back index next


約束の宇宙へ アイビス ~ 第31話 ~

《太平洋 マーケサズ諸島・WORLD AREA》

[軍事基地]

???(レーツェル)「…もう行くのか?  スレイ・プレスティ」
スレイ「ああ。 ベガリオンの整備と補給、感謝する」
???(レーツェル)「いや、礼には及ばん。私も このアイドネウス島に用事があったのでね」
???(レーツェル)「それに…君もあてもなく ここへ来たわけではあるまい?」
スレイ「………」
???(レーツェル)「…この島には、 遥かな宇宙へ夢を託そうとした者達の 想いがまだくすぶっている。そして…」
???(レーツェル)「ディバイン・クルセイダーズが 崩壊した今となっても、彼らの志は まだ存在し続けている」
スレイ(それだけじゃない…。 この島には…兄様との想い出も……)
???(レーツェル)「スレイ……君は アイビス・ダグラスと 決着をつける前に…」
???(レーツェル)「それらを もう一度確かめておきたかったのだろう?」
スレイ「…悪いが、昔話に付き合う気はない」
スレイ「私はあの女からアルテリオンを 取り返し、兄様の夢を継ぐ。 …それだけだ」
???(レーツェル)「ならば、我が友フィリオが 君達の機体にアルタイル、ベガという 星の名を付けた理由…」
???(レーツェル)「それをよく考えてみることだ」
スレイ「アルタイルとベガ…?」
???(レーツェル)「ああ。東洋の神話で その二つの星は男女の星となっており…」
???(レーツェル)「天の川によって別離された 二人は一年に一度…七夕の夜にしか 出会うことが許されぬという」
スレイ「その話と…アルテリオンや ベガリオンに何の意味がある?」
???(レーツェル)「…二つの星が一つとなる時、 その輝きは銀河への道を示す……」
スレイ「! まさか、それは……」
???(レーツェル)「そう、君も知っているはずだ。 コード・HYPER77…」
スレイ「!」
???(レーツェル)「…君達の機体には我が友や 多くの人々の夢が託されている……」
???(レーツェル)「そして、 それを成就させるにはアルタイルとベガの 輝きを一つにしなければならないのだ」
スレイ「く……!  私にあの女を肯定しろと言うのか…!?」
???(レーツェル)「フッ…まあいい。 いずれ君にもわかる時が来る」
スレイ「どこへ行く!? エルザ…」
レーツェル「今の私は レーツェル・ファインシュメッカー… 風の向くまま、トロンベと共に駆けるのみ」
スレイ「……!」
レーツェル「また会おう、 スレイ・プレスティ」
(足音・レーツェルが立ち去る)
スレイ「………」

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[メインオーダールーム]

