back index next


ゆがむ宇宙 アーク

〈宇宙〉

アヴィ=ルー「……地球はもうだめかもネ」
???(ジェイ=レン)「ならばムゲかズールが選ばれるだけのこと どうせ最初から候補に入っては
 いなかった奴らではないか」
アヴィ=ルー「そうだけどサ。あいつらが、いちばん 面白いんだヨ」
???(ヴァル=ア)「……いよいよ終局が近づいてきたよう ですね。アヴィ=ルー、ジェイ=レン
 それぞれの役目を果たしなさい。 それが我ら大銀河の意思たる
 “アル=イ=クイス”が、 なさねばならぬこと」
アヴィ=ルー「わかってるヨ……ヴァル=ア。もう1度 やりなおす余裕は、もうないからネ」

〈クスコ〉

アンナ「AC195年9月30日。ここは 南米大陸、クスコ。私たち
 マーチウィンドは、地球を救う 切り札、“グラドスの刻印”を
 守るため、銀河帝国軍と 対峙していたのでした……」

トレーズ「順調のようだね」
アムロ「ああ。敵の動きはどうなっている?」
トレーズ「クスコに集結させたOZ軍の周囲を 完全に取り巻いているが
 今のところ攻撃を開始するつもり はないようだ」
アムロ「少しでも時間がかせげるのなら、 ありがたいな。こちらは、まだ多少の
 時間がかかる」
トレーズ「できるだけ早く用意を終わらせてく れたまえ。敵が攻撃を開始すれば
 我々はそう長くはもちこたえられない」

アーク「エイジ、準備は進んでるのか?」
エイジ「ああ……姉さんがやってるよ」
ファ「ジュリアさん、お茶をいれましたから 少し休んでください」
ジュリア「ありがとう」
アーク「……なんだか乗り気ではないようですね ジュリアさん」
ジュリア「そうですね……わたくしは今でも、 人と人とが最善をつくして
 理解しあうことが、いちばん大切な ことと信じています。できることならば
 “グラドスの刻印”などは 使いたくありませんでした」
エイジ「ジュリア姉さん……」
アンナ「それで、今まで “グラドスの刻印”のことを
 秘密になさっていたのですね?」
ジュリア「ええ。けれどやむをえません。これ以上 無益な血を流させないために
 地球人に絶望的な戦いを させないために。私たち人類は
 この大いなる宇宙の中では、 まだ幼な子にすぎないのです
 この刻印を残した先住グラドス 人たちの知恵に、私たちは
 すがらねばなりません」

孔明「クスコに例の遺跡があるのは確認 したようですね」
イワン「その通りです。もはや間違いない でしょう」
孔明「では、あの方々へそれをお教えして さしあげましょう。あとは、なりゆきを
 見るといたしましょう」
アルベルト「なんだと? ここまでやらせておいて、 これで手をひくというのか!?」
孔明「さよう、我々はここまでです。すべては ビッグファイアーのご意思によるもの」
アルベルト「ぬううぅぅ……」

ゴーマン「ワール司令、ようやく到着なさい ましたか」
ワール「ゴーマン大尉、状況はどうなって いる?」
ゴーマン「すでに総攻撃の用意は整って おります。また例の地球人どもより
 皇帝陛下のお探しになっていた 遺跡はあの地に間違いないとの
 報告がありました」
ワール「そうか……よし、全軍に 攻撃命令を出せ!
 地球人どもを撃破し、遺跡を 破壊するのだ」
ガンダル「司令官どの、陛下はずいぶんと、 こだわりを持たれておるようだが
 いったい、その遺跡とはなんなのだ?」
ワール「私も詳しくは知らん。4万年前 に何者かが残したものとしか
 聞いておらぬ。なに、地球人どもを ここでせん滅すれば、それですむことよ」

ジュドー「おい、奴らが攻撃を開始 しやがったぜ!」
ロアン「ついに始まりましたか…… “刻印”の方はどうなのです?」
甲児「まだやってるよ」
リョウ「みんな、俺たちも用意しよう。 OZがいつまで、もってくれるかわからない
 刻印が発動する前に攻めこまれ たら、俺たちはおしまいだ」
ルー「そうね、行きましょう」

バニー「艦長、衛星軌道上のグワダン から通信です」
クワトロ「グワダン……ハマーンか。 どういうつもりだ……?」
ブライト「バニー、メインスクリーンに出してくれ」
バニー「はい」

ハマーン「マーチウィンドはトレーズと協力 して、何か有効な反抗作戦を
 行っているそうだな」
クワトロ「ハマーン、何の用だ」
ハマーン「シャア……我々とて銀河帝国 軍には勝たねばならんと
 思っているのだ。現在も我々と ホワイトファングは銀河帝国軍と
 交戦中だ。が、そちらの作戦が 終了するまで、これ以上やつらの
 降下部隊は降ろさせん」
ブライト「ハマーン・カーン……協力には感謝 するが……」
ハマーン「別に見返りなど要求せんよ。 人類滅亡のかかった戦いだからな
 ではマーチウィンドの諸君、 作戦の成功を祈る」

