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私が守りたかったもの 拒絶ルート・アイビス ~ 第52話 ~

《オルファン・WORLD AREA》

[オルファン]

ジョナサン「では、決行はいつにするのだ?」
バロン「今日だ。 既にグランチャー部隊は掌握している」
バロン「これでオルファンは ジョナサン…お前のものとなる」
ジョナサン「過分な使命だ。 俺に出来るのか?」
バロン「あの無能な ガバナーにだって出来たことだ。 お前に出来ないはずがない」
ジョナサン「まあ、グランチャー部隊の 指揮はクインシィに任せますがね」
バロン「女に従ってみせる… ということでいいのか?」
ジョナサン「フ…地球に審判を下し 銀河旅行をする時に必要なのは 女王です」
ジョナサン「キングではリクレイマーや 軍人という大衆はついてきませんよ」
バロン「さすが私が見込んだ騎士…… ナイトである」
ジョナサン「何故、そこまで私に して下さるのか?」
バロン「地球での思い出…、 貴公と同じようにつらいもの ばかりだったからだ」
ジョナサン「このバロンズゥの力で オルファンは何もかも無にして我々を 新しい世界へ連れていってくれます」
バロン「そうだよ…二人でそうしよう…」

《移動中 衛星軌道上・EARTH AREA》

[ラー・カイラム・ブリッジ]

ブライト「オルファンが浮上を開始した?」
アイリーン「はい。 現在、オルファンは大地を離れ 数時間後には大気圏を離脱するでしょう」
比瑪「で、でも…オルファンは ビムラーの力で宇宙に飛び立つはずじゃ…」
「どうなんだ、ケン太?」
ケン太「僕にも、よくわからない…。 …でも、確かなのはビムラーの覚醒は まだだって事だよ」
ブライト「では、オルファンは…!」
アムロ「当初の計算通り、地球中の オーガニック・エナジーを吸収して 銀河へ旅立つかも知れない…」
ブライト「リクレイマーめ…!  大気圏内の戦いが終結する タイミングを待っていたのか…!」
麗雄「それはわからん…。 オルファンの制御は最後はオルファンの 意志によるものだ」
麗雄「リクレイマーがどう頑張ろうと オルファンをコントロールする事は 出来んはずじゃ」
ラッセ「かと言ってオルファンが宇宙に 飛び出せばオーガニック・エナジーを 吸われて地球はお終い…」
ケン太「そんなの絶対に駄目だよ!」
麗雄「うむ…我々はオルファンの活動を 止めねばならん…」
麗雄「そして、その鍵を握っているのは 彼らじゃろう…」
「………」
比瑪「え…私達…ですか?」
ケン太「うん…きっとそうだよ…。 勇さんと比瑪さんならオルファンと 話が出来るよ」

[アルビオン・ブリーフィングルーム]

