スレイ「馬鹿な…!
私をここまで追い込むとは…!」
ツグミ「スレイ、諦めなさい!
アイビスはあなたの思っているような
人間ではないわ!」
スレイ「認めない…認めるものか!
兄様の夢を継ぐのは、この私だ!」
ツグミ「スレイ…!」
(スレイに『ド根性』)
【強制戦闘】
アイビス[Gアクセルドライバー]vsスレイ[Gブレイクドライバー]
(スレイは分身で避ける、アイビスは被弾。アルテリオンのHP1%に)
アイビス「ああっ!」
スレイ「これが私の実力だ!
今、コックピットを潰してやるぞ、
負け犬め!」
ツグミ「スレイ…タイムアウトよ」
スレイ「何だと…!?」
ツグミ「今、ここであなたがコックピットを
潰したとしてもアルテリオンは回収前に
大気との摩擦熱で燃え尽きるわ」
スレイ「くっ…!
地球に近づき過ぎたか!」
ツグミ「アルテリオンは責任をもって
私達で地球に降下させるわ。
ここは退きなさい、スレイ」
スレイ「…この状況で
取り引きに持ち込むとは…
やってくれるな、ツグミ…」
スレイ「だが覚えておくがいい、
アルテリオンとベガリオンの正統な
所有者は、この私ただ1人だ…!」
スレイ「兄様の夢を
卑怯者の負け犬に渡すわけには
いかないからな!」
(ベガリオンが撤退)
ベラ「アイビス、ツグミ!
返事をして! 大丈夫なの!?」
ツグミ「ええ…なんとか…」
アイビス「………」
ピート「これより大気圏に突入する。
そちらにはダイターン3を回す。
万丈と一緒に降下するんだ」
ツグミ「いえ…それには及びません。
アルテリオンも単独で大気圏突入は
可能です」
ミドリ「でも…」
ツグミ「…お心遣いに感謝します。
でも、今は二人だけにして下さい…」
アイビス「………」
ベラ「…わかりました。
大気圏降下後、太平洋上で合流しましょう」
ツグミ「ありがとうございます…」
アイビス「勝てない…
あたしはスレイには勝てない…」
アイビス「あたしは…もう…
飛べないんだ…」
アイビス「もう…二度と…」
(閃光)
アイビス「………」
エマ「アイビス、無事だったのね」
ルー「もう、心配させて…。
いくら昔の知り合いが相手でも
あんな強敵と1人で戦うのは無理よ」
アイビス「………」
デュオ「どうした、そのツラは?
いつものケンカ腰はどこに行ったんだよ」
カトル「デュオ…。
元気付けるのでしたら、もう少し
言葉を選んだ方が…」
コウ「とにかく無事でよかったよ。
また、あの敵が攻めてきたら
今度は俺達も戦うよ」
アイビス「あんた達に…
何がわかるのよ!?」
コウ「え…」
サンシロー「待てよ、アイビス。
みんながお前を心配しているのに
そういう態度はないんじゃないか?」
アイビス「うるさい! 人の気持ちも
知らないくせに仲間面をしないでよ!」
サンシロー「何だと…!?」
一平「アイビス、いい加減にしろよ。
俺達はお前のお守り役じゃねえんだ。
そのヒステリーにはもうウンザリだぜ」
アイビス「あんた達に一体、あたしの
何がわかるっていうのよ!?」
ツグミ「アイビス…」
アイビス「もうたくさんよ!
あたしに構わないでよ!
