???「…勇………」
勇「うう…」
???「……勇……」
勇「…姉さん…」
依衣子「勇、こんなところで
うたた寝してたら風邪ひくわよ。
…お茶を入れたの、いらっしゃい」
勇「うん…わかった」
依衣子「早く来なさい。
冷めてしまうわよ」
勇「………」
伊佐未研作「どうした、勇?
驚いたような顔をして」
伊佐未翠「おかしな子ね。
人の顔をまじまじと見て…」
勇「みんな、いるんだね…」
依衣子「勇ったら、まだ寝ぼけてるの?」
勇「姉さん…」
依衣子「いらっしゃい…勇………」
勇「う…うう…っ」
勇「雪…?」
勇「…つっ…! どこだ、ここは…?」
勇「! 比瑪は!?
αナンバーズのみんなは…!?」
(雪を踏む)
ネリー「…気がつきました?」
勇「君は…?」
ネリー「ネリー…ご覧のとおりの女です」
勇「そうでしょうけど…」
ネリー「どうぞ」
勇「! 俺のブレンは…?」
ネリー「ケガをしていますが…大丈夫。
今、私のブレンが傍についています」
ネリー・ブレン「…………」
勇「…これが…君の?」
ネリー「ええ」
勇「あの……君は何者で、
何故ブレンパワードに乗ってるんだ?
ここは…?」
ネリー「ふふ…」
勇「何がおかしいんだ?」
ネリー「あなたが聞いてばかりいるから。
それに私…しばらく人と話してなかったから
嬉しくなったの」
勇「………」
ネリー「…すぐ吹雪が来ます。
私の小屋に行きましょう」
勇「小屋って…ここに住んでいるのか…?」
ネリー「ええ…一人で。
だから、遠慮をすることはありません」
ネリー「それに、あなたとあなたのブレンは
休息が必要です。さあ…」
勇「あ、ああ……」
ネリー「…お友達をお願いね」
ネリー・ブレン「………」
(雑電波)
???「…こ、こちらはパレルモ放送局!
み、みなさん! ご覧下さい!
空一面に…ミケーネの大軍団が!!」
???「…わ、私は
今までにこれほどの数の戦闘獣を
見たことがありません!!」
???「地上世界はこのまま彼らに
征服されてしまうのでしょうか!?
人類に打つ手はないのでしょうか!?」
???「あ、ああっ! 戦闘獣がこちらに!
み、みなさん、これでお別れです!
さようなら……さようなら!!」
(爆発、通信が切れる)
クスハ「…ああっ…!」
ブリット「何てことだ…。このタイミングで
ミケーネが襲って来るなんて…!」
クスハ「私達……何も出来なかった…」
ブリット「くそっ…!
虎龍王と龍虎王さえ動ければ…!」
クスハ「…………」
クスハ(…あれから…
みんなバラバラになっちゃった……)
クスハ(…この星は……
これからどうなってしまうの…?)
クスハ(私達は…無力なの…?)
ブリット「俺は…俺は絶対にあきらめないぞ。
例え最後の一人になっても戦う…!」
クスハ「一人だなんて…
そんな悲しいこと言わないで、ブリット君…」
ブリット「クスハ…!」
クスハ「私だっているよ……。
それに、他のみんなだって……」
ブリット「…すまない……。
そういうつもりで言ったわけじゃないんだ」
ブリット「ただ…
何も出来ない自分が悔しくて…」
(雪の上を歩く)
ネリー「…無理はいけません。
あなた達のパートナーには
もうしばらくの休息が必要です」
クスハ「ネリーさん……」
ネリー「あの二人の気持ちだって、
あなた達と同じ…」
ネリー「だから、彼らは自分の傷を
早く癒そうとしているのです。
そのことをわかってあげて下さい」
ブリット「は、はい…」
ネリー「それに…
私のブレンもあなた達のパートナーに
興味を持っているみたい」
ネリー・ブレン「…………」
ネリー「もしかしたら…
オーガニック的なる者同士、何か良い影響を
与えあっているのかも知れません」
ネリー「だから……
あなた達にやらなければならないことが
あるのなら、今は彼らを休ませてあげて」
クスハ「はい………」
クスハ(ネリー・キムさん……。
とても不思議な感じの人……)
クスハ(龍虎王も虎龍王も
ネリーさんに心を許しているみたい…)
ブリット「…ネリーさん、色々と
お世話になってしまってすみません…」
ネリー「気になさる必要はありません。
あなたのおかげで小屋の修理も出来たし…
マキも充分な数を揃えられましたから」
ブリット「そう言ってもらえると…
俺も助かります」
ネリー「でも…少し多すぎたかしら?
