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ハガネ発進 リュウセイルート ~ 第8話 ~

《アイドネウス島》

一般兵「第8機甲師団、 バーレーン基地制圧に成功。 残存敵兵力の掃討に移行します」
一般兵「EOT特別委員会より 引き続き釈明要求です。返答代わりに 時限イーターアーカイヴを送信」
一般兵「北アメリカの マンハッタン隕石孔に集結しつつある 連邦軍艦隊を発見したとの報告あり」
一般兵「第2次マーケサズ諸島 制圧作戦に失敗した連邦軍艦隊は ハワイ諸島方面へ撤退していきます」
ビアン「アードラー、 極東伊豆基地の様子はどうだ?」
アードラー「スパイからの報告によれば 弐番艦の出撃準備を行い、PT戦力を 結集しつつあるようですな」
ビアン「フフフ…着々と反撃の準備を 進めておるということか」
アードラー「しかし、 極東支部司令のレイカーという男… なかなかの曲者にございます」
アードラー「地球圏防衛委員会に 働きかけて、自分のお膝元である 日本でSRX計画を開始させ…」
アードラー「弐番艦を管轄下に おいたのも、全て我々の行動を 見越していた故かも知れませんな」
ビアン「フフ… それぐらいの男でなければ、 我らDCの相手は務まらん」
アードラー「しかし、トロニウムを 使ったあの艦を持ち出されたら 厄介なことに…」
ビアン「…エルザム・V・ ブランシュタインをここに呼べ」
一般兵「はっ!」
アードラー「そ、総帥…何故、 あの男をお呼びになるのです?  すでに日本はテンザンが…」
エルザム「ビアン総帥、 エルザム・V・ブランシュタイン… 参りました」
ビアン「エルザム少佐、お前に 新型アーマードモジュール、 『ガーリオン』を授ける」
ビアン「機動部隊を率いて、 極東支部基地を攻撃せよ」
エルザム「はっ」
ビアン「…なすべきことは、 わかっておるな?」
エルザム「…承知しております、総帥」
アードラー「………」

《極東支部基地》

レイカー「…ダイテツ、久しぶりだな。 南極で受けた傷の方はどうだ?」
ダイテツ「…問題はない。それに、 まだワシは死ぬわけにはいかん」
レイカー「そうか…」
ダイテツ「それよりも、お前が ワシをここへ呼んだ理由とは… 『ハガネ』の件だろう?」
レイカー「そうだ。 スペースノア級万能戦闘母艦の 弐番艦……」
レイカー「現在、 この基地の地下ドックで 出撃準備が進められている」
レイカー「そこで、ダイテツ…。 お前にハガネの艦長を務めて もらいたい」
ダイテツ「…わかった」
テツヤ「ですが、 いくらスペースノア級とは言え…」
テツヤ「たった1艦だけで DCにどうやって対抗しろと…!?」
レイカー「それは…」
ダイテツ「ハガネ単艦でDCの本拠地へ 突撃…一気に中枢部を破壊するという 作戦だな、レイカー」
レイカー「そうだ。どんな組織でも頭を 潰せば瓦解する。もはや、我々には この作戦しか残されていない」
テツヤ「そ、そんな…無謀な!」
ダイテツ「無謀でも、 誰かがやらねばならぬことだ」
ダイテツ「我々は世界征服を 目論むDCに屈するわけにはいかん」
テツヤ「それはそうですが…」
ダイテツ「さらに、今回の作戦には 壱番艦のシロガネよりハガネの方が 適している」
テツヤ(そうか、ハガネには あの武器が搭載されているからか…)
ダイテツ「ところで、レイカー… 参番艦の所在は?」
レイカー「…テスト艦の スペースノア同様、参番艦の 試験航海は…」
レイカー「EOTI機関によって 行われていた。おそらく、今頃は…」
ダイテツ「………」
レイカー「…すまんな、ダイテツ。 またお前に貧乏クジを引かせることに なってしまった」
ダイテツ「気にする必要はない。 ワシがかつて艦長を務めていた ヒリュウに引き続き…」
ダイテツ「失ってしまった シロガネの乗組員達の無念…… これで晴らすことが出来る」
テツヤ「艦長……」
ダイテツ「行くぞ、大尉。 我々の新たな艦に」
テツヤ「了解です。艦長」

