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群がる殺人機 アーク

〈砂漠の傍〉

クワトロ「大丈夫か、 アークライト君」
アーク「はい。……あとどのくらい かかるのでしょうか?」
クワトロ「半日といったところだな。このあたりは 帝国軍の哨戒ルートだ
 すまないが、もう少し 我慢してもらいたい」
アーク「はい」
(北へ少し移動)

〈砂漠のへり〉

クワトロ「ついたぞ」
アーク「ここが……?」
クワトロ「廃墟となった町はどこにでもある。 帝国軍は我々がその中に
 隠れていることを知っていても、 しらみつぶしに探すわけにもいかん
 長期的には難しいが、短期間 であれば、いい隠れ家になる」
アポリー「大尉、モビルスーツは 奥に入れてくれとのことです」
クワトロ「了解した。 どうした、アークライト君
 機体を中へ入れれば、 あとは休める」
アーク「あ、はい。そうします」

ブライト「ご苦労だった、大尉。 あれが例の新型か」
クワトロ「そうだ。しかし、残念ながら向こうの 組織は、壊滅状態だった」
ブライト「では、あのパイロットは?」
クワトロ「アークライト君、 紹介しよう
 地球解放戦線機構の ブライト・ノア中佐だ」
ブライト「ブライトだ。よろしく頼む」
アーク「アークライト・ブルーです」
クワトロ「彼はもとC級市民だ、中佐
 ゲリラ狩りに巻き込まれていた ところを保護した」
ブライト「そうか。最近では少なくないパターン だな。しかし、多少の訓練は
 受けていたのだろう?」
アーク「いえ……。システムには市街戦闘 モードがセットされていましたし
 操縦系はセミオートで、つねに マニュアルも表示されていましたから…」
ブライト「しかし、それで実戦を? 信じられん」
クワトロ「センスがいいのだよ、彼は。 パイロットとしての資質をそなえている」
アーク「そんな……僕は……」
ブライト「よし、アークライト。 大尉もきてくれ。
 みなに紹介しよう」

アポリー「あれですよ大尉。 パイロットが降りてきますね」
クワトロ「帝国製のSPTか……。 そこで止まれ。何者だ?」
エイジ「俺の名はエイジ。 この場所はねらわれている
 それを伝えにやってきた」
クワトロ「ねらわれている?  帝国に発見されたというのか
 しかしわからんな、なぜ君はそれを 我々に教えようというのだ?」
エイジ「グレスコ総督を、 ムゲゾルバドス帝国を
 この地球から叩きだすためだ。 悪いことはいわない
 すぐここから退去したほうがいい」
アポリー「いきなりいわれて、はいそうですかと 信じられるかよ」
クワトロ「そうだな。我々にしてもそれなりに 情報は集めているが、その話は
 確認されていない。なぜ君がそれを 知ったのか、教えてもらえないかな?」
エイジ「ゲリラ掃討部隊の通信を 傍受した
 この場所は付近一帯の 地形をスキャンして、
 分析した結果、発見した」
アポリー「大尉、こんなやつのいうことを 真に受ける必要はありませんよ」
クワトロ「ふむ……少し考えさせてもらう
 悪いがその間、君の身がらを 拘束するが、よろしいか?」
エイジ「……いいでしょう。 ただし、早めに
 敵部隊はここに向けて 移動中です」

ブライト「帝国製のSPTに乗る 青年か……
 大尉はどう思う?」
クワトロ「彼のいうことはおそらく本当でしょう」
アポリー「なぜです?」
クワトロ「我々をここから移動させても、 得するような者は思いつかない」
ブライト「そうだな……そう思う。 よし、移動の準備だ」
アポリー「了解」
(扉が開閉する・アポリーが立ち去る)
ブライト「大尉、あとでその青年を こちらによこしてくれ」
クワトロ「わかった」
ブライト「それと……」
クワトロ「アークライトのことだな。確認は してみるが、無理強いはしたくない」
ブライト「わかっている
 だが、あの機体は解放戦線で 運用させてもらう」
クワトロ「それはそうだ。我々は 慈善団体ではないのだからな」
ブライト「ああ……そういうことだ」

アーク(俺、これからどうするんだろう……
 エミリア、俺、戦争しなきゃ ならないのかな……)
クワトロ「ここにいたのか」
アーク「クワトロ大尉……なにか?」
クワトロ「我々はここを放棄する。 つまり移動するということだ」
アーク「そう……ですか。あの、僕は……」
クワトロ「君の、好きにすればいい。 一緒にくるというのなら
 ソルデファーのパイロットとして 歓迎する。スタッフは多いが
 戦闘パイロットは、 そう多くないのでな」
アーク「……そうじゃないときは?」
クワトロ「残念だが、近くの町まで 送るようなことはできない。かわりに
 ジープを1台おいていく。ソルデファーは 我々で運用することになる」
アーク「ずるいんですね」
クワトロ「そういうものだ。 我々も死にたくはないのでな」

アーク選択

いきますよ
もう少し考えさせてください


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