万丈「獅子王博士、僕が送った 例の動物型ロボットのデータについて、 何か詳しいことがわかりましたか?」
麗雄「まあ、ボチボチじゃな」
麗雄「とりあえず、 情報をまとめるにあたって、二人の博士を オブザーバーとしてここへ呼んである」
万丈「ほう…どなたです?」
エリ「…お久しぶりね、万丈君」
万丈「! 安西博士…!」
ロバート「君と顔を合わせるのは、 イージス計画の時以来かな」
万丈「オオミヤ博士も…!」
麗雄「君も知ってのとおり、安西博士は LTR機構のメンバーで考古学の権威…」
麗雄「そして、ロバート君は テスラ・ライヒ研究所の若きホープじゃ。 オブザーバーとしては適任だろ?」
万丈「なるほど」
麗雄「うむ。では、早速だが…安西博士と ロバート君の意見を聞かせてくれ」
ロバート「はい。今までに確認された 動物型のロボットは3体。大型猛禽類型、 大型軟骨魚類型、そして、大型肉食獣型…」
ロバート「簡単に言えば、 イーグル、シャーク、パンサーですね」
麗雄「むう… 太陽を追いかけて行きそうな連中じゃのう」
エリ「は?」
麗雄「いや、何でもない。…それで?」
ロバート「あの3体は どこの組織にも所属しておらず… 単独で行動しています」
ロバート「おそらく、 自律型の思考回路…あるいは、自らの 意志を持っていると思われます」
エリ「そして、それに似た存在として… 前大戦中、私が発掘した超機人が 挙げられます」
万丈「…龍王機と虎王機ですね。 もしかして、彼らと何か関係が?」
エリ「それはまだわかりませんが…超機人は 悪魔や破壊神と戦うため、古代人が作った 半生体兵器だと仮定されています」
エリ「そして…私はあの3体も超機人同様、 古代文明によって作り出された兵器では ないかと思っているのです」
万丈(…サコンの考えと同じだね)
麗雄「う~む、古代文明の半生体兵器か。 となると、彼らの目的は…」
エリ「ええ。 この地球を守ることだと思われます」
万丈「それで同じ目的を持つ僕達を 助けてくれたというわけか…」
エリ「ただ、気になることがあります」
麗雄「何じゃ?」
エリ「彼らが地球の守護者であるというなら、 もっと頻繁に姿を現してもいいはずです」
エリ「何故なら…今、この星は数多くの者達に 脅かされているのですから」
麗雄「ま、あの3体にも色々と都合が あるんじゃろうて。そうヒョイヒョイ 出てくるわけにはいかんのじゃないか?」
ロバート「…そこがポイントなんです。 彼らが現れるのは決まって αナンバーズの目の前……」
ロバート「色々と調べて見ましたが、 他に目撃例がないんです」
万丈「何ですって…!?」
エリ「つまり、あの3対は あなた方がいる所にしか現れていない」
エリ「まるで…同じ目的を持つ仲間を 助けるかのように……」
万丈「じゃあ… 僕達と何らかの関係があると?」
エリ「あるいは、あなた方の中に 彼らを呼び寄せる何らかの要因が あるのかも知れません」
麗雄「なるほど。護君の危機に反応する ギャレオンのように、か……」
エリ「いずれにせよ、 調査を進める必要があると思われます」
麗雄「うむ。 …ところで、これからのことを 踏まえて彼らの呼称を決めんか?」
ロバート「そうですね…。 3体共通の名称は必要でしょう」
エリ「では… 『クストース』というのはいかがです?」
麗雄「クストース…。 ラテン語で守護者という意味か。 うむ。それでいこう」
万丈「では、みなさん… クストースの調査をお願いします」
エリ「ええ、わかりました」

[マザー・バンガード・休憩室]

アムロ「そうか…。 アイビスの状況は変わらずか…」
ツグミ「はい…。イルイや皆さんの 助けもあり、日常生活においては 随分と落ち着いたのですが…」
バニング「戦闘中の意識の寸断は いまだ回復せずか…」
キンケドゥ「ツグミ、 それでもアイビスを宇宙に 行かせるのか?」
ツグミ「…はい。 この地球でアイビスも多くの事を 経験しました…」
ツグミ「イルイとの出会い、 αナンバーズの皆さんとの触れ合い…」
ツグミ「そして、ムサシさんの死…」
ツグミ「その経験がアイビスの 心を強くしているはずです。 私はそう信じます…」
キンケドゥ「しかし、君相手に 改めて言うのも馬鹿げているが 宇宙は一歩間違えば死の世界だ」
キンケドゥ「アイビスの迷いは 君自身の危険も意味するぞ」
ツグミ「…かまいません。 彼女は私のパートナーですから」
アムロ「…わかった。 そこまでの覚悟があるのなら 俺達に言う事はない…」
ツグミ「ありがとうございます…」
アムロ「礼の必要はないさ。 俺達だってアイビスを 信じたい気持ちは変わらないからな…」

[宇宙開発公団タワー]

