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緑の髪の少年 ゼンガー ~ 第17話 ~

《サイド1 ロンデニオン・EARTH AREA》

[ラー・カイラム・ブリッジ]

アムロ「やれやれ… 戻ってきた早々に厄介払いとはね」
ブライト「アデナウアー参謀次官は シャアの言葉を信じ、交渉を行うつもりだ」
万丈「道化芝居を真に受けられちゃあ、 やってられませんね」
アムロ「…火星に異星人が居座っている以上、 シャアも時間稼ぎはするさ」
カミーユ「ネオ・ジオンが次の行動を 起こすまでに、まだ間があると?」
アムロ「…奴は自分の目的を果たすために 生半可な手段を選びはすまい」
カミーユ「だから、充分な準備期間を 必要としているということですか」
アムロ「ああ」
ギャリソン「あのお方のことですから… やるからには確実な効果を生み出す 手段を選んでこられるでしょうな」
万丈「ま、僕達は今までに 色々と極端な例を見てきているから… それらを参考にするかも知れないね」
フォウ「極端な例って?」
ギャリソン「衛星軌道上からの砲撃、 巨大サイコミュ装置による逆行催眠、 コロニー落しなど…様々でございます」
フォウ「それと同じようなことを クワトロ大尉がすると言うのね…」
万丈「確実にね」
アムロ「…ブライト、 俺もアルビオンと共に地上へ行く」
ブライト「お前も地球へ降りるのか?」
アムロ「ああ。 俺達がどう網を張ろうと今の情勢じゃ、 シャアの動きはつかみにくい」
アムロ「となれば、 奴が具体的な動きを見せた時、 その出鼻をくじくしかないだろう」
ブライト「各コロニーは相変わらず 非協力的だし…やむをえんな」
アムロ「だからこそ、 今の内に出来ることをしておきたい。 オルファンの件も気になるしな」
ブライト「そうか。お前は あれから地球へ降りていなかったな」
ブライト「了解した。 何か動きがあれば、すぐに連絡する」
アムロ「ミライさんへのメッセージは?」
ブライト「…子供達のことを 頼むと伝えておいてくれ。 しばらくは帰れないだろうからな」
アムロ「ああ…わかった」

《Gアイランドシティ・EARTH AREA》

[宇宙開発公団タワー]

大河「グッモーニン、桜君」
磯貝桜「おはようございます、総裁。 今朝はご機嫌がよろしいようですね」
大河「いやいや、 問題は相変わらず山積みさ。だから、 朝ぐらいは元気に行こうと思ってね」
磯貝桜「お気持ち、お察し致します」
大河「それでは、桜君…。私は終日外出に なるから、後はよろしく頼むよ」
磯貝桜「はい、総裁」

[医務室]

(警告シグナル、機械の動作)
麗雄「どうかね、命君。凱の様子は?」
「博士…。 生命維持グラフがずっとレッドゾーンで…」
麗雄「まあ、直に回復するじゃろうて。 ハッハッハッハ!」
「! あんな状態で戦わせるから!  博士は凱が心配じゃないんですか!?」
麗雄「子供を心配しない親がどこにおる!」
「あ…!」
麗雄「…凱は2年前に死んどるはずだった。 命君、凱がこうしてサイボーグとして 生きてくれとるだけで嬉しいんだ…」
麗雄「だから、こいつのやりたいことを やらせてやりたい。敵との戦いも凱が 自ら望んだことだ」
麗雄「親として、それを手伝い… 見守るしかなかろう」
「…ご、ごめんなさい…私…私…」
麗雄「…いいんだよ。命君がいるおかげで、 凱も安心して戦えるんだから」
「博士……」

[メインオーダールーム]

