トビア「う…ううん…」
トビア「俺…生きているのか…？
こ…ここは…？」
トビア「そうか…！
カラスに撃墜されて…俺は…」
カラス「お目覚めかね、トビア君？」
トビア「その声は…カラス！」
トビア「俺をどうする気だ！？
ここはどこだ！？」
カラス「ここは既に我らの旗艦、
ジュピトリス９の中…。
君はとらわれの身というわけです」
トビア「ベルナデットはどうした！？
ベルナデットを返せ！」
トビア「彼女にひどいことをしたら
ただじゃ済まさないぞ！」
カラス「ご心配なく。君より
はるかに丁重な対応をしていますよ、
フフフフ」
カラス「それよりも、
君の処遇が決定しました」
トビア「俺は
お前なんかの生徒にはならないぞ！」
カラス「フフフ…わかっていますよ。
その代わりに…」
カラス「死刑の判決を受けて頂きます」
トビア「何だって！？」
カラス「君は海賊に
荷担していたのですからね、当然ですよ」
カラス「それに、処刑されるのは
あなただけではありません。凝った演出を
用意しておきますから、お楽しみに」
トビア「ふざけるな！
ここから出せ、カラス！」
（カラスが立ち去る）
トビア「くそう…！
こんなことで負けてたまるものか…。
待っていろ、ベルナデット…！」
ドゥガチ「…貴君の意図は理解した。
かねてからの約束通り、木星帝国は
全面的に協力しよう」
？？？「感謝する、ドゥガチ総統」
ドゥガチ「しかし、貴君が総帥として
立ったことを知れば、かつてのワシの
同志達は冥土で何を思うかな…？」
？？？「…私の決意を疑うのなら、
今回の同盟は白紙に戻させてもらう」
ドゥガチ「…冗談が過ぎたようだ。
フフフ、年をとると人の業までも
下らぬことに思えるようになってな」
？？？「…我々は早速、
政権樹立のための準備に入りたい」
？？？「今までの経験上、
現在のような状況は…」
？？？「様々な勢力が一斉に動き出す
前触れだとも考えられるのでな」
ドゥガチ「忠告として受け止めておこう」
？？？「…では、以上で通信を終了する」
（通信切れる）
ベルナデット（…あの人は…確か……）
ドゥガチ「どうした、テテニス…？
気分が優れぬか？」
ベルナデット「機械人形などに
用はありません！
本当のお父様をお出しなさい！」
ドゥガチ「フフ…ワシは本物だよ。
ワシが本物でないという
何か証拠があるのかね？」
ベルナデット「………」
ドゥガチ「それとも…」
（機械が動く）
ベルナデット「ああっ！？」
ドゥガチ「それとも…」
ドゥガチ「それとも…」
ドゥガチ「それとも…
この中のどれが本物か…」
ドゥガチ「見分けがつくというのかね？」
ドゥガチ「ワシは…」
ドゥガチ「ワシらは本物なのだよ！」
ドゥガチ「全てな！
本当のクラックス・ドゥガチなのだ！
いや…」
ドゥガチ「肉体というしがらみに
縛られぬ分、ドゥガチそのものに
より近い存在だと言える…」
ベルナデット「お…お父様が９人…！」
ドゥガチ「ドゥガチに何を望む、テテニス？
自由か？」
ベルナデット「地…地球への侵攻を
や…やめていただきたいのです！」
ベルナデット「それが木星の民に
豊かな土地を与えたいというもので
あっても決して正しい方法とは…」
ドゥガチ「フフ…フフフフフフ…」
ドゥガチ「地球侵攻？」
ドゥガチ「地球侵攻をやめろだと？
先程の会議を正確には
理解していなかったようだな…」
ドゥガチ「ハハハ…
無理もないな！ 木星帝国の国民には
そう教えておいたのだからな」
ドゥガチ「ハハハハハ…これはよい！」
ベルナデット「お…お父様…？」
ドゥガチ「テテニス…、
お前が吸っている空気は何だ？」
ベルナデット「え…？」
ドゥガチ「お前が飲んでいる水は何だ？
よく考えてみるのだな」
