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赤い修羅 キョウスケルート ~ 第33話 ~

《自動惑星ネビーイーム》

レビ「そうか。アタッドが 新たなサンプルを入手したか」
ヴィレッタ「…はい」
ヴィレッタ(これは… 明らかにアタッドの妨害工作ね)
レビ「捕らえたサンプルは?」
ヴィレッタ「現在、 アタッドが調査中です」
イングラム「…結果として、 仕上げに必要なサンプルを失った。 …次は俺が出撃する」
レビ「その必要はない」
イングラム「何……?」
レビ「お前達が選び出したサンプル… 時が満ちる前に、この目で 確かめたくなった」
レビ「次は…私が仕掛けよう」
ヴィレッタ「! レビ様が…?」
レビ「ああ。 以前、感じた念も気になるのでな」
イングラム(…互いに引き合う… 念動感応か)
イングラム(ならば、 T-LINKシステムが 役に立つかも知れんな…)

《ブリーフィングルーム》

リオ「…それで、 クスハの容態はどうなんですか?」
ラーダ「大丈夫よ。インプラント手術の 跡も見られないし…強力な暗示を かけられてただけみたいね」
ラーダ「それに…あの暗示の かけ方だと、操られていた時の 記憶もないと思うわ」
リオ「そうですか…。 でも…エクセレン少尉が…」
ラーダ「…ええ、心配ね……」

《医務室》

リュウセイ「よう、ブリット。 クスハの様子…どうだ?」
ブリット「リュウセイ…… 査問は終わったのか?」
リュウセイ「何とかな。 エアロゲイターと戦って、 身の潔白を証明しろだとさ」
ブリット「…すまなかったな、 リュウセイ…。お前に偉そうなことを 言って…」
リュウセイ「ああ、あのことか。 気にすんな。結果的にクスハを 助けられたんだしよ」
ブリット「しかし…俺は代わりに エクセレン少尉を…!」
リュウセイ「待った。あの時、 キョウスケも言ってただろ?」
ブリット「…キョウスケ中尉が…。 ああ、そうだったな…」
リュウセイ「だから…今度は 俺達がキョウスケを手伝う番だぜ」
ブリット「………」
クスハ「…う…ううん……」
ブリット「!  クスハ、目を覚ましたのか!?」
リュウセイ「……じゃ、 後は任せるぜ、ブリット」
ブリット「え…?」

《ブリーフィングルーム》

ジャーダ「リュウセイ」
リュウセイ「な、何だ…ジャーダと ガーネットか。どうしたんだよ?」
ガーネット「…クスハのこと、 あれで良かったの?」
リュウセイ「…ああ。結局、 俺はあいつを悲しませることしか 出来ねえみたいだからな…」
ジャーダ「ヘッ…女一人を守れねえ奴に 地球を救うことなんて出来ねえよ」
リュウセイ「!」
ジャーダ「お前…それを承知で、 イングラム少佐と刺し違える つもりじゃねえだろうな?」
リュウセイ「………」
ガーネット「ひょっとして、図星?  でも…それじゃダメよ」
リュウセイ「ダメッて…?  どういうことだよ!」
ガーネット「死ぬつもりで 戦ったってね、ホントに死んだら 何にもならないわ」
ガーネット「好きな人…ううん、 あんたを待ってる人達の所へ 帰って来なきゃ、意味ないわよ」
ジャーダ「だいたいな、 てめえもブリットも、柄にもなく 一人で背負い込んで…」
ジャーダ「てめえらだけで 何とかしようなんて思ってるフシが あるからな」
リュウセイ「お、俺は別に…!」
ジャーダ「一つだけ言っておくぜ。 てめえは一人で戦ってんじゃねえ」
ジャーダ「周りには俺達も いるってこと…忘れんなよ?」
リュウセイ「………」