猿頭寺「…今までの情報をまとめました。 これがEI-02の核となっていた 人間のデータです」
火麻「どこにでもいそうなオヤジだな」
猿頭寺「小宝山金蔵… 東京支庁出入りの建築業者ですが、 不正入札で取り引き停止になっています」
猿頭寺「そのため、会社は倒産…一家離散。 どうもそれからゴミの島に住むように なったと思われます」
麗雄「逆恨みで 東京支庁を破壊しようとしたのか…?」
大河「EI-02との関係は?」
スワン「逆行催眠で 彼の記憶、たどってみまシタ」
スワン「4人の機械人間に 『復讐する気があるなら力を与えてやる』と 言われたそうデス」
大河「機械人間……」
猿頭寺「ちなみに…事件前、 小宝山金蔵は倒産を回避しようと 競馬で最後の賭けをしたようです」
火麻「競馬ぁ?  それが何か関係あるのか?」
猿頭寺「実は、EI-02の頭部が 彼の賭けた馬に酷似しています」
火麻「!  そう言えば、奴は馬ヅラだった…」
大河「素体となる人間の感情や経験に 影響されるということか…」
麗雄「どうやら人間の過剰な憎しみや 嫉妬を増幅させる何かが…小宝山金蔵を EI-02にしたらしいのう」
麗雄「そして、その鍵を握るのは…」
大河「彼に力を与えた 4人の機械人間というわけだな」
麗雄「さらに、小宝山金蔵を元に戻した 謎の少年もな」
(アラート)
スワン「長官!  Gアイランドシティ上空に接近する 多数の物体を感知しまシタ!」
大河「識別は!?」
スワン「バーム軍デス!」
火麻「何だと!? 極東支部じゃなく、 こっちに仕掛けてきやがったか!」
麗雄「まずいな。とてもじゃないが、 凱は出撃できる状態ではないぞ」
火麻「博士! 凱の代わりに 氷竜と炎竜を出せないのか!?」
麗雄「難しいのう。GSライドが 予定のエネルギーを出しきれていない。 現状でのシステムチェンジは困難だ」
牛山「やはり地球のテクノロジーで コピーしたGSライドでは あれが限界なんでしょうか…?」
麗雄「うーん…。 理論上は可能なんだがなぁ…」
スワン「長官!  早乙女研のゲッターチームより連絡アリ!  こちらへ急行中とのことデス!」
大河「!」
麗雄「おお、彼らが来てくれるのか!」
大河「よし、全島に警報発令!  市民や職員を速やかにシェルターへ 誘導するんだ!」


第17話
緑の髪の少年

〔戦域:宇宙開発公団タワー周辺〕

(宇宙開発公団タワーの南側)
「護君のお父さんって このビルで働いているんだよね?」
「うん。スペースシャトルの 打ち上げの計算なんかをやってるんだ」
末男「へえ、そうなのか。 俺の兄貴もここで働いてんだぜ」
「お兄さんは何の仕事をしてるの?」
末男「へへへ。実はな、ここだけの話…」
数納「あ、あれ見て!  向こうの空から何か来るよォ!」
(敵機増援が出現)
ベルガン「地球人め、こんな所にも 防衛拠点を造っておったとはな。 我々に対する備えは万全ということか…」
ベルガン「だが、それが何の役にも 立たぬことを教えてやるわ!」
火麻「チッ! 結構な数じゃねえか!」
猿頭寺「侵入コースからわかったことですが… 彼らは宇宙から降下して来たわけでは ないようですね」
火麻「何!?」
猿頭寺「もしかしたら、バーム軍 地球に拠点を造ったのかも知れません」
火麻「ここ最近、奴らが 大人しかったのはそのせいか…!」
(ゲッターライガーが出現)
「長官、 ゲッターチームが来てくれました!」
隼人「こちら、ゲッターチームの神隼人… バーム星人の相手は任せてもらうぜ」
大河「すまんが、頼む!」
隼人「了解。 ムサシ、ベンケイ…準備はいいな?」
弁慶「おう!」
武蔵「ハヤト、空を飛んでる敵が多いぜ!  ドラゴンにチェンジだ!」
隼人「いや、ここはライガーでいく」
武蔵「な、何でだよ!?」
ミチル「ムサシ君は今まで ドラゴンに乗ったことがなかったでしょ?  ここはハヤト君に任せた方がいいわ」
武蔵「トホホ、ミチルさんに そう言われちゃちょうがねえなあ」
隼人「複数の敵に素早く対応するには ライガーが一番だ。ここは俺に任せろ!」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