イルイ「ねえアイビス、 宇宙へ行く準備はしなくていいの?」
アイビス「アルテリオンの整備は ツグミがやってくれている。 あたしは休んでればいいってさ…」
イルイ「じゃあマザー・バンガードの ブリーフィングルームに行かない?  みんなもそこにいるし」
アイビス「いいよ…。 あたしはGアイランドの この丘が気に入ってるから…」
イルイ「アイビス、 パーティーの時もいなかった…。 みんなの事…嫌いなの…?」
アイビス「そうじゃない…。 そうじゃないけど…」
アイビス「でも、みんなの方が あたしの事…嫌いだと思う…」
アイビス「あたし…、 みんなに当たり散らして 迷惑ばかりかけているから…」
(足音)
「そんな事ないさ、アイビス」
アイビス「凱、それに命…。 …何しに来たのよ…?」
「ご挨拶だな。 ここは俺達にとっても 思い出の場所なんだぜ」
アイビス「え…?」
「そうよ…。高校生の頃の凱も この丘からシティを見下ろしていた…。 だから、私もよくここに来たの」
イルイ「ごめんなさい…。ここは 二人のデートの場所だったんですね」
「まあな…。 面と向かって言われると照れるけど…」
「思い出すなあ…。 凱が宇宙へ行く前に、この丘で 私、ペンダントを渡したっけ…」
イルイ「ペンダントって?」
「ああ、これの事さ」
(ペンダントを取り出す)
イルイ「わあ…命さんの写真だ…」
アイビス「今とあんまり変わってないな…」
「そうかな…?  この2年で少しは大人っぽくなったと 思ってたけど…」
「命がお守り代わりにくれたんだ。 私の事忘れないようにって…」
「もう! そんな事まで 言わなくていいわよ!」
アイビス「そういうのって 何だかいいな…」
「命の乙女チックを理解するなんて アイビスもやっぱり女の子だな」
アイビス「そうじゃないけど、 思い出って大切なものだからね…」
「…フィリオって人の事を 思い出したのかい?」
アイビス「まあね…。 …宇宙に上がるんで少しセンチに なっているのかも知れない…」
「その人の事を今でも想うなら アイビス…あなたは、 また飛ぶ事が出来ると思うな…」
アイビス「そうかな…」
「初めて飛びたいって思った時の 気持ちを思い出せるなら出来るさ」
「宇宙飛行士の先輩として それだけは言えるぜ」
アイビス「凱は…強いんだね…」
「そうかな…?  だが、一つだけ言える事がある」
「俺に戦う強さをくれるのは 俺を信じてくれるみんなの心だ」
アイビス「………」
「アイビス…、 君だって、みんなから力を 分けてもらえるよ」
アイビス「あたしが…?」
「みんな、あなたが いつか飛べる事を信じているわ」
アイビス「…冗談はやめてよ。 あたしに期待を受ける資格なんて ないよ…」
「自分を傷つけるような事を 言うのはよせ…」
「君がみんなのために何かしようと 思う気持ちと同じくらいに みんなも君を大事だと思っている」
アイビス「あたしがみんなを想うくらい みんながあたしを想っている…?」
「そうさ。そして、 宇宙を飛ぶ時はその人達の事を 忘れては駄目だ…」
「無限の闇に打ち勝つ強さをくれるのは 大切な人達との温かな絆と 前へ進む気持ち…」
「つまり勇気だ」
アイビス「うん…」
イルイ「アイビス…」
「…そろそろ出発準備の時間ね。 私達は先に戻っているわ」
イルイ「はい…」
(足音・凱と命が立ち去る)

アイビス「強さをくれるのは… 人と人との絆…か…」
イルイ「じゃあ、アイビスは大丈夫…。 だってアイビスには大切な人が たくさんいるから…」
イルイ「フィリオさん、ツグミさん、 それにαナンバーズのみんな…」
イルイ「それに、ツグミさんも、 私もアイビスの事が好きだから…」
アイビス「イルイ…」
イルイ「アイビス、 これ、受け取って…」
アイビス「これ… イルイのペンダントじゃない…。 大切なものなんでしょ…?」
イルイ「いいの…アイビスに 持っていてもらいたいから…」
アイビス「イルイ…」
イルイ「私だと思って大切にしてね」
アイビス「え…」
イルイ「アイビスの夢は きっとかなうと思うよ…」
アイビス「ありがとう、イルイ…」


