back index next


比瑪とブレンパワード アイビス ~ 第16話 ~

《日本近海・JAPANESE AREA》

[アルビオン・ブリッジ]

ベラ「謎のロボットの調査ですか?」
シナプス「うむ。 アルビオンと大空魔竜は 伊豆にある極東支部へ向かうが…」
シナプス「マザー・バンガードは 湾岸都市に現れた謎の巨大ロボットと 移動基地の調査を頼む」
ベラ「了解です」
シナプス「それが済み次第、 君達は東京湾上のGアイランドシティへ 向かってくれ」
ベラ「GGG本部がある所ですね。 …ところでシナプス大佐、私達は 極東支部へ行かなくていいのですか?」
シナプス「これは諸君の身の安全を 考えての決定でもある」
ベラ「どういうことでしょうか?」
シナプス「うむ…極東支部の三輪長官は 極端なタカ派、それに地球至上主義者でな」
シナプス「今までは私とブライト中佐で うまくごまかしては来たが…君達の艦を 見れば、黙ってはいないだろう」
ベラ「確かに… この艦の見た目は海賊船ですからね」
(通信)
シモン「シナプス艦長、 ノヴィス・ノアのアノーア艦長から 通信が入っています」
シナプス「こちらはベラ艦長と交信中だ。 内容を読み上げてくれ」
シモン「はい…。αナンバーズが 調査を予定している都市に向けて 移動中のプレートを探知…」
シモン「当方から派遣する ナンガ、ラッセ両名と共にプレートの 回収を依頼する…とのことです」
ベラ「シナプス大佐…!」
シナプス「聞いての通りだ、ベラ艦長。 プレートが出現したということは リクレイマーが現れる可能性も高い…」
シナプス「αナンバーズの主力は マザー・バンガードに預ける。ブレン隊と 共にリクレイマーに対処してくれ」
ベラ「了解しました。 各部隊を受け入れた後、本艦も 移動中のプレートを追跡します」

[格納デッキ]

バニング「…今回の任務は 沿岸都市へ向けて移動している プレートの追跡だ」
バニング「奇しくも、その目的地は 謎の巨大ロボットが出現した場所でもある。 各自、充分に警戒して任務を遂行しろ」
コウ「了解です、バニング大尉」
モンド「今回は空飛ぶ円盤と鬼ゴッコか。 楽勝だな」
ファン・リー「フッ…海から出てくる鬼達に 俺達が追われる羽目になるかも知れんぞ」
プル「ねえねえ、トビア… 『プレート』って何?」
トビア「アンチボディを 『リバイバル』させる…つまり、 再形成させる物だって聞いてるけど」
プル「じゃ、プレートは ブレンパワードやグランチャーつてのを 生み出すタマゴなんだ?」
トビア「プルらしい例えだね。 そう考えてもいいんじゃないかな」
カトル「でも、ブレンパワードと グランチャーのどちらにリバイバルするか… その時にならないとわからないそうですよ」
ヤマガタケ「開けてビックリ玉手箱って奴か」
コウ「ブレンパワードならまだしも、 グランチャーにリバイバルしたら厄介だな」
ヤマガタケ「ああ、そうなりゃ敵だからな」
プル「どうしてブレンパワードが 味方で、グランチャーが敵なの?」
ヤマガタケ「そ、そいつは…はてさて。 トビア、お前わかるか?」
トビア「さ、さあ…?」
コウ(…プルの疑問はもっともだ。 同じプレートからリバイバルするなら、 その2体の差は形状以外に何があるんだ?)
バニング「お前ら、何をしている!?  さっさと出撃準備をせんか!」
コウ「す、すみません、大尉!」
バニング「それから…アイビス、ツグミ。 お前達は待機だ」
アイビス「! どういうことです?」
バニング「聞こえなかったのか?  アルテリオンは待機だ」
アイビス「でも…!」
ジュドー「アイビスさん、 今回は俺達に任せて休んどいてくれよ」
エル「そうそう。 あんた、疲れがたまってるみたいだしさ」
ビーチャ「困った時にはお互い様ってね」
ツグミ(無理もないわね…。 スレイとの一件以来、アイビスは 無理をしてきたから…)
ツグミ(そして、あの症状がある限り…)
アイビス「………」
ツグミ「アイビス…ここは皆さんの好意に 甘えさせてもらいましょうよ。私から見ても 今のあなたは疲れているわ…」
アイビス「わかった…そうするよ…」
ルー「そう沈んだ顔しないでよ。 その代わり、あたし達がピンチになったら よろしく頼むわね」
アイビス「ああ…」
ジュドー「よし! みんな、行こうぜ!!」
アイビス「………」


