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軍神が災いを呼ぶ クスハ ~ 第12話 ~

〔戦域:小バーム周辺宙域〕

(大空魔竜が出現)
ピート「大文字博士、本艦は間もなく 火星の衛星軌道上に差し掛かります」
大文字「何とか無事にここまで来られたか…」
ピート「前方に巨大な人工物体あり。 メインスクリーンに投影しますか?」
大文字「いや…肉眼でも確認できるよ」
(小バームを指す)
竜崎勇「あれが…バーム星人の宇宙船……」
剛健太郎「小バームか……」
ピート「あの大きさ… 地球のスペースコロニー以上だな」
サコン「あれで恒星間航行機能を持ち、 戦闘要塞として使えるとなると…」
サコン「バーム星人の科学力は かなり高いものだと考えられるな」
サンシロー「そんな連中が 何でわざわざ太陽系くんだりまで やって来たんだ?」
ピート「それを聞き出すための 会談だ。ただし、油断はするなよ」
ミドリ「大文字博士、こちらへ 接近してくる物体をキャッチしました」
(南側にダイターン3が出現)
甲児「お! ダイターン3だぜ」
万丈「やあ。久しぶりだね、甲児」
甲児「万丈さん、ボルテスチームやルー、 フォウは元気かい?」
万丈「ああ。 だけど、ご覧の通りの状況でね。 お客の出迎えに大忙しさ」
剛健太郎「早速だが、万丈君……」
万丈「ええ。 ひとまずプリベンターの基地… クリュスへご案内します」

[執務室]

ノイン「…ゼクスがネオ・ジオンに?」
カトル「はい…。 シーマ・ガラハウと接触していました」
レディ「………」
カトル「…あの人はあなた達に何も?」
レディ「…ああ。 特別任務で地球圏へ戻らせていたが… それ以後、連絡はない」
カトル「そうですか……」
ノイン(…ゼクス…もしやと思っていたが…)
カトル「…僕達がガンダムを取り戻せたのは あの人のおかげだと思います」
ノイン「…!」
カトル「それに… 彼が単純に僕達を裏切ったとは…」
ノイン「フ……ゼクスらしいな」
カトル「え?」
ノイン「…自分の言葉を撤回してまで、 果たさなければならない役目が 出来たのだろう」
カトル(撤回…?)
ノイン「だから、私は彼が自らそれを語るまで 待つことにする」
カトル「…いいんですか?」
ノイン「…ああ、いつものことだ」
カトル「ノインさん…」
レディ「カトル、今はバーム側との会談を 無事に終わらせることが重要だ。 …必要以上に気にすることはない」
カトル「は、はい…」
レディ「…大文字博士、 会談は5時間後に開始される予定です」
大文字「…場所はこのクリュス基地ですか?」
レディ「ええ」
竜崎勇「…バーム側の戦力について 判明していることはありますか?」
ノイン「目下調査中ですが… 相当数の機動兵器を保有していると 思われます」
ノイン「仮に攻撃を受けていたら、この火星は 彼らに制圧されていたことでしょう」
サコン「あの小バームの規模から考えれば、 あり得る話ですね」
レディ「あれが衛星軌道上に現れてから しばらく経ちますが…火星側の偵察以上の 行動は見せていません」
リリーナ「とりあえず、 彼らは侵略の意思を具体的に見せている わけではないのですね?」
レディ「ええ」
竜崎勇「ならば、望みはありますな」
大文字「しかし…相手は異星人です。 上手くいきますかな?」
剛健太郎「前大戦の例を挙げるまでもなく、 二つの異なる星の民が手を結ぶには 幾つもの障害があります」
剛健太郎「しかし、 バーム星人はまず最初に我々と話し合いの テーブルへつくことを選択しました」
竜崎勇「ええ。例え、こちらの対応策が 決定するまでの時間稼ぎだとしても…」
竜崎勇「我々は誠意を持って 彼らと接触しなければなりません…」

[クリュス・格納庫]

