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亡霊、過去より来たりて キョウスケルート ~ 第34話 ~

《データ室》

ギリアム「…よし。これで 彼が残した特脳研関係のファイルの プロテクトは解除した」
ラーダ「その記録の中に、アヤ以外で イングラム少佐がピックアップした 被験体はいますか?」
ギリアム「…2名いるな。ナンバー4、 ジェニファー・フォンダと… ナンバー5、マイ・コバヤシ…」
ラーダ(…マイ・コバヤシ… 確か、アヤの妹さんね………)
ギリアム「情報部のデータでは、 両名とも事故で死亡したことに なっているが…」
ギリアム「イングラム少佐の データでは、登録が抹消されただけに なっている」
ラーダ「では…?」
ギリアム「…ジェニファー・フォンダと マイ・コバヤシが存命している 可能性は高いな」
ラーダ(このデータとアヤの記憶… いったい、どちらが真実なの?)
ラーダ(いえ、それどころか… アヤとマイは本当の姉妹ではない 可能性も……)
ラーダ「…ギリアム少佐、 ケンゾウ・コバヤシ博士は この事を知っているのでしょうか?」
ギリアム「おそらくな」
ラーダ「ならば、博士に話を聞けば…」
ギリアム「それは無理だ」
ギリアム「現在、博士は 軍査察部に身柄を拘束されている。 次の作戦前に面会することは出来ん」
ラーダ「そうですか。 …少佐、この話は…」
ギリアム「ああ、わかっている。 当分は他言無用にしておこう」
ギリアム「だが、このデータのおかげで イングラム少佐がどういう男なのか、 だいたいの予測はついた」
ラーダ「どういうことです?」
ギリアム「策略を好む人間は 相手へヒントを与えたがるものさ」
ギリアム「無論、大概はそれすらも トラップなのだが…イングラム少佐の ヒントは不必要に易しすぎる」
ギリアム「まるで、我々を助けることが 本心であるかのようにな」
ラーダ「………」
ギリアム「おそらく、 彼は複雑な内面を持った人物で あることに間違いはない…」

《データ室》

カチーナ「何だって?  エアロゲイターがあたし達を ピンポイントで狙ってるだあ?」
マサキ「ああ。イングラムが 裏切ってから、俺達が行く先々に 奴らが現れやがる」
カチーナ「単なる偶然だろ?  奴らはジュネーブとかも 攻撃しやがったんだぜ?」
マサキ「けど、それ以降に 襲撃された都市や基地はねえ」
リョウト「そうだね…。 僕達にあれだけの力を 見せつけておきながら…」
リョウト「ジュネーブ壊滅以後、 エアロゲイターは大規模な 軍事行動を起こしていない」
リューネ「こっちの様子を うかがってるってこと?」
リョウト「それもあるけど、 今のところ、彼らは僕達を 倒す気がないと思う…」
カチーナ「ワザと 寸止めにしてるってことかよ?」
リョウト「ええ。 サンプルとしての僕達が、 さらなる力を発揮できるように…」
リューネ「…で、どうする気なの?  マサキ」
マサキ「…考えがある」

《ヒリュウ改艦橋》

レフィーナ「…オトリになる?」
マサキ「ああ。クスハの時と 同じように…エクセレンが 出てくるかも知れねえからな」
マサキ「それに、 他の連中は機体の修理やら何やらで 動けねえだろ?」
ショーン「そうですが… 上手くいきますかな?」
マサキ「今思えば、 イングラムの野郎はサイバスターにも 興味を持っていやがった」
マサキ「それを上手く利用するのさ。 エクセレンが出て来なくても、 何らかの情報は手に入るぜ」
レフィーナ「しかし…」
ショーン「艦長、ギリアム少佐の意見が 正しければ…」
ショーン「サイバスターを含め、我々は エアロゲイターにとって、この上ない サンプルだと言うことになります」
ショーン「しかも、彼らは 我々が一定のレベルに達するまで、 様子を見ているようですから…」
ショーン「それを逆手に取るという マサキの案は策として有効かと」
レフィーナ「ですが、危険過ぎます」
マサキ「ヘッ、心配はいらねえぜ。 どっちかって言うと、俺は一人で 動く方が性に合ってるからな」
ショーン「うむむ、確かに艦長の おっしゃることはもっともですな」
マサキ「何だよ、信用ねえな」
ショーン「サイバスターの性能は ともかく、あなたはどうも…」
マサキ「何? どういう意味だ!?」
ショーン「あ…いやいや、 そういうことではありません。 ただ一つ、方向感覚が…」
マサキ「?」
シロ「出ていったら、 ここへ戻ってこれニャいかも… っていう意味だニャ」
マサキ「うっ……」
ショーン「では、こうしましょう。 リューネ嬢と一緒に出て下さい」
マサキ「リューネとぉ?」
ショーン「はい。ヴァルシオーネは サイバスターと同じような運用も 出来ますし…」
ショーン「何より、 道に迷う心配はないかと」
マサキ「しょうがねえな」
ショーン「それでよろしいですかな、 艦長?」
レフィーナ「了解です。マサキさん、 くれぐれも気を付けて下さいね」
マサキ「ああ、任せな!」

