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ミッション・イミテイション アラド ~ 第20話 ~

《ビルドベース・JAPANESE AREA》

[ビッグファザー前]

菊枝「あなた…宙にあのことを 話さなくてよかったのでしょうか…?」
遷次郎「今はまだその時ではない。 それに、宙の身体の秘密を邪魔大王国に 知られるわけにはいかんのだ」
大利「…αナンバーズに 銅鐸の秘密を託すというわけですな?」
遷次郎「うむ。 宙には過酷な運命となるだろうが…」
遷次郎「彼らと行動を共にすれば、 同様の運命を背負っているのは、 自分一人だけではないとわかるはず」
大利(…獅子王凱君のことか…)
遷次郎「そして、宙が一人前になった暁には 己の身体に隠された秘密を受け入れることが 出来るだろう…」
菊枝「………」
遷次郎「…私を許してくれ、菊枝。 迫り来る脅威に打ち勝つには、 こうするしかなかったのだ」
菊枝「…あなたの決意はわかっています。 今は宙を…あの子を信じましょう……」

《太平洋 海底城・WORLD AREA》

[ガルンロール・ブリッジ]

バルバス「リ、リヒテル様!  大変でございます!」
リヒテル「どうした、バルバス?  何を慌てておる?」
バルバス「小バームより、メルビ補佐官が この海底城へ参られました!」
リヒテル「何、メルビ補佐官が!?」
ライザ「メルビ補佐官と言えば、 オルバン大元帥の甥…。 それが事前の連絡もなしに何故…?」
バルバス「も…もしや、 地球攻略が進まぬことにオルバン大元帥が 腹を立てられたのでは?」
ライザ「ならば、メルビ補佐官は監視役として 派遣されて来たのかも知れませぬ」
ベルガン(フン、それは私の役目だ)
ベルガン(しかし… メルビに関しては大酒のみの 役立たずという噂しか聞かぬが…)
ベルガン(いったい、何の目的で地球へ?)

[ガルンロール・ブリッジ]

メルビ「よう…久しぶりだな、リヒテル」
リヒテル「メルビ補佐官、よくぞ参られた」
メルビ「歓迎しても何も出んぞ、フフフ」
リヒテル「…では、 オルバン大元帥の甥であるそなたが 地球に来た理由をお聞かせ願おう」
メルビ「さて、忘れたな」
リヒテル「何…?」
メルビ「そう怖い顔をするな。それとも、 大元帥に聞かせたくない話でもあるのか?」
リヒテル「メルビ補佐官… そなた、酒に酔っておられるのか…!?」
メルビ「フフフ…酒を飲めば酔っ払う… これは当然のことであろう?」
メルビ「それとも… 大元帥の甥が酒を飲んでは駄目だという 法律でもあるのか?」
ベルガン(聞きしに勝る無能ぶりだな。 例の組織の協力者かも知れぬと思ったが、 このような男を疑うだけ無駄か)
メルビ「そう言えば、リヒテル… 自慢の妹君のエリカがおらんようだな?」
リヒテル「……!」
メルビ「せっかく地球まで来たのだ。 美しき姫君に挨拶でもさせてもらうと するか…」
リヒテル「…現在、 我々は地球制圧作戦を遂行中だ。 下らぬ用ならば、早々に立ち去られよ」
メルビ「わかった、わかった…。 ならば、我がバーム軍の戦いぶりを 見物させてもらうとしよう」
リヒテル「見物だと…?」
メルビ「勝利の酒を用意しておく。 頑張ってくれよ、リヒテル提督。 ハハハ、ハハハハ!」
(足音・メルビが立ち去る)
リヒテル「役立たずめが…!」
ライザ「…あの男がオルバン大元帥の 使いで来たとは思えませぬ」
リヒテル「だが…奴が小バームに戻れば、 オルバン大元帥は遅々として進まぬ 作戦の実状をお知りになる」
ベルガン「それほどまでにオルバン大元帥の お叱りが怖いのか、リヒテル提督?」
リヒテル「馬鹿を申すな!  余が恐れているのは、バーム10億の民の 落胆と絶望だ!」
ベルガン「ならば、私とライザ殿で 提督のご不安を取り除いてみせましょう」
リヒテル「よほどの自信があるようだな?」
ベルガン「それなりには。 ただし…次の作戦には獄中の者を 使いますが、よろしいか?」
リヒテル「…ハレックのことか。 あのような裏切り者の処遇など、 どうとでもするがよい」
ベルガン(確かに聞いたぞ、今の言葉…)
ベルガン「では、ライザ殿…」
ライザ「う、うむ…」
リヒテル「よし、そなたらに任せるぞ」
ライザ「ははっ」
ベルガン「フフフ…吉報をお待ちあれ」
ライザ(リヒテル様…。 どうか私めをお許しください……)

《日本近海・JAPANESE AREA》

[大空魔竜・休憩室]

