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ベラ(キンケドゥ…。あなたが
いなくなってから、もう2週間になる…)
ベラ(子供達の力でも…
あなたの行方はつかめなかった…)
ベラ(もしかして、あなたはもう…)
(足音)
トビア「ベラ艦長…」
ベラ「ト、トビア……私に何か用?」
トビア「僕達、艦長を呼びに来たんです」
命「もうすぐ作戦会議が始まりますから…」
ベラ「…わかったわ。すぐに行きます」
ベルナデット「…ベラ艦長、
もしかしてキンケドゥさんのことを?」
ベラ「…………」
ベラ「…私のいたサイド4にはね、
こことよく似た丘と湖があったわ…」
ベラ「学生の頃はよくみんなで
遊びに行ったの。シーブックが
すぐ私を連れてボートをこぎたがって…」
ベラ「ふふふ…
あの頃は楽しかったわ…」
トビア「シーブックって…
キンケドゥさんの本当の…名前…
ですよね?」
ベラ「ええ…。
シーブック・アノー…」
ベラ「だけど…………」
ベラ「だけど、こんなことになるなら…
何もしなければよかった……何も…」
ベルナデット「ベラ艦長…」
ベラ「…私がマザー・バンガードを使って
木星帝国と戦うことを決意した日…」
ベラ「彼は本当の名前を捨てた…。だけど、
それが何故なのかはわからなかった…。
聞いても答えてはくれなかった」
ベラ「彼は私が何をする時も
いつもそばにいてくれたから…」
ベラ「それだけで互いの心は
わかっているつもりだった…。
だけど…」
ベラ「もしかしたら、あの頃から自分でも
思うほど…彼の心をつかみきっては
いなかったのかも知れない…」
トビア「あの…その…。
恋人…同士だった人ですよね…?」
ベラ「ええ…昔、一時期はね…」
ベラ「でも、
私が女艦長なんか始めてからはね…。
忙しくてね、なあんにもなかったのよ…」
トビア「あ! いえ!
別にそういうことを聞きたいわけでは
ないですから…」
ベラ「………」
トビア「…でも、
僕には何となくわかる気がするな…」
ベラ「トビア…」
トビア「艦長は以前、
セシリー・フェアチャイルドと
名乗っていたそうですね?」
ベラ「ええ…貴族主義者である祖父から
身を隠すための名だけど…」
トビア「でも、キンケドゥさん…
シーブック・アノーにとっては、
それがあなたの本当の名前だった…」
ベラ「!」
トビア「キンケドゥ・ナウという名は
再びベラ・ロナを演じようとする
あなたに付き合うために必要だった…」
トビア「彼が演じる役柄の名前だった…。
…そんな気がします…」
ベラ「………」
トビア「す…すいません…。生意気言って」
ベラ「いいえ…ありがとう…」
ベラ「でも、もう…」
トビア「キンケドゥさんは
死んじゃいません!!」
命「トビア…!」
トビア「あんなことぐらいで、
彼が死ぬわけはないじゃありませんかっ!」
ベラ「…いいのよ、トビア…。
人間はどうしたって死ぬ時は死ぬのよ…」
ベラ「それがわかっていながら、
戦いを始めたのは私だったんだから…」
命「………!」
命「…ベラ艦長、
もっとキンケドゥさんのことを
信じてあげた方がいいと思います」
ベラ「命…!」
命「…私も昔は凱のことを心配して、
ただ泣くだけでした」
命「でも……」
命「でも、わかったんです。
私にとっての戦いは…あの人を助け、
信じて待つことだって…」
ベラ「………」
命「だから、艦長…キンケドゥさんが
生きてるって信じましょう」
命「それに、あの人を待っている間に
やらなければならないことだって
あるはずです」
ベラ「…やらなければならないこと…」
ベラ(そうよ…私はまだベラ・ロナで
在り続けなければならない…!)
ベラ「ありがとう、命。
私、大事なことを忘れていたわ」
ベラ「こんなところで
くじけていたら…彼が帰って来た時に
怒られてしまうものね」
命「ええ…」
トビア(…キンケドゥさん、僕も信じます…
あなたが生きているって…)
トビア(それに、
演じる名前が必要だったのは…)
トビア(いつかこの戦いが終わった時…
本当の二人に戻るためじゃないんですか?)
トビア(だから、キンケドゥさん…。
まだ何も終わってはいない。
必ず帰って来て下さい…!)