第16話
比瑪とブレンパワード

〔戦域:真田邸周辺〕

(海岸付近にプレートがあり、南東側にグランチャーが2機出現)
「どうやらプレートは あの場所に落ち着いたようだな」
カナン「そうみたいね。 それより、勇…身体は大丈夫なの?」
「カナンこそ、どうなんだ?」
カナン「勇のような無茶はしないわ」
「…あれもビー・プレートか?」
カナン「どちらにしても、 プレートは全て回収でしょう?」
「カナンは真面目だな…」
カナン「え…?」
「そんなにオルファンに 認められたいのか?」
カナン「あたしはグランチャーの パイロットになれたことを誇りに 思っているのよ」
カナン「…それに オルファンのリーダーがご両親の 勇とは身分が違うでしょ」
「そんなの関係ないだろ」
カナン「! 待って、 プレートの近くに人がいるわ!」
「何…!? この辺りには ドクーガの一件で避難勧告が 出ているはずだろう!」
カナン「勇! プレートが…!」
(プレートの側を指す)
比瑪「それ以上、こっちに来て いったいどうするつもりなの!?」
アカリ「比瑪姉ちゃん…!」
(ブレンパワードとの共鳴)
クマゾー「お、音がしたも!!」
ユキオ「な、何が起きるの!?」
比瑪(プレートからアンチボディが 生まれる…!? テレビで言ってた リバイバルって、このこと…!?)
(ブレンパワードのリバイバル。リバイバル・プレートが消滅してヒメ・ブレンが出現)
クマゾー「うああ…!」
ユキオ「グランチャーって奴が 出来たんだ!」
アカリ「嘘だぁ!  あれさ、悪い奴じゃないの!?」
比瑪「そういうのって、わかってないみたい… グランチャーって言うのと違うわ!」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「この子…! この子って…!」
クマゾー「比瑪姉ちゃん!」
比瑪「この子…優しい目をしてるよ」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「ほらね、見ててごらん」
ユキオ「でもさ!」
比瑪「この子…… 生まれたばかりの赤ちゃんなのよ!」
アカリ「これで赤ちゃん…!?」
比瑪「この子は誰かに 面倒見てもらいたがってんでしょ?」
クマゾー「それに乗っちゃ駄目だよ!  比瑪姉ちゃん!」
(比瑪がヒメ・ブレンに乗り込む)
比瑪「…ポカポカしてる…。 スベスベしてるのに、柔らかいなんて…」
比瑪「外が見える!?」
ヒメ・ブレン「『ドウスレバイイノ?』」
比瑪「…色んな言葉があった…。 あなたはどうしたいの? 生まれたのなら あなた何かしたいんでしょ?」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「立てば? 立ってから考えましょ!」
ヒメ・ブレン「………」
(ブレンパワードとの共鳴・ヒメ・ブレンが空中に浮き、少し南へ移動)
比瑪「立てたのよ、あなた…落ち着いて。 あなたはちゃんと歩けるわ!  さあ、自信を持って!」