ちずる「…思ってた以上に 復興作業が進んでるんですね、火星は」
万丈「ああ、太陽系内防衛網の一端を担う 火星の再建は急務だったからね」
万丈「それに並行して、 テラフォーミングも進んでいるし… 入植者の第一陣も来ているんだ」
さやか「ふ~ん、 もう人が住み始めてるんだ…」
(扉が開閉する)
めぐみ「ちずる、元気にしてた?」
ちずる「久しぶり、めぐみ。 こっちはみんな相変わらずよ」
さやか「それにね、 今回はクスハも合流してくれたの」
めぐみ「え? あの子、無事だったの?」
ちずる「うん。 色々わけありだったみたいだけどね」
ルー「でも、良かった。心配してたもんね」
フォウ「ええ…」
ルー「ところで、ちずる。 豹馬と何か進展あった?」
ちずる「進展って…別にぃ。 あいつとは何でもないもん」
ルー「またまたぁ」
ちずる「そういうルーはどうなの?  ジュドーのこと、まんざらじゃ ないんでしょ?」
ルー「え? まあ…でも、ジュドーには リィナやプルがいるからねえ。 …壁は結構厚いかも」
めぐみ「あの子、妹想いだもんね」
フォウ「…見たところ、 大空魔竜には前のメンバーが ちょっとずつ集まってるみたいね」
さやか「カミーユがいなくて残念だった?」
フォウ「ふふっ、その手には乗らないわよ」
(扉が開閉する)
一矢「おっ、 今度来たメンバーは美人が多いな。 万丈さんが言ってた通りだ」
ナナ「もう、お兄ちゃんたら!  鼻の下伸ばしちゃって」
京四郎「フッ…しょうがないだろう。 彼女達に比べたら、ナナは色気が ちょいと足りんからな」
ナナ「あ~っ、ひっど~い!  そんな言い方ないでしょ!」
さやか「…あの人達は?」
万丈「…ああ、 彼らは極東地区のダイモビックから 火星へ派遣されたメンバーなんだ」
ちずる「ダイモビック…?  ああ、四ッ谷博士が行ってる基地のことね」
一矢「俺の名は竜崎一矢。 スペースパイロットをやっている。 よろしく」
ナナ「お兄ちゃんは空手の達人なの。 …あ、本当の兄妹じゃないけどね」
京四郎「夕月京四郎だ。一矢とは スペースダイモビックに乗っていた 頃からの腐れ縁だ」
ナナ「あたし、和泉ナナです。 皆さん、よろしくお願いします」
一矢「ところで、万丈さん。 親父がここへ来たんですって?」
万丈「ああ。今、レディさん達と会っている」
さやか「竜崎って…もしかして?」
一矢「そう、竜崎勇は俺の親父さ」
京四郎「一矢、ちょうどいい。 例の会談が始まる前にダイモスを 見てもらったらどうだ?」
一矢「そうだな」
(扉が開閉する)
ビューティ「あ、万丈…ここにいたの?  ギャリソンが戻ってきたわよ」
万丈「…わかったよ」

[基地個室]

ギャリソン「万丈様、 例の件の調査が終了致しました」
万丈「ご苦労だったね、ギャリソン。 で、調査の結果は?」
ギャリソン「破壊された彼らの基地と その周囲100キロ四方に人の立ち寄った 形跡はございませんでした」
万丈「あの最後の戦いが終わった時と 同じということか…」
ギャリソン「前回、火星へ来た時… 彼らが復活するような兆しは 見られませんでしたが…」
ギャリソン「やはり、気になりますか?」
万丈「ああ。 火星はしばらくの間封鎖されていたからね。 何が起きても不思議じゃない」
万丈「ジュピトリアンが 生き残っていたように…彼らも…」

[格納デッキ]