クワトロ「……いまだグワダン1隻しか出さずに、 よくいう」
アムロ「クワトロ大尉、今は作戦に 集中するんだ。ここで勝てなければ
 アクシズがどうでも関係なくなる」
クワトロ「ああ……そうだな、アムロ」

アンナ「AC195年10月1日。 圧倒的な銀河帝国軍に
 おされ、OZのクスコ防衛隊は 壊滅に近い状態で
 後退しました。私たちはこの クスコの遺跡で、最後の対決を
 迎えようとしています」


ゆがむ宇宙

(敵機が出現、戦艦選択・出撃選択)
デュオ「来やがった、来やがった。続々と 防衛ラインを突破してきてるぜ」
カトル「ええ。かなりの数がここに集結して きていますね」
「ちっ、どうやら連中の目的もこいつ らしいな」
「ああ、そうらしい」
エイジ「姉さん!」
ジュリア「大丈夫です、エイジ。 もうまもなく終わります。みなさん
 準備が整うまで守っていてください」
万丈「わかりました、頼みますよ。どうやら、 やるしかないようだね」
ブライト「そのようだ。全機、“刻印”の 発動まで敵を遺跡に
 近づけるな!」
(エリア表示)
ガンダル「あれか……地球人の守備隊など どうでもよい。全軍、遺跡の
 破壊を最優先とせよ。 全軍、攻撃開始!」

〈2PP〉

(ジャネラ隊が出現)
ジャネラ「ええい、ガンダルめ。何を手間どって おるのじゃ。ワルキメデス、ダンゲル
 我らも突入するぞ! なんとしても、 あれを破壊するのじゃ」
ワルキメデス「おまかせください、ジャネラ様」
ダンゲル「腕がなるわ! この俺がたたきつぶして くれる!」
ベルトーチカ「敵の第二波です!」
ブライト「わかっている! くそっ、なんという数だ」

〈4PP〉

ベルトーチカ「艦長! 敵の第三波、 来ます!」
ブライト「なんだと!?」
(ゴーマン隊が出現)
ゴーマン「司令、突入準備完了です」
ワール「よし、一気に攻め落とせ!」
鉄也「くそっ、まだだってのかよ!」

〈敵機全滅〉

(唸るような音、揺れ)
葉月博士「むっ……このエネルギー反応は……」
(唸るような音、揺れ)
ブライト「なんだ? “グラドスの刻印” が……発動するのか……?」
(閃光)
ジュリア「みなさん、 よく、もちこたえてくれました
 これより“刻印”を発動させ ます」
(唸るような音、揺れ)
(白く点滅)

〈クスコ〉

アルベルト「どういうことだ、孔明。 これでは失敗してしまったのではないか
 あのようなもの、我がBF団の エージェントを送りこめば
 とめられたかもしれんものを」
孔明「フフフ、失敗などと、とんでもありま せん。これでよいのです」
アルベルト「なんだと?」
孔明「よくお聞きなさい。この作戦こそ、 我らBF団の悲願の
 第1歩なのですぞ。これすべて我らが ビッグファイアーのご意志なのです」

(唸り音)
ショウ「これが“グラドスの刻印”……」
マーベル「こんなものが4万年も眠っていた なんて、信じられないわね……」
アンナ「みて、光の柱が空へと上っていくわ」
大作「……すごい……」
デュオ「ああ、こいつはすげぇや」

(唸り音)
ジャネラ「ワール司令、 いったいどうなっておるのじゃ!?
 あれが陛下のおっしゃられていたもの なのか!?」
ワール「陛下とてどのようなものか、正確に は把握されておらなかったではないか!
 私は知らん。が、おそらくはそう 考えて間違いあるまい」
(速い足音)
ワルキメデス「司令官! あれはいったい……」
ジャネラ「黙れ、ワルキメデス!」
ワルキメデス「はっ……」
ワール「……何にせよ、陛下があれほど 気にかけられ、また地球人どもが
 必死になっておったところをみると、 何か重大な装置に違いない
 ええい、状況を確認せねば ならんか……」
ジャネラ「どうするおつもりか?」
ワール「……ゴーマン、ここはまかせる。ジャネラ、 ガンダル、我らは宇宙へもどるぞ」