甲児「…というわけで、またみんなと 一緒に戦うことになったんだ」
豹馬「新しいメンバー共々、 よろしく頼むぜ」
(拍手)
キンケドゥ「ふふ…昔が懐かしいな」
甲児「こっちこそ。宇宙海賊を やってたって聞いてビックリしたぜ」
豹馬「まったくだ。どうせなら、 俺達も誘ってくれりゃあよかったのに」
キンケドゥ「さすがに、マジンガーZや コン・バトラーVにドクロマークを 付けるわけにはいかないだろう?」
甲児「う~ん…意外にカッコいいかも」
デュオ「それで鎌を付けたら機械獣だぜ?」
甲児「鎌って…ダカラK7かよ!」
ちずる「ところで…クワトロ大尉が ネオ・ジオンに行ったって、本当なの?」
カミーユ「ああ…。 あの人はもうクワトロ大尉じゃない」
カミーユ「ネオ・ジオンの総帥… シャア・アズナブルだ」
甲児「…やっぱり、あの放送に 映っていたのは本物だったのか…」
コウ「…あの人は 俺達と行動を共にすることで連邦の 腐敗ぶりをつぶさに見てしまった」
コウ「そして…人類が 同じ過ちを犯し続けるということまでも 知ってしまったんだ」
甲児「だけどよ、 俺達は今までそれを何とかしようと 頑張ってきたじゃねえか…!」
甲児「なのに、何でジオンなんかに…!?」
さやか「…甲児君………」
アムロ「…シャアは いずれ来る悲劇を回避するために、 俺達とは別の方法を選んだ」
アムロ「確実で、即効力のある方法をな」
甲児「……!」
アムロ「…だから、 俺達はシャアがやろうとしていることを 止めなければならない」
アムロ「そう割り切るんだ、甲児」
甲児「………」
ちずる「…あの人が敵になったのなら、 この先、つらいわね…」
十三「そやな… こっちの手の内はバレバレやろしな」
豹馬「だからって、 何もしねえわけにいくかよ」
豹馬「クワトロ大尉が俺達にとって 最大の敵になるってんなら、俺は戦うぜ。 …地球の平和を守るためにな」
(扉が開閉する)
「…やっぱり、 あんた達は何もわかっちゃいない」
カミーユ「…どういうことだ?」
「今の地球圏にとって、 最大の脅威と言えるのはネオ・ジオンや 木星帝国じゃない」
カミーユ「…オルファンだと言いたいのか?」
「そうだ。あれが宇宙に飛び立った時… 地球は死の惑星になる。オーガニック・ エナジーを吸い尽くされてね」
デュオ「悪いけど、今までだって それと同じぐらいの危機はあったぜ?」
豹馬「ああ。そんなにヤバいんなら、 オルファンをブッ壊しちまえば 済むんじゃねえのかよ?」
「…そういう単純な方法で 片づく問題じゃない」
「あれに何かあった場合、 どうなるか…リクレイマーですら、 つかみ切れていないんだ」
(足音・勇が立ち去る)
豹馬「あ…行っちまったよ。 何なんだ、あいつ?」
甲児「つっけんどんな奴だな」
ちずる「そうね。 もうちょっとぐらい愛想のある 言い方をしてもいいのに」
キンケドゥ「そう言うな。 彼は俺達に警告してくれたんだよ」
豹馬「え? 何を?」
キンケドゥ「オルファンのことを 知らずにリクレイマーと戦うことは 危険だということをね」
コウ「俺もそう思う。 オルファンをただ壊せばいいって わけじゃなさそうだ」
デュオ「へ~え…。 あいつのこと、信用するってわけね」
アムロ「その点では大丈夫だろう。それに、 彼も内心ではわかっているのさ…」
デュオ「何を?」
アムロ「自分一人だけの力では、 オルファンを止められないということを。 …だから、彼はここに残ったのさ」

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[メインオーダールーム]

三輪「邪魔大王国の出現は 我々の作戦にとって大きな支障となる…」
三輪「大河長官、 この事態に対処するため、すぐに αナンバーズをこちらへ戻してもらおう」
大河「それでは前回の話と違いますが?」
三輪「状況は刻一刻と変わっておるのだ!  貴様らは黙って我々に従えばよい!」
大河(…やれやれ… 本当に自分勝手なお方だ)
三輪「それとも何か?  貴様らは異星人やリクレイマーしか 相手にせんというのか!?」
大河(…彼らの相手をしろと言ったのは そちらなのだが)
大河「…わかりました、三輪長官。 では、αナンバーズをお返ししましょう」
大文字「…しかし、 その前にやっておきたいことがあります」
三輪「何かね?」
大文字「ダイモスの再調整を行うため、 ダイモビックへ立ち寄りたいのです」
三輪「そんなことは ビッグファルコンで行えばよい!」
シナプス「それでは、 そちらの作戦準備に支障が出ますぞ」
三輪「どういう意味だ、シナプス大佐!?」
シナプス「特機の整備には手間がかかります。 慣れた人間に任せるべきだと考えます」
三輪「ならば、ダイモスだけを ダイモビックへ向かわせればよい」
シナプス「いえ…そちらの整備班に 負担をかけぬよう、同時に他の機体整備も ダイモビックで行います」
三輪「…う…む…。 よかろう。だが、整備は早急に行えよ」
シナプス「了解です」
(通信切れる)
大河「さすがですな、シナプス大佐。 あの手の人物の扱いに慣れておられる」
シナプス「ティターンズが軍の主導権を 握っていた頃は、日常茶飯事でしたよ」
大文字「では、大河長官… 申し訳ありませんが、我々は ダイモビックへ向かいます」
大河「わかりました。 EI及び、リクレイマーについての 調査は引き続きこちらで行います」

《ガードダイモビック・JAPANESE AREA》

[ガードダイモビック]

ナナ「おじいちゃん!」
和泉「おお、ナナ! 元気じゃったか!」
一矢「お久しぶりです、和泉博士」
京四郎「約束どおり、 ナナを無事に連れ帰ってきたぜ」
和泉「礼を言うぞ、京四郎。 それから、一矢……竜崎君のことは…」
一矢「すみません、俺がついていながら…」
和泉「あやまることはない…。 一番つらいのは一矢、お前じゃからな」
一矢「…いえ。 父さんの遺志を継ぎ、この手でバームとの 和平を成功させてみせます」
一矢(それが… エリカの願いでもあるんだ…)
和泉「うむ…。頼むぞ、一矢」
四ッ谷「では… 早速作業を始めるとするか」
剛健太郎「そうですな。 では、一矢君…ダイモスを地下格納庫へ 運んでくれたまえ」
一矢「何をするんです?」
光代「ダイモスのエネルギー源である ダイモライトの出力制御を より確実なものにするためです」
健一「母さん、 ダイモスはまだ完全じゃないのか?」
光代「ええ。ダイモライトの出力制御は 非常に困難なのです」
健一「ウルトラマグコンの時と 同じってことか…」
豹馬「それって… ダイモスにはパワーアップの余地が あるってことにならねえか?」
四ッ谷「ほほう、 お前もたまにはいいことを言うのう」
豹馬「たまにはって…。 そりゃないぜ、おっちゃん」
一矢「和泉博士、 豹馬の言ったことは本当なんですか?」
和泉「うむ…。ダイモライトの制御が 完全になればの話じゃが……」
一矢「…そうですか」
ナナ「心配することないわよ、お兄ちゃん。 今のダイモビックには凄い博士達が 集まっているんだもの…」
ナナ「きっと何とかしてくれるわよ」
一矢「だが、ダイモスが パワーアップしなければ、バーム軍を 止めることは出来ない…」
一矢「それに、エリカを 助け出すことだって出来ないんだ…!」
ナナ「……!」
ナナ(やっぱり……お兄ちゃんはまだ……)

[大空魔竜・ブリッジ]

