」
ショーン「ヒリュウ改、了解」
ノーマン「第4、第5艦隊に伝達!  核ミサイルを発射させよ!」
オペレーター「了解!」
ショーン(…これでホワイトスターを 破壊できればいいのですが…)
ダイテツ「キョウスケ中尉、 段取りどおり頼むぞ」
キョウスケ「了解。 PT各機…出撃してくれ」
(出撃準備)
タスク「キョウスケ中尉、 なんで俺達だけこんな離れた 位置で待機なんスか?」
キョウスケ「敵が 何もしてこないはずがない」
キョウスケ「俺達は遊撃部隊として、 艦隊行動の阻止に出てくる 連中を迎え撃つ」
エクセレン「縁の下の タイコ持ち…ってことね?」
ラトゥーニ「…持つ物が違うけど」
ガーネット「そうそう。 タコ…だったわよねえ、確か」
ジャーダ「力だ、力持ち!」
カイ「貴様ら、作戦中だぞ!  私語を慎め!!」
ジャーダ「う…。す、すみません」
ガーネット「…カイ少佐に 怒鳴られるのも久しぶりねえ」
(アラート)
エイタ「! 重力震反応を感知!  敵機が転移出現して来ます!!」
(敵機が出現)
ノーマン「現フェイズ終了まで、 我々の旗艦艦隊は動けん。 迎撃はPT部隊に任せる」
キョウスケ「了解!  …アサルト1より各機へ。 各艦を防衛しつつ、敵機をせん滅だ」
キョウスケ「敵の迎撃部隊が たったあれだけのはずがない。 …次のフェイズもある。油断するな」
ラッセル「つ、次のフェイズ…?」
イルム「核でケリがつくほど 甘い相手じゃないってことだ」
イルム「それに、連中も直接対決を 望んでいるはずだからな」
リューネ「どっちみち、最悪の場合は あたし達が切り札になるんだから…」
リューネ「今の内にウォーミングアップ しといた方がいいかもね」
マサキ「へっ、張り切り過ぎて 先走んなよ、リューネ」
リューネ「それはこっちの台詞!  じゃ、行くよ!」

〈敵残2機〉

レフィーナ「核ミサイルは どうなってるの!?」
ユン「すでに発射を完了、 ホワイトスターに向かっています!」
(アラート)
レフィーナ「!!」
ユン「さらなる重力震を感知!  30秒後に敵機が転移出現して くる模様です!」
ショーン「ふむ…。 彼らお得意の波状攻撃…」
ショーン「おそらく、 こちらの懐に飛び込んでくる つもりでしょうな」
レフィーナ「各機、警戒を!」

〈敵機全滅〉

(敵機増援が出現)
アタッド「フフフ…思惑どおり、 戦力をかき集めてきたみたいだねえ」
アタッド「未来のためだ、 生き残るためだとゴタクを 並べちゃあいるが…」
アタッド「戦いが好きでもなけりゃ、 こんな勝ち目のない戦いを しようとは思わないだろうさ」
マサキ「あいつは…あの時の!!」
アタッド「じゃ、ここいらで 最終選考をやらせてもらおうか」
マサキ「ふざけやがって…!  俺達の邪魔をするんなら、 容赦はしねえ!!」
アタッド「それはこっちの台詞さね。 今までさんざん容赦してやった分… 返してもらうよ?」
マサキ「手加減なしの 真剣勝負ってわけか! いいだろう、 受けて立ってやるぜっ!!」
アタッド「フフフ… この戦いに生き残れたら、 あたしが直々に調整してやるよ」
アタッド「ゲーザ・ハガナー… いや、テンザン・ナカジマの ようにねえ」
リュウセイ「何っ!?」
マサキ「やっぱり、あいつは!!」
アタッド「そうさ。 あんた達との戦いに敗れ、 死にかけていたテンザンを…」
アタッド「あたしが 拾って調整したのさ。 記憶や肉体と一緒にねえ」
リュウセイ「奴も てめえらのサンプルとして 選ばれたってのか!?」
アタッド「ああ。あいつは戦うことに 対して、何の悩みも持たず… 純粋に戦いを楽しむ」
アタッド「そして、機動兵器に対する 順応速度の速さ、制御のしやすさの 面で…理想的な素材だったのさ」
キョウスケ「…理想的だと?」
アタッド「そう。奴は自分の 闘争本能に素直だからねえ…」
アタッド「面倒な手順を 踏まなきゃならないイングラムの サンプルとは違って…」
アタッド「あたし達の兵器として 使うには最適なのさ」
マサキ「てめえ…!」
アタッド「ま、あいつの乗ってた 機体が魔装機神だったら、 一石二鳥だったんだけど…」
アタッド「さすがにそこまで 上手く話は進まないもんさね」
マサキ「てめえら…俺達を兵器にして 何をするつもりだ!?」
マサキ「何と戦わせる気だ!?」
アタッド「それが知りたけりゃ、 この戦いで生き残ってみせな」
アタッド「そしたら、調整ついでに 教えてやるよ、アハハハハッ!!」
リューネ「教える気は さらさらないって感じだね…!」
マサキ「あの女…!  人間をもてあそびやがって!  許せねえっ!!」
(母艦でない方の戦艦も移動可能)