麗雄「では、比瑪ちゃん… みんなにオルファンの事を話して やってくれ」
比瑪「…オルファンは 敵っていうものではありませんね」
ナンガ「じゃあ、何だってんだよ?」
カナン「それって… 比瑪ちゃんと勇の感じ方でしょ?」
「比瑪の言う通りです。 俺とカナンが教えられていたのは リクレイマーの一方的な理屈だったんです」
「つまり、脱走したい人… 逃げ回りたい人の考え方だった」
カナン「そうか…。 そうね…オルファンの抗体になれば 悲しい事はなくなると信じてた」
ラッセ「現実逃避の思想だな」
「考えてもみて下さい。 オルファンは自分独りでだって宇宙に 出られるのに…」
「どうしてアンチボディなんかが 必要だったのか? 何故リクレイマーの 侵入を許したか?」
カミーユ「オルファンにとって 人間が必要だってことか?」
「姉さんも言ってました。 グランチャーだってブレンと同じように 感情があるって」
「ですからオルファンだって…」
ヒギンズ「気持ちを通わせて 話が出来るってこと?」
「ええ…そういう可能性は感じました」
キリー「おいおい… 本気で言ってるのかよ?  あれと一体どうやって話をするんだ?」
比瑪「私…オルファンの女の子の声を 聞いたわ。さびしいって泣いている姿も 見ましたよ」
比瑪「だから、私…話し合いは…」
比瑪「だから、オルファンは誰かに側に いて欲しいって思っているわ」
麗雄「本来、その役目はオルファンの 対になる存在…ビー・プレートと 呼ばれているもののはずじゃ…」
アムロ「ビー・プレート?」
麗雄「もっとも、理論上の存在で それが何であるかは見当もついて おらんがな」
比瑪「彼女は…宇宙の迷子なのよね」
「同時にブレンやグランチャーの 母でもある…。それに賭けてみません?」
ブライト「しかし…具体的に 我々は何をすればいい…?」
ブライト「おそらく我々がオルファンを 停止させようとすれば、リクレイマーも グランチャーを動かすだろう」
アムロ「そして、グランチャーを 退けたとしてもオルファンが停止するとは 限らないか…」
ケン太「そんなことないよ!  オルファンはきっと僕達の話を 聞いてくれるよ!」
真吾「とケン太は言うが、 何を考えているかわからん奴が 相手だからなあ…」
レミー「まあ、出たとこ勝負って感じ?  他に方法もないし」
キリー「何て分の悪い賭けだ…」
レミー「なら、降りる?」
キリー「こんな馬鹿げた作戦… 俺達がやらなきゃ誰がやるんだよ」
麗雄「では、決まりじゃな」
「はい」
(アラート)
トーレス「ブライト艦長!  オルファンが目視出来る位置まで 浮上しました!」
ブライト「よし…オルファンへの 呼びかけは勇と比瑪が担当。他の 小隊はそのバックアップに回る!」
比瑪「了解です!」


第52話
私が守りたかったもの

〔戦域:地球衛星軌道上のオルファン周辺宙域〕

(母艦出撃選択2艦・出撃準備。オルファンを指す)
ユキオ「オルファンだ…」
アカリ「すごい…。 間近で見るとやっぱり大きいや…」
クマゾー「大きいも!」
アカリ「あれって何なの…?」
(オルファンの南側にある女性の形をしたものを指す)
ヒギンズ「女性…?」
カナン「リクレイマーはフィギュアと 呼んでいるわ。オルファンの機能の 中心を司る部分よ」
比瑪「きれい…。 まるで女神みたい…」
(リクレイマーが出現)
「姉さんか…!」
クインシィ「まあ、のこのこと 来てくれて好きにやってくれたけど、 これ以上は無駄だね」
アムロ「各機、散開しろ!  当初の予定通りグランチャーを突破し オルファンに接触する!」
キンケドゥ「やれるな、勇、比瑪!」
比瑪「はい!」
(作戦目的表示)