《自動惑星ネビーイーム》

アタッド「イングラム… あんた、サンプルの仕上げは いいのかい?」
アタッド「SRXとか言う欠陥品は ともかく…サイバスターには まだ手を付けてないんだろ?」
イングラム「…あれは、 地球の機動兵器の中で、 最も優秀な物の一つだ」
イングラム「俺が手を入れる 必要はない。頃合いを見て、 『採取』すればいい」
アタッド「そうかい?  あたしには、あんたがワザと手を 抜いているように見えるけどねえ」
アタッド「あのクスハとか言う サンプルも、あっさり返してたし…」
アタッド「やっぱり、あいつらに 情が残ってるんじゃないのかい?」
イングラム「………」
アタッド「ククク…木偶人形には 無意味な質問だったね」
アタッド「でも、あたしはあんたや ヴィレッタを信用してないよ」
アタッド「一度裏切った奴は、 また裏切るって言うからねえ」
イングラム「………」
アタッド「おや、気に障ったのかい?  なら、証明してもらおうか。 あんたが我々側の人間だってことを」
イングラム「…いいだろう。 ただし、ガルインも連れて行く」
アタッド(何だと…? こいつ、 あたしの人形を使うつもりか?)
イングラム「ズフィルードクリスタルの 復元精度の確認と…」
イングラム「海の底に潜んでいる者を 誘き出す必要もあるからな……」

《クロガネ艦橋》

エルザム「サイバスターと ヴァルシオーネが出撃しただと?」
LB兵「はっ。超高速で小笠原諸島を 突破し、マーシャル諸島方面へ 向かっています」
ゼンガー「俺達の頭上を 通り過ぎて行ったわけか」
マリオン「…気になりますわね」
ゼンガー「!! ラドム博士…!  何故、クロガネに…!?」
エルザム「…身体の具合は よろしいので?」
マリオン「ええ。 いつまでもご老体と一緒では、 余計に歳を取ってしまいますから」
リシュウ「…やれやれ。 口の悪さの方は治らんかったか」
ゼンガー「せ、先生まで…!?  エルザム、これはどういうことだ!」
エルザム「…ラングレー基地脱出時、 博士とリシュウ顧問はケガを 負われてな…」
エルザム「それを私が助けたのだ」
ゼンガー「………」
エルザム「言ったろう?  失われた戦力は取り戻すとな」
ゼンガー「…何故、俺に黙っていた?」
エルザム「お前に余計な気苦労を させたくなかっただけだ。 他意はない」
エルザム「それに…お二方には やってもらわねばならんこともある」
ゼンガー「………」
リシュウ「ゼンガーよ、怒るでない。 この御仁はなかなか先見性がある。 それに、お主の話も聞いた」
マリオン「あなたらしい 不器用な行動でしたが… 事情は理解出来ましてよ」
ゼンガー「…いえ、自分は 嬉しいのです。お二人だけでも 無事だったということが……」
リシュウ「トウゴウ家の男は 代々しぶといのが信条じゃ。 そう簡単に死にはせん」
リシュウ「特に、 リョウマ・トウゴウという ご先祖はな、中国で……」
マリオン「…老人の昔話を 聞いている暇はありませんわ。 サイバスターが気になります」
マリオン「あれが単体で動くとなると… …出てきますわよ?」
エルザム「ええ。 …我々が懸念している敵も含めて。 直ちにクロガネで追尾します」


第34話
亡霊、過去より来たりて

一般兵「カイ少佐、 やはりこのウェーク島基地の 復旧は不可能に近いです」
一般兵「それに、残っている アーマードモジュールは ありませんでした」
カイ「仕方あるまい。 ここはDC戦争の時、ハガネの 攻撃を受けているからな」
カイ「よし、次の基地に向かうぞ。 オペレーションSRWに備えて、 少しでも多くの戦力をそろえんとな」
一般兵「!!  待って下さい、重力震反応を 感知しました!!」
カイ「何だと!?」
一般兵「転移出現する物体あり!  エアロゲイターです!!」
カイ「何故、こんな所に!?  俺のゲシュペンストを回せ!!」
(R-GUNとゲシュペンストが出現)
カイ「R-GUNだと!?  あれは撃墜されたはずだぞ!!」
カイ「いや、それよりも…」
カイ「乗っているのは イングラム・プリスケンか!?」
イングラム「…久しぶりだな、 カイ・キタムラ少佐。 極東支部で会って以来か」
カイ「裏切り者め…、 よくもぬけぬけと!  ここへ何をしに来た!?」
一般兵「カイ少佐!  新たに接近してくる機体が!!」
カイ「!」
(サイバスターとヴァルシオーネが出現)
リューネ「意外な大物が 釣れたんじゃない? マサキ」
マサキ「ああ」
イングラム「フッ… お前の方から出てくるとは 都合がいい」
マサキ「そいつはこっちの台詞だぜ」
イングラム「何?」
マサキ「ここでてめえをブチのめし、 ハガネへ引っ張って行く。 聞きてえことが山ほどあるからな」
リューネ「そうだよ!  エクセレンの居場所とかね!」
イングラム「…自らを オトリにしたというわけか」
マサキ「エサ、ともいうけどな。 だがよ、ただのエサじゃねえぜ?」
イングラム「フフ… マサキ・アンドー…。お前に対する 見方を改めねばならんようだな」
マサキ「てめえはシュウと違って、まだ 目的がハッキリとしているからな。 ここでケリを付けてやるぜ!!」
イングラム「いいだろう。 こちらとしても、サイバスターと ヴァルシオーネは…」
イングラム「最優先で 『採取』したいサンプルだ」
リューネ「人を虫か何かみたいに 言うんじゃないよ!」
マサキ「そうやって、大上段で 見てるのが敗因になるってことを…」
マサキ「教えてやるぜ、 イングラム・プリスケン!!」
イングラム「……!」
マサキ「そこのオッサン!  あんたらは撤退してくれ!」
カイ「オッサンだと!?  ふざけるな、俺はまだ30代だぞ!」
リューネ「…充分オッサンじゃん」
カイ「フン、口の減らないガキ共だ。 だが、俺としても退けない理由が あるんでな」
カイ「バックアップは任せろ!  輸送機は今の内に脱出を!」
一般兵「は、はいっ!」

