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偽りの平和 アーク

〈宇宙・地球の近く〉

ベルトーチカ「いよいよ宇宙に来たわね、アムロ」
アムロ「……ああ」
ベルトーチカ「どうしたの?」
アムロ「……なんでもない。ごめん、部屋に もどるよ」
ベルトーチカ「え……? あ、ちょっとアムロっ!」
(足音、扉が開閉する)
ベルトーチカ「アムロ……なにか様子がおかしいわ」
クワトロ「待ちたまえ。彼はひとりになりたがって いる。放っておいたほうがいい」
ベルトーチカ「なによ、あなたには関係のないことで しょ! これは私とアムロの問題だわ」
クワトロ「ベルトーチカ、人の心の中に踏み 込むには、それ相応の資格がいる」
ベルトーチカ「あたしには、その資格があるつもりです アムロッ!」
(扉が開閉する)

クワトロ(……死んだ者に会えるわけがないと 思いながら、どこかで信じている
 だからララァの死んだこの宇宙が 恐くなる。アムロ……生きている間に
 生きている人間のするべきことがある それをすることが、死んだ者への
 手向けにもなるのだ……)

アストナージ「どうだ?」
シャリー「やっぱりダメだわ。やり直さないと。 ジャネット、該当する機体と
 問題点をリストアップして。 レインはリストのチェックを頼むわ」
ジャネット「すぐ出すわ、ちょっと待って」
アストナージ「やっぱりダメかぁ。十分なテストが できなかったから、しかたないといえば
 しかたないんだが……」
レイン「えっ!? ジャネット、これ全部そう なの? アストナージさん、これ、かなり
 時間かかりますよ」
アストナージ「あ~、やっぱりそうかぁ……」
チボデー「お前ら、何騒いでんだよ。 シャリー、どうした?」
シャリー「あ、チボデー。宇宙戦に対応して ない機体の改修が、
 十分じゃなかったのよ」
チボデー「なんだそりゃ。おいおい、 しっかりしてくれよ」
アストナージ「地上で、設備もなくて、そんなに 完全にできるわけないだろ
 無重力での使用なんて想定 されてないんだ
 姿勢制御用のバーニアの コントロール系だって……」
レイン「システムソフトの書き換えで、 どこまでAMBACに対応できるかも
 問題よね……」
ジャネット「それにしたって、シミュレート用のデータ が足りなすぎるわ。ソフトウェア側で
 対応させるなら……」
チボデー「…………」
アストナージ「なるほど、つまりそういうことか。 だとすると生命維持システムが……」
レイン「じゃ、リスクマネージメントについては……」
シャリー「でも、結局最後の部分は、 腕でカバーしてもらわないと……
 あらチボデー、まだいたの?」
チボデー「……あー……とにかく、がんばってくれや」

ブライト「そうか、スウィートウォーターは、まだ 無事か……」
リョウ「なんです、そのスウィートウォーターって いうのは?」
クワトロ「ジオン独立戦争の後、 つまり帝国の侵攻の前だが
 難民収容用として用意された コロニーだ。戦争で半壊した
 コロニーを、継ぎ合わせてつくったもの でな。当時の連邦が、いかに
 宇宙移民者のことを考えていな かったというのが、よくわかる」
ブライト「かつて解放戦線が連絡をつける ことのできた、唯一のコロニーだ
 同志も多い。OZに対しても 警戒を解いていないようだな」
甲児「そりゃいいや。じゃオレたちはとりあえず そこへ行くってことか」
ブライト「そういうことになるな」
さやか「でも宇宙で私たちが頼れるのって、 そこだけなんですか?」
ブライト「いや……他にもあることはあるんだが、 所在があきらかではない」
アムロ「そうか……ラビアンローズか」
「はぁ? 場所がわからねぇって、 コロニーじゃないのかよ」
アムロ「ラビアンローズはドック艦なんだよ」
クワトロ「そうだ。1年戦争の終戦 直前、すでに抵抗運動のことを
 考えておられた准将が、 クルーを説得し、暗礁宙域へ
 向かわせたそうだ。だが、 その後の情報がないのだ」
甲児「それじゃ話にならないぜ」
ハヤト「だからとりあえずは、スウィートウォーター に向かうってことさ」
ブライト「そういうことだ」