剛健太郎「…久しぶりだな、健一。 元気にしていたか?」
健一「ああ。 日吉や大次郎も父さんと会えるのを 楽しみにしていたよ」
健一「ところで、母さんは ダイモビックに残ったのかい?」
剛健太郎「うむ。 今は浜口博士や四ッ谷博士と共に ダイモライトの研究をしている」
健一「相変わらず真面目だな、母さんは」
竜崎勇「…それにしても、こちらでの ダイモスの調整は見事なものだ。 手入れもよくしてもらっている」
健一「ええ…一矢と万丈さん、日吉で 色々やっていましたし…ギャリソンさんも 念入りにワックスがけをしてましたから」
(速い足音)
一矢「父さん!」
竜崎勇「おお、一矢。 それに京四郎君とナナ君」
京四郎「お久しぶりです、竜崎博士」
ナナ「博士、 地球にいるおじいちゃんは元気?」
竜崎勇「うむ。君達が火星へ旅立ってから、 寂しそうにしていたがね」
ナナ「んもう。いつまで経っても 孫離れが出来ないんだから」
竜崎勇「一矢、ダイモスの調子はどうだ?」
一矢「ああ、 みんなが調整を手伝ってくれたおかげで、 今のところ問題はないけど…」
一矢「念のため、父さんにダイモライトの 出力制御装置を見て欲しいんだ」
(足音)
トビア「凄い…!  何て大きなトレーラーなんだ…!」
ナナ「誰?  ここは関係者以外、立ち入り禁止よ」
トビア「す、すみません。 このトレーラーに興味があって…」
一矢「君は…入植者の学生さんかい?」
トビア「はい。機械工学科の トビア・アロナクスと言います」
京四郎「見たところ、まだ子供なのに こんな辺境くんだりまでご苦労なこった。 そういう物好きはナナだけかと思ったが…」
ナナ「また、そうやって子供扱いする!  あたしだって、一人前の レディなんですからね!」
一矢「色気は半人前だけどな」
ナナ「もう、失礼しちゃうわ! ワン!」
京四郎「…それにしても、トビアだったか?  こんなご時世に火星まで来るなんて、 大した度胸だな」
トビア「火星入植は一大プロジェクト ですからね。僕達ぐらいの世代からも 結構志願者が出たんですよ」
トビア「それに、最果ての地って、 逆に人類の最先端って感じがする じゃないですか」
京四郎「最果てって言っても… この先にはまだ木星圏があるぜ?」
トビア「ええ、本当はそこへ 行きたかったんですけど…前の大戦以後、 音信不通になっていますし…」
???(カラス)「アロナクス君」
トビア「は、はい!」
カラス「第4倉庫へのソーラーパネルの 移送準備は完了したのですか?」
トビア「あ、カラス先生…。 ちょっと…その…」
一矢「あなたは?」
カラス「私ですか?  私は入植者の指導を担当している カラスと申します」
カラス「トビア君、 探究心が旺盛なのは構いませんが、 作業を中断するのは良くありませんね」
トビア「すみません、先生。 すぐに持ち場へ戻ります」
カラス「では、皆さん… お騒がせして申し訳ございませんでした」
(トビアとカラスが立ち去る)
京四郎(あのじいさん、 気配を消して近づいてきやがった。 只者じゃねえな…)

[大空魔竜・ブリッジ]

甲児「う~ん…何か緊張してきたな」
竜馬「甲児君が会談をやるわけじゃないんだ、 固くなったってしょうがないぞ」
甲児「俺、こういう雰囲気苦手なんだよな。 何か学校の試験前みたいでよ」
クスハ「ふふっ、 甲児君はいつも本番勝負だったものね」
甲児「それを言うなって。 あの頃は機械獣の相手をするのに 忙しかったんだからさ」
「…まったく、気楽な連中だぜ」
甲児「何? そりゃどういう意味だ?」
「こんな会談なんか 上手くいくわけねえだろう。 …どうせ連中の罠に決まってるさ」
竜馬「どうしてそう思うんだ?」
「考えてもみろ、 俺達の頭の上には連中の要塞があるんだぞ」
「何を話し合う気か知らねえが、こっちの 態度次第じゃ総攻撃されかねないぜ」
竜馬「それは考え過ぎじゃないか?  向こうに攻撃の意志があるなら、 最初からそうしているだろう」
「…カーレースだって、始めから全開で 走って必ず勝てるとは限らない。バームは こっちの様子をうかがっているのさ…」
「そして、 チャンスが来れば一気に抜きにかかる」
竜馬「……!」
ピート(…あいつの考えは俺と同じか…)
ミドリ「大文字博士、 間もなくバーム星人との会談の時間です」
大文字「うむ。総員、第1種戦闘配置。 コンバットフォース、及び各機は 格納庫内で待機してくれたまえ」
竜馬「…わかりました」
大文字「ミドリ君、会談場の方は?」
ミドリ「準備は終了し、 後はバーム星側の代表者を待つだけです」
ミドリ「なお、ヒイロ君達プリベンターの メンバーが竜崎博士やドーリアン外務次官の 護衛についています」
サコン「大文字博士、 小バームからシャトルと小型戦闘機群が 発進しました」
サコン「おそらく、先方の代表者が 搭乗していると思われます」
大文字(いよいよか……。 何事も起きなければいいのだが……)

[執務室]