浜口「…新兵器は君の設計図どおりに つくってある。後は実戦で試せばいい」
サコン「わかりました」
浜口「それにしても、君の発想は面白い。 将来が楽しみだ」
サコン「博士にそう言って頂けると光栄です」
(扉が開閉する)
京四郎「サコン、 ナナがこっちに来ていないか?」
サコン「いや…」
ミドリ「ナナちゃんがどうかしたの?」
京四郎「さっきから姿が見えないんだ。 それで、ちと心配になってな。 ま…理由には見当がつくんだが」
ミドリ「ふふ…やさしいのね、京四郎君」
京四郎「いや、これ以上和泉のじいさんを 心配させるとダイモスの調整作業に 影響が出かねないからな」
サコン「なら、手空きの者に捜させよう」
京四郎「そうしてくれると助かるぜ」
ミドリ「じゃあ、 自分の機体の整備が終わったメンバーに 声をかけるわ」

[浜辺]

アラド「……で、 またまたおれの出番ってわけね」
トビア「どうしたんです、 アラドさん?」
アラド「…もしかして、 戦力外通知されているだけだったりして」
イルイ「そんなことない…。 だって、アラドは私を助けてくれたもの」
アラド「なぐさめてくれて ありがとね、イルイ」
イルイ「それに、アラドは優しいし… 色んなものを守ろうと頑張ってる…」
アラド「でも、肝心の腕前がなあ…。 ヒュッケバインの性能だって、 未だに100%引き出せてないし」
トビア「落ち込むことはありませんよ。 僕、アラドさんには才能があると思います」
アラド「え? ホントに? 何の?」
トビア「子供に好かれる才能です」
アラド「トホホ…。 トビア君…今、素で言ったでしょ?」
イルイ「……!」
アラド「ん? どうした、イルイ?」
イルイ「……何か……来る………」
トビア「えっ!?」
アラド「! 何かって、まさか!?」

ナナ「何故なの…何故、エリカさんだけが お兄ちゃんの心を一人占めするの…?」
ナナ「お兄ちゃんを 置いていってしまったくせに、 卑怯よ…卑怯だわ!」
(足音)
フォウ「…ナナ、ここにいたのね」
ナナ「フォウさん…」
フォウ「みんなが心配してるわ。 さあ、帰りましょう」
ナナ「…でも……私…」
フォウ「…ナナは 一矢のことが好きなのね?」
ナナ「………」
ナナ「ええ…あたしだって…エリカさんに 負けないくらいに…」
ナナ「でも、 どうして…どうして、エリカさんだけが お兄ちゃんを一人占めするの?」
ナナ「あの時……いっそのこと、 いなくなってくれれば良かったのに…!」
フォウ「馬鹿なことを言っちゃ駄目よ」
ナナ「!」
フォウ「私には少しわかるわ。 あの時、彼女が一人でどこかへ 行こうとしたわけが…」
ナナ「え…?」
フォウ「彼女は 一矢に迷惑をかけたくなかったのよ。 だから、自分から去ろうとした…」
フォウ「一矢への想い故にね」
ナナ「あ…!」
ナナ(私のせいだ…。 私がエリカさんにお兄ちゃんを 苦しめてるって言ったから……)
ナナ(私…お兄ちゃんとエリカさんに 取り返しのつかないことをしちゃった…!)
(サイレン)
フォウ「敵が来た…!?」
ナナ(そんな…!  今、出撃出来る機体は少ないのに!)
ナナ「フォウさん!  私、先にガルバーで出ます!」
フォウ「一人で行くつもり!?」
ナナ「エリカさんだって、 お兄ちゃんのために生命を賭けたんです!  私だって…私だって!」


第20話
ミッション・イミテイション

〔戦域:ガードダイモビック周辺〕

(敵機が出現)
四ッ谷「バーム軍だと!?  よりにもよって、このタイミングに!」
剛健太郎「光代! αナンバーズが 全機出撃するまでの時間は!?」
光代「およそ3分です!」
浜口「3分か…! その間、 ダイモビックで耐えるしかないようじゃな」
(ガルバーFXIIが出撃)
京四郎「あ、あいつ!  一人で飛び出しやがって!!」
和泉「いかん、ナナ!  引き返すんじゃ!!」
ナナ「大丈夫よ。 時間稼ぎくらいなら出来るわ」
一矢「無茶はよすんだ、ナナ!!」
ナナ「お兄ちゃんも心配しないで。 私、エリカさんの代わりに お兄ちゃんを守るから!」
一矢「! ナナ、お前……」
(ガルバーFXIIがガードダイモビックの北側へ移動)
ナナ「さあ、ここから先は通さないわよ!」
京四郎「あの馬鹿! ガルバー1機で 相手にできる数だと思ってんのか!?」
一矢「和泉博士!  ダイモスで出撃させて下さい!」
和泉「わ、わかった。 作業を一時中止し、出撃準備をさせる!」
和泉「一矢、 お前は先にトライパーで出るんじゃ!」
一矢「はいっ!」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

【デモムービー『ダイモス出撃』】
(ダイモスが出撃)
ナナ「お、お兄ちゃん!」
一矢「ナナ! 一人で飛び出すなんて どういうつもりだ!?」
ナナ「だ、だから言ったじゃない。 お兄ちゃんを守るって…」
一矢「状況を考えろ!  こんな時にお前一人が出たって、 みんなに迷惑がかかるだけだ!」
ナナ「そ、そうよ…。 私はお兄ちゃんに迷惑をかけるだけ…」
ナナ「エリカさんが大空魔竜から 出ていったのも私のせいだもの…」
一矢「…!」
ナナ「だから… せめて、これぐらいのことは…」
(ダリがガルバーFXIIの近くへ移動)
ナナ「ああっ!!」
一矢「ナナッ!!」
(ダイモスが移動し、ガルバーFXIIに合流)
【強制戦闘】
ダリ(戦闘ロボ)[レーザー]vsナナ[防御](援護防御(一矢))
一矢「ナナ、大丈夫か!?」
ナナ「お、お兄ちゃん!? どうして!?」
一矢「どうしてもこうしてもあるか!」
ナナ「で、でも、お兄ちゃんは エリカさんのことが好きなんでしょ!?」
ナナ「私のことなんか 何とも思ってないんでしょ!?」
一矢「馬鹿なことを言うな!  お前を放っておけるかよ!!」
ナナ「け、けど…私のせいで エリカさんはいなくなっちゃったのよ!?」
一矢「あれはお前のせいじゃない!  地球とバームの戦いを止められなかった 俺達全員のせいだ!」
ナナ「じゃ、じゃあ… お兄ちゃん、私のこと好き…?  好きでいてくれるの…!?」
一矢「バカヤロウ! 好きでもなけりゃ、 誰がこんな思いをして助けるか!!」
ナナ「お、お兄ちゃん…!」
一矢「さあ、ナナ!  ここでバーム軍を食い止めるぞ!!」
ナナ「う、うん!」
ナナ(…ありがと、お兄ちゃん……)
(作戦目的表示)