〈vs アタッド〉

[リュウセイ]

リュウセイ「てめえ、 よくもテンザンを!!」
アタッド「お門違いなことを 言うじゃないよ。あいつはあんたの 敵だったんだろ?」
アタッド「それをどうしようが、 あたしの勝手だ。あんたに 恨まれる筋合いはないさね」
リュウセイ「俺が許せねえのは… 人間をただの兵器として 扱うことだっ!!」

[キョウスケ]

アタッド「さて、 そろそろ決着って奴を つけようじゃないか」
キョウスケ「いいだろう。 逃げるなよ…!」
キョウスケ『自分自身の手を 汚そうとしない者などに 遅れはとらんぞ…!』

[エクセレン]

アタッド「ウフフ…あたしの前に 現れるとは、都合がいいさね」
エクセレン「わお、 何か勘違いしてるみたいねえ」
エクセレン「別におばさまのために 来たわけじゃないんだけど?」
アタッド「おばさまと 呼ぶんじゃないよ!」
エクセレン「でも… おかげでちょっといい事あったから、 よしとしとくわね」
アタッド「……?」
エクセレン「んふふ~」

[ブリット]

ブリット「俺の守るべき者のために… この戦い、勝ってみせる!!」
アタッド「いいねえ、その単純な思考。 まさにあたし達の兵器向きさね」
ブリット「単純で何が悪い!  一意専心という言葉の意味… お前に教えてやる!!」

[クスハ]

アタッド「クスハ・ミズハか。 イングラムめ…半端な調整をするから このザマさね」
アタッド「あたしが調整すれば、 あんたは優秀な兵士になれるよ、 フフフ…」
クスハ「私は…私…!  好きにはさせない…!」
クスハ「今の私は 自分の意志で戦っているから…!」

[マサキ]

マサキ「今度は小細工なしか!?」
アタッド「ああ。 魔装機神の力を発揮させるには、 それが一番みたいだからねえ」
マサキ「勘違いするなよ…!  サイバスターはてめえらになんぞに 扱える代物じゃねえっ!!」

[撃墜]