剛健太郎「…お話は承りました、 リオン大元帥閣下」
リオン「ありがとうございます、剛大使」
剛健太郎「ですが、あなた方の要求…… 人工冬眠中のバームの民10億を地球圏へ 受け入れるのは非常に困難です」
リヒテル「では、我々の申し出を 受けられないとおっしゃるか!?」
リオン「控えよ、リヒテル。 ここは会談の場であるぞ」
リヒテル「…申し訳ございません、父上」
剛健太郎「残念ながら、 我々の地球は一枚岩ではありません…」
剛健太郎「地球人の皆が皆、 あなた方を快く迎えるとは思えないのです」
リヒテル「一枚岩ではないですと?  地球の支配体制はそんなに脆弱なのか?」
リリーナ(…支配体制…?)
剛健太郎「…ええ。 その通りだとお答えするしかありません」
リヒテル「父上、話になりませぬ!  自らの星を満足に統治出来ぬ者達が 我々と同じテーブルにつくなどと!」
ゲロイヤー「大元帥、リヒテル様の おっしゃられる通りでございます」
リオン「こちらの一方的な都合を 地球の方々に押しつけるでない」
リヒテル「それはわかっておりますが…」
リオン「…地球の方々。我々はあなた方の 星系への移住を希望しておりますが… 今すぐにというわけではありません」
リオン「無論、双方の間で 問題が解決出来ぬようであれば、 我々はここから立ち去ります」
リヒテル(父上…!  また流浪の旅を続けられるおつもりか?)
竜崎勇「剛博士、ドーリアン外務次官。 私はリオン大元帥閣下の申し出を 受けるべきだと思います」
剛健太郎「竜崎博士…!」
竜崎勇「確かに、 10億の民を受け入れるかどうか…我々は すぐにその答えを出せはしません」
竜崎勇「しかし、 我々の方から軍や政府へ前向きに 働きかけることは出来るはずです」
リリーナ「………」
竜崎勇「そして、私はこう考えるのです…」
竜崎勇「人類は何故、宇宙に対して 限りない夢を持つのであろう…」
竜崎勇「それは、 この広大な宇宙に住むバーム星人のような 隣人を訪ねたいからではないか…」
竜崎勇「そして… 今、その隣人がここにいる。だからこそ、 私は彼らに手を差し伸べたいと思います」
リオン「おお…ありがとうございます、 竜崎大使」
剛健太郎「リオン大元帥閣下、 不幸にも地球はこれまでに異星からの 侵略を受けています」
剛健太郎「それゆえ、地球連邦政府が バーム星人の受け入れを承諾するのは 時間もかかりましょう」
リリーナ「ですが、我々使節団は 閣下のお言葉を伝え、可能な限りの お力になることをお約束します」
リオン「ありがとう…、 ありがとうございます、皆さん」
リオン「長い旅路の果てに、地球人という 素晴らしき隣人と巡り会えた幸運を バームの神に感謝します…」
剛健太郎「リオン大元帥閣下、 手を取り合い、二つの星の人々の 共存共栄を目指しましょう」
リリーナ「では、我々は地球連邦政府に 会談の結果を報告します。どうか、 おくつろぎになってお待ち下さい」
リオン「お言葉に甘えさせて頂きましょう」
竜崎勇「お口に合うかわかりませんが、 地球の飲み物を用意しました。 よろしければ、お召し上がり下さい」
リオン「では…」
ゲロイヤー「…リオン大元帥、これで 我々バーム10億の民も救われますな …さあ、カップをどうぞ」
リオン「うむ。これで我々バーム人は…」
ゲロイヤー(ククク……)
リオン「!? うぐっ!」
(ガラスが割れ、リオンが倒れる)
リヒテル「ち…父上! 父上っ!!」
リオン「……」
リヒテル「な…何と!  す、すでに息絶えて…!!」
ゲロイヤー「地球人め!  飲み物に毒を盛りおったな!?」
竜崎勇「な、何!? そんな馬鹿な!!」
リヒテル「おのれ、卑怯なり地球人!  交渉の場において、この仕打ち!  この場から生きて帰れると思うな!!」
竜崎勇「ま…待て!  これは何かの間違いだ!」
リヒテル「問答無用! 死ねいっ!」
(銃声)
竜崎勇「ぐっ…!」
(竜崎勇が倒れる)
リリーナ「竜崎博士っ!!」
リヒテル「貴様らも死して 父上にわびるがいい!!」
(銃声)
リリーナ「! ヒイロ!?」
ヒイロ「ぐっ…!」
リヒテル「ほう、見上げた度胸だ。 自らの肉体を盾にするとはな。だが!!」
ヒイロ「リリーナ、逃げろ…!」
リリーナ「!!」
(爆発、閃光)