《地下ドック》

ロバート「リュウセイ、 R-1の照準器調整を始めるぞ」
リュウセイ「了解。 ホログラフターゲット、ON」
ロバート「データ・ドローンを送る。 ロック・オン後から発射までの タイミングは身体で覚えろ」
ロバート「念のために言っておくが、 バーニングPTの時の勘は 通用しないからな」
リュウセイ「わかってるよ」
ロバート「それから、R-1の 反応速度はゲシュペンストより かなり上だからな。気をつ…」
(R-1がシステムダウン、真っ暗に)
リュウセイ「くそっ!  またメインシステムが 落ちやがった!」
リュウセイ「こいつ、 ホントに動くのかよ!?」

《地下ドック》

オペレーター「R-1、 システムダウンです!」
ロバート「主電源を落とせ。 すぐに原因を調査するんだ」
オペレーター「T-LINKシステムに 予定外の過負荷がかかっていた ようです」
ロバート「何言ってんだ。そんなもの 起動させてないぞ。仮想ドライブ値 の見間違えじゃないのか?」
オペレーター「は、はあ…。 もう一度、調査します」
ロバート(まさか、リュウセイに 反応して…?いや、いくら何でも 勝手に起動するわけは…)
ロバート(あるいは… パイロットの状態を監視している あのシステムのせいか…?)
ロバート(いずれにせよ、 R-1はまだ使えんな……)

《極東支部基地》

リュウセイ「ビルトラプター?」
ロバート「ああ、初の可変飛行型 パーソナルトルーパーでな。 R-1の原型とも言える機体だ」
リュウセイ「………」
ロバート「どうした? いつもの お前なら、もっと目が輝くだろうに」
リュウセイ「…なあ、ロブ。 R-1はいつになったら 動くようになるんだ?」
リュウセイ「少しでも 俺達の戦力を増やさねえと、日本は DCに制圧されちまう…!」
ロバート「…T-LINKシステムの 調整が予想以上に手間取っていてな。 今のままじゃ使い物にならん」
リュウセイ「T-LINKシステム?  何だそりゃ?」
ロバート「お前…イングラム少佐から 話を聞いていないのか?」
リュウセイ「あ、ああ」
リュウセイ「イングラム教官から もらったR-1のマニュアルには、 そんなもん載ってなかったぜ」
ロバート(…どういうことだ?  パイロットには教える必要が ないとでも…?)
(扉が開閉する)
イルム「よう、リュウセイ。 ラプターに乗るんだってな?」
リュウセイ「は、はあ…」
イルム「気を付けろよ。何せ、 あの機体には実験中に大破したって いうトンでもない過去があるからな」
リュウセイ「な、何だって…!?  ホントかよ、ロブ!?」
ロバート「あ、ああ…。 あの機体は変形機構その他に 問題が多くてな…」
イルム「俺は、あいつの テストパイロットだった キョウスケの奴に同情するね」
イルム「ま、あの事故は ハンス・ヴィーパー中佐の無理な 命令が原因だった…と思うが」
リュウセイ「ハンス中佐って… ああ、あの陰険そうなオッサンか」
イルム「おいおい、 口には気を付けろよ」
イルム「その陰険そうな オッサンににらまれて、 飛ばされた奴も多いんだ」
ロバート「イルム中尉も、あの人に いちいち逆らわなければ、もっと 出世していただろうに…」
イルム「出世なんざ願い下げだね。 俺は気楽な立場の方がいいのさ」
リュウセイ「…なあ、ロブ。 ビルトラプターはホントに 大丈夫なのか?」
ロバート「一応、問題点は 俺達の方でクリアしてある」
リュウセイ「…一応、か」
ロバート「リュウセイ、 ビルトラプターはハガネの 格納庫に置いてある」
ロバート「細かい調整作業をやるから、 先にハガネへ行っておいてくれ」
リュウセイ「ああ、わかった…」
(扉が開閉する・リュウセイが立ち去る)
ロバート「どうしたんだ、あいつ?  いつもの元気がないな…」

