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リクレイマー アラド ~ 第13話 ~

一矢「いいだろう…!  その勝負、受けて立つ!」
京四郎「おいおい、正気か!?」
ナナ「そうよ、お兄ちゃん!  ワナかも知れないわ!」
一矢「あのハレックという男の気迫は 本物だ。ここで背中を見せるのは 地球人の…いや、男の恥だ!」
ハレック「よし…!  誰にも邪魔されないところで勝負を つけるぞ、竜崎一矢!」
一矢「望むところだ!」
(ハレック機が移動、一矢に『ド根性』がかかり、ハレック機の側へ移動)
ハレック「よく来た、竜崎一矢。 俺の挑戦を受けてくれた礼を言おう」
一矢「…礼など要らん。何故なら、 お前はここで俺に倒されるからだ…!」
ハレック「フ…。 その言葉はそのままお前に返そう。 行くぞ、竜崎!」
一矢「来い、ハレック!」
ライザ「リヒテル様の作戦通り、 ダイモスはハレックが片づける。 残る部隊は他の奴らを攻撃しろ!」
ライザ(それにしても ベルガンめ、我らと別行動を取るとは…。 何を企んでいる?)
(作戦内容表示)

〈vs ライザ〉

[サンシロー]

サンシロー「平和的な交渉を求めてきた お前達を俺は歓迎するつもりだった…」
サンシロー「だが、武力で地球を 制圧する気なら容赦はしないぜ!」
ライザ「計略を用いたのは地球人の方だ!  我々バーム星人はお前達を決して 許しはしない!」

[ピート]

ピート「異星人め!  この地球を貴様達の好きには させんぞ!」
ライザ「黙れ! バーム10億の民のため、 そしてリヒテル様のため、この戦い 負けるわけにはいかないのだ!」

[撃墜]

ライザ「いかん!  これ以上の戦闘は不可能か!」

〈vs ハレック〉

[一矢 (1回目)]

ハレック「噂以上にやるようだな!  それでこそ俺の相手に相応しい男だ!」
一矢「それはこっちの台詞だ!  俺の空手を受けてみろ!」

[一矢 (2回目)]

一矢「さすがだぜ、ハレック…!  この俺の空手と互角に戦うとはな!」
ハレック「フフフ… 久々に心踊る戦いと相手だ」
ハレック「お前のような 真の武人と巡り会わせてくれたことを 戦いの神に感謝したくなる…」
一矢「ハレック…」
ハレック「だが、俺達は敵同士だ…!  決着をつけるぞ、竜崎!」
一矢「おう!」

[一矢以外のいずれかの味方]

ハレック「どけ!  俺と竜崎の戦いの邪魔をするな!」

[撃墜]

ハレック「見事だ…竜崎…!  この俺を倒すとは…!」
ハレック「だが、まだまだ!」
(スカールークが出現)
ライザ「あのスカールーク… ド・ベルガンか!?」
(ハレック機の背後からスカールークがダイモスに攻撃)
一矢「ぬうっ!」
ナナ「ほら! やっぱりワナじゃない!!」
京四郎「一矢! 後退しろ!!」
ベルガン「逃がしはせんぞ、ダイモス!!」
ハレック「やめろ!  この勝負は俺の負けだ! 勝者である 竜崎に手を出すことは俺が許さん!」
ベルガン「甘いぞ、ハレック!  戦いは勝てばいいのだ!」
ベルガン「ダイモスは貴様との戦いで 傷を負った。奴を倒すのは今をおいて 他にない!」
ハレック「おのれ…!  武人の心を解せぬ卑怯者めが!」
ベルガン「邪魔をするなら、 ダイモスの後に貴様も葬ってくれる!  裏切り者としてな!」
ハレック「何だと!?」
一矢「くそっ…!」
ハレック「竜崎!」
(ハレック機がダイモスに合流)
【強制戦闘】
ベルガン[超大型ドリル]vs一矢[防御](援護防御(ハレック))
(ハレック機のHP1に)
ハレック「うおおおおっ!」
一矢「ハレック!」
ベルガン「貴様!  敵をかばいだてするとは!!」
ハレック「お…俺と竜崎は男と男の勝負を したのだ! それを貴様のような 卑劣漢に汚されてなるものか!」
一矢「ハレック…!」
ベルガン「世迷い事を! ならば、 二人まとめてあの世に送ってくれる!」
ハレック「竜崎…お前を殺させはせん!」
ベルガン「何をするつもりだ!?」
(ハレック機がスカールークの横に移動し、自爆)
一矢「ハレック!」
ベルガン「ば…馬鹿な…!  スカールークに体当たりするとは!  ええい! 撤退だ!」
(スカールークが撤退)
一矢「ハレック…」
健一「あのハレックという男… 一矢との勝負を最後まで貫いたのか…」
サンシロー「敵ながら天晴れな奴だぜ」
一矢「ハレック…。 お前こそは勇士…真のサムライだ」
一矢「む? あれは……」