第12話
軍神が災いを呼ぶ

〔戦域:クリュス基地周辺〕

(基地に大空魔竜が待機している)
大文字「そろそろ、 会談に一区切りつく頃だな」
サコン「ええ…」
(基地に爆煙)
大文字「!?」
ピート「会談場が!!」
ミドリ「大文字博士、 護衛のヒイロ君から通信です!  正面モニターに回します!!」
ヒイロ「非常事態が発生… リオン大元帥が何者かに毒殺された」
ピート「毒殺だと!?」
大文字「そちらの状況は!?」
ヒイロ「…バーム星人と交戦中…。 だが、剛健太郎博士とリリーナの 安全は確保した」
ヒイロ「これより、そちらに合流する」
一矢「ま、待ってくれ! 竜崎勇は… 父さんはどうなったんだ!?」
ヒイロ「………」
一矢「く、くそっ!!」
京四郎「待て、一矢!  何をするつもりだ!?」
(ダイモスが出撃)
一矢「父さんっ!  無事か!? 返事をしてくれ!!」
(アラート)
ミドリ「艦長、上空から接近する物体が!!」
大文字「!!」
(敵機が出現)
ライザ「リヒテル様、今、お助けします!」
バルバス「ガルンロール、突進だ!!」
(ガルンロールとダリが3機、基地まで移動)
リヒテル「卑怯にして愚かなる地球人よ、 聞くがいい! 余は貴様達に暗殺された リオン大元帥の子、リヒテルだ!」
健一「馬鹿な…!  誰よりも平和を愛する父さん達が、 暗殺なんて真似をするはずがない!」
リヒテル「余は正義と真実の名の下に 卑怯者、竜崎勇を処刑した!」
一矢「な、何だって!?  父さんを!?」
リヒテル「だが、これで事が収まると 思うな! 余の怒りと悲しみ、 我がバーム軍の力、思い知るがいい!」
リヒテル「全軍攻撃開始!  地球人を皆殺しにせよ!!」
一矢「よ、よくも…!  よくも父さんを…っ!!」
一矢「バーム星人!  お前達こそ生きて帰れると思うな!」
ピート「大文字博士、迎撃命令を!!」
大文字「う、うぬっ…」
ピート「このままでは、基地内の人間や 入植者達が危険にさらされます!」
大文字「やむをえん…!  大空魔竜はこの位置に固定!  非戦闘員の収容を行う!」
大文字「各機は発進!  敵を迎撃してくれたまえ!」
(ダイターン3、ボルテスV、リ・ガズィが出撃、出撃準備)
レミー「…真吾の予感が当たったわね」
真吾「まったくだ。 やっぱりロクなことにならなかったな」
レミー「は~あ… ジンクスって意外に侮れないのよねえ」
キリー「それよりも… 敵さん、すぐに部隊を送り込んでくるとは ヤケに手回しがいいな」
レミー「案外、部隊は部隊でも… 舞台袖で出待ちだったのかもね」
万丈(…なるほど。 バーム側はこうなることを 予測していたのかも知れない)
万丈(あるいは… 初めから仕組まれていたことだったか…?)
一平「……健一、気づいてるか?」
健一「ああ…」
(スカールークを指す)
ベルガン「フフフ…あれが 裏切り者のラ・ゴールが作ったという ボルテスVか」
健一「あれはスカールーク…!  間違いない、ボアザン軍だ」
めぐみ「ボアザンの生き残りが バーム星人と合流したの?」
健一「その可能性もあるが… 父さんやハイネル兄さんの話では、 ボアザン本星はまだ存在している」
一平「そこから来た連中かも 知れねえってことか?」
健一「ああ。ボアザン星を占拠していた エアロゲイターの艦隊は、バルマー戦役で 滅びているんだ…」
健一「ボアザン星人はバーム星人に協力し、 何かを企んでいるのかも知れない」
一平「やれやれ。 今回も面倒なことになりそうだぜ」
(作戦目的表示)

〈1EP〉

デスモント「フッフッフッ… ゲロイヤーめ、上手くやりおったな」
ダンゲル「うむ。後はバームとボアザンの者に 任せておけばよかろう」
デスモント「では、我々は ダリウス大帝様に作戦が成功したことを お伝えするとしよう」
(デスモント機とダンゲル機が撤退)
サンシロー「逃がすものか!」
ピート「追うな、サンシロー!  今は収容作業の時間を稼ぐんだ!」