〈1EP〉

バロン「オルファンはこのまま宇宙に 飛ぶぞ、ガバナー」
バロン「しかし、人類の意識を 改革しようとしたガバナーの目論見は 中途半端になるな」
ゲイブリッジ「オルファンを遺跡と 考えてしまった初期の誤りが あったからだ」
ゲイブリッジ「オルファンの生命力は 強過ぎた…」
バロン「人間のエゴが強すぎたから オルファンが反発していると いうこともあるぞ」
伊佐未直子「え…」
ゲイブリッジ「ああ、そうだな…。 オルファンの力でより多くの人々を 救おうとするには…」
ゲイブリッジ「αナンバーズのような 強い意志は邪魔になる」
ゲイブリッジ「彼らはたとえ地球が 滅びるとわかっていても抵抗を続ける」
ゲイブリッジ「そんな人間のエゴに オルファンはイライラしているのだろうな」
伊佐未直子「私には、このオルファンの 神経のツボのような所にとらわれていても そういった苛立ちは感じませんけど…」
バロン「何をおっしゃる、伊佐未直子。 あなたがそう感じられるのはあなたが オルファンに選ばれた人だからです」
バロン「オルファンに乗せられる人類は 限られている」
バロン「人間のエゴという オーガニック・パワーも吸い上げて オルファンは旅立つのだ」
ゲイブリッジ「バロン…君は何を… 君は何を求めているのだ…?」
バロン「あなた方にはわかりは しないだろうな。この私の今の 幸福感など…!」
伊佐未直子「…わかるわけありません!」
伊佐未直子「ゲイブだって間違った やり方をしたかも知れませんけど、 この人の理想を…」
伊佐未直子「人類を救いたいという想いを… あなたもわかりはしないでしょう!」
バロン「………」
伊佐未研作「おかしいな…。 計算では、オルファンはもう 飛び立てるはずなんだが…何故かな…」
伊佐未翠「計算なんてオルファンには 役に立たない事は、もう証明済みでしょう」
伊佐未研作「いや…何かが… 何かが足りないのだ。 宇宙に飛び出すための決定的な…」
伊佐未研作「決定的にオーガニック的な ものって何だろう?」
伊佐未翠「オルファンが求めているものは 新しい生命、力でしょう」
伊佐未翠「手段を講じるために 必要なものはオーガニック・エナジーの 総量です。全地球の生命力です」
伊佐未研作「そういう数量的なもの じゃない…量じゃないんだよ、翠!」
伊佐未翠「ならパッションとでも 言うんですか?」
伊佐未翠「情愛的なものをオルファンが 欲しがっていると…まったく…」
伊佐未研作「そうだな…。 それではお笑い草だ…」

〈シラー機撃墜〉

シラー「これじゃ…星になった弟達に 会えなくなる!」
「シラー!  俺達は俺達で出来る事をするんだ!」
シラー「あたし達に…」
「ああ、そうだ…」
シラー「………」
(シラー機に爆煙、撤退)

〈vs クインシィ〉

[勇]

「やめてくれ、姉さん!  俺達はオルファンに自由に飛ばせて やりたいと思っているんだ!」
クインシィ「知ったような口を利くな!  オルファンはリクレイマーのものだ!」
比瑪「それが間違っているんです!  オルファンは生きているんですよ!  誰の物でもないんです!」

[撃墜]

クインシィ「勇… オルファンは私が守るんだ…。 あんた達はいらないんだよ!」
「やめろ、姉さん!  オルファンは一人で飛べる勇気を 身につけつつあるんだ…だから…」
クインシィ「オルファンには 私が必要なんだ!」
ジョナサン「その通りだ、クインシィ!  お前はオルファンのパートナー… リクレイマーの女王だ!」
「黙れよ、ジョナサン!  これは家族の問題だ!」
ジョナサン「家族なんて何の役に立つ?  あんなもの、俺達の思考をにぶらす ただのノイズさ」
ジョナサン「だから、俺も マコーミックの名を捨てたのさ!」
バロン「………」
「やめろ、ジョナサン!  姉さんに余計な事を吹き込むな!」
ジョナサン「クインシィ!  お前は伊佐未依衣子じゃない!  クインシィ・イッサーだ!」
ジョナサン「オルファンを守る女王だ!」
「違う!  姉さんは俺の姉さんだ!」
クインシィ「う…うう…、 うわあああっ!」
(クインシィ機がオルファンの南側の方へ移動、クインシィ機のリバイバルが始まる)
「く…!  オルファン内にあったプレートか!」
比瑪「依衣子さんのグランチャーが 再びリバイバルするの!?」
ジョナサン「クインシィ・イッサー!  お前の強い意志なら、より強い グランチャーにリバイバル出来るぞ!」
「ブレンだ! 姉さんだったら、 ブレンにリバイバルできる!  そうしろ!!」
クインシィ「あたしは家族を 守りたかっただけなのにぃっ!!」
「姉さん!? 姉さん!!」
クインシィ「家族なんかぁああっ!!」
(クインシィ機がバロンズゥにリバイバル)
「あれ……バロンズゥ…!」
比瑪「なんて趣味の悪い赤でしょ!」
ジョナサン「ハハハハハハハ!  バロンズゥを呼び出したのか!」
ジョナサン「クインシィは 真の抗体となったってわけだ!」
ジョナサン「バロンズゥ、よかったなあ!  兄弟が出来たぞ!」
クインシィ「おうさ、ジョナサン」
クインシィ「オルファンを助ける 女王として…私は脱皮出来たんだ。 あらゆる過去の束縛から!」
比瑪「勇! 依衣子さんが 悪い方に進化したなんてことないよね!?」
「………」
比瑪「ねえ、悪い方に…」
「誰が悪い方に進化なんかさせるもんか!  そんなこと、僕がさせやしない!!」
比瑪「ご、ごめん……ごめんよ…勇…」
伊佐未直子「依衣子…」
(ジョナサン機が出現し、クインシィ機の南へ移動)
「ジョナサンか!」
ジョナサン「ハーハハハハ!  ブレンパワードなんか!」
ゲイブリッジ「ジョナサン君は まだ戦いにこだわっている…」
伊佐未直子「グランチャー達も…」
ゲイブリッジ「彼らこそ御し難い…!」
バロン「そうですか…?」
バロン「ガバナーが戦乱に乗じたのは アンチボディやオルファンの体力を つけさせるためでありましたろう?」
ゲイブリッジ「しかし、こちらから 戦端を開くことはなかった」
バロン「それはそうでしょう。 が、軍というものはクズも多い」
バロン「そういう者を整理するために ま…戦争というものは便利なものです」
(作戦目的表示)