アタッド「な、何だって…!?  直撃だってのかい…!?」
アタッド「こ、こんなこと… あたしは認めないよ!!  地球人ごときに…!」
アタッド「あたし達が 知恵を与えてやらなきゃ、 満足に戦えない連中に…!!」
アタッド「何でこのあたしが!  やられなきゃならないのさぁっ!?」
(爆発)
キョウスケ「核ミサイルの方は どうなっている?」
ラトゥーニ「もうすぐ命中する頃…」
(アラート)
テツヤ「どうした!?」
エイタ「か、核ミサイルの反応が 消えましたっ!!」
テツヤ「何っ!?  軌道をそれたのか!?」
エイタ「ち、違います!  レーダー上から消えたんです!!」
(核ミサイルが出現)
レフィーナ「え…!?」
テツヤ「ミ、ミサイル!?」
ユン「第4、第5艦隊が 発射した核ミサイルですっ!!」
ショーン「何と…!  こちらへ転移させたのですか…!?」
ノーマン「軌道修正を急げ!!」
連邦艦長「駄目です! こちらからの 入力を受け付けません!!」
ノーマン「! 狙いは…我々かっ!!」
ダイテツ「各機、核ミサイルの 推進装置を破壊せよ!!」
ダイテツ「決して、ミサイル そのものを撃墜してはならん!!」
エクセレン「要は 寸止めにしろってことね…!」
キョウスケ「…フェイズ2は失敗か。 各機、ミサイルを片づけるぞ。 フェイズ3に備えてな…!」
エイタ「待って下さい!  さらなる重力震反応あり!!」
(R-GUNリヴァーレが出現)
アヤ「!! あ、あれはっ!?」
リュウセイ「R-GUNリヴァーレ!  イングラムかっ!!」
イングラム「…フッ、自ら選び出した サンプルの力を見誤ったな、 アタッド・シャムラン…」
イングラム「だが… お前はここで死んだ方が幸せだ。 …真実を知らぬままでな」
ヴィレッタ(イングラム……)
アヤ「少佐…!!」
イングラム「結局… SRXを使うことは出来なかった ようだな、アヤ」
アヤ「…それでも、 私はあなたと戦えます…!」
イングラム「精神的には 強くなったか。だが…SRXを 扱えぬお前達に用はない」
リュウセイ「何だと!?」
イングラム「俺が必要とする サンプルは他にいる…」
イングラム「キョウスケ・ナンブ、 マサキ・アンドー…そして、教導隊。 お前達のことだ」
キョウスケ「!」
マサキ「何…!?」
エルザム「フッ…光栄だな、 イングラム・プリスケン少佐」
イングラム「俺が与えた 猶予の中で、持てる力を 発揮出来なかった者は…」
イングラム「所詮、兵器としては 未完成。ここで処分する」
リュウセイ「上等だ!  やれるもんなら、やってみやがれ!」
キョウスケ「冷静になれ、リュウセイ。 あれは…」
リュウセイ「あいつのいつもの手口で… 俺達をあおってるって言うんだろ?  わかってるぜ」
イングラム「………」
リュウセイ「本気で俺達に 用がないってんなら…核ミサイルを 直撃させりゃ済む話だからな」
キョウスケ「ああ。理由はわからんが、 奴にはわずかな焦りが見える…」
ギリアム「…ブラフか、あるいは 時間稼ぎのためか…」
ヴィレッタ「後者よ。 それに…キョウスケの言ったとおり、 イングラムは焦っている…」
ラーダ「ヴィレッタ……」
ヴィレッタ(何故なら…… あの人はもう…)
ゼンガー「ならば、 踏み込む隙はあるということか」
イングラム「だが、 考えている時間はないぞ」
キョウスケ「…お互い様だ。 時間稼ぎなどやらせん」
イングラム「ほう… 旗艦艦隊を見捨てる気か?」
キョウスケ「お前と同時に 核を片づければ、問題はない」
タスク「む、無茶な命令を 出してくれちゃって…」
レオナ「でも、 それ以外に方法はなくてよ」
イルム「ああ。フェイズ3には 少しでも多くの戦艦が必要だからな」
センガー「ここは機先を制するべきか」
キョウスケ「よろしいですか?  ゼンガー隊長」
ゼンガー「今のアサルト1はお前だ。 遠慮はいらん。俺達は指示に従う」
キョウスケ「…了解」
キョウスケ「アサルト1より各機へ。 核ミサイルの推進装置とリヴァーレを 破壊する。…速攻で頼むぞ」
カチーナ「任せな!」
ラッセル「カチーナ中尉、 くれぐれも核ミサイルそのものを 撃墜しないで下さいよ!」
カチーナ「ああ、わかってるぜ!」
キョウスケ「攻撃開始だ…!」
イングラム「…フフフ…いい判断だ。 よくぞ、ここまで成長した」
ライ「自分がそうしたなどと うぬぼれないでもらおう。 …行くぞ」