〈vs イングラム〉

[マサキ]

マサキ「答えろ!  エクセレンはどこだ!?」
イングラム「…気づいているのだろう?  彼女がいる場所には…」
マサキ「当たり前だと言っちゃあ、 当たり前だが…」
マサキ「ホワイトスターにいるってのは 間違いなさそうだな」
マサキ「とりあえず、てめえの口から それが聞き出せれば充分だぜ」
イングラム「フッ…。 彼女を救出したくば、 ネビーイームまで来い…」
マサキ「言われるまでもねえ!!」

[リューネ]

リューネ「あんた!  どの面下げて!!」
イングラム「こちらにも都合がある。 サンプルの成長具合を確かめねば ならなかったのでな」
リューネ「そうかい。なら、 たっぷりと確かめなよ! あたしと ヴァルシオーネの力をね!!」

[カイ]

カイ「貴様だけは この手でブン殴ってやらないと 気が済まないんでな!!」
イングラム「お前のデータに 利用価値はない…。今のところはな」

[HP24500以下]

イングラム「…R-GUN1機で、 サイバスターとヴァルシオーネを 採取するのは無理か…」
イングラム「ならば、最低限の 目的だけでも達成しておかねばな」
(R-GUNが撤退)
マサキ「待ちやがれ!!」
リューネ「待って、マサキ!  別の敵が来たよ!!」
マサキ「何!?」
(基地の北側にゲシュペンストの大群が出現)
カイ「量産型の ゲシュペンストMk-IIだと…?」
マサキ「あれが敵だってのか!?  それよりも、イングラムを!!」
リューネ「でも、 識別信号を出してないみたいだし…」
シロ「ニャによりも、イングラム少佐の 後に出てきたってのが 怪しいニャ!」
マサキ「ああ。やけにあっさりと 引き上げやがったしな」
カイ「…あのゲシュペンスト、 どこの部隊にも登録されておらん。 それに、あの数は…」
マサキ「どういうこった?」
カイ「…理由はわからん。 だが、油断するなよ!」

〈NEXT PP〉

(クロガネとグルンガスト零式が出現)
マサキ「あ、あの戦艦は!?」
リューネ「DCのクロガネ!!」
カイ「ゼンガー…!  それに、エルザムか!?」
エルザム「…ゲシュペンストが敵…。 こうも早くカードを切ってくるとは 予想外だったな」
カイ「カードだと!?  どういうことだ、エルザム!」
エルザム「…ハガネやヒリュウ改も ここへ来るのなら… 試してみる価値はあるか」
エルザム「ゼンガー、頼むぞ!」
ゼンガー「承知…!」
カイ「おい、お前ら!  説明しろ、説明を!!」
ゼンガー「今は、敵を倒すのみ!」
カイ「…やれやれ、相変わらずだな」
カイ(だが、 ここにギリアムが来れば……。 奴らの動きの謎も解けるか?)
マサキ「どうすんだよ、オッサン!  あいつらは……」
カイ「サポートは奴らに任せ、 ゲシュペンストを撃墜しろ!」
マサキ「ヘッ、 ホントに話の早いことで」
カイ「それが俺達教導隊だからな!  行くぞ!!」

〈vs ゲシュペンスト〉

[ゼンガー]

ゼンガー「ここに、 これだけの数のゲシュペンストが いるはずはない…」
ゼンガー「複製でもされたか…?」

[エルザム]

エルザム「予想通り、無人機か…」
エルザム「だが、ゲシュペンストは 操縦者の技量がダイレクトに 反映される機体だ」
エルザム「多少なりとも、 クセは反映されるはず…」

母艦出撃選択
ハガネ ヒリュウ改


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