〈vs ジョナサン〉

[勇]

ジョナサン「何やっても遅いんだよ、勇!!」
「お前だって、逃げ回っていた!」
ジョナサン「俺が何から逃げてるってんだよ!?」
「一人で戦い、一人で生きることをだ!!」
ジョナサン「くはぁあっ!」
(戦闘)
「似た者同士、戦うのはやめようぜ!!」
ジョナサン「誰が似ている!?」
「俺が両親を憎んだように、 ジョナサンはアノーア艦長を憎んだ!!」
「愛していたからだ!!」
ジョナサン「俺は誰も愛していなぁい!!」

[撃墜]

ジョナサン「馬鹿な!  バロン・マクシミリアンから授かった バロンズゥが負けるのか!」
「負けを認めろ、ジョナサン!  そして、自分の弱さと向き合え!」
ジョナサン「勇…!」
バロン「戻るのだ、ジョナサン!  お前はまだ終わってはならない!」
ジョナサン「う…ああ…」
(ジョナサン機が出入り口へ移動し、撤退)

〈vs クインシィ〉

[勇]

「姉さん!  もう一度、話をしよう!」
クインシィ「もう遅い!  お前達を排除して、オルファンは 私が守ってみせる!」
「駄目だ…、 このままじゃ姉さんは完全に 抗体となってしまう!」

[撃墜]