ドゥガチ「ここには地球から
持ってきたものは何もないのだよ！
何もな！」
ドゥガチ「フフフ…
全ては人工でまかなえる…。
ならば…！」
ドゥガチ「地球など手に入れたところで
どれほどの意味がある？」
ベルナデット「！」
ドゥガチ「テテニス…ワシはお前など
愛してはおらぬし、どこで何をして
死のうと構いはせぬ…」
ドゥガチ「だが、総統の娘であるお前が
側にいないと周りの者が余計な気を回す。
じっとしておれ。よいな？」
ベルナデット「お…お父様…お父様は
いったい何をするつもりなのです…？」
ドゥガチ「人類の支配に
地球など要らぬと言っておる…！」
ギリ「フフフフ…どうだい？
少しは本当のことを話す気になったかい？」
ザビーネ「…う…ぐ……」
ギリ「お前の目的は何だ？ ザビーネ？」
ザビーネ「わ、私の目的は…
ドゥガチ様にお仕えすること…」
（ドリル音、鞭の音）
ザビーネ「ぐおおっ！！」
ギリ「僕が聞きたいのはそんなことじゃない」
ザビーネ「ドゥガチ様の考えこそが…
き、貴族主義の理想に最も近く…
わ、私はそれを実現するために…っ…」
木星帝国兵「どうします？」
ギリ「続けろ。
こいつの本当の考えを引き出すまでは
危なくて使うわけにもいかないからねえ」
ギリ「ザビーネ、君だって
すぐに信用してもらえるなんて
思ってなかっただろう？」
バーンズ「チッ……」
ローズマリー「おや？
どうしたんだい、バーンズ？」
バーンズ「悪いが、
俺はこういうのは性に合わねえ。
いくら木星のためとは言えな」
ローズマリー「わたしゃ、こういうのは
嫌いじゃないねえ。ゾクゾクするよ」
バーンズ「大体、あのギリって子供は
何なんだ？ まるで人を人とも
思っちゃいねえ…」
ローズマリー「私も詳しくは知らない。
どうやら総統の秘蔵っ子の
ニュータイプの一人らしいよ」
ローズマリー「ドゥガチ総統が次の時代の
指導者にするべく英才教育を施した…
未来のエリート様ってワケだ」
ローズマリー「私達を指揮しているのは
いわば腕試し。まあ奴にしてみりゃ
お遊びみたいなもんなんだろう？」
ローズマリー「わたしゃ何だっていいのさ。
わたしが儲かりさえすればね」
バーンズ「……」
ローズマリー「…そろそろ例のイベントの
時間だねえ。じゃあ、私は行くよ」
バーンズ（…カラスが
捕まえたガキ共の処刑か…）
（ざわめき）
木星帝国兵「これより艦内コロシアムにて、
公開処刑を行う！」
（歓声）
トビア「いくらジュピトリス９が
でかいからって、こりゃまた
広いのを作ったもんだ…」
木星帝国兵「お前達はここで戦って死ぬのだ。
それがお前達に与えられた刑罰だ」
トビア「くそっ…！」
？？？(ジュドー)「…あんたも
カラスってオッサンに捕まったクチ？」
トビア「！ 君は…？」
ジュドー「俺？
ジュドー・アーシタってんだ」
トビア「俺はトビア・アロナクス…」
トビア「見たところ、
君は俺と同い年くらいだし、
木星の人間に見えないけど…」
ジュドー「ああ、ここに忍び込もうとして
ドジ踏んじまってさ。で、あんたと
一緒に処刑される寸前ってワケ」
トビア「忍び込むって、何のために？
君みたいな子供が…」
ジュドー「そっちこそ、どうなのさ？
木星帝国の総統の娘をさらった
宇宙海賊だって聞いてるぜ？」
トビア「総統の娘だって！？ 誰が！？」
ジュドー「ほら、
あそこの高い所にいる女の子。
確か…テテニスとか言ったっけ」
ベルナデット（トビア……！）
トビア「そ、そんな……！！
ベルナデットが…木星帝国の！？」
ジュドー「何だ、知らなかったのかよ？」
トビア（そうか…！
そういうことだったのか……）
木星帝国兵「二人とも、時間だ」
カラス「…トビア君、ジュドー君。
勝ちたまえよ」