私一人じゃ使い切れないかも」
ブリット「そ、そうですか?
修行がてら、ついつい…。それに、
冬を越すにはあれぐらいの量がないと…」
ネリー「…いいのよ。私はここに
それほど長くいられないから……」
ブリット「……?」
ネリー「それより、
もう一人のお友達が目を覚ましたわ」
クスハ「! 勇君が!?」
ネリー「ええ、今は私の小屋で休んでいます」
ブリット「そうですか…良かった」
ネリー「もうすぐ夜…それに吹雪も来ます。
話は明日の朝にしましょう……」
(小屋の横にユウ・ブレンと龍虎王が着地している)
勇「あれはネリーの…」
(ネリー・ブレンが湖でスケートをしている)
勇「あのブレン、ああいうのが好きなのか…」
勇「………」
勇「そうか…俺は起きちゃいけなかったんだ。
これはブレン二人だけの世界だもんな」
(ネリー・ブレンが勇の北側に隣接し、着地する)
ネリー「勇もやらない?
この子、とても上手よ」
勇「いや…俺が乗ったら、あいつが嫌がる。
ネリーのブレンが踊ってるのを見てると、
気持ちが休まるみたいなんだ」
ネリー「そう」
勇「見ていても、嬉しそうだった」
ネリー「そうでしょ?
この子が遊びたがっているから、
私も喜んでいるわ」
勇(…喜び…遊びたがってるか…。
アンチボディが生まれてきたのって、
そういうためかも知れないな)
ネリー「何を見ているの?」
勇「君を…」
ネリー「どうして?」
勇「君が知っている人に似ているから…」
ネリー「どんなところが?」
勇「顔…じゃないな…。
全然性格は違うんだけど、
雰囲気なのかな…」
勇「ブレンと話をしているみたいな
ところなんか、そっくりなんだ…」
ネリー「だって、本当に話しているのよ。
あなただって話せるでしょ?」
勇「少しは…。いや、嘘だな…。
俺にはあいつの言葉は聞こえない…」
ネリー「そうは思えないな。
瀕死の重傷を負いながらも、あなたの
ブレンはあなたを守ったのよ」
ネリー「あなた達が
お話出来ないなんてことないわ」
勇「比瑪は言葉はなくとも、
何となくわかるって言っていた。
あいつが話すとヒメ・ブレンは喜ぶんだよ」
勇「…俺はひねくれてるから…」
ネリー「そういう風に話せるように
なったのなら、もう聞こえるわ」
ネリー「今までは
聞こうとしてなかったんでしょう?」
勇「聞こうとしてなかった?」
ネリー「そうでしょう?
あなたの気性は激しかった…」
ネリー「でも、
あのブレンと付き合うようになって
やわらかくなったんでしょ?」
勇「そうか…そうだね…」
ネリー「…その比瑪って人、
あなたの大切な人なのね?」
勇「違うよ。
…俺には、そんな人はいない」
ネリー「ふふっ、
そう思い込もうとしているだけでしょ?」
勇「………」
ネリー「人間は誰だって大切な人を
持っているものよ。だから、生きていける」
ネリー「一人で生きていくのは
つらいし、怖いわ…」
ネリー「ブレンパワードのような
オーガニック・マシンと呼ばれる
存在だって、そうなのよ」
ネリー「だから、この子達…私達のような人を
水先案内人として選ぶのよ」
勇(パイロットって、
元々そういう意味かも…)
勇「わかったよ…。俺みたいな
癪の強いのと付き合ったおかげで
あいつはあんな目に遭っちまったんだ…」
勇「それに引きかえ、姉さんは…
グランチャーを痛めないようにしていた…」
勇「姉さんは
グランチャーの気持ちをわかっている…」
ネリー「………」
勇「…君だって、大切な人はいるんだろう?」
ネリー「もちろん、いたわ。
…けど、お別れしてきたの」
勇「どうして?」
ネリー「…こういう時代でしょう?