《地下ドック》

リオ「ふ~ん… これが私達の艦、ハガネか…。 結構カッコいいと思わない?」
クスハ「リオも こういうのに興味あるの?」
リオ「ん…。父様の仕事の影響かもね」
クスハ「そうなの…」
リオ「ところで…さっき、『も』って 言ったわね。あなたの友達に、 こういうのが好きな人、いるの?」
クスハ「え…? う、うん…」
リオ「あ~っ、顔が赤くなった。 その人、男の子でしょ、男の子。 あやしいわねえ」
クスハ「そ、そんなんじゃなくて…」
リオ「じゃあ、どんなの?」
クスハ「も、もう… からかわないでよ、リオ」
(扉が開閉する)
リュウセイ「これがハガネか…。 艦首部分がシロガネと違ってるな」
クスハ「!」
リュウセイ「!」
クスハ「リ、リュウセイ君…!」
リュウセイ「ク、クスハ…!  お前、クスハだよな!?」
リオ「な、何?  あなたの知り合いなの、クスハ?」
クスハ「う、うん…。 同じ高校に通ってたの…」
リオ「へ~え…。 私、リオ・メイロン。ハガネの オペレーターなの。よろしくね」
リュウセイ「クスハ…お前が 何でこんな所にいるんだ!?」
リオ「…何よ、ずいぶんな扱いね」
クスハ「久し…ぶりだね、 リュウセイ君。元気だった?」
リュウセイ「ど、どうして、お前が 軍の制服なんか着てんだよ!?」
クスハ「え? そ、それは…」
リュウセイ「! も、もしかして… お前もハガネに!?」
クスハ「…あの事件の後… 軍の病院で治療と検査を受けて…」
クスハ「適性があるから、 ここへ来るように言われて…。 ハガネの看護兵に…」
リュウセイ「適性って… 何のだよ!? 何でお前が軍に 入らなきゃならねえんだ!?」
クスハ「ご、ごめんなさい…私…」
リオ「ちょっと、クスハは何も 悪いことしてないわよ! どうして そういう言い方するの!?」
リュウセイ「………」
リュウセイ「…クスハ、俺が イングラム教官に頼んでやる」
リュウセイ「今すぐに、 ここから出るんだ。ハガネなんかに 乗ったら、死んじまうぞ!」
クスハ「で、でも…」
(アラート)
リュウセイ「! な、何だ!?」

《極東支部司令部》

オペレーター「敵アーマードモジュール 群、方位0-1-2から接近中!  間もなく防衛ライン甲に到達!」
サカエ「1週間前から 現れている牽制部隊か!?」
オペレーター「い、いえ! 今回は 機体数が今までとは違います!!」
サカエ「な、何っ!? 奴らめ、 この基地へ本格的に攻撃を 仕掛けて来たのか!?」
オペレーター「司令!  敵部隊の指揮官から通信が!」
レイカー「つないでくれ」
(通信、アラート消える)
エルザム「こちらは DC第19機動部隊隊長、 エルザム・V・ブランシュタインだ」
サカエ(ブランシュタインだと…!?  もしや、コロニー統合軍の…)
レイカー「私は極東支部総司令の レイカー・ランドルフだ」
エルザム「…我々は そちらと話し合うつもりはない」
エルザム「降伏か、死か… 好きな方を選べ」
レイカー「そのどちらも 選ぶつもりはない」
エルザム「…了解した。 では、これより攻撃を開始する」
(通信切れる)
サカエ「全機、スクランブルだ!  何としても、この基地と 地下ドックのハガネを守れ!」
オペレーター「レイカー司令、 ハガネ第一艦橋のダイテツ艦長より 通信が入っています!」
レイカー「ダイテツが…?」
(通信)
ダイテツ「ダイテツだ。 これよりハガネを発進させる」
サカエ「む、無茶です!  それではハガネが敵の集中攻撃を 受けてしまいます!」
ダイテツ「おそらく、 敵の狙いは本艦だ。しかし、この艦を 基地ごと破壊されるわけにはいかん」
レイカー「だが、ハガネは まだ完全ではないぞ…!」
ダイテツ「ここで沈むようなら、 ワシらはDCには勝てん。 レイカー…ハガネの発進許可を!」
レイカー「…わかった。 貴艦の幸運を祈る……」


