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時は流れた アーク

〈ニューヨーク〉

アンナ「アフターコロニー195年。 かつてここは地球でもっとも栄え
 もっとも自由に満ちていた 都市の一つでした
 今は、暗やみと恐怖の支配する、 名を禁じられた
 ムゲゾルバドス帝国の町。それでも いつかきっとくる自由の光を持って
 町の誰もが、息を潜めている。 私の名は、アンナ・ステファニー」
(足音)
デビッド「なんだアンナ、 また日記を録音してたのか。
 もうすぐ出発だぞ」
アンナ「デビッド…… 本当にこの町を出て行くの?」
デビッド「ここは奴らのおひざ元だ。捕まらない 程度にちまちまやっているだけじゃ
 ラチがあかねぇ。ここを離れて、もっと 大規模に抵抗運動を
 やろうっていうんだ。 悪い話じゃないだろう」
アンナ「でも……」
デビッド「アンナの言いたいことはわかるが、 置いていくわけにはいかないぜ
 ここにいれば銃を持っていなく たって捕まっちまうんだ
 もう仲間たちも出発を待ってる。 いこうぜ」

(足音×2)
グラドス兵「そこのお前たち、動くな!」
デビッド「ちっ!」
(電子銃音)
グラドス兵「ムダだ。お前たちは包囲されている」
デビッド「くそぉ……」
ロアン「おとなしくした方がいいですよ。 無理をしてむざむざ命を
 捨てることも、ないでしょう」
デビッド「ッ!! 貴様…… 噂は本当だったのか!?」
アンナ「どういうこと!?  ロアン、説明して!
 私には信じられない」
ロアン「僕の方こそ驚きましたよ。2人 そろって、こんなことをしているなんてね」
デビッド「売ったのは貴様か!  このクソヤロウがっ!!」
ロアン「君たちが見ているとおり 僕は裏切り者
 いまさら何をいわれても、こたえませんよ」
アンナ「どうしてなの!?  どうしてあなたが帝国の側に!?」
ロアン「つまらない地球人の誇りなどすてて 帝国の支配を受け入れれば
 いいのです。そうすればそれなりに 平和に生活していけます
 君たちも僕を見習って そうしたらどうです」
アンナ「えぇっ!? ロアン、あなたって人は……」
(電子銃音)
グラドス兵「なんだ! ゲリラか!?」
ルー「あんたたち、早く逃げるのよ!」
(銃声、速い足音、電子銃音)
デビッド「ありがてぇ、助かったぜ!」
ルー「そんなことはいいから、 例の場所へ急いで!」
デビッド「ああっ。アンナ、走れ!」
アンナ「え、ええ!」

〈大陸の中側、荒地〉

(ミデアが五大湖の南まで移動)
アポリー「どうした?」
アーク「いえ…… このミデアって
 ずいぶん、のりごこちが悪いんだなと 思って」
ロベルト「ハハハ、そりゃ当たり前だ
 こいつは、ただのポンコツ輸送機 だからな」
アポリー「無理やり改装してあるだけ なんだ
 下を歩かなくていいぶんは、 勘弁してもらわないとな」
アーク「……どうなるんです、これから?」
アポリー「なんだ、いきなり」
アーク「だって、地球上はでこも帝国軍 に支配されているっていうのに
 いつまでもこんな戦い方ばかり してたら、そのうち……」
アポリー「まぁ、大規模で組織的な 抵抗運動は、始まったばかり
 だからな。ただ世界中で結構 そういう動きってのは、活発になって
 きているんだ。俺たちはこれからどんどん そういうのを、増やそうとしてるんだよ
 そうなれば戦力も増えるし、 もっとましな状態になるさ」
アーク「…………」
アポリー「あまり考えすぎるなよ。今お前が するべきなのは、自分の機体を
 ちゃんと整備して、1回ごとの戦い に、しっかり生き残ることなんだからな」