《太平洋上・WORLD AREA》

[海岸]

ハレック「…何とか脱出は出来たか…!」
(ダイモスが着地)
ハレック「! ダイモス…!?」
一矢「お前がハレックか…?」
ハレック「いかにも…。 そして、お前が竜崎一矢か…」
一矢「そうだ…!」
ハレック「…俺はバーム星人…、 お前達地球人の敵だ。捕らえるなり 殺すなり好きにするがいい…」
一矢「いや…そのつもりはない。俺達の 戦いはお預けになってしまったからな」
一矢「それに俺はお前に命を救って もらった礼を言わねばならない」
ハレック「フフフ…。 同胞の不始末の尻拭いをしたまでだ。 こちらが詫びをするのが筋だろう」
一矢「ハレック…」
京四郎「おーい、一矢!  どこだーっ!?」
ハレック「どうやら、 お前の仲間が来たようだな…」
一矢「いかん…!  ハレック、この場は俺に任せて逃げろ!」
ハレック「お前は敵である俺を 見逃すというのか?」
一矢「妙な邪魔が入って俺達の 勝負は流れちまった…。だが、次に 会った時には決着をつけるぞ…!」
ハレック「竜崎…」
一矢「それまでに傷を治しておけよ」
ハレック(何という高潔な心を持った男だ…。 この男ならエリカ様が心惹かれたことも 納得できよう…)
ハレック「…すまん、竜崎。 この借りは必ず返す」
(ハレックが飛び去る)
一矢「ハレック… 再戦を楽しみにしているぜ…」
ピート「一矢! 今、ここに バーム星人がいなかったか!?」
一矢「ああ…俺と戦ったバーム星の戦士、 ハレックがいた」
ピート「貴様!  みすみす敵異星人を逃がしたのか!?」
一矢「ハレックは俺の生命を 救ってくれたんだ。そんな男を 敵として扱うことなど俺には出来ない」
一矢「それに、あの男は誇り高き戦士だ。 無理に情報を聞き出そうとすれば、 自ら死を選ぶだろう」
ピート「目を覚ませ、一矢!  敵の異星人と心を通わせることなど 理想論に過ぎない!」
ピート「そのおかげで、 火星でどれだけの被害が出たか… お前もわかっているだろう!」
一矢「確かに、 俺は父をバーム星人に殺された。 だが、彼ら全てが悪だとは思えない」
ピート「何…!?」
ピート「まさか… お前、まだエリカのことを…!?」
一矢「…ああ」
ピート「この野郎…!  エリカと同じで、さっきのバーム星人にも 情けをかけたというのか!?」
サンシロー「おい、やめろよ、ピート。 一矢とハレックは一対一で戦ったんだ。 その二人にしかわからないこともあるさ」
ピート「無責任な発言はやめろ!  お前はまだ地球を守る戦士としての 自覚がないのか?」
サンシロー「あるさ!  お前に言われるまでもなくな!」
ピート「!」
サンシロー「だが、異星人だから 誰彼かまわず敵だというお前の考えは、 間違っているんじゃないのか?」
ピート「何…!?」
サンシロー「それじゃ、 無差別に攻撃をしてくる異星人と 変わりがないぜ」
ピート「……!」
ピート「…お前達と話しても 時間の無駄だ。この件は大文字博士に 報告するぞ」
一矢「好きにしてくれ。俺は 間違ったことをしたと思っていない…!」

ナナ「…お兄ちゃん……」
ファン・リー「…どちらも正論だな。 だが、それ故にぶつかってしまう…」
ブンタ「そうですね…」
アラド「………」
アラド「…一矢さんと サンシローさんって、似てますね」
京四郎「確かに、声はそっくりだけどな」
アラド「いや、あの…そうじゃなくて。 普段は元気だけど、どことなく影が あるっていうか、何ていうか…」
京四郎「…お前さんの勘は当たってるよ。 奴は数年前までベッドの上にいたからな」
アラド「え…!?」
京四郎「一矢は訓練中の事故で重傷を負い… 全身マヒになっちまったのさ」
京四郎「だが、奴は諦めなかった。 医者さえも見放した絶望的な状況に耐え、 地獄のリハビリに打ち勝った…」
アラド(それって…!)
京四郎「ま…奴の素直さと優しさは、 甘さから来るものじゃない」
京四郎「地獄を乗り越えた強さ故なのさ」
ブンタ「…サンシロー君も同じですよ。 知っての通り、彼はプロ野球の ピッチャーでした」
ブンタ「しかし、彼も事故によって プロのマウンドから降りざるを 得なくなったのです」
ナナ「事故って…?」
ファン・リー「サンシローの 能力に気づいた何者かが、 奴の左手に重傷を負わせたんだ」
ナナ「じゃあ、サンシローさんも 一矢お兄ちゃんと同じで…?」
ブンタ「ええ。 サンシローさんの心の中には、まだ 野球への情熱が残っているはずです」
ブンタ「でも、彼は それを捨てて、地球の平和のために 戦う決心をしたんです」
アラド(…そうなのか…。 俺は…ただゼオラとの約束を守りたいだけで 戦って……)
京四郎「故人曰く、『人生は学校である。 そこでは幸福より不幸の方が良い教師で ある』…フリーチェの言葉だ」
京四郎「お前さんにも 心当たりがあるんじゃないか?」
アラド(…でも、俺には スクール以前の記憶がないんだ…)
アラド(今まで気にしてなかったけど…)