〈3PP〉

デュオ「…今のところは何とかなるが、 小バームから援軍が来やがったら ちょっとヤバいぜ?」
カトル「ええ。上と下から 挟み撃ちにあったら、危険です…!」
サコン「大文字博士、 このままでは消耗戦になります」
大文字「わかっている。ミドリ君、 収容作業の方は?」
ミドリ「あと3分ほどで 終了するとのことです」
大文字「よし…非戦闘員や入植者達の 収容が終わり次第、火星から脱出する」
一矢「待って下さい!」
大文字「!」
一矢「俺に… 俺に父さんの仇を討たせて下さい!」
大文字「一矢君…!」
万丈「一矢、状況を把握するんだ。僕達は 小バームに頭上を抑えられているんだぞ」
一矢「だからと言って、ここで撤退したら 父さんは無駄死にじゃないですか!!」
一矢「それに、このまま火星から 逃げ出すなんて…俺は嫌です!!」
万丈「……!」
万丈「…その気持ちはよくわかるよ。 かつて僕も同じ思いをしたからね」
一矢「え!?」
万丈「だけど、僕達は生き延びて… 今回の件を地球の人達に伝える必要がある」
万丈「だから、 今は歯を食いしばって耐えるんだ」
一矢「くっ…!」
京四郎「万丈の旦那のいう通りだぜ、一矢。 基地に残ってる人間を 見捨てるわけにはいかないだろう?」
ナナ「そうよ、お兄ちゃん。 京四郎さんの言う通りよ」
一矢「…わかった…」
大文字「諸君、収容作業を終えるまで あと4分かかる。それまでの時間を 稼いでくれたまえ」
サンシロー「了解!」
一矢「ん? あれは…!?」
(ダイモスが基地の南側へ移動)
京四郎「どうした、一矢!?」
一矢「居住区に人が倒れているんだ!」
京四郎「何だって!?」
一矢「…あれは…女の子!?  君! しっかりするんだ!!」
一矢「ダメだ、気を失っている…!  仕方がない、ダイモスに収容する!」

〈vs ベルガン〉

[健一]

ベルガン「フッフッフ。 ハイネル達を退けたボルテスの力… どれほどのものか、試してやろう」
健一「やはり、ボアザン星人か!」
ベルガン「いかにも。 裏切り者のラ・ゴールと共に この異星の地で始末してくれるわ!」

[撃墜]

ベルガン「地球人め…バルマーの艦隊を 退けただけのことはあるな」
ベルガン「だが目的が達成された以上、 これ以上の戦闘は無意味だ。撤退する」
(スカールークに爆煙、撤退)

〈vs リヒテル〉

[一矢]

一矢「貴様が父さんを!!」
リヒテル「父だと? 貴様は何者だ!?」
一矢「俺の名は竜崎一矢!  貴様が殺した竜崎勇の息子だ!」
リヒテル「黙れ! 余の父は 貴様達地球人の計略で殺されたのだ!」
一矢「あの父さんが暗殺なんて真似を するはずがない! 父さんは誰よりも 平和を愛していた!」
リヒテル「問答無用! 卑怯者の息子よ!  余の手で父の後を追わせてやるわ!」

[健一]

健一「答えろ! 何故、ボアザン軍が お前達と一緒にいるんだ!?」
リヒテル「そのような事、 貴様らに答える必要はない!!」

[万丈]

万丈「そっちと戦うつもりはない… と言っても、信じちゃくれないだろうね」
リヒテル「貴様らに弁解の余地など与えん」
万丈「だったら、しょうがない…!  僕はこの星に骨を埋める気はないんでね」

[サンシロー]

サンシロー「これ以上、好きにはさせない!  ガイキングの力を見せてやる!!」
リヒテル「面白い!  地球の戦闘ロボットがどれほどのものか 見せてもらうぞ!」
サンシロー「俺は地球を守るため、 野球を捨てて、こいつに乗ったんだ!  貴様らに負けはしないぞ!!」

[ピート]

リヒテル「母艦さえ落とせば、 地球人共は撤退する! 攻撃を集中しろ」
ピート「甘く見るなよ、異星人め!  トップガン仕込の俺の腕と 大空魔竜の力、見せてやる!」

[撃墜]

リヒテル「おのれ、地球人め!」
リヒテル「余は必ずや貴様らを倒し、 父リオンの仇を討ってみせるぞ!」
(ガルンロールに爆煙、撤退)

状況選択

敵機を全滅させた
8PPになった


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