トビア「は！？」
カラス「生き延びたまえ！ その時は
君達を私の生徒にしてあげましょう」
ジュドー「悪いけどさ、俺…勉強とか
学校とか、あんまり好きじゃないんだよ。
ついでに言うと、あんたみたいな大人もね」
カラス「構いませんよ。君達の才能を
伸ばすことが出来さえすれば…」
トビア「な…何を…？」
カラス「この世はね、トビア君…
強き者だけが生き残り、全てを
手にする権利があるのです」
カラス「弱き者は淘汰されてしかるべき
なのです。私が木星帝国に力を貸すのは
帝国の力を認めたからこそなのです…」
カラス「トビア君、ジュドー君。
君達はまだまだ強くなる」
カラス「ここで死なすには惜しい人材だと
思っているのですよ」
カラス「だから生き延びたまえ、
何としても。私の下で私の信念を
もっと教えてあげますよ…」
トビア「そりゃ、どうも…」
木星帝国兵「さあ…この銃を受け取り、
コロシアムの中央へ行くんだ！」
（トビアとジュドーがコロシアム中央へ移動）
トビア「こうなりゃヤケクソだ！
どんな奴とでもやってやらあ！」
ジュドー「俺達の相手はどこだ！
さっさと出せよっ！」
（クロスボーン・ガンダムＸ２とＺＺガンダムが出現）
ジュドー「お、俺のガンダムじゃん！！」
トビア「俺のガンダムって…？
君は一体…！？」
ジュドー「ああ、言い忘れてたけど…
実は俺、ロンド・ベル隊の手伝いを
やってんのさ」
トビア「じゃあ、カミーユさんや
コウさんと同じ部隊の…！」
ジュドー「あんた、
あの人達を知ってんの！？」
トビア「知ってるも何も…って、
そんなことで驚いてる場合じゃない！」
トビア「銃で
どうやって戦えばいいんだ！？」
ジュドー「焦らない、焦らない。
モビルスーツってったって、所詮は
機械なんだからさ」
ジュドー「狙い所でどうにでもなるって」
トビア「そんな悠長なっ！」
木星帝国兵「処刑は彼らから奪った
モビルスーツによって行われる！」
木星帝国兵「また、この戦いに
勝利した場合のみ恩赦を与えよとの
総統のお言葉である！」
トビア「どうしろってんだ！？」
ベルナデット（ああ、神様…
どうかトビアをお守り下さい…！）
（トビア達がいた位置で爆発）
トビア「うわああっ！！」
バーンズ「何をやっているんだ、
ローズマリー！ 相手はガキだぞ！
ちっとは加減してやれ！」
ローズマリー「馬鹿言うんじゃないよ！
こっちは慣れない機体でまともに
動かすだけで精一杯だよ！」
ローズマリー「加減なんて効くもんかい！」
（クロスボーン・ガンダムＸ２とＺＺガンダムがトビア達に隣接）
トビア「わあああっ！！」
ローズマリー「捕まえたよ！
さて…どうしようかね？ このままプチッと
やっても客受けが良くないだろうしねえ」
ジュドー「トビア！
マニュピレーターの隙間を狙って撃て！！」
トビア「隙間！？ そ、そうかっ！！」
（機関銃音）
ローズマリー「あはははは！
何やってんだい！ そんな所を撃ったって、
どうなるもんでもあるまい！」
（クロスボーン・ガンダムＸ２に爆煙）
ローズマリー「何！？
バルーンダミーが！？」
トビア「そいつを
誤動作させるのが狙いだった！」
ローズマリー「しまった！
モニターカメラが！ どこだ、小僧！？」
カラス「ば、馬鹿者！
ハッチを開けるな！！」
ローズマリー「何！？」
トビア「そこをどけーっ！！」
ローズマリー「きゃああっ！！」
（クロスボーン・ガンダムＸ２にトビアが搭乗）
トビア「よし！ Ｘ２は頂いたぞ！！」
ジュドー「やるじゃん！ ついでで
悪いんだけどさ、俺のガンダムも…」
トビア「わかってるっ！」
（ＺＺガンダムの後ろにクロスボーン・ガンダムＸ２が回りこむ）
木星帝国兵「な、何っ！？」