(アーガマで南東に移動、暗礁宙域に近く)
(ガンダムアラート)
ベルトーチカ「艦長、接近する部隊を確認」
ブライト「どこの部隊だ?」
ベルトーチカ「……帝国軍です」
ブライト「く……こんなときにか。アストナージに つないでくれ」
バニー「でました」
アストナージ「艦長、敵ですか!? まだ終わって ませんよ!!」
ブライト「出られるものだけでいい。出させろ」


偽りの平和

(敵機が出現)
(アーガマ出現、出撃選択)
ヘルマット「馬鹿な! なぜ奴らがこんなところに いるのだ!?」
ムゲ兵「将軍、どういたしますか」
ヘルマット「ばかもの! 月面基地までたどり 着けねば、話にならん。突破しろ!」
ムゲ兵「し、しかし……」
ヘルマット「おのれぇ、地球人ごとき、なめられて たまるか!」
「ちっ、ムゲ野郎かよ!」
アムロ「みんな、宇宙での戦闘は初めての 者もいると思うが、落ち着いていけ」

〈4PP〉

(OZ軍出現[第三勢力])
ブライト「OZだと!? くそっ、発見されて しまったか」
バスク「賊軍め。こんなところまで出て きおって。ロザミア、いけるな」
ロザミア「はい特佐。おまかせください」
カミーユ「この感覚……フォウ? ……いや、 違う。アムロさん、何か感じませんか」
アムロ「カミーユ? あの敵が強化人間 だというのか……?」

〈5PP〉

(ケーラ出現[ウェーブライダー])
ケーラ「聞こえますか、アーガマ。こちらは ラビアンローズのケーラ・スゥ」
ブライト「ラビアンローズ!? やはり無事だった のか。アーガマのブライト・ノアだ」
ケーラ「アーガマが宇宙に上がったと聞き、 迎えに参りました」
ブライト「そうか。しかし見ての通り今は、 OZと交戦中だ」
ケーラ「了解。援護します」
(Zに変形)

〈vs ヤザン〉

カミーユ「プレッシャーは感じない。 ただ強いだけだ」
ヤザン「小僧が知ったふうな口をきくな!」

〈ライラ撃墜〉(カミーユ)

ライラ「くっ、ジェリド……油断するなよ…… やはりこいつ、ただ者じゃない……」
ライラ(そうか……私がいま あの子をただ者じゃないといった
 このわかり方が無意識のうちに 反感となってしまう。これが……
 オールドタイプということか……)

〈カクリコン撃墜〉

カクリコン「くっ、やられた!? ……アメリアーッ!」

〈暗礁宙域傍〉

ケーラ「ブライト艦長、おひさしぶりです」
ブライト「ご苦労だった。ラビアンローズが、まだ 健在だったとは助かるな」
ケーラ「はい。アーガマにブライト艦長がいる のを聞けば、艦長代理も
 喜ぶでしょう」
ブライト「艦長代理? ラビアンローズの 指揮は誰がとっているんだ?」
ケーラ「エマリー・オンスです。艦長はOZが 主導権を取りもどしたとき
 投降しようとしたのですが、エマリーは 必ずブライト・ノアがくるからと
 やめさせました。それで、今は彼女が 艦長代理となっています」
ブライト「そ、そうか、エマリーが……」
大作「前にいっていた、ブライト艦長の 奥さんですか?」
ブライト「ば、ばかなことをいうな。エマリーは そんなんじゃない」
大作「え、違うんですか? ごめんなさい、 艦長がうれしそうだったから僕
 つい、そうかと思って。 そういえば名前も違いますね」
シュバルツ「ハハハハハハッ、大作、大人には 大人の事情というものがある
 あまり、うかつなことをいうものではないぞ」
ドモン「なんだシュバルツ。いったい、どういうこと なんだ?」
レイン「ちょ、ちょっとドモン、やめなさいよ……」
ブライト「お前ら、いいかげんにしろ! シュバルツ も、よけいなことをいうんじゃない!」

アストナージ「ケーラ!」
ケーラ「やぁアストナージ。ひさしぶりじゃないか。 元気だった?」
アストナージ「ケーラこそ。俺、心配で……」
ケーラ「ちょっ、やめなよ、こんなところで。 それより、カミーユってのもいるんだろ」
カミーユ「いますよ。なにか?」
ケーラ「Zガンダムは、君のためにもってきた ようなものだからね。基本コンセプトは
 君が考えたって聞いたけど?」
カミーユ「Zガンダム? そうですよ。完成して いたんですか?」
ケーラ「そういうことさ。大事に使いなよ」