数納「ねえ! 僕達、まだシェルターの中へ 入れないのぉ!?」
末男「しょうがないだろ!  順番があるんだから!」
レイコ「あら、心配することないわよ。 きっとチョベリカチョロン様が現れて、 敵を追っ払ってくれるから!」
「チョベリ…? 何なの、それ?」
レイコ「超ベリー・カッコイイ・ロン毛って 言う意味よ」
「あ、もしかして… この間あたし達を助けてくれた人?」
レイコ「ええ、そうよ」
数納「でも、 あの黒いロボット出てきてないじゃん。 こないだので壊れちゃったのかも…」
(…この感じ…!)
(…すごくイヤな感じがする……。 この間の時と同じだ…)
ベルガン「ふふふ… どうやら、防衛用のロボットは あの一体のみのようだな」
ベルガン「よし、基地もろともこの島を 焼き払え! 地球人共に我らバーム軍の 恐ろしさを思い知らせるのだ!」
(スパンザーが3機出現し、南東の市街地を攻撃)
スワン「新たな敵が出現シマシタ!」
火麻「マズいぞ! あっちは手薄だ!!」
ミチル「ここからじゃ間に合わない!?」
末男「お、おい、 あれ、俺達の家の方角だぞ!!」
「ああっ!!」
(スパンザーが東の住宅地を攻撃)
数納「あああっ!!」
「あたし達の街が!!」
「ちきしょぉ…!  何だって、こんな所で 戦いなんか起こすんだよ…!」
「ちきしょお!  ばかやろうぉぉぉぉぉっ!!」
(Gストーンの共鳴)
牛山「こ、これは…!」
(システム起動)
麗雄「何が起こっているんだ!?」
牛山「格納庫内の氷竜と炎竜が!!」
大河「どうした!?」
スワン「凄まじいエネルギー発生量デス!」
スワン「氷竜と炎竜のGSライドが 200%以上のエネルギーを 発生していマス!!」
麗雄「計測不可能!!」
猿頭寺「どうなってんだぁ!?」
大河「博士! これならば!」
麗雄「うむ…いけるぞ!!」
大河「よぉぉぉし!  氷竜、炎竜! 緊急発進だ!!」
???(氷竜)「任せて下さい!」
???(炎竜)「必ず期待に応えてみせます!」
(氷竜と炎竜が出撃。出撃後、道に出てから炎竜に爆煙)
ミチル「あれは!?」
武蔵「GGGの新型ロボットかよ!?」
氷竜「大丈夫か、炎竜?  着地に失敗したようだが…」
炎竜「どうもAIの調子が悪いみたいだ」
氷竜「それは違うぞ、炎竜。 私の計算では、お前の考え方には 大きなリスクが伴っている」
炎竜「リスクを恐れて、平和を守れるものか!  確率なんて、気迫で補えばいい!」
氷竜「ロボットのくせに非論理的な発想だ。 AIが欠陥品なのではないか?」
炎竜「完全同型のAIで、 僕だけが欠陥なわけはない!」
炎竜「氷竜こそ、 単純計算しか出来ないのなら ソフトの書き換えを行うべきだな!」
氷竜「失敬な奴だ。 どうやら余計な追加装備のおかげで 熱暴走しかかっているようだな」
炎竜「そっちこそ! フリーズシステムで AIが凍っちまってるんじゃねえか!?」
麗雄「やれやれ…。 こりゃまたシンパレートが下がるのぉ」
武蔵「何だぁ?  あいつら、ケンカしてやがるぜ」
ミチル「まるで人間ね…」
麗雄「彼らに搭載されているのは 自己判断・学習機能に加えて 感情表現まで可能としたAI…」
麗雄「…まさに超AIと 呼ぶに相応しいものなのだ」
「でも、同じAIに同じソフトを ドライブさせているのに… こんなにも意見が食い違うなんて…」
大河「氷竜、炎竜!  お前達の役目は何だ!?」
氷竜「それは人々の平和を…」
炎竜「守ることです!」
大河「…ならば!  今すべきこともわかっているな!?」
氷竜「了解!」
炎竜「了解!」
麗雄「どうやら、 基本的には問題なさそうじゃな…」
大河「よぉぉぉし! 氷竜、炎竜!  ゲッターチームと協力して街を救うんだ!」