「もうやめろ、姉さん!」
クインシィ「やめるのは ブレンパワードがいなくなってからだ!」
比瑪「考え過ぎです、依衣子さん!  オルファンさんは、一人で やっていける方です!」
比瑪「守る事なんか 考えなくたっていいんです!」
クインシィ「な…」
比瑪「でも放っておいては かわいそうなんです!」
「放っておくとかわいそう…」
クインシィ「…乙女チックな事を!」
(オルファンの声)
「これは…!?」
ケン太「オルファンが同意している!」
クインシィ「オルファンが 比瑪の言う事に応えたのか!?  私ではなく!」
「姉さん!」
(クインシィ機がフィギュアの胸あたりへ移動)
クインシィ「オルファン! あんたには あたしがいるじゃないか。他の誰もいらない… あたしがずっといてあげるから!!」
比瑪「勇…依衣子さんが…」
「オルファンに還る…」
(クインシィ機が黄色く光る)
「姉さんのバロンズゥが!」
比瑪「オルファンさんに…」
クインシィ「はあっ!」
(クインシィ機が撤退)
ラッセ「バロンズゥとかいう奴、 オルファンに…」
カナン「オルファンの抗体になるという事は こういう事だったの…」
ナンガ「ああやって抗体になったら 中の人間はどうなっちまうんだよ?  勇、カナン!」
ヒギンズ「比瑪ちゃん、勇!  ブレンのチャクラを集中して あの急所を攻撃する!」
比瑪「攻撃、攻撃、攻撃…!  そんな事じゃ終わりませんよ!  勇…」
「姉さんっ!」
比瑪「落ち着きなさい、 このまま突っ込んだら勇も 取り込まれるわ!」
「比瑪…」
比瑪「…オルファンさん… 目覚めるわ…」
「オルファンが…目覚める…」
伊佐未研作「このデータは 間違いなく依衣子のだ!」
伊佐未翠「クインシィ・イッサーの ものです!」
ゲイブリッジ「オルファンの 変態が始まったのです」
伊佐未直子「脱皮でもするのですか!」
バロン「始まったのか…」
クインシィ「あははは…!  はははは! あはははは!!」
バロン「さあ、ジョナサン…。 クインシィというアンチボディを得て オルファンは動き出した」
バロン「もう誰もお前を 思い煩わせる事はないのだ」
ジョナサン「そうか…そうなのか!  ハハハハハハハ!」
バロン(そうだ…これからは全て お前の望む通りにしてやろう)
「博士! オルファンの上昇速度が アップしました!」
麗雄「いかん!  このままではオルファンは 完全に宇宙に出てしまうぞ!」
「計算結果出ました!  あと4分でオルファンは大気圏を 離脱します!」
「あと4分…あと4分の間で オルファンを止めなくては…!」

〈2機のバロンズゥを撃墜〉

バニング「リクレイマーに告ぐ!  指揮官を失った以上、これ以上戦闘を 続けても犠牲者を出すだけだ」
ブライト「武装を解除し、 オルファンを停止させろ!」
「オルファンのリクレイマーから 応答ありません!」
カミーユ「グランチャー部隊も どうすればいいか迷っているようだ」
エマ「待って下さい!  オルファンから何か出てきます!」
(出入り口にバロンズゥが出現)
「たった一機で出てくるとは いい度胸だ!」
真吾「ジョナサンとかいうはねっ返り… なかなかしぶといじゃないの」
「この感じ…ジョナサンじゃない!」
バロン「我が力を使え!」
(バロンズゥに緑の光)
「やめろ、その者!」
バロン「ハハハハハハハ!」
「バロン…!」
バロン「伊佐未勇… 死ねよや…!」
ジョナサン「バ…バロン…」
バロン「ジョナサン…、 お前は疲れきっている。 今は、ここで休むがいい…」
「オルファンの前で かくもネリー・ブレンを潰そうとする… 俺も殺そうとする!」
バロン「お前がそれをさせるのだよ!」
「何故罪を重ねるんだ!」
バロン「ジョナサンに累を及ぼさないために 罪も罰も一身に受ける!」
ケン太「あの人…何故そんなにも ジョナサンって人のために戦う事が 出来るの…!?」
OVA「もしかしたら…」
ケン太「どうしたの、OVA!?」
OVA「い…いえ…、 きっと私の思考プログラムのバグです…」
アムロ「各機、攻撃をバロンズゥに 集中させろ! あれを突破しなければ 戦いは終わらない!」
「この力…どこから来る…!」
(作戦目的表示)

〈NEXT PP〉

「あと3分です!  あのバロンズゥを止めて下さい!」

〈NEXT PP〉

「残り時間はあと2分です!  急いで下さい!」

〈NEXT PP〉

「もう時間がありません!  この1分でバロンズゥを止めて下さい!」

〈vs バロン〉

[HP50%以下]