クワトロ「さて、どうする艦長?」
ブライト「機体の改修のこともある。 まずラビアンローズへ向かおう
 アストナージたちだけでは、かなり厳しい ようだからな」
アムロ「わかった。他の連中に伝えてこよう」
ブライト「……なんだ、何かいいたいことがあるのか いっておくが俺は別に……」
アムロ「そういう態度が誤解をまねくんだよ ブライト。……本当に誤解なのか?」
ブライト「当たり前だ。お前まで、そんなことを いうのか」
アムロ「冗談だよ」

さやか「あら、みんなで何みてるの?」
鉄也「コロニー代表会議だそうだ。 ちょうどOZの奴が出るところだな」

レディ「A.C.195年、宇宙の 民は自由であるべきなのです。しかし
 地球連邦政府はあなたがたを 抑圧してきました。そして、その後に
 やってきたムゲゾルバドス帝国もまた。 ですが、そのような時代は
 もう終わりです。地球では新たなる 秩序が、つくられようとしています
 それは、この宇宙でも同じです。 あなた方は自由なのです
 OZが皆様を支えます」
コロニー代表「すばらしいことです、レディ・アン代表 我々サイド6は、OZに賛同
 いたします。OZの公明正大さに、 誤解はすぐに解けました
 他のコロニーもきっと同調すること でしょう」
レディ「ありがとうございます。ともに地球圏 に平和な未来をもたらすために
 努力してまいりましょう……」

甲児「ちっ、けったくそわりぃな。よくこんだけ 美辞麗句を口にできるもんだぜ
 だいたいコロニーの連中も、なんだって こうもあっさり信用しちまうんだよ」
アラン「誰だって無意味な争いはしたくな いからな。かつては連邦に、その後は
 帝国に、彼らはしいたげられてきた。 本来、武力をもって制圧しても
 おかしくないOZが、友好的に 接してくるならば……」
さやか「受け入れてしまっても、しかたのない ことってわけね」
アラン「そういうことだ。だが…… 彼らもいつかは気づく
 それが偽りの平和だったとな」
鉄也「平和……平和か。誰かが与えて くれる平和など本物じゃない、と
 理解するには、犠牲が必要 だってわけだ」
大作「そう……でしょうか。本当に 犠牲は必要なんですか?
 僕にはわかりませんよ」
鉄也「フン、甘いガキだぜ。なら今まで 戦って死んでいった連中は
 なんだったんだ? 平和を得るための 犠牲じゃなかったってのか
 ムダ死にだったと? 冗談じゃねぇや」
ジュン「まったく、子供相手にムキになるん じゃないの。鉄也みたいなのばっかじゃ
 戦争なんて、いつまでたっても 終わらないんじゃないかっていいたいのさ
 ね、大作」
アラン「それにしても……」
鉄也「何か気になることでもあるのか?」
アラン「うむ……。兜、お前……よく “美辞麗句”などという言葉を
 知っていたな。驚いたぞ」
さやか「そういわれてみれば、そうねぇ」
甲児「ほっとけ!」

雅人「ねえ、今のレディ・アン代表って、 あのレディ・アン特佐なのかな?
 なんだか、ずいぶん違うみたいだったけど」
甲児「そういや、そうだったな。別人なんじゃ ねぇのか? 双子の妹とかさ
 あんな陰険そのものの女が、 あんないい顔できるわきゃないぜ」
シモーヌ「ウフフフ、わかんないわよ。女の顔は 1つじゃないんだから」

ミカ「ねぇ、みんな聞いた?  ウィナー家の資源衛星が
 破壊されたって話よ」
タケル「ウィナー家? コロニー建設で名を あげた有力者じゃないか。なんだって
 そんなことになったんだ、ミカ?」
ミカ「それがね、OZの受け入れを 拒否したウィナー家の当主に
 住民たちが反対運動を 起こしたんだって。その人は争いを
 避けて、衛星で逃げようとした らしいんだけど……」
ショウ「それをOZに狙われたってことだろ。 死んだら、何にもならないのにな」
マーベル「でも、嫌な感じね。コロニーの内部 で、そういう争いが起こるのは
 それにOZが関わるのもそうだけど……」
ルー「ちょっと待って。ウィナー家ですって?  それってカトルの関係者じゃないの?」
リョウ「可能性は高いな。まさか その事件に、カトルの奴が関わって
 いるとは思えないが、気にはなるな」
ハヤト「ああ……無事でやっているといいがな」


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