この子といることを選んだのよ」
勇「ネリー・ブレンといることを?」
ネリー「そうすることが正しいと思ったから」
勇「戦うため?」
ネリー「…違うわ。出来れば、この子と
二人で静かに暮らしていきたかった…」
ネリー「でも、そういうわけには
いかないのね。この時代に何かを
成すために生まれてきたものだから」
ネリー「このようなことも起こる…。
それは思っていたわ」
勇「リバイバルを見たから?」
ネリー「それはそう…」
勇「ネリー…」
(ユウ・ブレンが飛ばずに勇達の傍へ移動)
ネリー「ダメ!
あなたはまだ動いてはいけません!」
勇「ネリー・キムの言うとおりだ。
もう少し養生するんだ」
ユウ・ブレン「………」
ネリー「ふふっ、聞き分けのいい子だ」
勇「………」
ネリー「私のブレンも勇に興味があるみたい…
あなた、ブレンに好かれるのね」
勇「それは嬉しいけど…」
ネリー「あなたもいつかブレンの気持ちが
わかるようになるわ」
勇「ああ…。
でも、ネリーはすぐだったんだろう?
すごいな」
ネリー「私は普通よ。何の力もない女だわ。
ただ…ブレンと出会えたことだけが
他の人と違った…」
勇「それ、後悔してるんだ?」
ネリー「逆よ、後悔なんか…」
ネリー「私はこの子がしたがっているように、
精一杯遊んであげられないんで
可哀想だと思っている…」
勇「ネリー・ブレンが可哀想…?」
ネリー「あたしはこの子の持っているものを
全部引き出してあげることは出来ない。
でも、あなたなら出来るかもしれない…」
勇「ネリー…」
ネリー「この子のリバイバルに
立ち会ってしまった時にね…」
ネリー「私は生命がなくなるはずだったのに、
それが元気になった…けれども、もう駄目」
勇「そんな風には見えない…」
ネリー「細胞を蝕む病気はいっぱいあるわ」
勇「……!」
ネリー「それに…私が
この子に会えたのは偶然ではないわ」
ネリー「最期に一人じゃないようにっていう
神様の采配だと思うわ」
勇「……家族には?」
ネリー「どのみち、
悲しませることになるなら…
目の前にいない方がいいでしょ?」
勇「………」
ネリー「家族には黙って出てきたわ。
最期に孤独じゃないって…心強いわ」
勇「…………」
(雪を踏む)
クスハ「ネリーさん………」
ブリット(マキがいらないと言ったのは…
そういうことだったのか…。
それなのに、俺は……!)
ネリー「気にしないで。
勇にも言ったように…最期にあなた方と
出会えたことを感謝していますから」
勇「ネリー………」
ネリー「それに私……龍虎王や虎龍王の
存在を知ることが出来て嬉しかった」
クスハ「嬉しかった…?」
ネリー「ええ…。あの二人の中には…
かつて一緒に戦った人達の想いや願いが
残っている……」
ネリー「…中には…命を吸われてしまった人も
いるようだけど………」
クスハ「………!」
ネリー「龍虎王と虎龍王は
彼らのことを決して忘れない……」
ブリット「………!」
ネリー「だから、
そういう命の在り方もあると
わかって嬉しかったのよ」
ブリット「命の…在り方……」
ネリー「ええ。
だから、これだけは忘れないで」
ネリー「あなた達は
決して二人だけで戦っているのではない…」
ネリー「龍虎王や虎龍王の中に残っている…
多くの人達の想いや願いも一緒だと
いうことを忘れないで」
クスハ「はい……」
ブリット「わかりました…」
勇「クスハ、ブリット…
あの二人はもう大丈夫なのか?」
クスハ「ええ、何とか…。
後は勇君のブレン次第…」
勇「ネリー…
俺達はここから出て行かなくちゃならない」
ネリー「ええ。あなた達が
大きな運命の流れの中にいることは
出会った時からわかっていた…」
勇「大きな運命の流れ…?」
ネリー「そう…。地球に落ちた隕石は
地球やオルファン…そして、大いなる存在の
意思に影響を与えることになる…」
ブリット(大いなる存在…?)