《太平洋 海底城・WORLD AREA》

[ガルンロール・ブリッジ]

ライザ「ベルガン殿!  一体、何のつもりで増援に現れた!?」
ベルガン「ご覧の通りですよ。 ハレックとの一騎討ちで消耗した ダイモスを倒そうとしたまでのこと」
ライザ「しかし、味方であるハレックを 巻き添えにしようとするなど…」
ベルガン「それこそがあなたの望みでは なかったのですかな? ハレックに副官の 地位を脅かされていたあなたの…」
ライザ「ベルガン殿…!」
ベルガン「フフ…怒った顔もまた美しい…。 リヒテル提督への熱のこもった視線より そちらの方があなたらしい」
ライザ「貴様…この私を愚弄するか!」
リヒテル「二人ともやめい!  争う時間があるのなら次の作戦を 考えるのだ!」
ベルガン「仰せのままに…」
ライザ「………」

バルバス「申し上げます、リヒテル様!  ハレックが海底城に帰還しました!」
ベルガン「ほほう…あの爆発で生きて いたことも驚きなら、敵に見つからずに 戦闘空域を脱出してきたことも驚き…」
リヒテル「バルバス!  すぐさまハレックを連れて参れ!」
バルバス「はっ…!」
(足音)
リヒテル「おおハレック…!  よくぞ無事に戻ってきた…!」
ハレック「申し訳ございません、 リヒテル様…。お約束を果たせぬまま おめおめと帰還したことをお許しください…」
リヒテル「何を申す…。 そなたの戦い振りはライザより聞いた。 無論、ベルガンとのことも不問にいたす」
リヒテル「竜崎一矢の首を取ってくるのは 次の機会でよい。今は身体を休めよ」
ハレック「ありがたきお言葉…。 ですがこのハレック、まずはリヒテル様に お願いがございます」
リヒテル「…いいだろう。 なんなりと申してみよ…」
ハレック「…どうか地球人との争いを お止め下さい」
リヒテル「な…何だと…!?」
ハレック「地球人は決して話の通じぬ 相手ではございません。どうか… どうか交渉の場をお持ち下さい…」
リヒテル「たわけ!」
(殴る)
リヒテル「もう一度、申してみよ!」
ハレック「な…何度でも…提督閣下… どうか地球人と穏便な話し合いを…。 憎み、殺し合うだけが道ではありませぬ…」
リヒテル「話し合うだと…!?  その話し合いとやらで父は殺されたのだ!  それを知って、なお世迷い事を申すのか!」
ハレック「地球人全てがそうだとは限りません。 少なくとも竜崎一矢は…」
リヒテル「何…!?」
ハレック「エリカ様が心を惹かれたのも道理。 奴はそれだけの男にございます」
リヒテル「ハレック…そなたまで…!」
リヒテル「この…たわけがっ!」
(殴る)
ハレック「う…くっ…」
リヒテル「この裏切り者を牢に連れていけ!  二度と余の前でこの男の名を 口にするな…! 汚らわしい!」
ハレック「提督…閣下…」

[石牢]

エリカ(この牢につながれてから 何日が過ぎたでしょう…)
エリカ(一矢…、 想うのはあなたのことばかり…。 あなたは無事でいるのでしょうか…)
(扉が開閉する)
エリカ「誰です…!?」
ハレック「どうかお静かに、エリカ様…。 武術指南役のガーニー・ハレックに ございます…」
エリカ「ハレック…?  兄上の信頼厚いあなたが、何故牢に…?」
ハレック「話せば長くなります。 ただ、これだけはお伝えします…。 私は竜崎一矢と会いました…」
エリカ「一矢と…!?  一矢は…あの人は無事なのですか?」
ハレック「はい…。あの男は 私の出会った中でも最高の男…。 そう簡単には倒れることはないでしょう」
エリカ「ああ…一矢…」
ハレック「私は思いました。 地球人という種族があの男のようであれば、 この戦い、続けてはならないと…」
エリカ「その通りです、ハレック…。 …ですが今の私達は囚われの身…、 どうすることも出来ません…」
ハレック「…私は竜崎一矢に大きな借りが あります。それを返すためにも、必ずや エリカ様をあの男の下へお届けします」
ハレック「ですから、 希望をお捨てにならないで下さい」
エリカ「わかりました、ハレック…。 その日まで、私はこの牢の中で あの人の無事を祈り続けます…」


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