あたしは…あたしは…!」
ピート「ならばアルテリオンを置いて艦を
降りろ。これ以上、お前を置いておくと
隊のチームワークが乱れる」
アイビス「アルテリオンを…」
サンシロー「お、おい、ピート…」
京四郎「俺もピートに賛成だな。
このままではアイビス一人のせいで
俺達全員が危機に落ちる危険性もある」
ピート「…俺達と共に戦う気がないのなら、
今すぐに出て行ってもらおう」
アイビス「………」
(速い足音・アイビスが走り去る)
ツグミ「アイビス、待って!」
エマ「…放っておきなさい。
彼女のためを思うならね」
ツグミ「え…?」
エマ「あなた達を艦から追い出す件は
ともかく…アイビスには一度
ゆっくりと考えさせる必要があるわ」
ツグミ「はい…」
ピート「しかし、エマ中尉…」
エマ「じゃあ、彼女が抜けた穴は誰が
埋めるというの? 今の状況で戦力が
少しでも欠けるのは得策ではないわ」
ピート「………」
一平「フン…都合が悪くなったら
逃げ出すか…。どこまでも
身勝手な女だぜ…」
コウ「しかし、あの様子…。
あのスレイという相手に負けたのが
余程ショックだったようだ」
ジュドー「多分ね。
あの人、泣いてたみたいだったし」
ルー「薄々は感づいてたけど…
過去に色々あるみたいね」
ツグミ「………」
サンシロー「なあ、ツグミ。
彼女に何があったか…話してくれないか?」
ツグミ「………」
ピート「そんなことを聞いても、
チームワークの問題は解決しない。
それに、同情ならするだけ無駄だ」
ジュドー「それじゃ余計に仲が
こじれるだけだって。ツグミさんの
話を聞いた方がいいんじゃない?」
アムロ「ジュドーの言うとおりだ」
ピート「アムロ大尉…」
アムロ「このままじゃ、アイビスは
完全に孤立してしまう…。ツグミ、
彼女の過去を皆に話してくれないか?」
ツグミ「………」
コウ「聞かせてもらえるかい?
少しでも状況を良くするためにも」
ツグミ「わかりました…」
ツグミ「皆さんの推察通り
今回の一件は私とアイビスがDCに
所属しいてた頃の出来事に関係します…」
ツグミ「既にご存知の方もいるでしょうが、
私達はDC内の『プロジェクトTD』に
参加していました」
ジュドー「プロジェクトTD?」
ピート「確かテスラ・ドライブを
搭載した小型機で恒星間を航行する
計画と聞いている」
ジュドー「小型機で恒星間航行だって!?
そりゃ無茶な話だなあ」
ピート「いや、戦闘機サイズで空間跳躍が
可能な機体も過去に開発されている。
あながち夢物語じゃない」
ジュドー「じゃあ、あのベガリオンは…」
ツグミ「…アルテリオンと共に
プロジェクトTDで作られた機体です」
京四郎「あの2機は同一計画の
機体だったのか。道理で何となく
デザインラインが似てたワケだぜ」
ツグミ「私はプロジェクトTDで機体開発に
携わり、アイビスはパイロット候補生として
訓練を受けていました」
ツグミ「そして、ベガリオンに乗っていた
スレイ・プレスティもまた…」
アムロ「戦闘中に彼女が言っていた
ナンバー04、01というのは
どういう意味だ?」
ツグミ「…テストパイロットの席次です。
スレイは01、アイビスは04…」
ツグミ「スレイはプロジェクトTD最高の
パイロットであり、完成予定の機体の
最有力パイロット候補だったのです」
一平「つまり、アイビスとスレイは
ライバル同士だったってことか」
ツグミ「いえ…確かに04のアイビスは
スレイを目標としていましたが、
スレイの方はそうでもなかったのです…」
京四郎「…眼中になかったと?」
ツグミ「はい…それだけ二人の実力差は
歴然としていたのです。だからこそ、
アイビスは努力に努力を重ねました…」
デュオ「へえ、あいつがかい?