《医務室》

クスハ「…ブリット…君?」
ブリット「クスハ…!」
クスハ「…私…北京で… エアロゲイターに捕まって… …それから………」
ブリット「む、無理して 思い出さなくてもいいさ。こうやって 無事に助け出されたんだから」
クスハ「…でも、私…エクセレンさんに 何かをしたような…」
ブリット「……!」
クスハ「! 何かしたのね? 私…!」
ブリット「な、何でもないって。 しょ、少尉は無事だよ。あの人が敵に 捕まったりなんてしないって」
クスハ「…ブリット君、 嘘をつくのが下手…」
ブリット「う……」
クスハ「ねえ、どういうことなの!?  エクセレンさんに何かあったの!?」
ブリット「…エクセレン少尉は… エアロゲイターに連れ去られた」
クスハ「! そ、そんな…!  じゃあ、私の代わりに…!?」
ブリット「…クスハのせいじゃない。 誰かを責めても…意味はないんだ」
ブリット「あの時、 キョウスケ中尉も言っていた…」
ブリット「エクセレン少尉を助け出し、 エアロゲイターを叩く」
ブリット「俺たちは… その賭けに乗るしかないんだ…!」

《ヒリュウ改格納庫》

キョウスケ「…SRXチームで 別行動を取る?」
アヤ「ええ。こんな時に自分勝手な事を 言い出して申し訳ないけど… 時間がないから」
キョウスケ「もしや、 別行動の理由とは…」
アヤ「あなたの思ったとおりよ」
キョウスケ「………」
アヤ「…いつまでも 後ろ向きになってたら、 エクセレンに笑われちゃうもの」
キョウスケ「………」
アヤ「あ…。 別に開き直ったわけじゃないわよ?」
アヤ「ただ、彼女達の言葉のおかげで… 自分が何をやらなければならないか、 気づくことが出来たの」
アヤ「だから、 エクセレンを助け出すために… 少しでもあなたの力になりたくて…」
キョウスケ「………」
キョウスケ「エアロゲイターが大尉達を 狙って来る可能性もあります。 …充分に気をつけて下さい」
アヤ「ありがとう、キョウスケ中尉。 じゃあ、行ってきます」


第33話
赤い修羅

(タウゼントフェスラーが出現)
連邦軍兵「アヤ大尉、 目標空域に到達しました」
アヤ「ご苦労様」
リュウセイ「砂漠かあ…。 確かにテスト場としちゃ最適だね」
ロバート「まあな」
リュウセイ「ところで、 前から思ってたんだけどさ…」
リュウセイ「最初から合体したままで 起動させるってのはダメなのか?」
ロバート「理論的には可能だが、 現状じゃ、まず無理だな」
ロバート「例えるなら、車のギアを いきなりトップに入れ、アクセルを 全開にするようなもんだ」
リュウセイ「よくわからねえけど、 何となく納得…」
アヤ「リュウ、 R-ウィングで先に出て。 私達もすぐに追いかけるわ」
リュウセイ「ああ、了解だぜ」
(R-ウィングが出撃)
リュウセイ「じゃ、 先に行くぜ、お二人さん」
(R-ウィングが初期位置まで移動)
ライ「R-2パワード、起動。 ロックボルト、解除」
(R-2パワードが出撃)
ライ「着地完了。 エンジン、クォータードライブを 維持。現状は異常なし」
ロバート「アヤ、トライは 3回までだ。それ以上は関節の サーボ・モーターが保たない」
アヤ「…了解。 …T-LINKコンタクト、開始。 サイコ・クラッチ接続…」
アヤ「R-3パワード、起動します」
(R-3パワードが出撃)
アヤ「ライ、 リュウに追いついて、ヴァリアブル ・フォーメーションを組むわよ」
ライ「…正式には フォーメーションOOCですが…」
ライ「リュウセイの あのネーミングを採用すると?」
アヤ「いいのよ。 ONLY ONE CRASH なんて、縁起が悪いでしょ?」
ライ「それもそうですね」
(精神感応)
アヤ「つっ…! 何…?  機体が引っ張られる…?」
(R-ウィングの周りに敵機増援が出現)
リュウセイ「こちらリュウセイだ!  エアロゲイターが現れやがったぜ!」
ロバート「くっ、こんな時にまで!  すぐに撤退するぞ!」
リュウセイ「いや、 タウゼントフェスラーじゃ こいつらを引き離せねえ!」
アヤ「リュウ、ライ、 二人で敵機を引きつけて!」
アヤ「私は輸送機が この空域から離脱するまで、 ここで護衛に回るわ!」
リュウセイ「任せろ!」
ライ「了解です」
ロバート「何を言ってるんだ、アヤ!」
アヤ「いえ、 博士はここから離脱して下さい。 後で私達も合流します」
ロバート「し、しかし…!」
アヤ「いいから、早く!」
ロバート「う…。わ、わかった。 その代わり、くれぐれも実戦中の 合体だけは避けてくれよ!」
アヤ「………」
(タウゼントフェスラーが南へ移動し撤退する)
アヤ「敵の動きは私が教えるわ。 二人とも、頼むわよ!」
リュウセイ「へっ、いつになく やる気満々じゃねえか、アヤ?」
アヤ「無駄口を叩いてないで、 迎撃に移って!」
リュウセイ「了解!」