〈ベルガンに攻撃〉

(攻撃後、母艦出撃選択、出撃準備)
スワン「長官!  大空魔竜戦隊が来てくれマシタ!」
大河「お、おお…!」
竜馬「ハヤト! 無事か!?」
隼人「フッ、 図体のデカイ奴を二人乗せてるんでな… 心なしかライガーの動きが重いぜ」
武蔵「何だとぉ!?」
弁慶「そりゃ俺達のことかよ!?」
隼人「当たり前だ。他に誰がいる?」
ベルガン「ふふふ…これは都合がいい。 この機に奴らを倒せば、手柄になる」
ベルガン(そうなれば、 リヒテルを失脚させることも容易い)
健一「スカールーク…! ベルガンか!?」
一平「あいつら、 無差別攻撃をしていやがったのか?」
ベルガン「そのとおり。 貴様らにこの手が有効なのは承知の上だ」
健一「ベルガンめ、卑怯な手を!」
めぐみ「狙うのは あたし達だけにしなさいよ!」
ベルガン「何とでも言え。 戦いは正攻法だけではない」
ベルガン「下らぬ面子などへの こだわりは敗北につながる…。 そう、あのハイネルのようにな」
健一「何だと!?  ハイネル兄さんを愚弄する気かっ!!」
ベルガン「無論だとも。 奴は所詮、負け犬…貴様らに敗れて当然だ」
健一「貴様…!!」
ヒイロ「口車に乗るな。あれも奴の策だ」
健一「う…!!」
ヒイロ「だが、大口を叩いた以上… 奴にはそれなりの目に遭ってもらう…!」
健一「ああ!」
(作戦目的表示)

〈戦艦出撃後にベルガンと戦闘〉

(Gストーンの共鳴、西端の道路上を指す)
ペンチノン「ふふふふ… そろそろ頃合のようだな」
ペンチノン「ウイィィィィィィ!  楽しい航海の始まりだ…ウイィィィィィ!」
「あ…ああっ!」
「あ! 護君、どこに行くの!?」
「行かなきゃ…! 行かなきゃ!!」
「護君!?」
(敵機増援が出現)
ベルガン「な、何だ、あれは…!?」
火麻「タンカーの化け物!?」
猿頭寺「データ検証…前回の奴と形状は 違いますが、同種であると思われます!」
大河「別のEIかっ!!」
麗雄「ならば、あやつの内部には…!」
火麻「また人間が入ってるってのか!!」
ベルガン「このエネルギー反応は…!  いかん! スカールークを後退させろ!」
(スカールークが撤退)
「敵母艦、撤退しました!」
大河「だが、まだ奴が残っている…!!」
???「どうやら…俺の出番らしいな…」
(ガイガーが出現)
麗雄「な…ガイガーだと!?」
「凱っ! 無茶はやめてっ!!」
「命… 奴の中に入っている人を助けるには、 ヘルアンドヘヴンしかない…!」
「で、でもっ!!」
「長官!  ファイナルフュージョンの承認を!!」
大河「し、しかし…今の君の身体では!!」
「長官の言う通りよ! 凱、戻って!」
麗雄「猿頭寺君!  今の状態でファイナルフュージョン成功の 可能性は!?」
猿頭寺「…30%が限界です」
火麻「もし、失敗したらどうなるんだ!?」
麗雄「衝撃で 凱もマシンも粉々に吹き飛ぶ…!」
「そ、そんな…っ!!」
「成功率なんて目安に過ぎない!  待っている人達がいる限り、 俺は必ずやってみせる!」
「凱…!」
「長官! 早く承認を!」
大河「…行くぞ、卯都木君!  我々は凱を信じて、全てを託す!」
「ちょ、長官…!」
大河「ファイナルフュージョン承認!!」
「は、はい! ファイナルフュージョン!  プログラム…ドラァァイブ!!」
「うおおおおっ!」
(ガイガーの周りにガオーマシンが出現)
「ファイナル!  フュゥゥゥジョォォォォォォン!!」
(ガオーマシンとガイガーが撤退し、ガオガイガーが出現)
「ガオ! ガイ! ガァァァァァッ!」
「ファイナルフュージョン完了!」
氷竜「あれが…」
炎竜「僕達の隊長…」
「待たせたな、氷竜、炎竜!」
末男「おい、見ろよ! あのロボット!  こないだの黒い奴だぜ!」
数納「い、生きてたんだねぇぇっ!!」
「あの人が…来たんだ…!」
ペンチノン「出たな、カインの遺産め…。 だが、お前が勝利をつかむことは 絶対にないのだ…ウイィィィィ!」
ラッセ「凱、大丈夫なのか…?」
「…あ、ああ。後から出てきて、 こんなことを言うのも何だが… あのEIは俺に任せてくれ」
比瑪「こないだみたいに、 中にいる人を助けるっていうの!?」
「そうだ。もっとも、あの少年が 現れてくれればの話だが」
比瑪「ああ、あの子…!」
アムロ「よし。 各機、ガオガイガーを援護しろ。ただし…」
カトル「僕達でトドメを刺さないように すればいいんですね?」
アムロ「ああ、そうだ」
「すみません、アムロ・レイ大尉。 お願いします!」
(作戦目的表示)