第8話
ハガネ発進

〔戦域:極東支部伊豆基地周辺〕

(初期配置されていた味方機が全滅)
オペレーター「だ、第2戦車大隊、 第302飛行隊全滅!!」
オペレーター「第20区画へ 敵機が侵入しました!!」
サカエ「カイ少佐と イングラム少佐の部隊は まだ出られないのか!?」
オペレーター「今、出撃します!」
(出撃準備)
ジャーダ「チッ、何て連中だ!  今までのとはレベルが違うぜ!!」
ラトゥーニ「…DCは本気で この基地を破壊するつもりかも…」
ガーネット「早くも正念場ってことね。 こうなったらキメなきゃ…!」
ジャーダ「何をキメるんだよ?」
ガーネット「あ、忘れてた。 覚悟よ、覚悟」
ジャーダ「ヘッ…じゃあ、 奴らに見せてやるとするか…!」
ガーネット「見せてやるって…?  まさか……」
ジャーダ「何を想像してんだ!?  闘志だよ、不屈の闘志!!」
ガーネット「なあんだ、良かった。 あんたのことだから、てっきり…」
カイ「お前ら、何度言わせればわかる!  作戦中の私語は慎め!!」
ジャーダ「す、すみません、少佐」
カイ「…まあ、いい。 この状況で軽口を飛ばせるのは、 度胸がある証拠だ」
ジャーダ「…そりゃ、どうも」
カイ「お前達はハガネへの転属が 決まっている。こんな所で 死ぬんじゃないぞ」
ジャーダ「わかってますぜ、少佐」
カイ「よし! 各機へ、 ハガネの発進口はここだ!!」
(ハガネの発進口を指す)
カイ「ハガネが出撃するまでの 4分間…何としても発進口を 防衛しつつ、敵を撃破しろ!」
イルム「了解!」
カイ「イングラム少佐、 ビルトシュバインに問題はないな?」
イングラム「…ご心配なく」
カイ「…む?  リュウセイ曹長はどうした?」
(真ん中の建物を指す)
リュウセイ「どういうこった、ロブ!?  何でビルトラプターが 出撃できないんだよ!?」
ロバート「各部関節モーターの 駆動状況が良くない。このまま出れば お前は敵の標的になるだけだ!」
リュウセイ「だけど、少しでも戦力を 出さなきゃ、やられちまうんだろ!」
ロバート「ダメだ!  今のお前の腕では無理だ!  出撃は許可できない!」
リュウセイ「なら、代わりに ゲシュペンストMk-IIで!!」
ロバート「すまん…! お前の タイプTTは、敵の攻撃を受けて 大破してしまっているんだ…」
リュウセイ「そんな馬鹿な!  くそっ! こんな時に…俺は ただ見てるだけなのかよ!?」
ロバート「Rシリーズと009は ハガネへ運び込む! 急げ!」

