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ハッカー対クラッカー

〈ゼルヴォイド撃墜〉

エラン「……驚いたよ。 まさかここまで強くなってるとはね。
 けど、まだサイバスターの本当の 力を引き出せてはいないね。 勘違いしない事だ。
 そうそう、いい事を教えてやるよ。 ここの地下を調べてみるんだね。 面白いものが見つかると思うよ」
マサキ「地下だと?」
エラン「そうさ。ま、調べてみてのお楽しみ。 さて、それじゃ僕は一旦退散するよ」
(ゼルヴォイドが撤退する)

〈敵機全滅〉

(経験値入手)

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ライコウエリアル王国政府から、今回の 事件解決に関して、謝意が表された」
セニア「結局、渾沌、ディーゴには 逃げられちゃったけど……」
ライコウ「それでも、改獣のプログラムの 問題点解決や、テロリスト退治の功は 認められた」
リューネ「謝礼は出るの?」
ライコウ「残念ながら、そこまでは。 ただ、補給物資の提供は許可された」
リューネ「……結構ケチだね、エリアル王国も」
ライコウ「我が国も色々あってな。 国防費も削減対象になっているぐらいだ」
リューネ「そんなに不景気なの?」
ライコウ「いや、そうでもないんだが、 今の内閣は福祉重視だからな」
セニア「国防は最大の福祉って言葉、 知らないの?」
ライコウ「俺に言われても困る」
ワグネルエリアル王国政府は、今回の アンティラス隊の活躍を鑑み、 聯盟の決議案に調印するそうです」
テュッティ「では、今後はエリアル王国内での 我々の活動が認められるんですか?」
ワグネル「自由行動とまではいきませんが、 政府の許可が下りれば可能です」
ヤンロン「それにしても…… エランの言っていた、ここの地下を 調べろという言葉、気になるな」
ウェンディ「ざっと調査してみたけど、 特に変わった様子はなかったわ。
 もう少し詳しく調べてみれば、 何かわかるかもしれないけど……」
ワグネル「もう、時間も遅いですから、調査は 明日に回した方がいいでしょう。 以上です、解散しましょう」

[フリングホルニ 休憩室]

マサキ「…………」
リューネ「どうしたのさ、マサキ。 まださっきの事、気にしてんの?」
マサキ「え? あ、ああ……リューネか。 何の用だ?」
リューネ「だから、さっきの事気にしてるんじゃ ないかって」
マサキ「……気にしてねぇよ」
リューネ「そっか……まだダメか」
マサキ「ん? 何がだ?」
リューネ「ううん、何でもない。 さーて、もう部屋に戻ろっかな」
マサキ「ああ、もうそんな時間か。 おやすみ」
リューネ「うん、おやすみ。 あー、でも多分、今日は眠れないかなも。 ずっと起きてよっかなぁ」
マサキ「はぁ? 何言って……」
リューネ「気にしないで。ただの独り言だから。
 色々と考える事もあるし…… あーあ、誰か話し相手がいれば 退屈しないのに」
マサキ「……いいから、寝ろ」
リューネ「……マサキは?」
マサキ「俺の事はいいんだ。 ちゃんと寝ろよ、操者の務めだ」
リューネ「はーい」

[フリングホルニ マサキの部屋]

(扉が開く)
マサキ「……ふう。
 ……エランの野郎でも、ポゼッションは できた……それなのに俺は……」
リューネ「やっぱり気にしてた」
マサキ「!? なっ!?  何でお前が俺の部屋にいるんだよ!?」
ウェンディ「だって……マサキの様子が変だったから 気になって……」
マサキ「ウェンディまで一緒かよ!?」
リューネ「あたしが誘ったの。 マサキが元気ないみたいだったから」
マサキ「だからって、何で俺の部屋で 待ち伏せしてんだよ?」
リューネ「一人で悩んでないでさ、あたし達にも 相談してよ」
ウェンディ「そうよ」
マサキ「……そういう事か」
ウェンディ「エランが言ってた事、 気にしてるんでしょ?  ポゼッションができないって」
マサキ「……まあな」
リューネ「あたしは魔装機神操者じゃないから よくわかんないけど…… それって、そんなすごい事なの?」
マサキ「そうだな…… 俺も体験したのは一度だけだが…… 強烈な体験だった。
 精霊との一体感、力がみなぎる サイバスター……
 その時思ったよ。 これが魔装機神操者に選ばれるという 本当の意味かってな。
 それをあいつが…… エランが、いとも簡単に やってのけやがった。
 俺はまだ、まともに精霊の声を 聞く事も出来ねぇってのに」
リューネ「マサキ……」
マサキ「俺は……魔装機神操者として、 あいつの足元にも及ばねぇって事を まざまざと見せつけられちまった」
ウェンディ「そんな事ない!  マサキは魔装機神操者としての 役目を、立派に果たしてるわ!」
リューネ「そうだよ、マサキ!」
マサキ「……だといいんだがな」
リューネ「考え過ぎちゃダメだって」
ウェンディポゼッションができないのは、 私の責任かもしれないもの。 私の設計が甘かったから……」
リューネ「ちょっと、ウェンディさん!  あんたが落ち込んでどうすんのよ!」
マサキ「そ、そうだぞ、ウェンディ。 別にウェンディのせいじゃねぇって」
ウェンディ「あ……うん、ごめんなさい。 慰めに来て、慰められてちゃ 世話ないわね」
マサキ「……悪かったよ。 俺一人で悩んでてもしょうがねぇな。
 まさかウェンディが悩んでるとは 思わなかったし……俺は、自分の 事だけを考えすぎてた」
リューネ「そうそう、きっと大丈夫だよ。 マサキなら、ポゼッションを扱える様に なるって」
マサキ「気休めでも、そう言ってもらえたら 気が楽になるよ。悪いな、リューネ」
リューネ「別に気休めじゃないってば。 でも、元気が出たんなら良かった。
 ホントはミオも呼んで、いっそ お笑い大会でもやろうかと思って たんだから」
マサキ「おいおい、それだけは勘弁してくれ。 あいつのギャグは当たり外れが大きいんだ。 外れた時の寒さったらねぇからな」
リューネ「ハハ、そういやそうだったね」
ウェンディ「ふふ……これから寒くなるのに それはちょっとキツいわね」
リューネ「さ、それじゃ部屋に戻ろうか、 ウェンディさん」
ウェンディ「ええ、そうね。 それじゃ、マサキ。おやすみなさい」
(扉が開く)
リューネ「おやすみ~」
(扉が閉まる)
マサキ「ああ、おやすみ。
 ……サンキューな、二人共」


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