クスハ(もしかして……
私達に何度も語りかけてきた……)
ブリット(地球の守護者のことか…!?)
勇「…それは
オルファンとは別の存在なのか?」
ネリー「詳しいことは私にもわからないわ。
でも、何かが目覚める…。
この星に眠っていた何かが……」
クスハ「……………」
ネリー「! この気配は…!?」
(ネリー・ブレンとユウ・ブレンの間に爆煙)
勇「何だ!?」
ネリー「勇! ブレンに乗って!」
勇「あ、ああ!」
(ユウ・ブレンが空中へ、ネリー・ブレンが湖の東側を見る。湖の東にバロンズゥが出現)
勇「何だ…?
グランチャーのシルエットに似てるけど!」
???(ジョナサン)「フフフ…フハハ……」
???(ジョナサン)「ヒャハハハハハハハ!!」
勇「!?
ジョナサンの幻覚などにだまされるか!」
ジョナサン「残念だなあ、勇!
本物なんだよ! 幻でもないし、
お前の錯覚でもない!」
ジョナサン「お前の頭が
おかしくなってないことは、
この俺が保証してやる!」
勇「生きていたのか!?」
ジョナサン「今のお前と同じようにな!
やれよ、バロンズゥ!!」
勇「!?」
(ユウ・ブレンが湖の南西側へ移動。ユウ・ブレンとバロンズゥが交差し、ユウ・ブレンに爆煙×2。ユウ・ブレンとバロンズゥが向き合う)
勇「ブレン!」
ネリー「勇っ!!」
ジョナサン「ヒャハハハ!!」
勇「貴様ァッ!!」
ジョナサン「再会を祝って
歓迎してやったんだろう!
孤独であるより楽しいぞ!」
ジョナサン「オーガニック・エナジーが
作ってくれた再会のチャンス…!
共に祝おう!」
勇「ブレン、逃げろ!
相手に出来るもんじゃない! 逃げろ!!」
(ユウ・ブレンはネリー・ブレンの北西まで移動)
ジョナサン「ハッハッハ……そうだよ!
勇のブレンが泣いているなァ!!」
ジョナサン「勇、貴様が泣くのを
見られるとは人生捨てたもんじゃない」
勇「なめるなぁっ!
どういう状態だろうと!!」
ジョナサン「伊佐未ファミリーには
そろそろ引っ込んでもらいたかったんで…」
ジョナサン「血祭りの手始めぇ!
覚悟してもらうぜぇっ!!」
勇「くうっ!!」
(バロンズゥがユウ・ブレンに隣接しようと移動し、ネリー・ブレンが空中に浮いてからユウ・ブレンの前へ移動)
勇「ネリー!」
ジョナサン「何だ!? 勇の援軍か!?」
ネリー「あなた達の邪気が
この森を…バイタル・ネットが作る
結界を汚しています!」
ジョナサン「何を偉そうに物言うか!
ここは俺とバロンズゥの造る結界だぞ!」
ネリー「やはり、バロン・マクシミリアン…」
勇「バロン・マクシミリアン!?」
バロン「………」
ネリー「バロン・マクシミリアン…!
グランチャー・バロンズゥを
けしかけることは罪を犯すことです」
ネリー「バロンズゥを退かせなければ、
私のブレンパワードまで暴発するかも
知れません」
ネリー「それでは私も罪を犯し、
私もあなたも罰を受けることになります」
バロン「………」
勇「罪を犯し、罰を受ける…。
バロンだと…?」
ジョナサン「勇と一緒に潰してやる!
それで貴様の罪と罰もチャラに
してやるよ!」
ネリー「…おやめなさい、
バロンズゥを操る人! あなたには
あなたが思うほどの力などはないのです」
ネリー「バロンズゥ、お帰りなさい!
あなたのプレートに!」
ジョナサン「!?
俺のバロンズゥ、何ビビッてる!?
たった一人のブレンだぞ!!」
バロン「…………」
勇「ネリー!
僕のことはいいから、一人で逃げてくれ!」
ネリー「馬鹿なことは言わないで!」
勇「ジョナサンという奴は
普通じゃないんだ!!」
ネリー「ユウ・ブレンを見れば…
あなたを守らなければならないのは
あたしとネリー・ブレンです!」
勇(甘えられるのか、ユウ・ブレン…!?