第31話
約束の宇宙へ

〔戦域:宇宙開発公団タワー周辺〕

(宇宙開発公団タワーの南側にアルビオン、大空魔竜、マザー・バンガードが待機している)
シモン「各機の打ち上げまで、 あと10分です」
シナプス「うむ。 最終チェックを急いでくれたまえ」
ミドリ「ピート君、 アルビオンとマザー・バンガードが 打ち上げの最終段階に入ったわ」
ピート「よし、 大空魔竜はその2艦の護衛に回る。 各員、第1種戦闘配備のまま待機だ」
ミドリ「了解」
ピート「このタイミングに 仕掛けてくる連中は必ずいるはずだ… 油断するなよ」
(Gストーンの共鳴)
「あ…!」
ケン太「どうしたの、護?  まさか…!?」
「うん…ゾンダーだ!」
(西側のシャトル打上げ施設)
ピッツァ「空の上は果てしなく広い…、 地上の薄汚さとは無縁の素晴らしい世界だ」
ピッツァ「そして、その空こそが 私の戦いに相応しい舞台…」
ピッツァ「サイボーグよ…、 その誰にも邪魔されない場所で お前との決着をつけるぞ…」
ピッツァ「さあ、ゾンダーメタルよ、 私のために翼を用意するのだ!」
(EI-05が出現し、高速で東端へ移動)
スワン「Zセンサーに反応!  ゾンダーデス!」
大河「このタイミングでだと!?」
猿頭寺「ゾンダーは スペースシャトルと融合した模様です!」
(EI-05の西側にゾンダーが出現)
ピッツァ「まずは小手調べだ…。 カインの遺産の力、見せてもらうぞ」
大河「牛山君!  αナンバーズに出撃要請を!」
牛山「しかし、各艦は 既にカウントダウンの準備に…」
(ガオガイガーとビッグボルフォッグが出撃)
大河「凱! それにボルフォッグか!」
「シナプス大佐、大河長官!  ゾンダーは俺達が引き受けます!」
ビッグボルフォッグ「各艦は このままカウントダウンを 続行して下さい」
シナプス「しかし、それでは君達が 地球に残されてしまう…」
(アルテリオンが出撃)
「アルテリオン!」
ツグミ「ご心配なく、シナプス大佐。 アルテリオンをブースター代わりにして 彼らも大気圏を離脱させます」
「いいのか、ツグミ?」
ツグミ「ええ…。 これはメインパイロットからの 提案ですから」
「アイビスが…?」
アイビス「さっきの話のお礼代わりよ…」
「そうか…ならば遠慮なく 甘えさせてもらうぜ!」
ツグミ「以上です、シナプス大佐。 ゾンダーは我々に任せて下さい」
シナプス「了解した。こちらは 3分後にブースターに点火する。 それまでは頼むぞ」
「りょ…了解です!」
ビッグボルフォッグ「護隊員…、 やはりGGG本部で待機していた方が よろしいのでは?」
「…僕だってGGGの隊員で αナンバーズのメンバーなんだ…」
「ゾンダーを相手に 怖いなんて言ってられないよ…!」
ビッグボルフォッグ「護隊員の 勇気と決意、了解しました。 では、行きます…!」
「うん!」
(作戦目的表示)

