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大空魔竜、危機一髪!! 月ルート ~ 第35話 ~

〈イプシロン市に敵機が侵入〉

(侵入した敵機の傍に爆煙)
サコン「しまった!  敵が都市部に侵入したか!」
大文字「ピート君!  大空魔竜、全速前進だ!」
ピート「大空魔竜、全速前進!  敵メカを押し潰すぞ!」
(大空魔竜が侵入した敵機に隣接し、震動、侵入した敵機が爆発、その他の敵機は撤退)
ハチロー「やったぁ!  さすがは大空魔竜だ!」
ピート「大文字博士、残る敵部隊も 後退していきます」
大文字「うむ…。 街の方はどうなっている?」
ミドリ「建物の倒壊により 怪我人が出たようですが、 大きな被害はないようです」
大文字「各機には帰還命令を。 大空魔竜は街に降りて、 負傷者を救済する」
ピート「了解です」
サコン「………」

《月面 イプシロン市・ERATH AREA》

[月面都市市街]

(フリージングガンを発射)
氷竜「炎竜、こちらの消火は終了した。 そちらはどうだ?」
炎竜「こっちは大変だ。 倒れたビルに人が閉じ込められている!」

ゴルディマーグ「おらよっと!!」
(震動、重い物を動かす)
ゴルディマーグ「やれやれ…、 戦闘の次は街の復興作業とはよ…」
「頑張って、ゴルディマーグ。 みんなが君達を頼りにしてるんだから」
麗雄「護君の言う通りだ。 こういう時こそお前達の出番じゃぞ」
ゴルディマーグ「…ったく…。 人使い…いや、ロボ使いの荒い部隊だぜ」

(震動、重い物を動かす)
サンシロー「ヤマガタケ、 そっちの柱をどかしてくれ!」
ヤマガタケ「おうよ!」
(震動、ドリルで柱を壊す)
サンシロー「あれは…!?」
ヤマガタケ「どうかしたのか?」
サンシロー「ストップだ、ヤマガタケ!  この奥で人が倒れている!」
ヤマガタケ「何だって!?」
サンシロー「君! しっかりするんだ!」
???(エリカ)「…スタール…!  どうして、あなたがここに!?」
サンシロー「え…?」
???(エリカ)「ああ…スタール…」
サンシロー「お…おい! 君!  しっかりするんだ!」

[医務室]

???(エリカ)「う…うう…」
サンシロー「…気がついたかい?」
???(エリカ)「スタール…!」
サンシロー「…すまないが、人違いだ。 俺の名前はツワブキ・サンシローだ」
???(エリカ)(そうよね…。 スタールはもういない…。 彼は地球人に殺されたのだから…)
サンシロー「ここは大空魔竜の中だ。 君は街のガレキの下で発見されて、 ここに運び込まれたんだ」
???(エリカ)「…ありがとうございます…」
サンシロー「え…いや…その… そうあらたまってお礼を言われると 何だか照れるな…」
???(エリカ)「え…」
サンシロー「その…あんまり君が キレイだから…」
???(エリカ)「…お世辞が上手なのね」
サンシロー「本当のことさ。 …ところで君の名前は何て言うの?」
エリカ「…エリカよ」
サンシロー「へえ… 君もエリカって言うのか…」
エリカ「誰か、お知り合いにでも?」
サンシロー「まあね。 そのエリカは仲間の恋人ってところかな。 …君の方がキレイだけどね」
エリカ「まあ…」
サンシロー「大空魔竜はしばらくの間、 イプシロン市に滞在する予定だ。 君もそれまではここにいればいいよ」
エリカ「はい…」
サンシロー「それじゃあ、 後でまた見舞いに来るから…」
(扉が開閉する・サンシローが立ち去る)
エリカ「………」
エリカ(方法はどうあれ 大空魔竜の潜入には成功した…)
エリカ(あとは任務を果たすだけだわ…)

[大空魔竜・ブリーフィングルーム]