〈3EP〉

(ガーリオン・トロンベを含む敵機増援が出現)
イングラム「敵の増援か…!」
ジャーダ「あの黒い機体は何だ!?  見たことないタイプだぞ!」
(ガーリオン・トロンベを指す)
ラトゥーニ「…翼もないのに 単体で飛行している…」
ラトゥーニ「多分、あれは… より高度なEOTを導入した 新型のアーマードモジュール…」
イルム「雰囲気的には 指揮官機ってところだな。胸に 紋章みたいなのも付いてるしよ」
ライ(黒い機体…紋章…)
カイ(もしや…あの男か!?)
(ガーリオン・トロンベがシュッツバルトの所まで移動)
ジャーダ「な、何だ!?  あの黒い奴のスピードは!」
エルザム「フッ…」
ライ「そのマーキングは…やはり、 ブランシュタイン家の紋章!」
エルザム「久しぶりだな、 ライディース…!」
ライ「その声…エルザム兄さんか!?」
エルザム「ブランシュタイン家を 出奔したお前が、どこまで 成長したか…」
エルザム「我が愛機トロンベで 試してやる!」
【強制戦闘】
エルザムvsライ
エルザム『お前に 我がトロンベの一撃を かわせるか?』
ライ『ああ、 かわしてみせる!』
エルザム「ほう…。 少しはやるようになったな」
ライ「いつまでも、 お前の後ろを追いかけている 俺ではない」
エルザム「だからこそ、DCと 我が一族が支配するコロニー統合軍へ 弓を引く気になったか」
ライ「ああ…! コロニーの民衆の 感情を利用して、連邦へ反乱を企む 連中に荷担するつもりはない」
エルザム「反乱ではない。 我々は大局を見据えた上で、DCの やり方が正しいと判断したのだ」
ライ「全世界を戦争に巻き込む やり方が正しいというのか!?」
エルザム「では、 自分の信じる道を示すがいい…」
ライ「何!?」
エルザム「我が家名の重みと、 あの事故に耐えられなかった お前に出来ればの話だがな」
ライ「言ったな…!  俺は…必ずお前を越えてみせる!」
エルザム「そうだ。 それでこそ、我が弟だ!」
(ガーリオン・トロンベが北西へ戻る)
ジャーダ「な、何なんだ… あいつは!?」
アヤ「ライのお兄さん…なの!?」
ライ「………」
ラトゥーニ「あの機体の動き… スクールのデータにあった…」
ジャーダ「何だと!?」
カイ「あの男は エルザム・V・ブランシュタイン…」
カイ「かつて、俺と共に 特殊戦技教導隊に所属していた男だ」
ガーネット「教導隊って、確か…」
ラトゥーニ「数年前…PT操縦技術の 礎を作るため、集められたエリート パイロットの部隊…」
ラトゥーニ「私は… スクール時代にあの部隊のデータを 研究・実践させられていた…」
ジャーダ「それじゃ、奴は…」
イルム「ああ。天才パイロットと 称された、コロニー統合軍の トップエース…」
イルム「そして、 コロニー統合軍総司令官マイヤー・ V・ブランシュタインの息子だよ」
リュウセイ「!?  ってことは、ライも…!」
ライ(エルザム…。基地司令部や ハガネの発進口を破壊することが 出来たはずだ。なのに、何故…?)
レイカー「ハガネの方は どうなっている!?」
オペレーター「人員と 物資の搬入を完了しました!」
レイカー「残存戦力を 発進口へ回せ! 何としても ハガネを防衛するのだ!」
オペレーター「了解!」
レイカー(後は お前次第だ、ダイテツ…!)
エイタ「総員に告ぐ、総員に告ぐ。 ハガネ発進90秒前…!」
ダイテツ「補助エンジン、始動」
テツヤ「了解。 補助エンジン、始動!」
(エンジン音)
テツヤ「出力、 100…200…300…」
リオ「し、司令部より伝達!  敵戦闘原潜より発射されたと思われる MAPWが伊豆基地へ接近中!」
テツヤ「何!?  MAPWの種別は!?」
リオ「大型巡航ミサイルだと 思われます! なお、基地側からの 迎撃は不可能とのことです!」
テツヤ「DCめ…。基地ごと このハガネを破壊するつもりか…!」