ジュドー「ダブルゼータは返してもらうぜ！」
トビア「ジュドー！」
ジュドー「よし！
さっさとここから逃げ出そうぜ！」
トビア「その前にっ！」
（クロスボーン・ガンダムＸ２がベルナデットの下へ移動）
ベルナデット「トビア！！」
トビア「へへへ…、
助けに来たぜ、ベルナデット」
ベルナデット「でも、トビア…
ごめんなさい。私は…！」
トビア「いいんだ。何も言わなくていい。
俺は君を助けに来た。それだけさ」
ベルナデット「トビア……」
バーンズ「やるじゃないか、あのガキ共！」
カラス「フフフ…素晴らしい…。
素晴らしいよ、トビア君！」
カラス「ますます君を
私の生徒にしたくなりましたよ！
ハハハハハ！」
（入り口を破壊し、クロスボーン・ガンダムＸ２、ＺＺガンダムとも脱出。敵機増援が出現）
ローズマリー「よくもやってくれたね、小僧！
逃がしゃしないよ！！」
トビア「ジュドー、
どこから脱出するんだ！？」
ジュドー「そうだな…」
（脱出口を指す）
ジュドー「あそこからだ！」
トビア「わかった！」
（作戦目的表示）
（百式とキュベレイＭｋ－IIが出現）
プル「やっぱり、ジュドーだ！
ねえ、みんな！ ジュドーがいたよ！」
プルツー「ダブルゼータに乗ってる…。
無事だったみたいだね」
ジュドー「プル！ プルツー！」
プル「ヤッホー！ 助けに来たよ！！」
ジュドー「みんな！
先に脱出したんじゃなかったのか！？」
ビーチャ「お前を見捨てて行けるかよ」
エル「単に迷ってただけだったりして」
ビーチャ「うるせえな！
余計なことを言うんじゃない！」
イーノ「そんなことより、
早くジュドーと合流して逃げ出した方が
いいと思うけど…」
モンド「そうそう。また捕まったりしたら、
シャレにならないぜ」
ビーチャ「こらこら、リーダーは俺だぜ。
勝手に命令を出すんじゃねーつーの！」
ジュドー「そんなのどうでもいいから、
早いトコ逃げようぜ！」
ビーチャ「ど、どうでもいいだと！？
俺はな、ちゃんとブライトさんから
リーダー役を仰せつかってんだぞ！」
イーノ「二人とも、今は
ケンカしてる場合じゃないって！」
トビア「あの子達は…？」
ジュドー「ああ、俺の仲間で…
一緒にここへ潜入してたのさ。
じゃ、リーダーさん、ご命令を」
ビーチャ「ん。
わかってるじゃねえか、ジュドー。
みんな、早く脱出するぞ！」
エル「って、言うことはそれなの？」
ビーチャ「お前はいちいちうるさいんだよ。
さっさとズラかろうぜ！」
ローズマリー「これ以上は、
幾ら金を積まれても御免だね！」
（敵機増援が出現）
プルツー「先回りされた！？」
ビーチャ「脱出口を塞がれた…！
あいつを倒さないと外へ出られねえぞ！」
モンド「他の脱出口を探した方が…」
ビーチャ「そんな時間はないっての！」
ベルナデット「トビア…」
トビア「大丈夫、心配いらないよ」
バーンズ「なかなかやるじゃねえか、
小僧…！ ジュピトリスの中で
こんな大立ち回りをやるとはな！」
トビア「俺達の邪魔をするのなら、
手加減はしないぞっ！！」
バーンズ「なかなかの覚悟だが…
それは俺達も同じだ！」
トビア「何！？」
バーンズ「俺達は戦争をやりたくて
やってるわけじゃない！ 戦いを
仕掛けるにはそれなりの理由があるのだ！」
トビア「理由…！？」
バーンズ「地球で何の疑問も持たず、
のうのうと息をしている奴らには
永久にわかるめえ！」
バーンズ「俺達が
どれほど地球に焦がれてきたか！」
バーンズ「俺達は空気ですら作らなければ
ならないほど貧しいんだ！
それが宇宙で生きるということだっ！」
トビア「……！」
ジュドー（俺、あの人が言っていること
わかるような気がするな…）
バーンズ「他にどうしようもねえから
やるんだ！ 水の分量を定め、