〈3PP〉

(大空魔竜が出撃、母艦出撃選択、出撃準備)
一矢「よし、何とか時間は稼げたか!」
ピート「礼を言うぞ、一矢、ナナ。 後は俺達に任せるんだ」
ナナ「ううん、私達もこのまま戦うわ!」
大文字「では、 各機は敵を迎撃してくれたまえ!」
サコン「サンシロー、 ミラクルドリルの使い方はわかったな?」
サンシロー「ああ、ガイキングが 大空魔竜の近くにいりゃあいいんだろ?」
サコン「そうだ。ミラクルドリルを 使用する時は、大空魔竜からのパーツ 射出範囲内に入れ」
サンシロー「了解! ピート、 ガイキングにしっかりついてこいよ!」
ピート「それはこっちの台詞だ。 お前こそ遅れるんじゃないぞ」
(作戦目的表示)

〈3EP〉

(敵機増援が出現)
トロワ「あれが本隊か」
キンケドゥ「GGGではなく、 ここに現れたということは…」
五飛「狙いを俺達にしぼってきたようだな」
レミー「あらら、人気者はつらいわねえ」
真吾「何かと目立つからな、俺達は」
キリー「でも、連中の本拠地は火星だろ?  はるばる地球までご苦労なこった」
カトル「いえ、バーム軍の先遣部隊は すでに地球圏へ侵入しています。それに、 前回の襲撃から時間が経っていません…」
カトル「部隊の規模から考えて、 バーム軍は地球に軍事拠点を作ったのかも 知れません」
健一「奴らが何をしようと、 俺達がいる限り好きにはさせない…!  行くぞ、みんな!!」
???(ハイネル)「…待つのだ、健一」
健一「!!」
大次郎「兄さん、今ん声は!?」
日吉「ま、まさか…!!」
健一「忘れるはずがない…!」
健一「あの声は…兄さん!  ハイネル兄さんだ!」
ハイネル「…久方ぶりだな、健一。 そして、地球の戦士達よ」
キンケドゥ「!」
めぐみ「ま、間違いない…!  プリンス・ハイネルだわ…!」
サンシロー「ハイネル? 誰なんだ?」
めぐみ「ボアザン軍の元司令官… そして、健一達のお兄さんよ」
サンシロー「な、何だって!?」
一矢「あれが健一達の……」
剛健太郎「…ハイネル、生きていたのか?」
ハイネル「父上…見てのとおりです。 今日はボアザンとバームを代表し、 地球へ和平の申し入れに来ました」
剛健太郎「和平だと…?」
ハイネル「ええ。火星での誤解を解き、 これ以上無益な争いをせぬように…」
ハイネル「そして、 前回の時と同じ過ちを犯さぬように… 我々は手を結ばねばならぬのだ」
真吾「おいおい…。 前回も今回もやるだけやっといて、 それはないんじゃないの?」
キリー「ああ、降伏勧告ならともかくな」
ピート「あまりにも虫が良すぎる。 ワナとしか考えられんな」
健一「待ってくれ!  ハイネル兄さんは前回で戦うことの 虚しさを知ったはずなんだ!」
健一「その兄さんが仲介役を やってくれるなら、バームとの和平交渉は きっと上手くいく!」
ピート「だから、 あの男を信用しろと言うのか? どうやら、 めでたいのは一矢だけじゃないらしいな!」
健一「だが、ここで戦ってしまえば、 同じことの繰り返しになる!  今は話し合うことが大事なんだ!」
アムロ「健一、お前の気持ちはわかるが… この場は疑ってかかるべきだ」
健一「ア、アムロ大尉… あなたまでそんなことを…」
アムロ「冷静になるんだ。今の状況で 彼らが和平を切り出すとは思えない」
一矢「そうだ。あのヒリテルが そんな真似をするものか…!」
アムロ(…偽物を使って、こちらを 惑わすのはボアザン軍の常套手段だ)
アムロ(手の内を読まれることを承知で 仕掛けてきた本当の狙いは何だ…?)
エリカ「お願いです、一矢!  私達の言うことを聞いて下さい!」
一矢「!!」
ナナ「エ、エリカさん!?」
一矢「い、生きていたのか…!?  エリカ!!」
エリカ「ええ、私はプリンス・ハイネルと 共にバーム側の大使となったのです」
健一「じゃあ…やっぱり、兄さん達は…!」
ハイネル「そうだ、健一。 地球とボアザン…そして、バームの共存は その三者が手を取り合うことにある」
エリカ「ですから、みなさん…。 これ以上の戦いは止めて、 平和的に話し合いましょう」
一矢「エリカ、本当に君なのか…!?」
京四郎「だなされるな、一矢!  こいつはワナだ!!」
ベルガン「…ライザ、準備は出来たか?」
ライザ「はっ。敵パイロットの脳波の 検出も終了しております」
ベルガン「フフフ…時間稼ぎはここまでだ。 やれい!」
(光のドームが広がり、鼓動のような音とともにそれぞれの機体が一瞬赤くなる)
ジュドー「!?」
比瑪「な、何よ、これ!?」
甲児「ち、力が抜けていく…!?」
豹馬「ど、どうなってんだ!?」
ロペット「危険、危険!  各員ノ 脳波ニ 異常発生!」
ロペット「コレハ 指向性ノ 催眠波ダト 思ワレマス」
四ッ谷「な、何じゃと!?」
バニング「ぐっ…!  みんな、気をしっかりもて…!」
ベルガン「無駄だ。この催眠波は お前達一人一人の脳波に合わせてある。 そう簡単には逃れられんぞ」
デュオ「い、いつの間にそんな真似を…!」
ベルガン「お前達がハイネルやエリカの 偽物へ気を取られていた隙に…だ」
健一「!! に、偽物…!?」
ベルガン「そのとおり。 あのような負け犬の偽物でも、 利用価値はあるということだ」
健一「く、くそっ! 卑怯な……!」
ベルガン「多くの者はワナだと 気づいていたようだが、貴様は 一縷の望みに賭けただろう?」
健一「う…!!」
ベルガン「それが貴様の弱さだ。 戦場で非情になりきれぬ者には死あるのみ… 貴様もハイネルと同じ所へ送ってやるわ!」
サンシロー「ふざけやがって…!  こんな手で俺達が倒せると思うなよ!」
ベルガン「ほう、まだ動けるとはな。 だが、貴様らの身体は徐々に自由が 利かなくなっていく…」
ベルガン「そこをじわじわと いたぶってくれるわ! ふはははは!!」
(作戦目的表示)