〈5PP〉

リオ「大型ミサイル、接近中!  狙いは本艦です!!」
テツヤ「艦長!」
ダイテツ「構うな!  テスラ・ドライブ、始動!」
テツヤ「りょ、了解!」
リオ「ハガネよりPT各機へ。 本艦の発進口より 退避してください!」
(発進口にいる機体は東に少し移動)
テツヤ「メイン・エンジン 点火10秒前、9、8、7…」
テツヤ「3、2、1、0!  メイン・エンジン点火!!」
ダイテツ「ハガネ、発進!!」
(ハガネが出撃)
オペレーター「ハガネが 発進口より出ました!」
サカエ「お、おお…!」
エイタ「艦体、離水しました。 主機、補機ともに異常なし!」
ダイテツ「主翼展開、微速前進!」
テツヤ「主翼展開、微速前進!  よーそろ!」
ダイテツ「AMM、発進準備!  大型ミサイルを撃破せよ!」
テツヤ「了解! ハガネから各機へ、 大型ミサイルは本艦が撃墜する!」
イングラム「了解した。 各機、ハガネを防衛せよ」
エルザム「フッ…現れたな、ハガネ」
エルザム「全機へ! ミサイルが この空域へ侵入するまでに ハガネの対空兵装を破壊せよ!」

〈vs エルザム〉

[カイ]

カイ「まさか、このような形で 再会することになるとはな!」
エルザム「だが、私はこの時を 待ち望んでいましたよ、カイ少佐…」
カイ「俺達は教導隊のメンバー同士… 互いの手の内は知っている」
エルザム「だからこそ、 倒しておかなければならない 敵同士なのです…!」

[イルム]

イルム「コロニー統合軍の トップエースが相手か! なら、 腕試しにゃ、ちょうどいい!」
エルザム「死に急ぐつもりか。 ならば、やむをえんな」
イルム「悪いが、腕には ちょいと自信があるんでね。 そう簡単にはいかないぜ!」

[イングラム]

エルザム「ほう…。 ビルトシュバインを操るとは、 この男…ただ者ではないな」
イングラム「優秀なパイロットだ。 教導隊出身は、伊達ではないと 言うことか…」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「…間違いない…。 この動きは…」
エルザム「随分と幼いパイロットだな。 ならば、例の養成機関の出身だと 見て間違いないか…」