呼吸さえ切りつめて…！」
バーンズ「もうギリギリだ！
元々、木星にそんなものはないんだ！」
バーンズ「人類が住めもしねえ宇宙に
広がり出した代償がこれだ！」
バーンズ「俺達が豊かに暮らそうと
思えば…盗ってくるしか！
…いや、取り戻すしかないんだっ！」
バーンズ「水を！ 空気を！ 緑を！
人の生きる全てを持つ母なる大地…
地球をだっ！！」
トビア「う……！」
ジュドー「おじさん！ あんたのいうこと、
少しはわかるような気もするけど…」
ジュドー「そのために、多くの人が
犠牲になっていいわけないだろ！」
バーンズ「それはお前達の理屈だ！
俺達は今まで大きな犠牲を払ってきた！！」
バーンズ「地球圏のために
極限の状況下でヘリウム３を採取し！
命がけでそれを運び！」
バーンズ「酸素基地で働いていた
俺の息子は事故で死んだんだ！」
トビア「！！」
バーンズ「だが、
その見返りにお前達が俺達に
与えたものは何だ！？」
バーンズ「あの超重力崩壊が起きた時、
お前達は何をした！？」
ジュドー「！」
バーンズ「イージス計画とやらで
地球圏を守っただけだろうが！」
ジュドー「そ、それは…！」
バーンズ「俺達は衝撃波すら自分達で
何とかしなければならなかったんだっ！！」
ビーチャ「…あんたらの理屈はわかったよ。
だけどな、それを聞いて引き下がる
ぐらいなら…」
ビーチャ「俺達は
初めからこんな所に来てねえっての！」
バーンズ「フン…そうだな。ここまで来たら、
実力で主張を通すしかねえ…！」
バーンズ「お前達にも守るべきもの、
戦う理由があるのなら……
ここを突破してみせろ！」
ジュドー「ああ！ 行くぜ！！」
（作戦目的表示）
トビア「バーンズ大尉っ…！！」
バーンズ「覚えておけ、小僧！
俺の息子のような不幸な者を
出さぬためには！」
バーンズ「俺達木星人は
地球圏へ進出するしかねえんだ！！」
バーンズ「やるな、小僧共…！
だが、ここがジュピトリスの中だって
ことを忘れるんじゃねえ！」
プルツー「まだ敵の増援が
現れるってこと…！？」
トビア「バーンズ大尉！！」
バーンズ「…俺はお前らが嫌いじゃねえ。
どこか…死んだ息子に似てやがるからな」
バーンズ「だから、
お前らがどうしてもってんなら
ここは見逃してやっても構わねえ…！」
エル「ホ、ホント！？」
バーンズ「だが、テテニス様は置いて行け！
それが出来ねえってんなら、
ここで俺がお前達を殺すっ！」
トビア「ふざけんな！
こんなとこにベルナデットを
置いて行けるか！」
トビア「そんなことは絶対に…！！」
ベルナデット「待って！
トビア…私はここに残るわ…」
トビア「ベルナ…デット？」
ベルナデット「ううん、あなたの言うことを
信じないんじゃない…怖いんじゃない」
ベルナデット「だけど、トビア…
私の目的はこの戦争を止めること…
お父様を説得することだったのよ」
ベルナデット「そのためには
ここにいた方がいいと…
いえ、いるべきなのだわ」
ベルナデット「わかって。
今、お父様を止められるのは…
私しかいないの」
トビア「だけど！」
ベルナデット「大丈夫よ。
私はここのお姫様だもの」
ベルナデット「ありがとう、心配してくれて。
本当に嬉しかった。それでね…
それでも、もし……」
ベルナデット「私が怖い目に遭う時が
あったら…その時はもう一度助けに来て」
トビア「！」
ベルナデット「…信じてるよ…」
バーンズ「早く行きやがれ、小僧共！
俺が時間を稼ぐのにも限界がある！」
ジュドー「トビア！」
トビア「わかってる…！ 行こう！！」
（トビア達が撤退）
ベルナデット（…もう一度……）
ベルナデット（もう一度
地球で会おうね……絶対に………）
モンド「メガライダー、離脱成功だぜ」