この厚意に…!!)
(ネリー・ブレンがユウ・ブレンに合流し、爆煙に追われながら東へ移動、ブレンパワードの声)
ジョナサン「ネリーとか!
ユウ・ブレンを放して戦ってみせろ!!」
ネリー「嫌です! あなたこそ、
この森から出て行って下さい!!」
勇「くううっ!!」
勇「助けられず、助けられただけで…
しかも、落ちて行く…!!」
勇「いいのか、ブレン!?
こういう運命で!?」
ユウ・ブレン「…………」
勇「何…!?」
勇「生まれた時にオルファンに連れて
行かれて辛かった…!?」
ユウ・ブレン「…………」
勇「それを、オルファンから
連れ出してくれて嬉しかった…!?」
勇「太陽が見られて…
太陽がある宇宙が想像できて……」
勇「宇宙の中のこの星……
人間が地球と呼んでいる星のことが
わかって、嬉しかった…?」
ユウ・ブレン「…………」
勇「そういう中で
生きてこられたことは喜びだ……」
勇「でも、今…何も出来ないのが……」
ユウ・ブレン「…………」
勇「悔しいのなら、何とかしろ!!」
(龍虎王がユウ・ブレンの傍へ移動し、バロンズゥの方を見る)
勇「クスハ! ブリット!!」
クスハ「勇君、
ここは私達で食い止めますっ!」
勇「気をつけるんだ!
あのアンチボディは普通じゃない!」
ブリット「わかった!」
(バロンズゥが西のバロンの傍まで移動)
ジョナサン「バロン・マクシミリアン…
お借りしたバロンズゥの力、
存分に使わせていただきます」
バロン「油断はするな、ジョナサン。
手負いの人間は何をするかわからん」
ジョナサン「心得ております! バロンは
そこで私の狩りをお楽しみ下さい!」
(作戦目的表示)
(敵機増援が出現)
クスハ「!!」
ブリット「リクレイマーかっ!?」
ジョナサン「ヒャハハハ! そう!
準備は万全だったということさ!!」
クスハ「あ、あの数じゃ…!」
ブリット「クスハ、臆するな!
ネリーさんの言葉を忘れたのか!?」
クスハ「!」
ブリット「俺達は
二人だけで戦ってるんじゃない…!」
ブリット「αナンバーズのみんなや、
かつて龍虎王や虎龍王と共に戦った人達の
想いや願いも一緒なんだぞ!!」
クスハ(そ、そうだ…!
私達は孤独じゃない……!)
クスハ「やるわ、ブリット君!
私達、こんな所で負けてられないもの!」
ジョナサン「チッ!
奴らめ、手間をかけさせる!」
(出撃準備)
ジョナサン「奴らは!?」
勇「ガオガイガーとゴーショーグン…!
来てくれたのか…!」
真吾「ほ~う。
今度もケン太の予言が的中したな」
キリー「将来は
占い師で食っていけるぜ、ケン太」
ケン太「ううん、
僕は友達からみんなの居場所を
教えてもらってるだけだよ」
レミー「その友達ってのが
よくわかんないのよねえ…」
キリー「ま、
ケン太のおかげで宝探しは終わったんだ。
ありがたく思っておこうぜ」
クスハ「みんな…!!」
凱「無事だったか、クスハ」
クスハ「は、はい。何とか…」
凱「よし…これで
αナンバーズ全員が集まった」
クスハ「じゃ、じゃあ…
他のみんなも無事なんですね!?」
凱「ああ。残りのメンバーは
別の場所に集結している」
レミー「疲れているところ悪いけど、
もうひと頑張りできる?」
ブリット「ええ、もちろん!」
真吾「さあて…新しいグランチャーの
実力を見せてもらおうか?」
レミー「見物料は払えないけどね」
ジョナサン「ハッ!
だったら、貴様らの命をもらってやる!」
真吾「そいつは
ちょいとゼイタク過ぎるってもんだ!!」
ジョナサン「ヒャハハハ!
俺は貴様すら倒す力を手に入れたぞ!」
凱「その力におぼれているようじゃ、
この俺を倒すことなど出来ないぜ!!」
ジョナサン「ハッハッハァ!
貴様らなんざ、目じゃないんだよ!