〈エルザム以外を全滅〉

エルザム「…ミサイルが来たか。 ここまでのようだな」
(ガーリオン・トロンベが撤退)
リオ「ミサイルとの相対距離、 7000!!」
エイタ「対空火器管制システム、 正・副ともに異常発生!  自動照準装置も作動しません!」
テツヤ「何!? それでは、 大型ミサイルを落とせんぞ!」
テツヤ「やむをえん!  エネルギーフィールドを展開しろ!」
エイタ「しかし、現状の出力で ミサイルの爆発を防ぐことは 出来ません!」
テツヤ「ならば、戦闘機で撃墜を…」
ダイテツ「無駄だ。敵機は この空域外にもいる。それらによって 確実に妨害されるぞ」
テツヤ「う…!」
イングラム「こちら、イングラムだ。 R-1用のブーステッド・ライフルを 射出してくれ」
テツヤ「ど、どうするつもりです!?」
イングラム「俺がライフルで ミサイルを狙撃する」
テツヤ「そ、そんな無茶な!  音速に近いミサイルを 撃ち落とすなんて!」
ロバート「テツヤ大尉!  正確な弾道予測計算とR-1の ブーステッドライフルがあれば…」
ロバート「ミサイルを 叩き落とすことが出来る!」
リュウセイ「だから、 俺にそいつをやらせてくれ!」
リオ「その声は…リュウセイ君!?」
エイタ「か、艦長! R-1が…!」
ダイテツ「何だと!?」
テツヤ「やめろ!  動かないR-1で何が出来る!?」
リュウセイ「時間がねえ!  俺がミサイルを叩き落とす!」
テツヤ「しかし!  R-1の起動に失敗すれば、 我々は基地ごと消滅するぞ!」
ロバート「わかってる!  だが、方法はこれしかない!」
リオ「ミサイルとの相対距離、 6000を切りました!」
ダイテツ「よし、 ミサイルの狙撃はR-1に任せる!  準備を急がせろ!」
テツヤ「わ、わかりました、艦長…。 こうなったら、奴に賭けるしか ないようですね…!」
ダイテツ「そうだ。リュウセイ曹長… 我々の命をお前に預けるぞ!」
ロバート「いいな、リュウセイ!」
リュウセイ「ああ、わかってる!  佐世保の二の舞いはさせねえ!!」
リオ「ブーステッド・ライフル、 マガジン装填完了!  リフトアップ!」
リオ「R-1、起動準備完了!  頼むわよ、リュウセイ君…!」
リュウセイ「よし!  R-1、起動ぉっ!!」
(機械音)
リュウセイ「な、何っ!?」
ロバート「システムダウンだと!?  リュウセイ、もう一度だ!!」
リュウセイ「動け!  動くんだ、R-1!!」
リオ「ミサイル、距離3000!!」
ロバート「リュウセイ!」
リュウセイ「くそっ…動け、R-1!  動いてくれぇっ!!」
リュウセイ「俺達は 何のために、ここにいるんだ!?  答えろ、R-1!!」
リュウセイ「みんなを… DCやエアロゲイターから 救うためじゃないのか!?」
リュウセイ「ここで動かなかったら、 お前は何のために作られたんだ!?  R-1、答えろぉっ!!」
(機械音)
リュウセイ「動いた…動いたぞ!!」
ロバート「リュウセイ、 弾道予測データを送ったぞ!!」
リュウセイ「よ、ようし… 見てろよ!!」
(北西にミサイルが出現)
リュウセイ「目標確認!  セミオートモードに切り換え!  射角、誤差修正!」
リュウセイ「コッキングレバー、作動!  チェンバーへの初弾装填を確認!!」
イングラム「二度目はない。 一発で決めてみせろ、リュウセイ」
リュウセイ「ああ!  言われるまでもねえ…!!」
【強制戦闘】
リュウセイvsミサイル
リュウセイ『必ず この一撃で仕留めてみせる!』
(ミサイル撃破。ハガネが消える)
オペレーター「大型ミサイル、撃破!」
レイカー「ハガネは… ハガネはどうなった…!?」
サカエ「お、おそらく… 爆発に巻き込まれて……」
(ハガネが水中より出現)
オペレーター「こ、これは… ハ、ハガネです!  ハガネを確認しました!!」
サカエ「お、おお…」
レイカー「見たまえ。 ハガネが…我々の希望が行く…」
(ハガネが南へ移動し、海域を脱出)
(北側にリオン×3とガーリオン・トロンベが出現)
DC兵「エルザム少佐!  敵機が離脱して行きます!  迎撃命令を!!」
エルザム「いや、追う必要はない」
DC兵「何ですって!?」
エルザム「今回の任務の目的は すでに達成した。全機、帰還するぞ」
(リオンが離脱)
エルザム「見事生き延びたか、 ライ、そしてハガネ…」
エルザム「彼らこそが 地球を救う者であるという ビアン総帥の言葉……」
エルザム「信じてみる気になった」
(ガーリオン・トロンベが撤退)

《ハガネ艦橋》

リオ「敵戦闘原潜の撤退を確認。 防衛ライン乙までの針路、クリア」
エイタ「カイ少佐の機体を除いた 本艦所属のパーソナルトルーパー、 及び戦闘機の着艦終了」
リオ「艦長、極東支部の レイカー司令より電文です」
ダイテツ「読み上げてくれ」
リオ「『貴艦の航海の安全と 任務の成功を祈る』…以上です」
ダイテツ「よし…これより、本艦は DCの本拠地を叩くため、南太平洋の マーケサズ諸島へ向かう!」
テツヤ「ハッ!」