アムロ「このバロンズゥの力…、 いつかのグランチャーの暴走と 同じ現象が起きているのか!?」
バロン「お前の力は無限だ…。 さもなければお前が私の想いに 応えてリバイバルはしなかった!」
「バロンズゥは…バロン!  あなたのエナジーを吸っている!」
「任せっぱなしにすると あなたの身体がもたないぞ!」
バロン「伊佐未勇とαナンバーズを 倒す! ジョナサンの望みだ!  それが出来れば、それで結構!」
「ジョナサンだと…?」
比瑪「勇! あの人を止めないと 大変なことになる!」
バロン「喜べ、ジョナサン!  お前の望みは私がかなえてやる!」
ジョナサン「バロン…」
バロン「私の想いを受けて生まれた バロンズゥは無敵である…!」
バロン「見ていなさい、ジョナサン…!  あなたの敵は…私が排除してあげる…」
ジョナサン「バ…バロン…」
バロン「息子のために死ねぇっ!!」
「アノーア艦長…!」
OVA「間違いありません!  あそこにいるのはノヴィス・ノアの アノーア艦長です!」
ジョナサン「そ…んな…」
アムロ「勇、集中しろ!  今のアノーア艦長は半ばバロンズゥに 取り込まれている!」
アムロ「彼女を救いたいのなら バロンズゥを倒すしかないぞ!」
「あ…ああ!」

[勇]

比瑪「この力…圧倒的じゃない!」
バロン「ジョナサンの邪魔をするものは この私、バロン・マクシミリアンが 排除する!」
「やめろ!  そんな戦い方をしていたら、 あなたの身体がもたないぞ!」

[撃墜]

比瑪「止まった…」
「グランチャーをああいう風に 使ったら、どんなエネルギーだって… 使い過ぎればなくなっちまうんだ!」
「強すぎる力は身を滅ぼす…」
ジョナサン「…ははっ…… ははは! ははは!  何であんたがバロンなんだ!?」
アノーア「…お前の傍に…いたかった…。 今度こそお前のために… 何かをしてあげ……」
ジョナサン「遅いんだよ!  俺をだまして裏切ったんだぞ!」
アノーア「…元気な……ジョン…」
ジョナサン「起きろよ! あんたには まだいいたいことがいっぱいあるんだ!」
「…お袋さんは やる事をやったんだ。 許してやれ…」
ジョナサン「親子の間に入るな!」
(バロンズゥが出入り口へ移動してから撤退)
比瑪「勇…」
「行こう、比瑪…」
(ネリー・ブレンが西側へ移動、他の小隊と戦艦で円を描くように並ぶ)
「みんな…」
カナン「勇と比瑪ちゃんだけには 任せないわよ」
アイビス「最後まであたし達も 付き合わせてもらうよ」
比瑪「はい…!」
麗雄「比瑪ちゃん!  ビー・プレートの件じゃがな!  オルファンが欲しがる何かだと思うぞ!」
麗雄「オーガニック的な何かじゃ!」
ヒギンズ「オーガニック的な何か?  オルファンが欲しがっているもの…」
ナンガ「それをやりゃあ…」
ラッセ「オルファンを潰せるのか?」
比瑪「潰すんじゃないわ」
「しかし、この地球で… 俺達人間がオルファンに 拮抗させられる物と言えば…」
比瑪「ならさ、 見せつけてやりゃいいのよ」
「そうだな!」
真吾「で、結局、どうすりゃいいんだ?」
ケン太「決まってるよ!」
ユキオ「祈ればいいんだよ!」
アカリ「オルファンと仲良く出来ると 思うのよ!」
(ネリー・ブレンから黄緑の光がでて、唸りながら時計回りに小隊を一周し円を描く。脈動するように黄緑の光が断続的に広がる)
ヒギンズ「輝いている…」
ラッセ「感じたか、カナン?  この光は…」
カナン「ええ…とても温かいわ…」
「いつかは比瑪が話し掛ける事を 試したんだから、今度は俺が 試してみるさ」
比瑪「出来るよね?  依衣子さんを助けることだって…」
「オルファンもね」
比瑪「トマト畑、 直さなくちゃならないから…」
「怒るなよ。 恨みは忘れろ、ネリー・ブレン!」
(ネリー・ブレンがヒメ・ブレンから離脱し、円の中心に移動)
比瑪「オルファンさん!  あたしの一番大切な人をあげるのよ!」
比瑪「あたしの愛してる人なんだから!  さみしくないでしょ!」
ネリー・ブレン「………」
「………」
クインシィ「勇……私を傷つけに来たのか?」
「今さら傷つけるなんて… そんなんじゃない」
クインシィ「ここまで来たのに… そうじゃないって言うなら…」
「帰って来ちゃいけないか!?」
クインシィ「帰って来た…? 私の傍に いる連中は、私の想いなんかわからない。 誰も私の傍にいてくれないのに…」
クインシィ「帰って来るなんて…」
「やり直すためだ。 姉さんとオルファンを解放するためだ」
「出来るなんて思っちゃいないけど… 姉さんを受け入れてくれるなら…地球を このままにしておいてくれないかい?」
クインシィ「………」
「オルファン!  ビー・プレートの代わりに俺達を差し出す!  だから!」
「地球はこのままに してやってくれないか!?」
(ネリー・ブレンを中心に光が何回か拡散し、閃光)