〈ニューヨーク傍森の中〉

ゲリラ「小隊長……小隊長!!」
シロー「あ……なんだ?」
ゲリラ「まぁたその時計ですか。女ものじゃな いんですかい、それ。恋人のやつとか?」
シロー「そんなんじゃない。で、なんだ?」
ゲリラ「ここに潜伏してもう1週間ですぜ。 本当に奴は来るんですか?」
シロー「来る。ここが奴のテスト飛行の ルートなのは、確実なんだ」
ゲリラ「かもしれませんけど、また来るっていう 保証は……」
シロー「!? 静かにしろ!」

(飛行音)
ゲリラ「ビンゴだ。本当に来やがった。 やるかい、小隊長」
シロー「まだだ、十分引きつけてからだ!」


時は流れた

(ザク×5、アプサラス出現。ザクが出現し、アプサラスがゆっくり移動)
アイナ「…………」
(08小隊が出現)
スペシャルズ「なんだ、待ち伏せか!?」
シロー「よぉし、正面ポイントデルタより、 集中攻撃をかける!」
(山端まで移動し、長距離射撃でアプサラスを攻撃)
シロー「……だめか!?」
ゲリラ「小隊長、こいつはヤバイ!  引き上げよう!」
シロー「もう遅い!」
(ザク3機が移動してきて戦闘に、味方機1機はすぐに撃墜)
ゲリラ「うわあぁぁぁーっ!!」
(2機目も撃墜)
シロー「くっそぉぉーっ!!」
(ザクを撃墜)

〈vs アイナ〉

アイナ「離れなさい! 死にたいのですか!?」
シロー「……その声は……まさか……」
アイナ「……!?」
シロー「そんな……この化け物のパイロットが… …アイナ……?」

[説得 (シロー)]

シロー「アイナ、アイナ・サハリン!  聞こえるか!?
 アイナなんだろ!? 応えてくれ!!」
アイナ「…………」
シロー「覚えていないか!? 俺だ、 シロー・アマダ! 生きているんなら
 返事をしてくれ!!」
アイナ「本当に……本当に シロー・アマダ……?」
シロー「覚えていてくれたか。無事でよかった。 また会えるなんて、思わなかった」
アイナ「私も……あっ!」
(墜落音)
シロー「どうしたアイナ!?」
アイナ「くっ、機体の安定を保てない……」
(通信)
アイナ「別の部隊が接近中……?」
シロー「アイナ!?」
アイナ「シロー……離れてください」
シロー「アイナ? ……待ってくれアイナ!!」
(アプサラスが北西へ移動し撤退)
シロー「アイナッ!!」
(オーバーヒート音)
シロー「くっ、オーバーヒート!? くそっ、 こんなときに! アイナァァァーッ!!」

〈敵機全滅〉

シロー「くそ……こんな時に故障だなんて…… アイナ……」

(Ez8は撤退している、山頂にシローがいる)
シロー「……だめかぁ。やっぱり修理は ムリか……くそっ」
(味方機5機が出現(ジム、ザク)、先頭の2機が少し西に移動)
シロー「……なんだ?」
(先行機の内1機はデビッド)
デビッド「みんな急げ、おいつかれるぞ!」
(ゴステロが出現)
ゴステロ「ふん、サルどもが
 逃げられるとでも思っていやがるのか?
 ええ、お笑いだなぁ」
(後続3機が撃墜される)
デビッド「ジョージ!? マイケルッ!  ジェームズーッ!
 くそっ……ちくしょうっ!!」
ゴステロ「ひゃーっははははっ、たまらないなぁ 人殺しというのはぁっ!」
ルー「くっ、まいったわね
 これほどしつこく追撃隊まで 出してくるなんて、予想外だわ」
デビッド「ロアンのやつめ……
 どうするんだよ、仲間もほとんど やられちまったぞ!」
ルー「どうするったって…… とにかく逃げ切るしかないでしょ!」
アンナ「デビッド……」
デビッド「アンナ、しっかりつかまってろ!」
(ルーとデビッドが動き出す)
ゴステロ「逃げろ逃げろ。ひーっひっひっひ。 残りはじわじわと殺してやる」
(ルーとデビッドが動く)
ゴステロ「さぁて、そろそろサルどもの狩りを 再開するとしようか」
(ゴステロが移動し、ルーとデビッドに攻撃)
デビッド「くそっ、やつめ。 俺たちを、なぶり殺しにして 楽しんでやがる!」
(西側にミデア、モビルスーツなどが出撃)
ゴステロ「なにぃ、増援だとぉ!?  サルのくせに、なめたまねしやがって
 しかたがねぇ、お前ら、 全員迎撃しろ!」
(ゴステロが少し下がり、敵機増援が出現)
クワトロ「遅かったか。せめて、あの2機だけでも 救助せねばな。全機、続け!」
ルー「きゃーっ、やったぁ!  あれ、解放戦線よ
 迎えに来てくれたんだわ!」
アンナ「デビッド見て!  あれはレイズナーよ!」
デビッド「レイズナー!?  まさかエイジだってのか!?」
アンナ「間違いないわ! きっとそうよ!」
(ルーとデビッドが少し移動)
シロー「あれは……確か新型のシュツルム ディアスだ。ブライト中佐の部隊に
 しか、まわされていないはずだ……」