そんなタイプには見えねえけどな」
ルー「でも、アイビス…
確かにシミュレーター訓練は
真面目にやっていたわ…」
サンシロー「そういや、
俺も何度か見かけたことがある…。
まさに鬼気迫る形相ってやつだった…」
エマ「…話を聞けば、アイビスは
真面目な候補生だったみたいね。
でも、どうしてあんな風に…?」
ツグミ「…恒星間パイロットとして
宇宙を飛ぶという夢…」
ツグミ「…それこそが
彼女の力の源であり、アイビスという
人間そのものだったのです」
ツグミ「でも、そのための熱意によって
あんなことが起きるなんて…」
コウ「一体、彼女に何が起きたんだ?」
ツグミ「…プロジェクトTDは試作機を
完成させ、パイロット候補生達は
連日訓練飛行を繰り返していました」
ツグミ「そんなある日、
アイビスの乗った機体が空中爆発という
大事故を起こしたのです」
ジュドー「ええっ! ホントかよ!?」
一平「…原因は何だったんだ?」
ツグミ「機体強度にも問題があったのですが…
直接の原因はアイビスの操縦ミスです」
デュオ「どうせ、あのスレイってのに
負けまいとして無茶でもしたんだろうぜ」
ツグミ「…大怪我を負ったアイビスが
生命を取り留めたのは奇跡的な
事でした…」
ツグミ「身体のリハビリにも
成功しました。しかし…」
エマ「…心に後遺症が残ってしまったのね」
ツグミ「はい…。今でこそ、ある程度は
回復しましたが、当時はコックピットに
座ることさえ出来ない状態でした…」
ツグミ「そして、
彼女はフィリオ・プレスティの制止も
聞かず、DCを去っていったのです…」
コウ(フィリオ…?
アルテリオンの設計者か…)
ツグミ「私もアイビスの後を追いました。
…もう一度、彼女に宇宙を飛ぶ夢を
思い出して欲しかったのです…」
エマ「そのフィリオ・プレスティという人、
もしかして…」
ツグミ「…お察しの通りです。
ベガリオンのパイロットであるスレイ・
プレスティの実兄です」
万丈「そして、アルテリオンと
ベガリオンの開発者でもあるんだね」
ツグミ「!
彼を知っているのですか?」
万丈「名前だけはね…」
万丈「フィリオ・プレスティ…優秀な
ロボット工学者で、DCのアーマード
モジュールの開発者の一人だった…」
ジュドー「だった?」
万丈「確か、もう亡くなっているはずだ。
それも半年以上前に病で…」
ツグミ「ええ。アイビスがDCを去った後、
アルテリオンとベガリオンを遺して……」
京四郎「…なるほどな。それで
あのスレイというパイロットが
アルテリオンにこだわる理由がわかったぜ」
ジュドー「あれは
兄貴の形見だったってことか…」
京四郎「自分より未熟な奴、
それも自ら逃げ出した奴が、
それに乗ってるのが許せないんだろうよ」
ツグミ「フィリオの死後、いかなる経緯かは
知りませんが…アルテリオンはDCから
接収されたようです」
ピート「それが巡りめぐって、
マザー・バンガードに送られたと
いうわけか…」
ツグミ「…DCを去った後のアイビスは
まるで抜け殻でした…。全てに自暴自棄に
なり、ふさぎ込む日々が続きました…」
ツグミ「でも、そうなってもアイビスは
恒星間パイロットになるという夢を
捨て切れていませんでした」
ツグミ「今の彼女はアルテリオンに
乗ることで、途切れそうな生きる意志を
何とかつなぎ止めようとしているのです…」
アムロ「そして、同時に
押さえ切れない不安と苛立ちが…
彼女にああいった態度を取らせるのか」
ツグミ「…ええ」
ピート「だが、やはり同情の余地はないな」
サンシロー「ピート!」
ピート「これは彼女の問題だ。
俺達が口を挟む必要はない」
サンシロー「お前はどうしてそういう…!」
ピート「フン…大文字博士に今回の件を
報告しようと思ったが、やめておこう」
ピート「エマ中尉の言うとおり、ここで
戦力を削減するのはナンセンスだからな」
(足音・ピートが立ち去る)
アムロ「………」
サンシロー「何だよ、あいつ!