〈2PP〉

リュウセイ「あいつら、 俺を無視していきやがった!?」
ライ「輸送機が標的とは思えんが…」
アヤ「…二人とも、 3時の方向に重力震を感知したわ。 30秒後、来るわよ!」
ライ「了解です」
アヤ(…もしかして、敵は…)
アヤ「リュウ、ライ、 私も戦闘に参加するわ。 敵の増援に気をつけて!」

〈2EP〉

ライ「リュウセイ、 新たな敵機が来るぞ!」
(敵機増援が出現)
リュウセイ「ちっ、 ぞろぞろと出てきやがって!!」
アヤ(…まだ機体が引っ張られる…!  R-3は何かに反応している…)
アヤ(敵は あれだけじゃないと言うの…?)

〈3PP〉

ライ「やはり、 敵の狙いは大尉のR-3か!」
リュウセイ「な、何だってんだ…?  まるで敵機がR-3に 引き寄せられてるような…?」
ライ「………!」
アヤ(…T-LINKシステムが 敵を呼んでる…)
アヤ(でも、おかしいわ。 今までにこんな反応なんて…!)
ライ「リュウセイ、 大尉を援護するぞ!」
リュウセイ「あ、ああ!」

〈敵機全滅〉

ライ「大尉、大丈夫ですか!?」
アヤ「………」
リュウセイ「アヤ、どうした!?」
アヤ「…来るわ……。 間違いない、あの時と同じ念…」
(精神感応)
アヤ「現れるわ!!」
(敵機増援が出現)
???(………)
リュウセイ「あ、あのデカい奴は!?」
ライ「ジュネーブの時にも現れた 大型機か!」
アヤ「あうっ…! くっ…!  R-3が反応していたのは… あれなの…?」
リュウセイ「敵の数も多い!  どうすんだよ!?」
アヤ「隙を狙って、一気に敵陣を 突破するしかないわね…」
???(あの赤い機体…… ヴァイクルはあれに反応している…)
???(何だ? たかが地球人の 非力な念動力者の分際で…この私に 干渉してくるとは小賢しい)
???(…イングラムが 育てていたという連中だと聞くが…)
???(今、この場で力の差を 教えておいてやるのも良かろう…)

〈ヴァイクルとの初戦闘後〉

リュウセイ「な、何!?  攻撃が全く効いてねえぞ!!」
ライ「強力なバリアで 守られているのか…!?」
リュウセイ「前の時は、 あそこまで強力な奴は なかったはずだぜ!」
ライ「チッ… このままではまずいな…!」
アヤ「………」