[光の中]

ジョナサン「見ろよ、ママン… オルファンの輝きは温かい」
ジョナサン「俺達の力を… 俺達のやったことを認めてくれている 温かさだぜ」
アノーア「…ジョン……私の坊や……」

《太平洋 ノヴィス・ノア・WORLD AREA》

[ノヴィス・ノア・甲板]

コモド「艦長! あれを!」
アイリーン「あの光の球…中に人間が…!」
カント「ええ、オルファンは体内から リクレイマーやアンチボディを 解放したようです」
アイリーン「彼らのエナジーを 吸収しなかったということ?」
カント「そして、地球のオーガニック・ エナジーも吸収されていません」
カント「オルファンは地球も生物も 傷つけはしなかったのです」
コモド「…オルファンは これからどうするんだ…」
カント「現在は大気圏上層に 静止しているようです」
アイリーン「地球に戻るわけでもなく 銀河に飛び立つのでもなく?」
カント「理由なんてわかりませんよ。 だってオルファンは生きているんですから」
アイリーン「そうね…。 でも、だからこそオルファンと心を 通わせることも出来るのね…」

《衛星軌道上・EARTH AREA》

[格納デッキ]

ユキオ「比瑪ねえちゃん…勇は…」
アカリ「勇は…戻ってこないの…」
比瑪「大丈夫…勇は必ず帰って来る…」
クマゾー「比瑪ねえちゃん!」
ネリー「………」
比瑪「…ネリー・キムさん?」
ネリー「ごきげんよう、比瑪ちゃん…」
(ネリーが消える)
比瑪「………」
カナン「比瑪ちゃん、ネリー・ブレンよ!  勇が帰って来たわ!」
比瑪「はい!」

[マザー・バンガード・休憩室]

「…姉さんはばあちゃん達と一緒に 光に包まれて地球へ降りたよ」
比瑪「オルファンは これからどうするつもりなの?」
「…よくわらかない。 だが、待っているんだと思う…」
比瑪「待っているって…」
ケン太「ビムラーを?」
「そうかも知れないし、 違うかも知れない…」
ケン太「…僕…オルファンは 勇気を出して自分の力で宇宙に 上がったと思うんだ…」
ケン太「きっと、あのまま地球にいたら いろんな人に迷惑をかけると思って…」
「そうか…だったら、俺達は オルファンに見せてやらなくちゃ ならないな…」
「俺達のオーガニック的なものを」
比瑪「この戦いが終わる時には 出来るよ…きっと…」

(扉が開閉する)
京四郎「どうやら、その終わりの時は 近いようだぜ」
一矢「異星人かネオ・ジオンに 何か動きが?」
京四郎「ご名答…。小バームが 連邦軍の防衛網を突破して 衛星軌道上まで侵入したそうだ」
豹馬「これ以上、進ませたら…」
健一「ああ…地球は小バームから 直接攻撃を受けるだろう」
豹馬「いよいよ異星人部隊との 決戦か…」
一矢(エリカ…地球とバームを戦いに 巻き込んだオルバンは俺達が討つ…)
一矢(君達の願いは必ず…必ず 俺達が叶えてみせる…)


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