このバロンズゥにとってはな!!」
クスハ「私達は負けません!」
ジョナサン「無理をするな!
震えているぞ!?」
ブリット「違う! 俺達には、
たくさんの人達の念がついてくれている!」
クスハ「だから!
私達は負けません!!
負けるわけにはいかないんですっ!!」
ジョナサン「ええい! 忌々しい!」
バロン「やめろ、ジョナサン」
ジョナサン「何故だ、バロン! 俺は!!」
バロン「君は自分の感情に流され過ぎる。
それでは、そのバロンズゥの能力を
引き出すことは出来ない」
ジョナサン「だが、勇だけはっ!!」
(バロンズゥがユウ・ブレンの北側へ移動)
勇「くっ! 動けないのか、ブレン!?」
ジョナサン「勇!
これで終わりにさせてもらう!」
ネリー「バロン・マクシミリアンは
あのグランチャーを邪悪に使うことを
目指しているだけ!」
ネリー「それに、あの青年を
手伝わせるという心はいったい何なの!?」
ジョナサン「俺は俺の戦い方をバロンに示し!
その上でオルファンに凱旋をする!」
ジョナサン「勇を討たせてくれれば、
貴様の話を聞いてやってもいいんだぞ!」
ネリー「何故、そのような口が
邪悪な心で言えるのです!?」
ネリー「あなたは他人に怨念を
ぶつけようとしているバロンと
そのグランチャーに操られてるだけです!」
ジョナサン「バロン・マクシミリアンは
俺を理解してくれた!」
ジョナサン「バロンの見ている前で、無様な
真似をさらすわけにはいかないんだ!!」
勇「ジョナサン! ネリーを!?」
ジョナサン「トドメは
一気に受けた方が楽だぜ、勇!!」
勇「ブレン! 撃てなければいい!
もういい! よくやった!
好きにしろ! 付き合う!!」
(バロンズゥがユウ・ブレンに隣接。ユウ・ブレンの下にリバイバルのブレードが出現、バロンズゥが少し離れる)
ジョナサン「リバイバルのブレード!?」
バロン「オーガニック・エナジーの発動が
このように現れる…!」
勇「俺達は覚悟がついた!
ネリーだけでも逃げてくれ!」
ネリー「私達の覚悟はあなたを守ること!」
勇「何だって!?」
ネリー「あなたが
来てくれてようやくわかったの」
勇「何を言ってるんだ!?」
ネリー「あなたなら、ブレン達を
強く育ててくれる。私の分も
生かさせてくれる人だってわかったのよ」
ジョナサン「カーテンの向こうで
何やってるッ!?」
勇「リバイバル!?
もう一度リバイバルする!?」
ネリー「この子は完全じゃないの!
もう一度、リバイバルが必要なの!」
勇「ネリー!!」
バロン「ジョナサン、
バロンズゥの手に私を乗せよ」
バロン「このリバイバルが
私の恐れているものであるならば、
私はオルファンに行かねばならない」
ジョナサン「狙撃してやる!!」
バロン「未熟者の言うことは聞かない!」
ジョナサン「!」
バロン「急げ、ジョナサン!」
バロン「リバイバルが終わった時、
あのブレードがチャクラの矢になって
襲ってきたらどうするのだ!?」
ジョナサン「そ、それが…
オーガニックなるものだと言うのなら…!」
(バロンズゥがバロンの居る位置まで移動し、撤退)
レミー「な、何が始まるの…!?」
ケン太「ふ、二つのブレンが……!!」
凱「一つになる…!?」
勇「ネリー!