〈R-3のHP40%以下〉

アヤ「ううっ…!」
リュウセイ「あいつに ダメージを与えられないんじゃ、 二進も三進もいかねえ!」
ライ「…いずれは、 こちらの弾薬も尽きるか…!」
ライ「ならば…」
リュウセイ「待て、ライ!  てめえ、つまらないことを 考えてんじゃねえだろうな!?」
ライ「他に方法はない。 この場は俺に任せ、お前は 大尉と共に離脱しろ」
リュウセイ「バカヤロウ!  勝手に決めつけんな!」
アヤ「そうよ…!  まだ方法は…残っているわ!」
ライ「! 大尉、まさか!?」
アヤ「ええ…!  やるわよ、SRXの合体を!」
リュウセイ「!!」
アヤ「前回、失敗した理由… それは私が念動フィールドを 維持出来なかったせいよ」
アヤ「でも、今度こそ 成功させてみせるわ!」
アヤ「エクセレンやラーダさん、 リューネの気持ちに応える ためにも…」
アヤ「だから、私を信じて!」
ライ「大尉…」
リュウセイ「どのみち、 ヤバい状況に変わりはねえ…」
リュウセイ「やろうぜ、ライ!」
ライ「…了解した」
ライ「大尉、少しでも様子が おかしい時はフォーメーションを 解除します。いいですね?」
アヤ「わかったわ!」
リュウセイ「よし、行くぜ!!」
???(…何をする気だ…?)
(Rシリーズが砂漠の真中あたりに移動)
アヤ「念動フィールド、ON!  トロニウムエンジン、フルドライブ!  各機、変形開始!!」
ライ「了解、変形を開始します!  プラスパーツ、パージ!」
リュウセイ「今度こそ決めてやる!  ヴァリアブル・フォーメーション!」
(合体)
リュウセイ「天下無敵の スーパーロボットォォォォッ!!  ここに! 見参!!」
???(…合体しただと…?)
リュウセイ「アヤ、大丈夫か!?」
アヤ「ええ、 私のことは気にしないで!」
リュウセイ「よし…。 ライ、機体の方はどうだ?」
ライ「…各部装甲とモーターが 保ちそうにない。この状態で 戦えるのはせいぜい3分間だ」
リュウセイ「さ、3分…!?」
ライ「いいな?  3分後に合体を強制解除する。 それまでに…」
リュウセイ「わかってる!  3分ありゃ怪獣だって倒せらあ!」
???(…念が格段に強くなった。 フフフ…面白い…)
???(では…こちらも 結界を解いて戦うとしよう…)

〈NEXT PP〉

(戦艦選択・出撃準備)
マサキ「お、おい!  あのロボットは…!」
イルム「ああ、 ようやく成功したみたいだな」
リョウト「あ、あれがSRX…!  SUPER ROBOT X-TYPE…。 Rシリーズの本当の姿…」
タスク「う~むむむ…。 とりあえず、見た目のインパクトは あるな。特に眼なんか」
リュウセイ「ありがてえ!  みんな、来てくれたのか!」
ジャーダ「だから言ったろ?  てめえ一人で戦ってる わけじゃねえって」
リュウセイ「あ、ああ…!」
ラーダ「アヤ、大丈夫なの!?」
アヤ「ええ、何とか…」
キョウスケ(立ち直ったようだな。 あいつの言葉も…少しは役に立つか)
キョウスケ(…エクセレン… 一体どこにいる…?)
イルム「…キョウスケ、どうした?」
キョウスケ「…すいません、中尉。 アサルト1より各機へ。 敵機をせん滅するぞ…!」

〈NEXT PP〉

ライ(…予想以上に 各部関節の損耗率が高い…!)
アヤ「く…うう……っ!」
ライ(大尉もそろそろ限界か……)
ライ「リュウセイ、 SRXの合体解除まで後1分だ!」
リュウセイ「ああ!!」

〈NEXT PP〉

ライ「ここまでだ!  SRXの合体を強制解除する!」
(合体解除)

ヴァイクルを
撃墜した 撤退させた


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