〈AFTER 2 TURN PP〉

ベルガン「なかなかしぶとい連中だな。 催眠波を強化しろ!!」
(電波の照射)
健一「う、ううっ…!!」
甲児「ち、ちきしょう…!  手が動かなくなってきやがった…!」
万丈「こ…このままじゃまずいね…。 何とか動けるうちはいいけど…」
キース「動けなくなったら、 狙い撃ちされちまう…!」
四ッ谷「うぬっ!  何とかしてあの催眠波を遮断せんと!」
和泉「だが、そうするには スカールークを撃墜するしかない!」
ケン太「こ、このままじゃ みんながやられちゃうよ!!」
イルイ「あ、ああ……!」
(イルイに精神感応)
イルイ「!!」
ケン太「どうしたの、イルイ!?」
ミドリ「だ、大文字博士!  この空域に急速接近してくる物体が!」
大文字「敵の増援か!?」
ミドリ「い、いえ! 識別は不可能です!」
ピート「何が来るんだ!?」
イルイ「………!」
(カナフ、ケレン、ザナヴが出現)
???(カナフ)「…………」
ベルガン「な、何だ、あれは!?」
大文字「巨大な…鳥…!?」
甲児「そ、それに…サメとネコか!?」
キース「い、いや…あれ、ヒョウだろ?」
コウ「まさか、バーム軍の兵器なのか!?」
サコン「いや、系統が違う…!  あれは、むしろ…」
ピート「どのみち、あのサイズじゃ 大空魔竜で相手するしかない!」
ジュドー「い、いや…あれ、敵じゃないよ」
ピート「何!?」
カミーユ「ああ、 敵意のようなものは感じられない…!」
アムロ「俺たちを助けに来た…のか?」
ユウ・ブレン「………」
「! ブレンが反応している…!?」
比瑪「あのロボット、いったい何なの!?」
「オーガニックマシンに感じが 似ているが、アンチボディじゃない」
ベルガン「あれは我が軍の物でも、 暗黒ホラー軍団の物でもないぞ…?」
(カナフがスカールークに隣接)
ベルガン「な、何ぃっ!?」
【強制戦闘】
???(カナフ)[ファイア・ツィポール]vsベルガン[防御]
ベルガン「お、おのれ! 催眠装置がっ!」
健一「! 身体が動くぞ!?」
サンシロー「ホ、ホントだ!」
ロペット「催眠波、停止シマシタ。 各員ノ脳波、正常ニ戻リツツアリマス」
真吾「…やれやれ、 あの鳥のおかげで助かったぜ。しばらく フライドチキンは食べない方がいいかもな」
レミー「と、油断させておいて…こっちにも ちょっかい出してくるんじゃない?」
キリー「ま、そういうのは よくあるパターンだが…」
???(カナフ)「………」
キリー「どうやら、そのつもりはないとさ」
レミー「ふ~ん…」
ケン太(…何だろう、あのメカ…。 不思議な感じがする…)
浜口「…何者かは知らんが、 おかげでαナンバーズが助かった」
クマゾー「鳥さん、サメさん、ネコさん、 助けてくれてありがとうだも!」
イルイ「…ありが……とう………」
???(カナフ)「………」
(カナフ、ケレン、ザナヴが撤退)
健一「これで打つ手はなくなったな、 ベルガン!!」
一矢「卑怯な手を使った報い… 今こそ受けてもらうぜ!!」
ベルガン「馬鹿め、 こちらにはまだ切り札が用意してある。 …ライザ殿、準備はいいな?」
ライザ「は…はっ」
ベルガン「よし、行け!  戦闘ロボ・クラインよ!!」
(スカールークの横にクラインが出現)
ファ「また敵の増援!?」
ルー「でも、たった1機だけよ。 焦ることはないわ!」
(クラインがジャンプし、海の上へ出現)
十三「何や!? いきなりあっちに!?」
小介「しゅ、瞬間移動…!?」
レミー「それって、 グッドサンダーの十八番じゃない!」
真吾「ま… すぐに動ける分、向こうの方が優秀かもな」
キリー「感心はさておき、 ちょっと厄介なんじゃないか?」
一矢「だったら、 姿を現した所を叩けばいいっ!」
ベルガン「ならば、竜崎一矢… クラインの頭部を見るがいい」
一矢「何!?」
エリカ「か、一矢…」
一矢「あ…あれは…エリカ!?」
エリカ「一矢! 戦うのはやめて!」
一矢「エ、エリカ…!!」
京四郎「だまされるな、一矢!  あれも偽物に決まっている!」
一矢「! そ、そうか…!」
カトル(でも、 エリカさんはバームの手に落ちている… あれはきっと本物の…)
ベルガン(クックック…。 読み通り、疑心暗鬼にかられたな)
一矢「こうなったら、あの戦闘ロボを!」
ハレック「待て、竜崎!  このエリカ様は本物だ!」
一矢「ハレック!?  お前もそれに乗っているのか!?」
ハレック「よく聞け! クラインを 攻撃してはいかん! こいつには強力な 爆弾が仕掛けられているのだ!」
一矢「爆弾!? どういうことだ!?」
一平「フン、そうやって こっちの手を封じるつもりか。 だまされるなよ、一矢」
一矢「だったら、何故こっちに 手の内を教える必要がある…!?」
一平「だから、 それもワナだと言ってるんだ!」
一矢「いや、ハレックは 卑怯な真似をする男じゃない!」
一矢「もしかしたら、あいつもエリカと 同じく捕らえられているのかも知れない!」
ピート「そう言って、お前は 何回だまされれば気が済むんだ!?  奴らの手口に惑わされるな!」
サンシロー「待て、ピート。俺は 一矢の言うことに一理あると思うぜ」
ピート「! サンシロー、お前もか…!?」
サンシロー「ああ。爆弾の話が本当なら、 奴を倒させることそのものが ベルガンの目的かも知れないんだぜ?」
ピート「お人好しも程ほどにしろ!  そんな甘い見通しで、ダイモビックを 破壊されるわけにはいかん!」
サコン「…大文字博士、どう思われます?」
大文字「現状では 何とも言えんが…あの戦闘ロボに 仕掛けがしてあるのは確実だろう」
大文字「各員、見極めがつくまで うかつに手を出さぬようにしてくれ!」
ライザ(…このまま時間を稼ぎ、クラインを 爆発させれば…地球人共を倒せる)
ライザ(…それに…エリカ様の存在は いずれリヒテル様の名に傷をつける…)
ライザ(…お許し下さい、リヒテル様…!  あなたの名誉と立場を守るためならば…!  このライザ、鬼となります…!)
(クラインがダイモスの近くにジャンプし、ダイモスに攻撃)
一矢「うわっ!」
エリカ「ああ、一矢っ!」
京四郎「白々しいぜ!  口では戦いをやめろと言っておきながら、 結局は一矢を攻撃する気か!」
ハレック「違う…!  クラインの動きはコンピュータが 全て制御しているのだ…!」
ピート「下手な言い訳が通用すると思うな!  俺は一矢やサンシローほど甘くはない!」
大文字「いかんぞ、ピート君!  まだ見極めは終わっておらん!」
ピート「しかし、博士! このままでは 向こうのなすがままですよ!?」
一矢(くっ…!  本当に君なのか、エリカ…!?)
エリカ「ああ、一矢……!  私とハレックを信じて…!」
一矢(…俺は…!  俺はいったいどうすればいい…!?)
ナナ「お兄ちゃん……」
一矢「くそっ!  どうすればいいんだ!?」
ナナ「…お兄ちゃんの意気地なし…!」
一矢「ナナ!?」
ナナ「…エリカさんはお兄ちゃんのために 一度は生命を捨てようとしたのよ…」
一矢「!」
ナナ「そのエリカさんを信じるなら、 お兄ちゃんも生命を懸けなさいよ…!  それが出来ないなら…私…私…!」
エリカ「ナナさん……」
一矢「…エリカを助けろと言うのか…!  だけど、ワナかも知れないんだぞ?」
ナナ「…お兄ちゃんが信じるなら、 私もエリカさんを信じる!」
ナナ「だって… 私の大好きな人が信じた人だもの!」
一矢「……ナナ…!」
ナナ「だから、お兄ちゃん…!」
一矢「わかったよ、ナナ…。 お前のおかげで目が覚めたぜ」
一矢「エリカ、俺は君を信じる。 例え、世界中の誰もが君を疑いの目で 見たとしても…俺は信じるぜ」
一矢「何故なら、君は俺が愛する たった一人の人だからだ!」
エリカ「ああ、一矢…。 その言葉だけで私はこの先、 どんな苦難にも耐えていけます…」
一矢「エリカ……!」
デュオ「やれやれ、お人好しは カトルだけかと思ってたが…」
デュオ「あそこまで言われると、 こっちも信じてみようって気になるぜ」
カトル「僕は 最初からそのつもりでしたけど…」
万丈「どのみち、 あのクラインってのはワケありだし… 向こうの裏をかいてみるのも手だね」
ベイト「…付き合いきれんが、 このまま黙ってるのは願い下げだな」
レミー「若い二人の恋路を邪魔するのもね」
プル「あたし達で力を合わせれば、 きっと何とかなるよ!」
比瑪「ええ、頑張りましょ!」
アラド「俺も協力します!」
アラド(…おれとゼオラも いつ同じ目に遭うかわからないから…!)
一矢「…みんな、すまない…!」
甲児「気にすんな。 こういう時はお互い様だぜ」
アムロ「よし、一矢は救出に専念しろ。 他の者は残っている敵を叩いてくれ」
サンシロー「了解!」
バニング「後はクラインをどうするかだが…」
ハレック「…先程も言ったとおり、 このクラインには爆弾が仕掛けられている」
ハレック「ベルガンは俺やエリカ様ごと ダイモビックを破壊するつもりなのだ」
一矢「なら、動きを止めるしかない…!?」
ハレック「ああ。それに、 私とエリカ様は身動きが取れない状態だ… こちらでは起爆装置の解除は出来ん」
ハレック「その上、 爆弾には時限装置もつけられている」
バニング「…タイムリミットは?」
ハレック「3分後だ」
バニング「了解した。 3分以内にそちらの動きを止める。 いいな、一矢?」
一矢「はいっ!!」
ハレック「竜崎、クラインの動きを 見極めろ。お前なら、こいつの 亜空間移動に対応できるはずだ」
一矢「ああ!  待っていろ、エリカ、ハレック!  必ず助け出してみせるっ!!」
ハレック(…そうだ、竜崎…。 クラインの動きさえ止められれば、 後は………)
(作戦目的表示)