〈3EP〉

ミドリ「太平洋上から 急速に接近する機体があります!」
大文字「何だと!?  もうブースターの点火時刻だぞ!」
ツグミ「このスピードは…」
アイビス「あいつなの…!」
(アルテリオンがCFに変形し大空魔竜の南に隣接)
アイビス「ベガリオン!」
(アルテリオンとベガリオンが宇宙開発公団タワーの南西に高速で移動し、爆煙後、ベガリオンが南へ移動する)
スレイ「久しぶりだな、アイビス!  少しは腕を上げたようだな!」
アイビス「スレイ…」
ツグミ「どうしてなの、スレイ!  あなたとアイビスが戦う必要なんて ないはずよ!」
スレイ「戦う理由はある…!  その女がアルテリオンに乗っている事が 唯一絶対の理由だ!」
スレイ「負け犬に兄様の夢を継ぐ資格など あってたまるか!」
アイビス「………」
ツグミ「確かにアイビスは 一度は宇宙への夢を捨てかけたわ…」
ツグミ「だけど、アルテリオンも ベガリオンもフィリオが残してくれた 機体なのよ!」
スレイ「戦う気がないと言うのか…。 ならばアルテリオンから降りろ!  シリーズ77は私と兄様の機体だ!」
アイビス「………」
スレイ「いいだろう…。 ならば戦う気にさせてやる…!」
(ベガリオンが西へ移動し、戦艦の正面へ)
ツグミ「何をする気なの!?」
スレイ「どうやら、 あの艦は動けないようだな…」
アイビス「まさか…!?」
シモン「ベガリオン、 こちらに突っ込んできます!」
シナプス「いかん!  このままではブリッジをやられる…!」
スレイ「兄様の夢を汚すなら 私はお前達の大切なものを奪ってやる!」
アイビス「そんな事は…!」
(ベガリオンが大空魔竜に隣接しようとし、アルテリオンが間に入る)
【強制戦闘】
スレイ[CTM-07プロミネンス]vsアイビス[反撃不可能]
(アルテリオンに80%のダメージ。ベガリオンは西へ離脱。アルテリオンに爆煙)
「アイビス!」
アイビス「…大丈夫…この程度…!」
シモン「シナプス大佐!  ブースター点火タイミングです!」
シナプス「よし…アイビスの アシストを無駄にするな!  各艦、ブースター点火!」
(アルビオンが南端まで移動)
アムロ「アイビス!  宇宙で待っているぞ!」
コウ「こんなところであきらめるな!  君のゴールはずっと先のはずだぞ!」
カミーユ「自分に負けるな!  そうすれば、きっと君は飛べる!」
アイビス「みんな…」
(アルビオンが撤退、大空魔竜が南端まで移動)
レミー「アイビス!  別れの言葉はアデューじゃないわ!  シーユーアゲンよ!」
鉄也「敗北に負けるな!  未来のために過去を断ち切れ!」
竜馬「ここで立ち止まっていたら ムサシに笑われるぞ!」
一矢「アイビス!  お前なら飛べるはずだ!」
万丈「僕達は君を信じている!  必ず宇宙で会おう!」
アイビス「う…うん…!」
(大空魔竜が撤退、マザー・バンガードが南端まで移動)
キンケドゥ「アイビス、 お前は負け犬なんかじゃない!」
トビア「そうです!  僕達を救ってくれた勇気があれば どんな相手にも負けないはずです!」
ヒイロ「お前も俺達の仲間だ」
ジュドー「だから信じてるぜ!  あんたが勝つ事を!」
アイビス「みんな…」
イルイ「アイビス!」
アイビス「イルイ…!」
イルイ「宇宙で待ってる…、 アイビスの大好きな 宇宙で待っているからね!」
イルイ「約束よ! 必ず宇宙に来てね!」
アイビス「約束する…約束するよ!」
イルイ「うん…!」
(マザー・バンガードが撤退)
「アイビス…やれるな?」
アイビス「うん…。 今なら凱の言った事がわかるよ…」
「頑張って、アイビスさん!  イルイもみんなも宇宙から 応援してくれるよ!」
アイビス「ああ…!」
スレイ「どうやら戦う気になったようだな…」
アイビス「あたしが想うように みんながあたしを想ってくれる…」
アイビス「その絆がある限り、 スレイ…あたしはあんたに 負けるわけにはいかない…!」
ツグミ「アイビス…」
アイビス「そして、イルイと… フィリオとの約束のため… あたしは宇宙へ行く!」
(アイビスに『ド根性』)
スレイ「その気迫…、 どうやらナンバー04の頃に 戻ったようだな…」
スレイ「だが、声が震えているぞ!  そんな負け犬がナンバー01の 私に勝てると思うなよ!」
アイビス「やってみる… いや、やってみせるさ!」
スレイ「戯言を!  翼を失った鳥は醜く地上に はいつくばるのがお似合いだ!」
(作戦目的表示)