凱「長官、ミケーネが暴れ回っている
各地の様子はどうなっているんです?」
大河「うむ…現在、一部の大都市と
連邦軍の拠点はミケーネに制圧されている」
大河「それらの点と点を結ぶと
地球の約4割はミケーネ帝国の支配下に
置かれていると言えよう」
鉄也「バルマー戦役の時に現れた
ミケーネ帝国は先発隊に過ぎなかった…」
鉄也「だが、今回は奴らの支配者、
闇の帝王を筆頭に7大将軍全てが
動いている」
凱「それだけ彼らも本気ということか…」
宙「しかし、ここまで好き放題に
やられちまって挽回のチャンスは
残されているのかよ?」
大河「そこで絶望しないのが
人間の強さだ…!」
大河「確かに軍の指揮系統は今や
瀕死同然だが、反ミケーネのゲリラ
活動は世界中で展開されている」
大河「その中心として
プリベンターや君達の昔の仲間達も
活躍しているそうだ」
甲児「あいつらが…!」
豹馬「そうだよな…。
地球を守るために戦っているのは
俺達だけじゃねえよな」
大河「人々のために
戦っているのは彼らだけではないぞ。
他にも心強い味方が現れた」
大河「彼らの戦いは
人々の救護や物資の補給…
言わば武器を持たない戦いだ」
一矢「大河長官! その組織とは…」
大河「その通りだ、一矢君。
エリカさんをシンボルとする一団…
平和解放機構だ」
一矢「俺達が戦うように
エリカも平和のために戦っている…」
ナナ「よかったわね、お兄ちゃん…」
京四郎「フ…世間知らずのお嬢様かと
思ったら大したもんだぜ」
大河「平和解放機構は
星の垣根を越えて平和を求める人達の
集まりだ…」
大河「地球人ではドーリアン外務次官、
シェリンドン・ロナ嬢らの
参加も確認されている」
トビア「シェリンドンさん…
やっぱり、わかってくれたんだ…」
ゼクス「フ…リリーナらしいやり方だ」
ノイン「ええ。リリーナ様と
エリカさんは武器を持たない戦いを
選んだのです」
五飛「兄は前線に立ち、
妹は武器を持たずに正義を成す…。
目指すものは同じか」
ヒイロ「………」
ヒイロ(リリーナ…。
お前はお前の戦いを続けろ…。
敵は俺達が排除する)
大河「彼女らの献身的な活躍は
世界中で徐々に賛同者を
増やしつつある」
サンシロー「それで俺達は
今後はどうすればいいんです?」
大河「敵の動きを見る限り、
ミケーネ帝国は地球防衛の要である
日本を最重要視しているようだ」
ピート「大幹部が
派遣されて来ていますからね。
そう見るのが妥当でしょう」
大文字「そして、
我々は暗黒大将軍を打ち破った…」
大文字「この事実はミケーネに打撃を与え、
他地域で戦う同志達に勇気と希望を
与えたことだろう」
鉄也「では?」
大文字「まず、我々はこの日本を
ミケーネ帝国の手から解放し…
世界中に反撃のノロシを上げる」
大河「ボルフォッグの調査により、
ミケーネ帝国の前線基地は突き止めた」
ボルフォッグ「はい。彼らは
マシーンランド浮上の際に出来た
地下空洞を本拠地としています」
竜馬「大阪か…」
十三「恐竜帝国が街をメチャクチャにして
その地下を次はミケーネ帝国が
基地にしとるんか…!」
十三「あいつら…
ワイの故郷を何やと思っとるんや!」
大河「では、シナプス艦長…
敵前線基地攻略作戦のご説明を
お願いします」
シナプス「うむ」
シナプス「作戦決行は明日の15:00。
そして、その5時間前を目安に日本各地の
連邦軍が時間差で一斉蜂起を開始する」
シナプス「この一斉蜂起に対して
各地に救援を送りこみ手薄になった
大阪の敵本拠地へ…」
シナプス「αナンバーズは
一点攻撃を仕掛ける」
さやか「この作戦って…」
甲児「なんか覚えがあるような…」
鉄也「それはそうだろう。
これはバルマー戦役の時、ミケーネが
光子力研究所を襲った時と同じ作戦だ」
甲児「そうだ…! あの時はリョウや
健一達が日本中にちらばったおかげで
手薄になった東京を攻められたんだ!」
宙「何にせよ、
逆転劇に相応しい作戦じゃねえか」
竜馬「ああ…。
奴らにもたっぷり味わってもらおう…」
竜馬「世界中の人々が味わった恐怖をな…!」
大文字「本拠地への突入は
大空魔竜を中心に行う。
サコン君、大空魔竜の改造は?」
サコン「完了しています。
これでガイキング発進後も大空魔竜は
戦力を低下させることなく戦えます」
ブライト「他の艦は地上で待機し
大阪へ引き返してきた部隊の
迎撃を担当する」
バニング「しかし、戦艦が一艦だけでは
危険だと思いますが…」
シナプス「うむ…確かにその懸念はある」
ベラ「………」
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