(扉が開閉する)
京四郎「よう戻ってきたな、色男」
サンシロー「え…?」
ナナ「聞いたわよ、サンシローさん。 街ですごい美人を助けたんですって?」
サンシロー「参ったな…。 もう、みんなに知れ渡ってたのか…」
万丈「この数日間は、 ずっと作戦行動だったからね。 みんな娯楽に飢えているのさ」
一矢「それで、その美人の様子は どうなんだ?」
サンシロー「一矢…」
一矢「どうしたんだよ…?  俺の顔見てニヤニヤして…。 気味の悪い奴だな…」
サンシロー「いや、何…、 火星でエリカさんを助けた時の お前の気持ちがわかってな」
ナナ「うわ…意味深発言…!」
ヤマガタケ「悔しい…!  火星に続いて美女と知り合うチャンスを 2度も逃がしちまった!」
ミドリ「へえ…面食いのサンシロー君も 年貢の納め時ってところかしら」
サンシロー「ははは…まあね」
万丈「もう名前ぐらいは聞いたのかい?」
サンシロー「あ…ああ…」
ミドリ「歯切れの悪い答え方ね。 教えてもらえなかったの?」
サンシロー「いや…、 そういうわけじゃないんだけど…」
ナナ「この際、全部白状しちゃいなさい!」
サンシロー「その…、 彼女も…エリカって言うんだ…」
一矢「何だって…!?」
京四郎「それはまた…随分と奇遇な…」
サンシロー「…まあ、俺と彼女の事は 想像にお任せするさ」
京四郎「………」
一矢「おっと京四郎…!  ここで彼女が敵のスパイだなんて 無粋な事は言うなよ」
京四郎「普段なら何を言われようと 俺は思った事は黙っちゃいない…」
サンシロー「………」
京四郎「…だが、今回ばかりは疑う気も 起きん。そのエリカ嬢が敵の スパイだとしたら芸が無さ過ぎる」
サンシロー「京四郎…」
京四郎「他人の恋路をとやかく言う程、 俺は野暮じゃない。だから、今日は 一言だけ言わせてもらう…」
京四郎「故人曰く『誠の恋をするものは、 みな一目で恋をする』。 …シェークスピアの言葉だ」
一矢「その言葉、わかるような気がする…」
サンシロー「ああ…。 俺も今なら理解出来そうだ」
万丈「ま…恋をするのは自由だけど 敵の攻撃はまだ終わったわけじゃない。 油断しないようにしてくれよ」

[医務室]