〈NEXT PP〉

(クラインが瞬間移動)
一矢「くっ!  奴の動きを見極めると言っても!」
ハレック「落ち着け、竜崎!  クラインの攻撃目標はダイモスに セットされているはずだ!」
一矢「!」
アムロ「つまり、奴はダイモスの近くに 現れるということか…!」
カミーユ「なら、 ダイモスを中心にフォーメーションを 組めば…」
アムロ「ああ。クラインの動きに 対処することが出来る…!」

〈NEXT PP〉

(クラインが瞬間移動)
京四郎「急げ、一矢!  リミットまで、あと2分だ!」
一矢「ああ、わかっている!」

〈NEXT PP〉

(クラインが瞬間移動)
大文字「急ぐんだ、一矢君!  あと1分しかない! 早くクラインの 動きを止めるんだ!」
一矢「了解!」

〈ガルンロール撃墜〉

ライザ「いかん!  これ以上の戦闘は不可能か!」

〈vs ベルガン〉

[健一]

ベルガン「フフフ、 ド・ズールから報告を受けていたぞ。 …お前達は肉親の情に弱いとな」
健一「それはボアザン人だって同じはずだ!」
健一「だから、あの時… ハイネル兄さんは兄弟で争うことの 虚しさに気づき、去っていったんだ!」
健一「そんなこともわからない貴様に 兄さんの名を汚させはしないぞ!!」

[豹馬]

豹馬「前にもいたぜ! てめえみたいに 人の心を利用しようとする奴がよ!!」
ベルガン「だが、結果はお前達に敗れ去った… 所詮、詰めが甘かったということだ」
豹馬「違うぜ! そいつらが負けたのは…」
豹馬「俺達を 本気で怒らせちまったからだっ!!」

[一矢]

ベルガン「竜崎一矢よ!  己の甘さと我が知略を思い知るがいい!」
一矢「黙れ! 貴様のような奴がいるから、 地球とバームの戦いが終わらないんだ!!」

[撃墜]

ベルガン「ええい、後退だ!  後退するのだ!」

〈vs クライン(戦闘ロボ)〉

[一矢]