〈NEXT EP〉

デビッド「エイジ、おいエイジ!
 レイズナーに乗ってるのは エイジなんだろ!?
 俺だ、デビッドだ!」
エイジ「デビッド!?  本当に君なのか?」
デビッド「やっぱりエイジだ!  俺だけじゃない、アンナもいるぜ!」
エイジ「アンナまで?」
アンナ「エイジ……本当に…… 本当にエイジなのね!?」
エイジ「ああ、本当だ
 アンナ……久しぶりだね。 元気そうでよかった」
アンナ「エイジ……」
アポリー「おしゃべりはその辺でやめにしろ!
 そこの2機、 我々の指揮下に入れ。
 追撃機を片付けるぞ」
ルー「了解!」
デビッド「了解したっ!
 野郎、仲間の仇は うたせてもらうぜ!」

〈味方増援出現から3ターン後のPP〉

(ゲイル隊が出現)
ゴステロ「なにぃ!? ゲイル、 貴様、何しにきやがった!」
ゲイル「ゴステロ中尉、現状には ふさわしくない言葉だな
 レジスタンス追撃にこれほど 時間がかかった理由は
 後で追及させてもらうとしよう」
ゴステロ(くそーっ。ゲイルの野郎、 ふざけやがってっ!)
エイジ「ゲイル先輩か……」
ゲイル「エイジ…… 今度は本気でいかせてもらうぞ」

〈vs ゴステロ〉

[エイジ1回目]

エイジ「ゴステロっ!  貴様は遊びで人をっ!」
ゴステロ「裏切り者のこぞうが!  演説はいい!
 俺はゲイルと違って 話しあいなどせん!」

[エイジ2回目]

ゴステロ「こぞう、たっぷりとかわいがってやる!」
エイジ「ゴステロッ!」

〈vs ゲイル〉

ゲイル「エイジ……容赦はせんぞ」
エイジ「ゲイル先輩、俺もここで やられるわけにはいかないんです!」
ゲイル「ならば、その覚悟を 見せてみろ、エイジ!」

〈五大湖の南の森の中〉

デビッド「エイジ!」
エイジ「デビッド!」
デビッド「あっははははははっ。貴様ぁ、 どこへいってたんだ、この3年」
エイジ「会いたかったよ。 きっと、会えると思っていた」
デビッド「こいつぅ。ははははははっ。
 アンナ、こっちにこいよ。 本物のエイジだぜ!」
エイジ「アンナ……」
アンナ「……エイジ……エイジっ!」
(速い足音)
アンナ「エイジ……会いたかった……」
エイジ「……すまない。ずいぶん長い間 連絡もできずに……」
アンナ「いいの……もう、いいの」

アーク「…………」
(足音)
アポリー「ん? どうしたんだ、あいつ」
ロベルト「さあ?」
アポリー「お前たち、 感動のご対面中に悪いが
 とっとと、ここから逃げるぞ」
エイジ「あ、ああ、すまない」