どこだ!? どこへ行ったんだ!?」
ネリー「…この子が
ここを出たがらなかったのは……」
ネリー「勇、
あなたのような人を待ってのことだった」
勇「本当に…!?」
ネリー「生命を与えられた者の
可能性を探すためね」
勇「…誰が与えた可能性だ…!?」
ネリー「それはあなたが探して。
私にはもう探せないから…」
ネリー「この子も一緒に探してくれるわ。
この子の力で勇の大切な人達も
守ってあげればいい…」
勇「ネリー・キム…!!」
ネリー「勇、忘れないで…。
憎しみだけで戦わないでね。
それではオルファンは止められないわ」
勇「ネリー……!!」
ネリー「悲しまないでね、勇。
私は孤独じゃなかったわ、いつでも…。
最期にはあなたにも会えた……」
ネリー「ありがとう……………」
勇「……………!!!」
(ユウ・ブレンがネリー・ブレンと融合し、ブレードが収まる)
勇「………ネリー…………!」
クスハ「…ああ…ネリーさん……!」
ブリット「…く、うう……」
ブリット「…あれが………
あの人の運命だったのか……」
(東端にグッドサンダーが出現)
真吾「…迎えが来たか……」
比瑪「あのブレン………」
比瑪「勇のブレンなの……!?」
ネリー・ブレン「………」
勇「…………」
勇「俺のブレンは雄々しかったんだぞ…。
そのビットだって取り込んだんだろ。
もう泣くんじゃない…」
比瑪「…ネリーさんの形見を埋めるの?」
勇「ああ…。俺もネリー・ブレンも
いつまでも泣いているわけにはいかない」
ネリー・ブレン「…………」
勇「気持ちはわかるけど…ブレスレット一つの
記憶より、お前と俺の中にしみこんだ
ネリー・キムの想い出を大切にしたいな」
勇「…いっぱいあるだろ?」
ネリー・ブレン「………」
勇「ここにいる宇都宮比瑪って、
いい子なんだぞ。こういうことを
ちゃんとわかってくれるんだ」
勇「お前の身体の中にはネリーも……
俺のブレンもいるんだろう?」
ネリー・ブレン「…………」
勇「これで充分じゃないか、ネリー・ブレン」
ネリー・ブレン「………」
比瑪「ありがとう、勇…。
でも、私…人を愛せない人って嫌いだよ?」
勇「…………」
勇「…ネリーはね、
ジョナサンとバロンと、バロンズゥが
オルファンに入ることを恐れてたんだ」
比瑪「バロン? バロンズゥ?」
勇「ああ…。
だから、俺は一つの記憶を封印する」
勇「これからの戦いのために………」
イルイ「クスハ、ブリット…!」
クスハ「イルイちゃん…」
ブリット「君も来てくれていたのか…」
イルイ「よかった…無事で……」
クスハ「…ごめんなさい…。
私…あなたとの約束を守れなかった…」
イルイ「ううん、いいの。
みんな一所懸命頑張ったもの……」
イルイ「悪いのは…
ネオ・ジオンや他の星から来た人達…」
イルイ「あの人達さえいなければ……」
クスハ「イルイちゃん……?」
勇「そうか…この10日間、地球は…」
命「ええ…。フィフス・ルナの落下は
予想以上の影響を与えているわ」
凱「ラサ一帯が壊滅したのに加え…
ミケーネ帝国の大軍団が地球の
主要都市を同時に襲撃した」
凱「今は連邦軍と膠着状態となっているが…
戦闘が長引けば、こちらが不利だ」
命「それに、オルファンの浮上が
地球の異常現象に拍車をかけているし…」
比瑪「下手をすると、地球そのものが
危ないってことね…」
勇「ネオ・ジオンや木星帝国の方は?」
真吾「高見の見物さ。
奴らのキツい脅しのせいで、連邦の
お偉いさん達は浮き足立ってる」
キリー「次は自分達の頭の上に
何が落ちてくるかわからないからな」
レミー「つまり…
今のところはお手上げってワケ」
ブリット「これが…クワトロ大尉の言う
重力に魂を引かれた者の罪か…?」
凱「狭い世界の中だけで暮らし、
外界に無関心でいることは
他人への優しさや思いやりを忘れさせ…」
凱「長い目で見れば、自分達自身を
滅ぼすことなのかも知れないな…」
ブリット「…………」
勇「…ところで、オルファンの方は
どれぐらい浮上したんだ?」
命「それが……この一週間で
ついに海面から離れてしまったの」
勇「やはり、そうか…!」
クスハ「ということは、オルファンは
完全に浮上したんですか…?」
凱「ああ。フィフス・ルナによる
地球へのダメージ…」
凱「つまり、大規模なオーガニック・
エナジーの喪失にオルファンがパニックを
起こしたためだと言われている」
勇「想像以上に状況は絶望的だな…」
比瑪「でも、私達…
あきらめるつもりはないわ」
凱「ああ、もちろんだ…!」
真吾「でなきゃ、いつものこどく突然姿を
現したグッドサンダーで、世界中へ散った
仲間達を集めたりはしないさ」
勇「でも、どうやって
俺達がいた場所を知ったんだ?」
真吾「ああ、そりゃケン太のおかげだ」
勇「ケン太が?」
真吾「そう。
あいつの友達がαナンバーズの
居場所を教えてくれたそうだ」
勇「その友達って?」
真吾「信じられん話だろうが…
ケン太は山と話せる人、森と話せる人、
雨と歌える人達と言ってる」
レミー「一言でいえば、地球の自然そのもの…
ファンタジックに表現すれば、精霊と
交信してるってことになるわね」
クスハ(精霊……?)