「プレートからリバイバルしてる。 カナン、グランチャーじゃないぞ!」
カナン「あのブレンパワードに アジャストした人がいるんだ。 誰なの!?」
(勇機とカナン機がヒメ・ブレンの近くまで移動)
比瑪「別のアンチボディ…?  あれはテレビで見てるのみたい…。 あれ、君の仲間なの?」
「ブレンパワードを動かしている…!」
カナン「破壊するよ、勇。 ブレンパワードにリバイバルしたら、 破壊するのが規則だ!」
「…!」
比瑪「あれがテレビで言ってた グランチャーなら…」
「ブレンパワードに乗っている奴!」
比瑪「誰の声!? どこなの!?」
「ブレンパワードのことを知らないのに 乗るんじゃない!」
カナン「すぐに降りなさい。 不完全なアンチボディは危険なんです!」
比瑪「この子、言うこと聞いてくれるわ!  お節介はいいわ!」
「マスコミの言うことなんか 聞いてどうする! ブレンパワードは 使っちゃいけないんだ!」
比瑪「!!」
(ヒメ・ブレンがリバイバルした位置まで戻り、着地)
比瑪「ユキオ、アカリ、クマゾー! この子の 中に入って! ここを離れるから!」
ユキオ「う…うん!」
(ヒメ・ブレンが空中に浮き、北へ移動)
「どういうことだ?  あいつは何をしている?」
カナン「破壊するわよ、勇。 ブレンパワードにリバイバルしたら 撃破するのが規則だから」
「…わかった。俺がやる!」
(勇機がヒメ・ブレンに隣接)
【強制戦闘】
[ソードエクステンション(射撃)]vs比瑪[反撃不可能]
(ヒメ・ブレンはチャクラシールドでダメージ0)
カナン「あのブレンパワード、 力がある…!?」
カナン「いったいどういうこと…?  オルファンのブレンは魂のない 人形でしかないのに…!」
「貴様!」
比瑪「生まれた子が 立ち上がって飛びたがってたのよ!」
比瑪「それなのに、あなた達が来たおかげで びっくりして怖がってるわ!」
「怖がってる……だって?」
比瑪「あなた達こそ、いったい何なの!?」
「グランチャーで オルファンの意志を表す者だ!」
比瑪「何よ、カッコつけて!  オルファンなんて、 海の中にある変な遺跡でしょ!?」
比瑪「女の顔をしてるとか、 地球を壊すとかってさ!」
「ペラペラうるさい女が いい加減なことを言うな!」
比瑪「あたしは! 『女』じゃないわ!  宇都宮比瑪っていうのよ!」
比瑪「そっちこそ、変な物を使って プレートを回収してるらしいけど… 何でさ!?」
「オルファンが必要としてるからだ!」
カナン「勇、下がりましょう!  後続の部隊も来てくれているわ!」
「ブレンパワードは 不完全なアンチボディなんだろ!?」
カナン「それに子供を盾にしているのよ!」
比瑪「盾!?  誰が弟や妹達を盾にするもんですか!!」
クマゾー「ヒ、比瑪姉ちゃん…!」
比瑪「クマゾー、ユキオ、アカリ!  ここから逃げるわよ!」
(ヒメ・ブレンが少し北へ移動、作戦目的表示)