〈vs EI-07(ゾンダー人間)〉

[初戦闘後]

猿頭寺「こ、これは…!」
大河「どうした、猿頭寺君!」
猿頭寺「えらいことがわかりました。 あのEIの内部には、数十万トンの ガソリンが満載されています」
大河「何だと!?」
火麻「お、おいおい!  奴ぁ、マジでタンカーだってのか!!」
スワン「もし、あの場所で爆発した場合… 予想される被害は…」
スワン「!!  半径20キロ圏内は完全に壊滅シマス!!」
大河「ぬ、ぬう…!  それではGアイランドシティどころか…」
火麻「首都圏一帯に被害が及んじまう!!」
大河「……!」
ペンチノン「ウイィィィィ!  下手に攻撃すれば、たちまち辺りは火の海。 手も足も出まい」
ペンチノン「これで我らの目的も 達成されようぞ。ウイィィィィィ!!」
大河「獅子王博士!  ディバイディングドライバー… いや、イレイザーヘッドなら!」
麗雄「し、しかし、長官…。 あれを使うには、氷竜と炎竜の シンパレートが100を突破しない限り…」
炎竜「!!」
氷竜「……!」
「みんな、下がってくれ! 俺がこいつを 海の真ん中まで引きずって行く!!」
氷竜「待ってください!  私の計算では、ヘルアンドヘヴンで 敵の核をえぐり出した場合…」
氷竜「一時的に 防御力を失うガオガイガーは…」
麗雄「! いかん!!」
大河「装甲は保っても、 衝撃波で中の凱は…!」
「!!」
氷竜「隊長殿…!」
炎竜「隊長ォッ!!」
「迷っている時間はない!  えぐり出した核は、思い切り そっちへ投げ飛ばす!!」
「後は頼んだぜぇぇぇっ!!」
炎竜「僕達にはっ!」
氷竜「私達には!」
炎竜「そんな命令を聞きいれる…」
氷竜「プログラムはありません!!」
(機械が動作)
「!! シンパレートが…!」
スワン「氷竜! 炎竜!」
麗雄「シンパレート100!!」
大河「よぉし!  シンメトリカルドッキング、承認!!」
(EI-07の南のビルまで炎竜と氷竜が高速で移動)
炎竜「シンメトリカル!」
氷竜「ドッキング!」
(超竜神が出現)
超竜神「超ォォォ竜ゥゥゥ神ィィン!!」
一矢「合体した!?」
日吉「す…すごい! 縦に真っ二つの 合体ロボなんて初めてだよ!」
ボス「縦に真っ二つでくっついてる 男女のミイラならいたけどな…」
麗雄「兄弟ロボの氷竜と炎竜は そのAIのシンパレートが頂点に 達した時…」
麗雄「シンメトルカルドッキングに よってハイパワーロボット、 超竜神に変形合体するのだ!」
火麻「やったぜ、超竜神!」
大河「新たなる勇者の誕生だ!」
麗雄「凱!  爆発は超竜神に任せろ! お前は 核をえぐり出すことに集中するんじゃ!」
「了解! 頼むぜ、超竜神!」
超竜神「お任せ下さい!」
(作戦目的表示)

[凱]

「行くぞ!  この生命燃え尽きようとも 貴様を倒してみせる!」

[超竜神]

超竜神「見ていて下さい、隊長、博士!  人々を救うために与えられた私の力、 必ず役立てて見せます!」

[撃墜]