エリカ(私の恋人スタールは 地球攻略に参加し、散っていった…)
エリカ(その仇を討つために 私は工作員として地球人を倒す作戦に 志願したはずなのに…)
(扉が開閉する)
サンシロー「気分はどうだい、エリカ?」
エリカ「サンシロー…、 その後ろの人達は誰なの…?」
一矢「え~と…その…」
ナナ「正直に白状しなさいよ。 みんな、エリカさんが美人だって 聞いてついてきたのよ」
エリカ「まあ…」
甲児「実はそのとおりで…」
真吾「ま、美人が嫌いな男はいないんでね」
ケン太「でも、本当にきれいな人だなあ」
「うん…。αナンバーズにも きれいな人は多いけど負けてないよ」
一矢「ごめんよ、騒がしくして。 俺の名前は竜崎一矢。 迷惑だったら、すぐ帰るよ」
モンシア「オラ、一矢!  一人で紳士ぶってんじゃねえよ!」
豹馬「そうだ、そうだ!  お前には別のエリカさんがいるだろ!?」
エリカ「別のエリカ…?」
サンシロー「前に話しただろ?  一矢の恋人もエリカって言うんだ」
一矢「今は事情があって離れ離れだけどね」
エリカ「そうなの…」
一矢「でも、俺は信じているんだ。 いつの日か彼女と再び会えるってね」
エリカ「………」
キリー「その悲しげな瞳… どうやらキミにはヒミツがあるね?」
エリカ(まさか、私がゼーラ星の 工作員であることがばれたのか…!?)
キリー「それはキミの昔の恋のこと… ずばり、キミは恋に悩んでいるね?」
エリカ「え…その…」
ケン太「やめなよ、キリー。 エリカさん、困ってるじゃないか」
サンシロー「ケン太の言うとおりだ。 さあ、みんなは帰った、帰った。 後は俺が引き受けるから」
キリー「おやま、 意外に独占欲のお強いことで」
真吾「野暮なこと言うんじゃないの。 邪魔者はさっさと退散しようぜ」
ナナ「じゃ…お大事にね、エリカさん」
エリカ「ええ…ありがとう…」
豹馬「サンシロー、二人っきりだからって おかしなことするんじゃねえぞ!」
サンシロー「ば、馬鹿言え!」
甲児「後で話を聞かせろよ!」
サンシロー「うるさい、早く行けってば!」
(扉が開閉する・サンシローが他のメンバーを追い出した)
エリカ「………」
サンシロー「ごめんよ、励ますつもりが おかしなことになっちゃって…」
エリカ「ううん、いいの…。 あなたと皆さんの優しさは伝わったわ」
サンシロー「そうかい? まあ、 見てのとおり気のいい連中だからね」
エリカ「でも、あの人達も 異星人と戦っているのよね…」
サンシロー「そうだ。俺達は 一刻も早く奴らの侵略を打ち砕いて 平和を取り戻さなくちゃならない」
エリカ「彼らも好き好んで 攻めてくるんじゃないわ…」
サンシロー「え…?」
エリカ「いえ… 女の直感でふとそう思っただけ…」
サンシロー「理由はどうあれ、 降りかかる火の粉は払わねばならないさ」
エリカ「よしましょう、こんな話…」
サンシロー「…きれいなペンダントを しているね?」
エリカ「ありがとう…。 これは私にとって思い出の品なの…」
サンシロー「もしかして、 スタールって人がくれた物かい…?」
エリカ「ええ…昔の話だけど…」
サンシロー「………」
サンシロー「エリカ…、 これから俺と友達になってくれないか?」
エリカ「え…?」
サンシロー「な、いいだろ?  嫌だと言っても俺はもうそう決めたんだ」
エリカ「サンシロー…」
(扉が開閉する)
サコン「…サンシロー、まだここにいたのか。 もうすぐミーティングが始まるぞ」
サンシロー「わかったよ、サコン。 すぐに行く。ピートの奴には 適当に言い訳をしといてくれ」
エリカ「サコン?」
サンシロー「ああ、紹介するよ。 こいつはサコン・ゲン。 通称、大空魔竜の頭脳だ」
サコン「…よろしく、エリカさん。 君の話は他の者から聞いている」
エリカ(この男がサコン・ゲン…。 私の任務のもう一つの標的…)
サンシロー「エリカ…?」
エリカ「ごめんなさい、サンシロー…。 少しめまいがしたの…」
サンシロー「すまない、エリカ。 俺達のせいで疲れさせてしまったね」
サンシロー「俺はミーティングに行くから ここでゆっくり休んでくれ」
エリカ「待って、サンシロー…」
サンシロー「何だい?」
エリカ「さっきのあなたの言葉、 とても嬉しかったわ…」
サンシロー「エリカ…」

[真っ暗]

(鍵をこじ開ける)

[大空魔竜・メインコンピュータールーム・暗い]