〈2PP〉

(あいつ…何でリバイバルしたばかりの ブレンパワードを使えるんだ…!?)
(ブレンは不完全なアンチボディの はずじゃなかったのか…?)
カナン「勇、どうしたの?  また拒絶反応なの?」
「…いや、何でもない」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「! どうしたの、君?  何か来るの!?」
(敵機増援が出現)
クマゾー「グランチャーがいっぱい来たも!」
アカリ「ヒ、比瑪姉ちゃん!」
比瑪「あ、あんな数…!」
「! あのグランチャーは…?」
エッガ「無様だな、勇!」
「エッガ・ブランカン…!」
エッガ「ブレンごときに何てザマだ。 伊佐未ファミリーの名が泣くぜ?」
「親父達は関係ない!」
エッガ「なら、そこをどけ。 俺があのアンチボディを始末してやる」
比瑪「来るの!? だったらさ!」
ユキオ「比瑪姉ちゃん! あれ!」
比瑪「え!?」
(マザー・バンガードが出現、出撃準備)
ベラ「あれは…!?」
ナンガ「プレートからリバイバルしたのは ブレンパワードだったのか!?」
ラッセ「あのパイロット、かなり出来るぞ。 生まれたばかりのブレンを あそこまで操るとは…」
アカリ「今度は違うのが来たよ!」
クマゾー「空飛ぶ海賊船だも!」
比瑪「ホ、ホントだわ…何なの、あれ!?」
ベラ「そこのブレンパワード、 応答願います!」
ベラ「我々はαナンバーズ。 あなたの味方です」
比瑪「味方…? 味方ってどういうこと!?  じゃあ、あっちのグランチャーは あなた達の敵なの!?」
ナンガ「ブレンに乗っているなら わかるだろう? ブレンパワードが グランチャーを嫌っているのが」
ラッセ「とにかく、そのままじゃ君のブレンが グランチャーにやられちまう」
ラッセ「ブレンを大事に思うなら、 俺達を信じるんだ」
比瑪「大事に…? ああ、その感じ… わかるわ! そういうことが言える人って、 信用できるもの!」
ユキオ「どうするの、比瑪姉ちゃん?」
比瑪「よくわからないけど、この子が あのグランチャーっていうのは 嫌っているのは確かみたい…」
比瑪「あっちの人達に従うわ。 今はそれしかないもの…!」
クマゾー「比瑪姉ちゃん!  あそこ! あそこ見るだも!」
比瑪「え…あれは…!?」
(住宅地の南側の通路を指す)
少女「あ…ああ……!」
ベラ「各機、グランチャー部隊に 攻撃を開始して下さい!」
キンケドゥ「待つんだ、ベラ!  あそこに逃げ遅れた人間がいる!」
ベラ「えっ!?」
キンケドゥ「間違いない…女の子だ!」
少女「…た、助けて……!」
ヒイロ「…救出する」
デュオ「お、おいおい、マジかよ!?  目の前にグランチャーの大軍が いるんだぜ!?」
ヒイロ「機体から降りれば問題ない」
デュオ「そっちの方が危ねえっての!  ったく、無鉄砲にも程があるぜ!」
カトル「でも、逃げ遅れた人を 見捨てるわけにはいきませんよ!」
デュオ「そんなこたぁわかってる!  だけど、上手い方法を考えねえと どっちつかずになっちまうぜ!」
ベラ「…アイビス、ツグミ、 聞こえますか? あなた達に 逃げ遅れた少女の救出を命じます」
アイビス「あたし達が…?」
ベラ「グランチャーの攻撃をかわして あの地点へたどり着く役は、あなた達の アルテリオンが最も適しています」
トビア「そうか…! アルテリオンの 機動性を生かせば、グランチャーの動きに 対応出来るかも知れない!」
ベイト「だが、 それはパイロットの腕前次第だぜ」
アイビス「………」
ツグミ「アイビス…、 人の生命が懸っているのよ。 迷っている場合じゃないわ」
アイビス「わかったよ、ツグミ。 行こう…!」
(アルテリオンが出撃)
ベラ「各機に通達!  新たなブレンパワードを守りつつ、 逃げ遅れた子を救出します!」
ベラ「他にも逃げ遅れた市民が いるかも知れません。そのため 本艦はこの位置に固定とします!」
アムロ「各機はグランチャーを迎撃しつつ、 アルテリオンとブレンの援護に回れ!」
キンケドゥ「アイビス、 お前はあの地点にアルテリオンを 移動させるんだ!」
(少女の位置を指す)
アイビス「わかった…!」
トビア「お願いします、アイビスさん。 僕達が周りからフォローします!」
健一「そうだ、お前は女の子の救出に 意識を集中すればいい!」
ジュドー「あっちのトサカ達は 俺達が相手をするから、 しっかり頼むぜ!」
万丈「いいかい、アイビス。 君の後ろには僕達がいる。 だから、救出は君に任せるぞ」
アイビス「みんな…」
ツグミ「ありがとうございます、皆さん!」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「…わかったわ。 君もあの女の子を助けたいのね。 …私も同じ気持ちよ」
「エッガ! 攻撃を中断させろ!  逃げ遅れた市民がいる!」
エッガ「…知らんな。 どうせオルファンが浮上すれば、 弱い生き物は全て死ぬんだ」
「何!?」
エッガ「それに、プレートも回収出来ず ブレンも見逃したとなれば、 クインシィへ言い訳も出来まい?」
「貴様…!」
カナン「どうするの、勇…?」
「あの海賊船を叩く…!  母艦を沈めれば、戦いは終わるはずだ!」
カナン「わかったわ!」
(作戦目的表示)