ハレック「竜崎、クラインの動きに 惑わされるな。専心すれば、こいつの 動きを見切ることが出来る…!」
一矢「ああ、わかっている!」
ハレック(そして… 願わくば、クラインの制御系統を……)
ハレック(私がこいつを操れるように…)

[HP規定値以下]

ミドリ「クライン以外の敵機、 反応ありません!」
一矢「よし、 後はエリカとハレックを助け出せば…!」
ハレック「…竜崎…… 私を信じてくれたことに対して、 礼を言おう…」
一矢「気にするな、ハレック。 お前のおかげで……」
ハレック「だが、 もう起爆装置を解除する時間はない」
一矢「な、何っ!?」
ナナ「だ、だったら、 早く二人を助けなきゃ!!」
ハレック「…残念だが、 爆弾が爆発すれば結果は同じだ。 ダイモビックと共にお前達は消滅する」
甲児「な、何だって!?」
ピート「貴様!  最初からそのつもりだったのか!  そのために、クラインを…」
ハレック「そうだ。おかげで 私は自由になることが出来た……」
エリカ「!  ハレック、まさかあなたは!?」
ハレック「これで 竜崎に借りを返すことが出来ます。 ……御免!」
エリカ「ああっ!!」
(衣擦れ、クラインが海上へ移動)
一矢「エリカ!」
京四郎「あいつ、エリカを…!?」
一矢「ま、まさか…!!」
エリカ「一矢! ハレックを追って!  あの人は死ぬ気です!」
一矢「!!」
(ダイモスがクラインを追う)
ハレック「来るな、竜崎!  バームと地球の平和のために、お前のような 勇気ある男を死なせたくはない!」
一矢「ハレック…!」
ハレック「バームと地球の平和を エリカ様とお前…そして、 勇気ある戦士達に託すぞ…」
(クラインが少し北へ動く)
一矢「ハレック! どこへ行くんだ!?」
ハレック「成層圏を突き抜けて星空の彼方… この果てしなく広がる宇宙が俺の故郷…」
一矢「ハレック!!」
ハレック「さらば我が友、竜崎一矢…。 出来ることならば、もう一度お前と 拳をまじえたかった…」
(クラインが北端まで移動し撤退後、爆発、振動)
一矢「ハ、ハレック……!!」
エリカ「あ、あああ………」
ミドリ「…せ、成層圏での爆発を確認…。 クラインの反応、消えました…」
サコン「あの男……初めから爆弾が 解除不可能なことを知っていて……」
サンシロー「…ああするつもりだったのか…」
ピート「……異星人にも… あのような男がいたとは………」
一矢「ハレック……お前って奴は…」
甲児「…行っちまったんだな……」
カミーユ「え…?」
甲児「あいつが言っていた…故郷によ…」
カミーユ「…甲児……」
一矢「…………」
エリカ「…ハレック……」
(ガルンロールが出現し、エリカに隣接)
エリカ「ああっ!!」
京四郎「な、何だと!?」
一矢「エリカッ!!」
エリカ「か、一矢ぁぁぁっ!!」
(ガルンロールが北端へ移動)
一矢「待ってくれ!  やっと…やっとエリカに会えたんだ!」
一矢「エリカを…!  エリカを連れて行かないでくれぇっ!!」
エリカ「一矢ぁぁぁぁっ!!」
(ガルンロールが撤退)
一矢「エリカァァァァァッ!!」

《太平洋 海底城・WORLD AREA》

[ガルンロール・ブリッジ]

リヒテル「どういうことだ、ベルガン!  何故、エリカを作戦に利用した!?」
ベルガン「…お言葉ですが、 私はあなたの了承を得ておりますぞ」
リヒテル「何!?  そのようなこと、余に覚えはない!」
ベルガン「はて…私の想い違いですかな?  獄中の者を作戦に利用すると 申し上げた時…」
ベルガン「提督は私に裏切り者の処遇を 任せるとおっしゃいましたが?」
リヒテル「う…ぬっ!  ライザ、そなたも知っての上か!?」
ライザ「も、申し訳ございません…!  で、ですが…エリカ様の裏切りは リヒテル様の名誉を汚し…」
ライザ「いずれは御身へ災いとなって 降りかかることになります…!」
ライザ「ですから、このライザ… いかなる汚名も覚悟の上でエリカ様を…」
リヒテル「差し出た真似をするな!  余はエリカの件に私情を挟んだ 覚えはない!」
ベルガン「では、今回の件は 不問に付して頂きたいものですな」
ベルガン「ライザ殿もリヒテル提督の 身の上を案じての決断をしたまで…。 無論、この私めも」
リヒテル「………」
ベルガン「…それとも、 やはりエリカ様に肉親としての情が 残っておられるとでも?」
リヒテル「もうよい! それよりも、 エリカをここへ連れて参れ!」
ライザ「そ、それが…… 先程の戦闘中、行方不明となられ……」
リヒテル「何!?  ならば、早急に捜し出せい!」
メルビ「待て待て、リヒテル。 その必要はないぞ…」
リヒテル「…メルビ殿か。 しばらく姿が見えなかったが… 今まで何をしておられた?」
メルビ「フフフ… 大事なものを取り戻すためにな…」
リヒテル「何…!?」
(足音)
エリカ「兄上…」
リヒテル「エリカ…生きていたか…」
メルビ「この俺が手を打っておいた…。 少しは感謝して欲しいものだな」
エリカ「………」
メルビ「ほう…しばらく会わぬ内に また一段と美しくなったな、エリカ…。 フフフ…恋でもしたか?」
エリカ「………」
リヒテル「メルビ補佐官!  この女は恥ずべきバームの裏切り者!  助ける価値などない者だ!」
エリカ「聞いて下さい、兄上…」
リヒテル「ええい!  裏切り者の言葉などに耳を貸すか!」
リヒテル「戻ってきたのなら好都合!  今度こそ余自らの手で 処刑してくれよう!」
エリカ「…覚悟は出来ております…」
メルビ「待て、リヒテル…。 エリカは渡すわけにはいかんぞ」
リヒテル「何だと…!?」
メルビ「エリカは渡せぬと言ったのよ。 俺の花嫁として迎えるのだからな」
ライザ「な…何と…!?」
ベルガン(この男…何を言い出すのだ?)
リヒテル「エリカを花嫁にだと…!?」
メルビ「そう。それこそが、俺が わざわざ地球に来た本当の目的よ」
リヒテル「ならん! その女に関しては 余に全ての権利がある!」
メルビ「ほほう…俺をオルバン大元帥の 甥と知っての言葉か?」
リヒテル「うぬ…!」
メルビ「心配するな。 ここで婚礼の儀を挙げるとは言わん」
メルビ「お前がこの結婚を認めるのなら、 すぐにでも地球を去ろう」
メルビ「それならば、 エリカを追放したという形で お前の面目は保てよう?」
リヒテル「………」
メルビ「さあ…どうする、リヒテル?」
リヒテル「…よかろう…」
メルビ「では、決まりだな。 マルガレーテもエリカ付きの侍女として 預からせてもらうぞ」
リヒテル「…好きになされよ」
エリカ「あ、兄上……」
メルビ「さあ、エリカ…。 今日より、お前は俺のものだ。 俺だけに笑顔を向けるがよい…」
エリカ「………」
エリカ(ああ、一矢…。 せっかく、あなたに会えたというのに…)
エリカ(私はどうすればいいのです…?)