ゲイル「ジュリア……あれで終わったのか?」
ジュリア「ええ……“グラドスの刻印”は 発動しました。あの柱が宇宙へと
 出れば、空間をゆがめる機構が 動き始めます」
ゲイル「そうか……」
ジュリア「しかしこれで、あともどりはできなくなり ました。この星系に来た者たちは
 帰るべき場所を失ったのです。私 たちもゾルバドス星の仲介なくしては
 本星にもどれないでしょう」
ゲイル「地球圏に残留することになる、か しかたあるまい
 もしも生き残れるならば、 その者たちの処遇については
 我々が尽力せねばな」
ジュリア「ええ、もちろんです」
ゲイル「そうか……君は“聖女”だった のだな」
ジュリア「わたくしは人々が望んでいることを するだけです」

万丈「みんな、気をぬくなよ。“刻印” の発動が成功したからといって
 僕たちが圧倒的多数の敵に 囲まれていることは変わらないんだ」
「ああ、いわれなくてもわかってるさ。 まだまだ、これからだ
 敵の動きはどうなってんだ?  戦闘は停止しているようだけどよ」
サリィ「いくつか部隊が残留し包囲網 をしいているけど、大半は撤退を
 開始しているみたいね」
ブライト「ふむ……ジュリアさん、彼らは何が 起こったか理解しているのだろうか?」
ジュリア「わかりません。銀河帝国と 先住グラドス人は数万年の
 昔に接触したことがあるはずです。 あれが何か、知っていたとしても
 不思議ではありませんが、実際に 何が起こったかは、彼ら自身が
 確認することになるでしょう」
ブライト「なるほど……よし、銀河帝国軍に 対して“グラドスの刻印”の
 発動とその影響について、告知 しよう。戦意をそげるかもしれん」
万丈「そういうことなら、ロゼにやってもらおう。 それがもっとも効果的だろう」
タケル「しかし……」
ロゼ「いいわ、マーズ。私がやります」
タケル「ロゼ……」
ロゼ「悪いのはズールだ、そういったのはマーズ あなたよ。私が呼びかけることで
 戦いをやめてくれる人がいるのなら、 私はそれでいい」
ブライト「ふむ……頼めるか、ロゼ」
ロゼ「はい」
アラン「よし、そういうことなら、帝国軍に 向けて発信する通信文について
 検討しよう」
ブライト「そうだな。 サリィ、敵の監視は続けてくれ
 それと、トレーズに連絡を頼む」
サリィ「わかりました」

万丈「さて……あとは敵の動きを待つだけか うまくいってくれると、いいんだけどね」
ビューティ「万丈、もしもうまくいかなかったら どうなるの?」
レイカ「決まってるでしょ。残った 銀河帝国軍の数だけでも
 圧倒的だわ。私たちは、 負けるのよ」
アムロ「まぁ、そうと決まったわけでもないが…… しかし、うまくいくにこしたことはない」
万丈「ああ……どうなることかな……」
(唸り音)
アンナ「みんな、見て!」
万丈「どうした、アンナ?」
デビッド「なんだぁ!?」
アムロ「これは…… これが刻印の影響なのか……?」
沙羅「……空が……なんて光景だい、 まったく」
デュオ「ああ……こいつはまったく…… 宇宙が、ゆがんでるみたいだぜ」
カミーユ「ゆがむ……宇宙か……」

(通信)
ブライト「なんだ!?」
中条長官「艦長、 早乙女博士はそちらかね?」
早乙女博士「わしはここにおるよ。何か?」
中条長官「博士、すぐに来てください。 ゲッター線実験中のゲッターに
 異変が生じているそうです」
早乙女博士「なんですと!? すぐに行きます!」

リョウ「博士、いったいどうしたんです?」
早乙女博士「お前たち、近づくんじゃない!」
ハヤト「ああ、こいつはひどいな。どうしたって いうんです」
早乙女博士「うむ……あやうくゲッター炉が 暴走しかけおった」
四谷博士「早乙女博士、数値は 正常値までもどっておるぞ」
早乙女博士「……もう大丈夫のようだな。危ない ところだった。あいつが暴走したら
 ガンドールも無事ではすまなかった だろう」
ハヤト「原因はわかっているんですか、 博士?」
早乙女博士「ううむ……」
弓教授「早乙女博士、このデータを 見てください」
早乙女博士「……これは! バカな、こんなことはあり えん! 弓教授、このデータは……」
弓教授「暴走直前に、モニターした時の ものです」
ベンケイ「何だよ、どうしたんだよ博士」
早乙女博士「わからん……この異常な数値は……」
四谷博士「もしやとは思うが…… “グラドスの刻印”の発動が
 影響しておるのではないかな」
早乙女博士「だとすれば……この数値をもとに 計算をやりなおし……いかん!」
リョウ「こんどは何です」
早乙女博士「いまの暴走で、ゲッター線 増幅炉が使えなくなってしまった
 くそ、これでは実験を続けることが できん……」


back index next