「うおおおっ!!」
(ガオガイガーが海中へ移動しEI-07は北へ逃げる)
ミチル「爆発する!?」
火麻「今だ!  イレイザーヘッド! 射出っ!!」
火麻「受け取れ、超竜神!!」
超竜神「了解!!」
(側の海中からイレイザーヘッドが飛び出してきて超竜神が撃つ。 白いドームが広がった後、消える)
コウ「ば、爆炎が…!」
キース「空へ消えていった!?」
「イレイザーヘッド、稼動成功!」
猿頭寺「爆炎は大気圏外へ放出…。 各コロニー、宙間施設に影響ありません」
大河「よくやった、超竜神。 新たなる勇者の誕生だ…!」
万丈「ふ~ん、なかなかやるもんだね。 あの兄弟ロボット達…」
デュオ「しかし、やることが無茶苦茶だぜ。 あれだけのエネルギーを丸ごと 宇宙へ放り投げちまうなんてよ…」
デュオ「その先に 何かあったらどうするつもりなんだ?」
トビア「いえ…予め、 放出軌道の計算をしていたみたいですよ」
デュオ「ホントかよ?」
トビア「ええ。そのおかげで、 被害を受けた宙間施設はないようです」
デュオ「へ~え、そりゃ驚きだな」
レミー「端から見てたら、 その場の勢いでやってそうだけど…」
五飛「一応、後先は考えているようだな」
キリー「少しは ウチのリーダーにも見習って欲しいもんだ」
真吾「ま…確率なんてものは気迫じゃなく、 長年培った勘で補いましょ」
レミー「駄目だ、こりゃ」
「よくやってくれた、超竜神…」
超竜神「隊長、命令を破ってすみません…」
「いや…おかげで助かった。 お前らのAIは…世界最高だぜ…」
超竜神「隊長…」
「それに、この勝利は俺達だけの ものじゃない…大空魔竜戦隊や、 ロンド・ベル…隊の……」
超竜神「! どうしました、隊長!?」
「凱!?」
麗雄「いかん! 限界がきおったか!?」
「う…ううっ…早く…この核を…!」
(宇宙開発公団タワーの北側に緑の玉が出現し、ガオガイガーに隣接。Gストーンの共鳴)
「…………」
「こ、これは…あの時と同じ…!」
スワン「OH! イッツ ア ミラクル!  凱の機能が正常値に戻りまシタ!!」
大河「何っ!?」
麗雄「はひゃあ! 人類の 演算能力を超えたテクノロジーだ!」
【プチデモ『浄解』】
火麻「あれだ!  あの力で核から人間を救い出したんだ!」
「君は…一体…?」
「………」
(緑の玉が北東へ動き撤退)
「また…行ってしまったか…」
「君は…いったい誰なんだ…?」

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[メインオーダールーム]

大河「…なるほど。 では、我々の方でしばらく αナンバーズを預かれと?」
三輪「そうだ。我が極東支部基地は、 地下勢力殲滅作戦の第二段階の 準備で忙しいのでな」
大河「…了解です。 ただし、敵が現れた場合は…」
三輪「わかっておる。 指揮権は一時的に君へ預ける。 では、以上だ」
(モニターオフ)
大河「やれやれ…相変わらず勝手なお方だ」
麗雄「バーム軍がGGGに目を付けた事実は 彼にとって都合がいいからのう」
剛健太郎「ここが極東支部基地の代わりに 狙われるということですか…」
麗雄「その上に 大空魔竜やアルビオン…これ以上、 わかりやすい目印はあるまい」
麗雄「もっとも… ガオガイガーが不完全な現状では、 かえってありがたい話じゃがな」
大河「…では、大文字博士、シナプス大佐… しばらくGアイランドシティに駐留して いただくということでよろしいかな?」
シナプス「ええ」
大文字「そちらがよろしければ」
大河「いえいえ… こちらこそよろしくお願いしますよ」
剛健太郎「…では、皆さん。 私はここで失礼させて頂きます」
大文字「ビッグファルコンへ… いや、極東支部へ戻られるのですか?」
剛健太郎「いえ、 ダイモビックへ行きます。妻や浜口博士、 四谷博士もそこに集まっていますので」
剛健太郎「地下勢力との本格的な戦いの前に、 ボルテスやコン・バトラーV、ダイモスの オーバーホールが必要となります」
剛健太郎「その時のための準備を 今の内からしておこうと思いましてね」
大文字「わかりました。 では、また後ほど…」

[メインオーダールーム]

大河「ところで、博士…氷竜と炎竜の方は?」
麗雄「やはり、再調整が必要じゃ。 シンメトルカルドッキングを より確実なものにするにはな」
猿頭寺「GSライドの出力とシンパレートが 上がった理由もまだ不明ですからねえ…」
麗雄(…もしかすると、 凱の時と同じように… あの少年のおかげかも知れん)
麗雄(はたして、 人類の味方となってくれるじゃろうか…)

[大空魔竜・休憩室]