《ガードダイモビック・JAPANESE AREA》

[ガードダイモビック]

一矢(…エリカ…君は生きていた…)
一矢(そして、君は俺が思っていた通り、 地球とバームの平和を考えていた…)
一矢(エリカ…俺とダイモスも 二つの星の平和のために戦う…)
一矢(星になった我が友ハレック… その魂に懸けて誓おう…)
ビルギット「…一矢の奴、 そんなに落ち込んじゃいませんね」
モンシア「まァ、 男ってのは女にフラれた分だけ 強くなるもんだからな」
アデル「…説得力ありますね」
さやか「あれは… フラれたんじゃないと思いますけど」
ビルギット「ありがちな例えだが、 ロミオとジュリエットってことか」
モンシア「ウラキの野郎なら話は別だが、 一矢の奴は応援してやってもいいって 気持ちにはなるわな」
さやか「ええ… あそこで連れ去られてしまったのは、 あんまりですもんね…」
アラド(そうだよな……)
モンシア「…アラド、おめえの恋人の時も 手伝ってやるからな。その代わり、 可愛い先輩を紹介しろよ?」
アデル「モンシア中尉… とどのつまりはそれですか」
アラド「あの…ゼオラは 恋人じゃなくって、同僚なんですけど」
モンシア「じゃァ、 俺が口説いちまってもいいんだな?」
アラド「い!?」
モンシア「冗談だよ、冗談。 俺ぁガキには興味ねえんだよ」
アラド「は、はあ…」
さやか「あら… アラドにも恋人がいるの?」
アラド「そ、そんなんじゃ ありませんってば!」
さやか「ふふふ…どうかしらねえ」

[大空魔竜・休憩室]

キリー「…それにしても、 あの催眠波にはまいったね。 まだ身体がしびれてるぜ」
レミー「鍛え方が足りないんじゃないの?」
キリー「そんなに ヤワな育ちをしてきたつもりはないぜ」
ブンタ「でも、あれは堪えましたよ」
ヤマガタケ「ああ、張り手を 百発ぐらい食らったような感じだったぜ」
武蔵「いやいや、背負い投げを 百回ぐらい受けたと言った方が…」
キリー「ほ~ら、 体格のいい皆さんもそうおっしゃる」
レミー「じゃ、しょうがないわね。 …実はあたしも肩コリが取れなくて…」
キリー「そりゃ、歳のせいだ」
レミー「あ~ら、 四十肩には三十年ほど早いわよ?」
キリー「二十年の間違いだろ?」
「………」
美和「宙さん、どうしたの?」
「…ミッチー大丈夫なのか?」
美和「ちょっと、目まいがするけど… しばらく休めば治ると思うわ。 …そういう宙さんは?」
「………」
(…俺には他の連中のような後遺症がない)
(やっぱり… 俺の身体は他の連中と違う…)
(鋼鉄ジーグへ変身出来るのは 親父からもらった手袋のおかげだと 思っていたが……)
(俺は…人間じゃないのか…?)

[大空魔竜・ブリッジ]

ピート「…サンシロー」
サンシロー「何だ?  さっきのことでのお説教ならごめんだぜ」
ピート「いや、そうじゃない。 俺はあのハレックという男に教えられた…」
ピート「異星人にも、平和と未来のために 生命を懸ける者がいるということをな」
サンシロー「ピート…」
ピート「そして、 今回の事態を解決する方法が 戦い以外にもあるということを…」
ピート「一矢のように信じてみる気になった」
サンシロー「へ~え…。 お前がそんなことを言うなんて…」
サンシロー「明日は空から ドリルでも降ってくるんじゃないか?」
ピート「ドリルと言えば… ミラクルドリルの件で、お前に 注意しておきたいことがある」
サンシロー「は?」
ピート「ドッキングのタイミングには もう少し気をつかえ。下手をすれば、 ガイキングにドリルが突き刺さるぞ」
サンシロー「…やれやれ、 結局はお説教になるわけね…」
(扉が開閉する)
サコン「………」
万丈「サコン、例の3体の動物メカについて 何かわかったかい?」
サコン「あくまでも推測レベルだが、あれは 自律型の半生体兵器である可能性が高い」
甲児「自律型…って、 人が乗ってないってこと?」
サコン「そうだ。 作られた時間や所属組織など、 不明な点が多すぎるが……」
サコン「強いて言うなら、 かつてのエアロゲイターの兵器に コンセプトが似ている」
万丈「何だって…?」
健一「じゃあ、 あの3体は異星人の兵器なんですか?」
サコン「そう考えるのが自然だが… 俺の中では何かが引っ掛かっている」
サコン「あれは 他の天体から飛来したものではなく…」
サコン「昔から地球にいる… そう、ミケーネ帝国や恐竜帝国などに 近い存在ではないかという気がするんだ」
健一「………」
万丈「…かと言って、 遺跡から出てきたアンチボディでもない」
万丈「むしろ、 見たまんまの怪物ってことか」
甲児「う~ん…機械獣やメカザウルスとは 違うような気がするけどな」
健一「…そんな謎めいた奴が どうして俺達を助けたんだ?」
甲児「そんなの、俺にわかるかよ」
万丈(…いずれにせよ、 僕達の想像もつかない存在が…)
万丈(今までに遭遇したことのない存在が 動き出したのかも知れない)
万丈(はたして、あの3体は 僕達にとって敵か味方か……?)

『ミノフスキークラフト』を入手した
『防塵装置』を入手した
『プロペラントタンク×2』を入手した
『カートリッジ×2』を入手した
『リペアキット×2』を入手した


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