〈敵機1小隊撃墜〉

(グランチャーが出現)
エル「次から次へと出て来たよ!」
ビーチャ「鬼さんがゾロゾロと…!  ファン・リーさんが言ってた通りに なっちまったぜ!」
ナンガ「どうやら新しいブレンパワードの リバイバルが余程面白くないようだな」
ラッセ「向こうがその気なら オルファン中の全てのグランチャーを ここで叩いてやるまでだ!」
ベラ「まずは市民の救出が先決です!  急いで下さい、アイビス!」

〈敵機6小隊撃墜〉

トロワ「増援が止んだか…。 どうやら向こうも弾切れのようだ」
ビーチャ「助かったぜ!  あのままじゃ、いつかこっちも 危なかったもんな!」
ジュドー「あとは残りを倒して、 女の子を救出するだけだ!  頼むぜ、アイビスさん!」

〈vs 勇〉

[比瑪]

「そのブレンパワードから降りろ!」
比瑪「何よ、偉そうに!  グランチャーっていうアンチボディが 世界中でプレートを集めてるらしいけど…」
比瑪「どうしてだかわからないって ニュースで言ってたわ!」
比瑪「けど、 あんたみたいのがグランチャーに 取りつかれてやってるのよ!」
「!!」
比瑪「何でさ!?」
「オルファンの意志を表すためだ!!」

[ナンガ]

「ブレンパワードが これほどの力を持っているとは…!」
ナンガ「そうさ!  オーガニック・マシンを使いこなすのが リクレイマーだけだと思うなよ!」
「馬鹿な…! 親父達の話と違うぞ!」

[HP1000以下]

(グランチャーの拒絶反応)
「うぐ…! 拒絶反応が…!」
(勇機が撤退)
比瑪「…あの子、行っちゃった…」

〈vs カナン〉

[比瑪]

カナン「そのブレンから降りなさい!  危険なのよ!」
比瑪「この子を見捨てろってこと!?  そんなこと出来るわけないじゃない!」

[ラッセ]

カナン「これがブレンパワードの力… グランチャーと互角だと言うの!?」
ラッセ「自分達の尺度だけで 物事を捉えるなってことさ!」

[HP1000以下]

カナン「いけない…!  これではグランチャーを失うことになる!」
(カナン機が撤退)

〈vs エッガ〉

[いずれかの味方]

エッガ「いいぞ、俺のグランチャー!」
エッガ「貴様には、生まれながらに 戦う男の気骨がある!」
エッガ「この戦場のみならず、 全てを貴様のものにしろぉっ!」

[撃墜]