竜馬「ハヤト、恐竜帝国やミケーネ帝国に 何か動きはあったのか?」
隼人「極東支部の部隊と小競り合いが 何度かあった程度で…大きな動きはない」
竜馬「何だって…?」
ミチル「お父様は彼らが何か大きな作戦の 準備をしてるんじゃないかと言っていたわ」
竜馬「そうか…」
武蔵「ところで、リョウ。 預かってたドラゴン号…お前に返すぜ。 その代わり…」
竜馬「ああ。 ブラックゲッターはムサシが乗ってくれ」

《太平洋 海底城・WORLD AREA》

[ガルンロール・ブリッジ]

オルバン「リヒテルよ、 地球攻略はどのような状況になっておる?」
リヒテル「この海底城を前線基地として、 地球防衛の拠点である極東地区への 攻撃準備を進めております」
オルバン「未だに準備だと?  予定より遅れておるようだな」
リヒテル「申し訳ございません。 海底に謎の巨大な物体が…」
オルバン「ワシは勝利の報告以外は 聞く気はない。特にあの大空魔竜との 戦ではな。それを肝に命じておけよ」
リヒテル「ははっ!  バーム10億の民のために!」
(モニターオフ)
リヒテル「入るがよい、ハレック!」
ハレック「武術指南役、 ガーニー・ハレック…参りました」
バルバス「何と…!  この男がリヒテル様の必勝の策と!?」
ライザ「一介の武術師範がリヒテル様の お役に立てるとは思えませんが…」
リヒテル「ええい、黙れ!  遅々として進まぬ地球攻略の責任、 誰にあると思っている!?」
ライザ「も…申し訳ございません」
リヒテル「バルバス!  我がバームの兵器が地球のものに 劣っていると思うか!?」
バルバス「い…いえ…!  そんなことはございません!」
リヒテル「では、何故我が軍は地球の ロボットに勝てぬ…? 余はその答えを 操縦者の差であると見た」
ベルガン(なるほど…、 人工知能の類ではなく有人操縦によって 奴らに対抗しようという考えか)
リヒテル「ハレック!  そなたはバームを愛しておるか?」
ハレック「もちろんでございます、 リヒテル提督」
リヒテル「うむ。ならば、ハレック… 余にその心の証を見せてくれぬか」
ハレック「提督のご命令とあらば、 我が武術の力、お貸しいたしましょう」
リヒテル「最高の戦闘ロボットを与える。 そなたの力で敵戦力の中核を成す ダイモスと竜崎一矢を倒すのだ!」
ハレック「承知いたしました。 ただし、私も武人のはしくれ… 正々堂々の勝負を挑ませて頂きます」
リヒテル「よかろう。勝利の暁には、 そなたに余の副官の地位を与える」
ハレック「それは辞退させていただきます。 私の望みはバーム星人全ての幸せ… ただそれだけでございますから」
リヒテル「ハハハ! 面白い!  出世には興味がないと申すか!  ならば、ハレックよ…行けぃ!」
ハレック「はっ!」
(ハレックが立ち去る)
ライザ(…ハレックに副官の座を…?)
ベルガン「おや? ライザ殿、 お顔の色がすぐれないようですが…」
ライザ「い…いや…何でもない…」
ベルガン「フフフフフ…心配めさるな。 あなたの悩みは、このド・ベルガンが 解消して差し上げましょう」
ライザ(この男、何をする気だ…?)

[パスダー前]

パスダー「報告せよ、ペンチノン…」
ペンチノン「海に沈む巨大な物体… 人間がオルファンと呼ぶものと…」
ペンチノン「そこから現れるアンチボディは やはり機械生命体の一種でした…」
ペンチノン「大きさは異なるものの その存在は我々と同質…。しかし、奴は 相反する存在に惹かれているようです」
ポロネズ「我々と相反する存在… すなわち有機生命体か…」
プリマーダ「愚かな… そして、美しくない…」
ピッツァ「………」
パスダー「所詮はカインの遺産と同じく 有機に惹かれる出来損ないの 機械生命体か…」
ペンチノン「ただ、その身体の内部には 長きに渡って蓄えられた莫大な量の 有機のエネルギーが満ちております」
ペンチノン「これは、我らにとっても 有用なものでしょう…」
ポロネズ「パスダー様、いかがいたします?」
パスダー「今は放っておけばよい。 いずれは我々の目的のために 役立ってもらうがな…」
パスダー「今はより確実なエネルギーの 供給源を手に入れるのだ」
ピッツァ「了解しました」
パスダー「我の目覚めの時は近い…。 その時には、この青の星を 機界としてくれようぞ…」


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