シロー「気づいてくれよ……」
(発光信号の発射音)
アポリー「ん? ……大尉、解放戦線の 発光信号です」
クワトロ「こんなところでか。間違いないのか?  場所は?」
アポリー「あそこの森の中ほどですね」
クワトロ「ふむ……中佐、確認してくるが」
ブライト「ああ、そうしてくれ。アポリー、ロベルト、 周囲の警戒を怠るな」
ロベルト「了解」

シロー「くる……? 気づいてくれたか」
クワトロ「ほう……陸戦型のガンダムか。 ずいぶんとくたびれているな
 そこのパイロット、解放戦線の 者か?」
シロー「シロー・アマダ少尉であります。 お手数をおかけして
 申しわけありません」
クワトロ「かまわんよ。他にもまだいるのか?」
シロー「いえ、自分だけです。あとは…… やられてしまいました」
クワトロ「……そうか。そのガンダムは動けない ようだな?」
シロー「はい。焼き切れた電装部品の スペアを持ってきておりませんでしたので」
クワトロ「わかった。 我々のミデアへ運びこむが、いいか?」
シロー「おまかせします」

ブライト「ふむ……テスト中のモビルアーマーか。 データはとっているのか?」
シロー「はい。いまコピーしてもらっています」
ブライト「機体のほうは、今すぐ動くよう にはできんらしい。多少時間が
 かかるが、我々もいつまでもここにいる わけにもいかん。同行してくれたほうが
 楽なのだが、どうする?」
シロー「よろしいのですか?」
クワトロ「どのみち、戦力を集めているところ だった。ここへ来たのも、そのためでな
 君がその気ならば、准将のほうへは 話をしておく
 ここに残りたいというのなら、 別だが……」
シロー「いえ、お願いします、大尉」

(ミデアで北西へ移動、五大湖の湖の傍)
ブライト「なるほど、情勢はかなり厳しいという ことか。アマダ少尉も同様のことを いっていたな」
ルー「はい。申しわけありません。結局、 みな、ここまでたどり着けませんでした」
クワトロ「気にすることはない。君とデビッドくん を拾えただけでも、十分に
 意味はあった。それに、偶然とは いえ、アマダ少尉も救助できた」
ルー「ありがとうございます」

ルー「へぇ、じゃ、あなたたちは、あの 最初に帝国軍に襲われた
 火星の生き残りなんだ?」
デビッド「そうさ。エイジがいなけりゃ 火星で、なくしてた命だ
 だから俺たちは、あの時の エイジの志をムダにしないために
 3年間抵抗を続けてきたんだ」
アポリー「エイジはあのSPTに乗ってたんだろ?  よく信じる気になったな」
デビッド「最初は、俺たちも 信用しなかったんですけどね
 ま、いろいろあったわけで」
アンナ「最初はデビッドが一番 エイジを嫌ってたのよね」
デビッド「アンナは最初っからエイジを 好きだったんだよな」
アンナ「そんな、私は、ただ……」
ルー「ただ、なによ?」
アンナ「……この人は信じられる、 信じなきゃって……そう思ったの」
ルー「はいはい」

ブライト「大尉、ちょっといいか?」
クワトロ「ああ、ブレックス准将はなんと?」
ブライト「それなんだが……
 大尉はコロニーのM作戦のことを 聞いたことはあるか?」
クワトロ「流星に偽装した兵器を 地球に落すというあれか?
 スウィートウォーターで入手した 情報だな」
ブライト「そうだ。それがどうも実際に 行われるらしい
 准将はそれを我々の側へ 取り込みたがっている」
クワトロ「やれやれ、ずいぶんと 無理難題をおっしゃる
 スペシャルズあたりに利用 されたくないというのはわかるが」
ブライト「まだ我々の行動範囲内に 来るかどうかはわからんがね
 一応、準備だけは しておいてほしい
 我々はとりあえず南方へ 向けて移動する」
クワトロ「了解だ」


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