〈4PP〉

スレイ「どうした、ナンバー04!  達者なのは口だけか!?」
アイビス「スレイ…!」
ツグミ(駄目だわ…。 まだアイビスの身体は恐怖を 忘れていない…)
ツグミ(アイビスには その恐怖を吹き飛ばすほどの 決意が足りない…!)
スレイ「黒いロボットは 他の相手で精一杯のようだ…」
スレイ「認識しろ!  お前を助ける者はこの世界の どこにもいないんだ!」
アイビス「く…」
ツグミ(駄目なの…!?  まだアイビスは…!)
(南端の海上に雷が落ち、カナフが出現)
大河「あれは…!?」
ロバート「クストース…!  やっぱり、αナンバーズの所に…!?」
(カナフが北へ移動)
スレイ「何だ、こいつは!?」
「あいつ、 アルテリオンを助ける気なのか!?」
アイビス「あの時の…」
ツグミ「私達は助かったのよ!  あのメカは私達を守ってくれるわ!」
???(カナフ)「………」
アイビス「あの鳥が…助けてくれる…」
???(カナフ)「………」
アイビス「来ないでっ!」
ツグミ「どうしたの、アイビス!?」
アイビス「みんなが信じてくれたんだ…。 だから、あたしは自分の力で 自分を乗り越えてみせる…」
アイビス「昨日までの弱い自分に 打ち勝って、約束を果たすために!」
ツグミ「アイビス…」
???(カナフ)「………」
アイビス「もう負けない… もう自分に負けたりしない…。 あたしは自分の力で飛んでみせる!」
???(カナフ)「………」
アイビス「だから、お願い… あたしに戦わせて…あたしの力で…」
???(カナフ)「………」
(カナフの咆哮・カナフが南端へ移動し撤退)
「あのメカ…、 アイビスさんの言った事を わかってくれたの…?」
「ああ…。 きっと彼女の心が通じたのさ…」
スレイ「いい覚悟だ…。 だが、これで邪魔者はいなくなった!」
アイビス「スレイ…、 もうあたしは迷わない…!」
スレイ「アイビス!  私とお前、どちらが兄様の夢を 継ぐ者なのか力で思い知らせてやる!」
アイビス「負けない…、 もう自分の心に負けたりしない!」
ツグミ「アイビス…」
アイビス「ツグミ…。 あたし…スレイに勝ちたい…!」
ツグミ「でも、どうやって…」
アイビス「グランエクス…」
ツグミ「グランエクスって まさかマニューバーGRaMXs!?」
ツグミ「重力制御応用の急加速突撃、 ならびに攻撃対象との交差射撃による 空間戦術…」
ツグミ「…あなたがDC時代に 事故を起こした最高級難度の 空間戦術よ…!」
アイビス「アルテリオンは ベガリオンに最高速度は劣るけれど、 運動性能は勝っている…」
アイビス「スレイを倒すには 相手の軌道制御半径に飛び込む GRaMXsしかない…!」
ツグミ「………」
アイビス「………」
ツグミ「…わかったわ、アイビス。 あれをやるならアルテリオンの力を 100%引き出す必要がある…」
ツグミ「テスラ・ドライブの リミッターをリリースするわ」
アイビス「うん…」
ツグミ「リリース後、 アルテリオンの機動力は 未知の領域に入るわよ…」
ツグミ「…準備はいい?」
アイビス「ちょっと待って…」
(アイビスがペンダントをつける)
ツグミ「…そのペンダント、 もしかして…?」
アイビス「そう…イルイに もらったの…。お守り代わりにね」
ツグミ「じゃあ絶対に 約束を果たさなくてはね」
アイビス「ああ…!  アルテリオンが真の力で飛ぶように あたしも昨日までのあたしじゃない!」
アイビス「あたしは飛んでみせる…!」
スレイ「大空との別れは済んだようだな!  ならば、行くぞ!」
(アルテリオンが宇宙開発公団タワーの北西へ移動、ベガリオンがシャトル打上げ施設の南へ移動)
ツグミ「コードナンバーF-77X!  テスラ・ドライブ稼働リミット解除!」
アイビス「イルイ、フィリオ… そして、みんな!  あたしに勇気を与えて!」
(ガラスが割れる、アイビスに『気合』)
スレイ「行くぞ、アイビス!」
(高速でアルテリオンとベガリオンが接近)
【強制戦闘】
スレイ[Gブレイクドライバー]vsアイビス[マニューバーGRaMXs]
(アイビスは避ける。ベガリオンのHP20%に。戦闘後、ベガリオンはシャトル打上げ施設のすぐ北まで、アルテリオンは宇宙開発公団タワーの南西へ移動)
アイビス「やった…やったよ!」
ツグミ「やったのよ、アイビス!  あなたは悪夢を振り切ったのよ!」
スレイ「おのれ…アイビス…!  まだ終わりではない!」
(スレイに『ド根性』)
スレイ「まぐれが何度も続くものか!  ナンバー04と01の実力の差、 見せてやる!」
アイビス「スレイ!  あんたが戦いをやめないのなら 受けて立つ!」