〈vs イングラム〉

[リュウセイ]

リュウセイ「イングラムッ!!」
イングラム「リュウセイ… 俺達が何のためにSRXを 作ったと思っているのだ?」
リュウセイ「うるせえ!  使えねえようにしたのは、 てめえだろうがっ!!」
イングラム「所詮、 お前達には過ぎた代物だったか」
リュウセイ「てめえを倒すのは SRXじゃねえ! この俺だ!!」

[ライ]

ライ「…焦りか、なるほどな。 キョウスケ中尉も上手いことを言う」
イングラム「俺が焦っているだと?」
ライ「そう簡単に手の内を見せぬ 貴様が…直接的な手段に出始めた。 それが何よりの証拠だ…!」
イングラム「好きに受け取るがいい」
ライ「そうさせてもらう。 貴様の命ごとな!」

[アヤ]

イングラム「俺を倒せるのか、 アヤ」
アヤ「倒します…!  もう迷いはありません」
アヤ「あなたが何のためらいもなく、 私を撃った…あの時のように!」
イングラム「………」

[キョウスケ]

イングラム「前回は世話になったな、 キョウスケ・ナンブ」
イングラム「おかげでこのリヴァーレ… 完全な形に修復するまで ここまでかかった」
キョウスケ「…世話しきれなかった ことを後悔している」
キョウスケ「あそこで 終わらせるはずだった」
イングラム「残念だったな」
キョウスケ「ならば、 ここで終わらせるだけだ。 勝負…!」

[マサキ]

マサキ「意外だな、イングラム!  てめえのことだ…要塞の中で 俺達を待ち受けてると思ったぜ!」
イングラム「買い被ってもらっては 困るな。この戦い…俺達にも 負けられぬ理由がある」
イングラム「それに、ケージを 壊されるわけにはいかんのでな」
マサキ「ケージ…?  オリだと!?」

[ヴィレッタ]

ヴィレッタ「イングラム…!」
イングラム「…離反者には 死あるのみだ、ヴィレッタ」
ヴィレッタ「離反者…!?」
ヴィレッタ(もう…駄目なのね、 イングラム…!)

[HP40%以下]

イングラム「む…?  リヴァーレのコントロールが…!  修復が完全ではなかったと…?」
キョウスケ「時間稼ぎは やらせんと言った」
イングラム「俺もアタッドのことを 笑ってはいられないようだな…」
キョウスケ「あいつと同じく、 ここで消えてもらう」
イングラム「…そうは…いかん。 まだ最後の仕上げが残っている…」
リュウセイ「てめえ、逃げる気か!?」
イングラム「…互いの命運を かけた戦いだ。そう簡単に決着を つけるべきものではあるまい…」
リュウセイ「負け惜しみか!!  ここまでの仕打ちをされて、俺達が てめえを逃がすと思ってんのか!!」
イングラム「ならば… 追って来るがいい……この俺を」
(R-GUNリヴァーレが撤退)

〈核ミサイルが全て撤退していて、イングラムが撤退した〉

ノーマン「よし…。総員に告ぐ。 これよりフェイズ3に移行する!」
ノーマン「全艦、最大戦速で ホワイトスターへ向かえ!」
リョウト「…残る手はあと二つ… 僕達は勝てるんだろうか…?」
ブリット「迷いは禁物だぞ、リョウト」
リョウト「でも、イングラム少佐は…」
ゼンガー「問答無用。押し通るまでだ」
ブリット「打と意地を以て…ですね?」
ゼンガー「うむ。 …リョウト、己の迷いは眼前の 敵もろとも断ち切れ」
ゼンガー「それが『必生』の極意だ」
リョウト「…わかりました。 もう前に進むしかないんですね」
ゼンガー「そういうことだ。 では、行くぞ…あの白き魔星に」
ブリット「はいっ!!」


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