血も涙もないってのか!?」
万丈「そうじゃないさ。
ピートはアイビスに賭けてみる気に
なったんだよ」
サンシロー「あの態度でか!?」
ルー「あたしもそう思うな。
ほら、あの人素直じゃなさそうだし…」
アムロ「とにかく、アイビスの問題は
アイビスに解決させるしかない」
アムロ「彼女が自分を取り戻すまでの間、
俺達はそれをフォローするだけだ…」
ジュドー「オッケー、アムロさん」
デュオ「ま…あいつには相棒を取り返す時
世話になったからな。死神もたまには
天使役をやってみますか」
一平「しょうがねえな…。
ま、どうせ健一の奴も同じことを
言いそうだけどな」
ルー「なんだかんだ言っても
こんなお人好しね…。
ま…あたしもだけど…」
万丈「とりあえず、今の所のフォローは
君に任せるよ、ツグミ」
ツグミ「すみません、みなさん…。
そして、ありがとうございます…」
ツグミ「艦を降りる気なの…?」
アイビス「………」
ツグミ「まだ怒っている人もいるけれど
みんなは許してくれたわ。
出て行かなくてもいいのよ、アイビス」
アイビス「…何故黙っていたの…?」
ツグミ「え…?」
アイビス「何故フィリオが死んだことを
黙っていたの…!? ツグミ…!
あんたは知っていたんでしょう!?」
ツグミ「ええ…」
アイビス「どうして…どうして
黙っていたのよ…。フィリオは
あたしにとって大切な人だった…」
アイビス「フィリオはあたしに
宇宙を飛ぶことを教えてくれた…。
それなのに…!」
ツグミ「黙っていたことは謝るわ…。
気が済むまで何度でも…」
アイビス「…ツグミ…今、わかったよ…。
どうして、あんたがあたしに
ついてきたのか…!」
ツグミ「アイビス…」
アイビス「あんたはフィリオに命令されて
あたしを連れ戻そうとしていたのよ!
そうに決まっている!」
ツグミ「………」
ツグミ「そうよ…。あなたの側であなたを
助けてきたのは彼…フィリオの意志よ…。
でも、聞いて…」
アイビス「言い訳なんか聞きたくない!」
(平手で殴る、眼鏡が外れて落ちる)
ツグミ「アイビス…!」
アイビス「出ていってよ!
顔も見たくないよ!」
ツグミ「!」
(平手で殴る)
アイビス「ツグミ…」
ツグミ「自分だけが傷を負っていると
思うのもいい加減にしなさいよ!」
ツグミ「フィリオを失って
悲しい想いをしたのはあなただけじゃ
ないのよ!」
アイビス「ツグミ…」
ツグミ「………」
(眼鏡をかける)
ツグミ「聞いて、アイビス…。
確かにフィリオはあなたを助けるように
私に言ったわ…」
ツグミ「でも、あなたを助けることは
私の意志でもあったのよ。
それは嘘偽りのない本当のことよ…」
アイビス「なんで…ツグミもフィリオも
あたしなんかに構うのよ…」
ツグミ「あなたが大切な仲間だからよ。
αナンバーズのみんなも同じ理由で
あなたを助けるのよ」
アイビス「あたしにそんなことを
言ってもらう資格なんてないよ…」
ツグミ「宇宙を飛ぶ夢はどうしたの!?
あなただからこそ私もフィリオも
自分の夢をあなたに賭けたのよ!」
アイビス「夢なんて…
そんなものは忘れたよ!」
ツグミ「………」
アイビス「…あたしなんかに期待しても
駄目だよ。そんなに宇宙を飛びたいなら
スレイのところへ行ってよ!」
ツグミ「そうじゃない…。
そうじゃないわ…アイビス…」
ツグミ「一番飛びたがっているのは
私達じゃない…。
それはアイビス…あなたの心よ…」
アイビス「ツグミ…」
ツグミ「だから、お願い…。
自分で自分の心を壊さないで…」
アイビス「………」
ツグミ「お願いだから…」
アイビス「………」