〈vs スレイ〉

[アイビス]

スレイ「アルテリオンが その力を100%発揮したとて、 私とベガリオンには勝てはしない!」
アイビス「そんな事、 やってみなければわからない!」
スレイ「負け惜しみか、アイビス!」
アイビス「自信があるのなら あたしを力でねじふせてみなよ!」
アイビス「最後の最後まで あたしは絶対にあきらめないから!」

[撃墜]

スレイ「く…アイビスめ…!  この決着は宇宙でつけるぞ!」
(ベガリオンが高速で西端まで移動し撤退)
ツグミ「スレイ…」
アイビス「あいつとは やっぱり戦わなくちゃならないの…」
ツグミ「スレイがフィリオの夢に 縛られている限りはね…」

〈vs ピッツァ〉

[凱]

ピッツァ「久しぶりだな、 サイボーグ!」
「その声…ピッツァか!」
ピッツァ「サイボーグよ、 空戦で私に勝てると思うなよ!」
「俺は元宇宙飛行士だ!  その俺の目の前でシャトルを奪うとは 許すわけにはいかないぜ!」
ピッツァ「面白い! ならばお前と私、 どちらが大空の覇者に相応しいか 勝負だ!」

[ビッグボルフォッグ]

ビッグボルフォッグ「護隊員!  この敵がゾンダーを操る存在だと 思われる!」
「で…でも、この中にいるのは ゾンダーとは何か違うよ…」
ピッツァ「その通りだ、少年。 私はゾンダリアン… ゾンダーとは別の存在なのだ!」

[アイビス]

ピッツァ「ほう…この機体、 私のスピードについてくるか…!」
アイビス「空戦なら アルテリオンは負けはしない!」

[撃墜]

ピッツァ「楽しませてくれるな、 サイボーグ!」
「ピッツァ! 俺達がいる限り、 地球をお前達の好きにはさせないぞ!」
ピッツァ「だが、どうあがこうと 青の星はもう寿命が来ている… もう手遅れだ」
「何だと!?」
ピッツァ「次に会う時までに せいぜい腕を磨く事だな…!」
(EI-05が爆発)
「ゾンダーの反応、 全部消えちゃったよ…」
「地球が手遅れだと…。 何を企んでいるんだ…」