キリー「ま、おとぎ話さ」
凱「だけど、
護やイルイも同じようなことを言ってる」
凱「…どうやら、あの子達は
俺達に聞こえない声を聞いているらしい…」
レミー「信じられないでしょ?」
勇「いや、そうは思わない。
俺や比瑪もブレンの声を聞いているし…」
勇「子供達は俺達よりも
オーガニック的なものに敏感だと言える」
レミー「つまり、純粋だから…ってワケね」
キリー「なら、レミーにゃ友達の声が
聞こえなくて当然だよな」
レミー「じゃ、
代わりに自分の悲鳴でも聞いてみる?」
キリー「うへっ、そりゃご勘弁」
真吾「とにかく、グッドサンダーが
俺達と行動を共にしている内に
αナンバーズと合流した方がいいな」
キリー「ああ。このままじゃ、
どこに飛ばされるかわからんからな」
クスハ「ところで、
ケン太君はどこにいるんですか?」
真吾「ああ…
今、親父さんと会ってるよ」
クスハ「え…!?
ケン太君のお父さんはあの時……!」
キリー「何でも、予め自分の意識を
ファザーに移植していたらしい。
要は宙の親父さんと同じってことだ」
クスハ「…………」
真田「ケン太…
お前達の仲間は全て集まったか?」
ケン太「ううん…。
キンケドゥさんがまだ……」
護「…大丈夫かな…キンケドゥさん…」
OVA「きっと大丈夫ですよ」
ケン太「でも…
あの人の場所だけはわからないんだ。
……もしかしたら……」
真田「信じるんだ…ケン太、護君。
そうすれば、友達は必ず応えてくれる…」
ケン太「うん……」
サバラス「真田博士…
もしかして、ケン太の友達とは私達の使命と
深い関係があるのですか?」
真田「そうだ。ケン太の成長と
ビムラーの覚醒のきっかけとなる……」
ケン太「ビムラーの覚醒…?
ビムラーって、瞬間移動を可能にする
エネルギーのことだよね…?」
真田「うむ…」
ケン太「それと僕にどんな関係が…?」
真田「いいか、ケン太…よく聞くんだ。
お前とお前の仲間達には、まだ多くの
試練が待ち受けている…」
真田「そして、それに打ち勝った時…
人類は新たなステップを上ることになる」
真田「覚醒したビムラーや……
お前の友人達と共に……」
ケン太「え…!?」
OVA「どういう意味なんです…?」
真田「…外宇宙へ進出したとは言え、
人類は未熟な存在だ」
真田「本当の意味での巣立ちをするには、
守護者の下から離れなければならない」
サバラス「守護者…?」
ケン太「待ってよ、父さん…!
どういうことなの? ビムラーって、
いったい何なの?」
真田「今はまだそのままでいい。
いずれわかることだ……」
真田「そして、その時こそが
お前の…いや、人類の新たなる旅の
始まりとなるのだ」
ケン太「父さん!」
真田「ケン太、しばしのお別れだ…。
また会おう………」
(モニターオフ)
ケン太「父さん! 父さん…!」
サバラス「ケン太…真田博士はファザーの中で
再び眠りについた。呼びかけても無駄だ」
ケン太「と、父さん…」
サバラス「君は真田博士の言葉どおり、
旅を続けなければならない。
そう、全ての答えを見つけるために…」
ケン太「………」
護「そうだよ、ケン太。
まだ君の旅は終わりじゃないんだ」
ケン太「…わかったよ、護。
僕、自分で答えを見つけてみせるよ」
ケン太「それがこの旅の目的なんだから…」