エッガ「ええい!  どうしたのだ、グランチャー!」

〈アルテリオンが少女のいる場所へ〉

少女「…!」
アイビス「さあ、こっちへ!  早くアルテリオンの コンテナスペースに乗って!」
少女「あ…ああ…」
ツグミ「アイビス! その子は かなりのショックを受けているわ!  コックピットに乗せるのよ」
アイビス「わかった!  さあ、こっちに来て…!」
少女「う…あ、ああ…」
アイビス「!」
アイビス(この子、 まるであたしだ…。恐怖と絶望で 身体がすくんでしまっている…)
少女「………」
アイビス「怖がらなくても大丈夫。 あたしが守るから…」
少女「………」
アイビス「だから…おいで」
少女「う…うん…」
アイビス「女の子は無事に収容した!  これより帰還する!」
万丈「よくやった、アイビス!」
ベイト「やれば出来るじゃねえか…。 ま、少しは見直してやるとするか」
ツグミ「待って、アイビス…!  超高速で接近する機体を確認!」
ツグミ「この反応は…!?」
(ベガリオンが出現)
ファ「あれは…!?」
カミーユ「ベガリオン…!  あいつも地球に降りていたのか!」
スレイ「見つけたぞ、アイビス…!」
アイビス「スレイ…!」
スレイ「この間の宣言通り、 ここで決着をつけてやるぞ、 負け犬アイビスめ!」
ツグミ「待って、スレイ!  今はリクレイマーとの戦闘中なのよ!」
スレイ「それがどうした…?  アルテリオンを取り返すことが 私の最大にして唯一の目的だ」
スレイ「それ以外のことに興味はない!」
アイビス「………」
比瑪「ちょっと! 誰だか知らないけど 勝手なこと言わないでよね!」
スレイ「外野は黙っていろ!  これは私とアイビスの問題だ!」
比瑪「そうはいかないわよ!  そっちの飛行機には無関係の女の子が 乗っているんだから!」
スレイ「私の言葉が聞こえなかったのか?  私の目的はアルテリオンを奪い返す… ただそれだけだ!」
比瑪「え~と、アイビスさんだっけ…?  構うことないわよ! こんな高飛車な女、 やっつけちゃいなさいよ!」
アイビス「う…うう…」
比瑪「ど、どうしたの!?」
ツグミ(駄目…今のアイビスでは スレイに勝てない…。そして、 もし再びスレイに負けたら、その時は…)
ツグミ(その時はアイビスの心が 完全に壊れてしまう…!)
アイビス「く…」
少女「…あ…ああ…」
アイビス(そうだ… あたしが負ければ無関係なこの子まで 巻き添えにしてしまう…)
アイビス(駄目だ…それだけは駄目だ…!)
少女「………」
アイビス「大丈夫…、 守るって約束したよね…」
少女「………」
アイビス「だから…大丈夫だよ…」
少女「………」
アイビス「ありがとう…、 こんなあたしでも信じてくれるのね…」
スレイ「さあ、どうする気だ、アイビス?」
アイビス「スレイ…! 前にも言ったよ。 アルテリオンはあたしのものだって…!」
ツグミ「アイビス…あなた…」
アイビス「ツグミ…、 逃げられるだけ逃げてみるよ…。 まだ身体は震えているけどさ…」
アイビス「だから…力を貸してよ…」
ツグミ「わかったわ!  その子を守るためにも全力でいくわよ!」
スレイ「あくまで抵抗する気か…。 いいだろう…だが、容赦はしないぞ!」
ベラ「アイビス!  あなたはマザー・バンガードに 帰還することを第一に考えて!」
アムロ「各機、 アルテリオンを援護するんだ!」
スレイ「誰が邪魔しようと 逃がしはしないぞ、アイビス!  兄様の夢をお前になぞ見せるものか!」
アイビス「く…!」
(アイビスに『脱力』、作戦目的表示)

〈vs スレイ〉

[アイビス]

スレイ「抵抗を続ける勇気は誉めてやる!  だが、お前には無謀という言葉の 意味を教えてやろう!」
アイビス「く…!」
少女「………」
アイビス「大丈夫…大丈夫だよ。 きっと約束は守ってみせるからね…!」
ツグミ(この子を守るために アイビスは必死になっている…。 恐怖も心の傷も越えて…)

[比瑪]

スレイ「私とアイビスの戦いの邪魔を する気か!?」
比瑪「そうよ! 何があったか知らないけど 無関係な子供まで巻き込むなんて おかしいわよ!」

ベガリオンを

撃墜した
撃墜する前にアルテリオンがマザーバンガードに帰還した


back index next