〈敵機全滅〉

大河「諸君、よくやってくれた。 αナンバーズも無事に宇宙に上がり、 衛星軌道上で君達を待っているぞ」
「凱兄ちゃん、 僕達も早く宇宙に上がろうよ」
「慌てるなよ、護。 俺達を宇宙に連れて行ってくれるのは アイビスだ」
アイビス「そういう事。 リミッターを解除したアルテリオンの パワーは今までと比べ物にならないよ」
ツグミ(フィリオ…、 もうアイビスは大丈夫…。 私達の夢は再び動き出したわ…)
(アルテリオン、ガオガイガー、ビッグボルフォッグが南の滑走路の中央へ移動)
アイビス「護、 舌をかまないように気を付けなよ」
「はい!」
「アイビス、 恒星間パイロット候補の腕前、 見せてもらうぜ」
アイビス「任せといて。 …じゃあ、約束の宇宙へ向けて…」
「しゅっぱーつ!」

《衛星軌道上・EARTH AREA》

[格納デッキ]

ケン太「護、無事だったんだね!」
「凱とボルフォッグもお疲れ様」
「ケン太と命姉ちゃんだ!」
「護! 気を付けないと 身体がどこかに飛んでいくぞ!」
「うわっはぁ! 身体が軽いや!  これが宇宙の無重力なの!?」
「ここは艦の中だから、 正確には低重力ってやつだな」

フォウ「お帰りなさい、アイビス」
アイビス「ただいま、みんな…」
ジュドー「アイビスさんが笑ってる…」
アイビス「そんなに見ないでよ… 照れくさいよ…」
ルー「やっと笑顔を見せたわね。 これで一安心だわ」
アイビス「みんなには 今までいろいろ迷惑かけたよね…」
ウモン「何じゃ…、 やっと笑ったと思ったら 次は随分としおらしいのう…」
デュオ「大気圏を脱出する時、 どこかぶつけたのか…?」
ルー「やめなさいよ。 せっかくアイビスが 何か言おうとしているんだから」
アイビス「あたし…、 やっとわかったよ…。自分がどれだけ みんなに助けられてきたか…」
アイビス「みんながいなければ あたし、こうして笑う事なんて きっと出来なかった…」
ルー「困った時には お互い様ってやつよ」
トビア「そうですよ!  僕達だってアイビスさんに 何度も助けてもらったじゃないですか」
カトル「損得ではなく互いのために 何かをする…それが仲間というものです」
アイビス「でも、あたしは 自分だけが不幸みたいな顔をして みんなの優しさを拒んできた…」
カミーユ「そういう時は誰にでもある…。 他人が信じられなくて、自分だけが 不幸の只中にいるように思える時が…」
フォウ「でも、あなたはそれに気付き、 こうして私達と笑い事が出来るように なった…」
キンケドゥ「人の心を素直に 受け止められるようになったんだ。 今日から俺達は本当の仲間だな」
アイビス「うん…。 だから、みんなに言いたいんだ…」
アイビス「ありがとう、みんな…。 あたし…みんなに会えて 本当によかった…」
イルイ「アイビス…」
アイビス「イルイ、ありがとう…。 イルイのくれたお守りのおかげで あたし、スレイに勝てたよ…」
イルイ「ううん…。 それはアイビスの力よ…」
イルイ「それにアイビスが お礼を言う相手は私じゃないわ…」
アイビス「え…?」
キンケドゥ「そうだな。 アイビスを支えてきたのは 俺達でもない…」
トビア「アイビスさんの 常に側にいてくれたあの人こそ それを受けるべきですよ」
アイビス「そうね…。まずあたしは ツグミにお礼を言うべきよね…」
ツグミ「そんな…、 私はあなたのパートナーなんだから…」
アイビス「そんな事ないよ…。 ツグミがいなければ、あたし、 今日までやってこれなかったよ…」
アイビス「ううん…。 きっと生きてさえいなかったと思う…」
ツグミ「アイビス…」
アイビス「だから、ツグミ…」
アイビス「ありがとう…。 そして、これからもよろしくね…」
ツグミ「ありがとう…アイビス…。 私の夢、あなたに託させてもらうわ」
アイビス「うん…。 アルテリオンとツグミがいれば あたし、どこまでも飛んで行けるよ…」
アイビス「ありがとう、みんな…。 本当にありがとう…」
イルイ「よかったね、アイビス…。 本当によかったね…」

『補助GSライド』を入手した
『オーガニック・ビット』を入手した


back index next