エリカ(ツワブキ・サンシロー… 飾り気が無くて快活で素敵な男性…)
エリカ(あなたといると、まるで スタールと一緒にいるみたい…。 …だけど、私はゼーラ星の工作員…)
エリカ(この悲しみは私の最後の心…。 私はあなた達を倒さなければならない…。 これが私達の宿命だったの…)
エリカ(この時限爆弾をセットすれば 全ては終わる…)
(スイッチを入れ、灯りをつける)
エリカ「誰?」
サコン「エリカさん…大空魔竜の メインコンピュータに仕掛けたものを 取り外してもらおう」
エリカ「サコン・ゲン…!」
サコン「君が格納庫に仕掛けた爆弾は 既に俺が取り外した」
エリカ「…いつから私の正体に 気付いていたの?」
サコン「先日の敵の作戦、まるで何かの オトリにしか見えなかったからね。 だから、君をマークさせてもらったよ」
エリカ「…さすがは大空魔竜の頭脳、 大した洞察力だわ」
エリカ「それで、その天才さんは 私をどうするつもりなの?」
サコン「…君が爆発物を取り外し このまま去るならば何もしない」
エリカ「どういう事なの?  私はゼーラ星の工作員なのよ…!」
サコン「ゼーラ星…。 それが第3の異星人の母星か…」
サコン「サンシローは君のことを 大切に思っている…。だから、あいつを 傷つける真似はしたくない」
サコン「そして、 その気持ちは君も同じと見た」
エリカ「………」
サコン「君がゼーラ星の人間であることに 気づいているのは俺だけだ。今なら 全てを俺の胸の内に収めることも出来る」
エリカ「………」
エリカ「…負けたわ、サコン・ゲン…。 あなたの頭脳と心に…」
サコン「わかってくれたか…」
エリカ「…でも、私にも退くことの 出来ない理由がある…!」
(変身)
エリカ「そして、サコン・ゲン…!  私の任務は我々の障害となる お前の拉致も含まれるのだ!」
サコン「何っ!?」
エリカ「一人で ここに来た甘さを悔いるがいい、サコン!」
サコン「!!」

[大空魔竜・個室]

(非常灯点灯、爆発、振動)
サンシロー「な、何だ!?」
ピート「この振動…! 爆発か!?」
ミドリ「緊急事態発生! 緊急事態発生!  大空魔竜の頭部、及びメインコンピューター ルームが何者かに爆破された模様!」
サンシロー「何だって!?」
ピート「くそっ!  いつの間に敵が侵入したんだ!?」

〔戦域:イプシロン市周辺〕

(北西にレッドバロムが2機出現し、少し南へ移動)
暗黒鳥人「破壊工作員3460号、 任務ご苦労であった」
エリカ「…ゼーラ星の人間として 当然のことをしたまでです」
暗黒鳥人「では、 捕らえたサコン・ゲンをこちらに」
エリカ「はい…」
(西側のレッドバロムがサコンを収容し北端へ移動後撤退、東側のレッドバロムはエリカのいる所へ移動)
エリカ「あの男は この後、どうなるのでしょうか?」
暗黒鳥人「お前がそれを知る必要はない」
エリカ「…では、私の次の任務は…」
暗黒鳥人「…3460号、 その前に確かめたいことがある」
エリカ「………」
暗黒鳥人「お前には大空魔竜を爆破する チャンスが充分にあったはずだ」
暗黒鳥人「だが、 実際には一部分が損傷したのみ…。 これをどう説明する?」
エリカ「それはサコン・ゲンの邪魔が 入ったためで…」
暗黒鳥人「そのサコンをお前は捕らえた。 その後に、何故あらためて大空魔竜を 破壊しなかったのだ?」
エリカ「それは…」
暗黒鳥人「つまりはお前のミスだ。 そして、我々暗黒ホラー軍団は 失敗を許さない」
暗黒鳥人「破壊工作員3460号… お前には処刑を宣告する」
エリカ「そんな!」
(エリカの居た所に爆煙、エリカが南へ移動)
暗黒鳥人「3460号、逃げられると 思っているのか!」
エリカ「死ねない…!  私はこんなところで死ぬわけには いかない…!」
エリカ「スタール…サンシロー…!  私は…私は…!」
(レッドバロムが南へ移動)
暗黒鳥人「死ね、3460号!」
(西端にガルンロールが出現)
暗黒鳥人「何!?」
(ガルンロールがレッドバロムの傍まで移動)
暗黒鳥人「き、貴様らは!?」
(レッドバロムが爆発)
エリカ「私を助けてくれたの…?」


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