《ハガネ格納庫》

ライ(…この戦争が始まってから、 エルザムと出会う日が来ることは 予測していたが…)
ライ(…ブランシュタイン家が 実権を握るコロニー統合軍ではなく、 DCに所属していたとは…)
ライ(まさか… エルザムは俺と戦うため、DCに?  いや、そんなはずはないか…)
リュウセイ「ライ、お前… コロニー統合軍の総司令官の 息子だったんだな」
ライ「…だから、どうした?  俺が敵だと言うのか?」
リュウセイ「別に お前を疑ってるわけじゃねえよ。 ただ、びっくりしてだな…」
ライ「…一つだけ言っておく。 父や兄の意志がどうであろうと、 俺には関係ない」
ライ「俺はただ自分に与えられた 任務を果たすだけだ」
(足音・ライが立ち去る)
リュウセイ(…あいつ、 親父と戦うつもりだってのか…)
リュウセイ(………)
リュウセイ(親父、か…)
ジャーダ「リュウセイ、お前のおかげで 助かった。礼を言うぜ」
リュウセイ「いや、 俺は無我夢中でやっただけで…」
ジャーダ「それでも大したもんだ。 ミサイルをライフルで撃ち落とす なんてよ。普通だったら無理だぜ」
リュウセイ「あれはR-1の性能と、 ロブがやった弾道予測計算が 凄かったんだ。俺の実力じゃねえ」
ラトゥーニ「………」
ガーネット「ん?  どうしたの、ラトゥーニ」
リュウセイ「?」
ガーネット「ラトゥーニがね、 パイロットにも才能がなければ ああいうことが出来ないって」
リュウセイ「え…?」
ラトゥーニ「………」
(速い足音・ラトゥーニが走り去る)
リュウセイ「…あの子って、 すげえ無口だよな」
ガーネット「ん…まあ、 色々とワケありでね。でも、根は いい子だから仲良くしてやってね」
リュウセイ「あ、ああ」
アヤ「リュウ、ここにいたのね。 私達に招集がかかったわ。 ブリーフィングルームへ行くわよ」
リュウセイ「わかった」

《ブリーフィングルーム》

イングラム「本日付をもって、 我々SRXチームはハガネに配属…」
イングラム「以後、 アイドネウス島攻略作戦に 参加することになる」
リュウセイ「毎度です島?」
ライ「…アイドネウス島だ」
リュウセイ「そうそう、それそれ。 でも、その島の名前って… 何か聞いたことがあるな」
ライ「アイドネウス島は、7年前に 隕石『メテオ3』が落着した場所だ」
リュウセイ「隕石…。 そうだ、思い出したぜ。俺が 子供の頃、大騒ぎになってたよな」
リュウセイ「で、その隕石の 落ちた島がどうかしたのかよ?」
イングラム「民間レベルには、未だ 明らかにされていない情報だが…」
イングラム「アイドネウス島の メテオ3から、地球外の知的生命体が 保有する超技術…」
イングラム「エクストラ・オーバー・ テクノロジー…通称『EOT』が いくつか発見されているのだ」
リュウセイ「イー・オー・ティー?」
イングラム「そうだ。 それらは、地球人の技術レベルを 遥かに超えた物であり…」
イングラム「様々な分野、 特に軍事技術に革新をもたらした」
リュウセイ「じゃあ、 そのEOTって奴を持っていたのは…」
イングラム「メテオ3の調査を 担当したEOTI機関は、 エアロゲイターだと予測している」
リュウセイ「EOTI機関…。 こないだのグランゾンを 開発した連中か」
リュウセイ「ってことは… あのグランゾンは、EOTを 使ったスーパーロボット…?」
イングラム「おそらくな。 そして、ビアン率いるEOTI機関は DCとなって連邦に反旗を翻し…」
イングラム「メテオ3が 落着したアイドネウス島は、 彼らの本拠地となった」
アヤ「噂だと、あの島はDCによって 要塞化されているそうよ」
リュウセイ「じゃあ、このハガネで 敵の総本山に突撃するってワケか…」
イングラム「そうだ。そして、参謀部が 計算した作戦の成功確立は……」
イングラム「9.7%だ」
リュウセイ「な、何だって…!?  そんなに低いのかよ…!」
ライ「…望むところだ」
リュウセイ「お、お前… わかってんのか!? 10回に 9回は死ぬってことなんだぞ!?」
ライ「フッ…死亡確率の高い作戦こそ、 今の俺には相応しい」
リュウセイ「お、お前…」
アヤ(ライ……)

『ビルトラプター』を入手した
『メガ・ビームライフル』×2を入手した

『G・リボルバー』を入手した
『コールドメタルナイフ』を入手した

『リペアキット』を入手した


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