ビーチャ「追っ手は？」
モンド「いないよ。
あのバーンズって人のおかげかな」
ビーチャ「…仕事はひとまず終了か。
みんな、ご苦労だったな」
プル「ねえねえ、お風呂入っていい？」
ビーチャ「風呂だぁ？
いつの間にそんなもんを…」
プル「このメガライダーが来た時、
アストナージに頼んで付けてもらったんだ」
ビーチャ「…あの人も何やってんだか」
プル「…覗いちゃダメだよ？」
ビーチャ「誰が覗くか！
エマ中尉やフォウだったらともかく！」
エル「さいってぇ～！」
プル「ね、プルツー…一緒に入ろ！」
プルツー「あたしは後でいいよ、プル」
プル「わかった！ じゃ、先に入るね！
プルプルプルプル～！」
（プルが立ち去る）
ビーチャ「…やれやれ、
一時はどうなることかと思ったけど…
上手く逃げられて良かったな」
イーノ「そうだね」
ビーチャ「ま、これも俺の
リーダーシップのおかげってことで」
エル「な～に言ってんの！ あんたが
この艦のジャンクパーツを持って
帰ろうとしたのが原因じゃないの！」
ビーチャ「いくら調査が目的でも、
手ぶらで帰っちゃシャングリラ魂が
すたるんだよ！」
エル「そのおかげであたし達の
モビルスーツは見つかるわ、ジュドーは
捕まるわで大変だったんだから！」
ジュドー「まあまあ、お二人さん。
結果オーライってことで」
エル「あんたがそう言うんなら、
いいけどさ…」
トビア「あの……みんな、ありがとう。
おかげで助かったよ」
ジュドー「いいって、いいって。
ああいうの放っておけないんだよ、俺」
トビア「え…？」
ジュドー「ベルナデット…だったっけ？
必ず助け出してやろうな」
トビア「う、うん…」
イーノ「ジュドー、ビーチャ。
ロンデニオンのブライト艦長から
通信が入って来たよ」
ビーチャ「おう、モニターに回してくれ」
（通信）
ブライト「…ご苦労だったな、ビーチャ。
それで、調査の結果は？」
ビーチャ「残念ながら、ブライトさんや
アムロさんの予想通りだったぜ」
ブライト「そうか…。
ジュピトリス９がいたポイントは？」
ジュドー「Ｚ２２３５だよ。他に
ネオ・ジオンの戦艦もいた。そいつらは
サイド３へ行ったみたいだけど…」
ブライト「やはりな…」
ビーチャ「…ブライトさん、
俺達、このままネオ・ジオンを追おうか？」
ブライト「いや、お前達の任務はこれまでだ。
ロンデニオンへ帰還してくれ」
ビーチャ「それ、どういう意味だよ？」
ブライト「これ以上、お前達を
戦いに巻き込むわけにはいかん。
後は我々に任せるんだ」
ジュドー「ちょっと！
今さらそんな水くさいこと
言いっこなしだぜ、ブライトさん！」
エル「そうだよ。
前はお休みもらっちゃったから、
今回はあたし達も働くって」
プルツー「今は少しでも
戦力が必要な時なんでしょ？」
ブライト「お前達……」
ジュドー「俺達だってロンド・ベル隊の
一員なんだ。それに、ダブルゼータに
俺が乗らなくってどうすんの？」
ブライト「いいのか、ジュドー？」
ジュドー「また大きな戦いが起きる…。
リィナが安心して暮らせるために、
俺も何かをしたいんだ」
ジュドー「それに、あの人が
何を考えているか知りたい…」
ジュドー「何で俺達を裏切り、
木星帝国なんかと手を結んだのかを…！」
ブライト「ジュドー…」
ビーチャ「ってことで、俺達
シャングリラチームは引き続き
ロンド・ベル隊に協力させてもらいます！」
ブライト「…わかった。
ならば、すぐにロンデニオンへ戻ってくれ」
ブライト「こちらにはアルビオンや
大空魔竜、マザー・バンガードも来ている」
イーノ「じゃあ、ロンド・ベル隊の
戦力を立て直すんですね？」
ブライト「そうだ」
ビーチャ「了解！
直ちにロンデニオンへ帰還します！」