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アンチボディ ゼンガー ~ 第8話 ~

《移動中・JAPANESE AREA》

[大空魔竜・ブリッジ]

大文字「…そうか 真田博士は亡くなられたか……」
サコン「はい……」
大文字「お会いしたことはなかったが… 惜しい方をなくした」
サコン「ええ。 真田博士の研究成果は宇宙開発に 多大な功績を残しました」
サコン「それ故にドクーガは 博士を狙ったと思われますが、問題は…」
大文字「あの移動要塞とロボット…。 そして、それらから発生した 謎のエネルギーだな」
サコン「…データを色々と検証しましたが、 不明な点が多すぎます。少なくとも、 既存のエネルギーではありません」
大文字「それが あの移動要塞が行った瞬間移動と 何らかの関係があるというわけだね?」
サコン「はい。それに… 私は今回の事件が後々で大きな影響を 及ぼすような気がするんです」
大文字「ふ~む…。 君が言うのだから、余程のことだな」
大文字「よし、 一度GGGに問い合わせてみよう。 獅子王博士なら、何かご存じかも知れん」
(通信)
ミドリ「大文字博士、 付近を航海中のノヴィス・ノアから 通信が入っています」
大文字「ノヴィス・ノア?  対リクレイマー用に建造された戦艦か。 …それで、用件は?」
ミドリ「連携行動を取るため、こちらと コンタクトを取りたいとのことです」
大文字「ふむ…。彼らは軍属ではなく、 GGG同様に連邦政府直轄のはずだ。 それが何故、我々に…?」
ピート「おそらく、 先方も戦力不足なんでしょう。だから、 我々の協力を必要としているんです」
ピート「それに… 極東支部の三輪長官を通せば、 話が複雑になるだけですからね」
大文字「なるほどな」
サコン「博士、これはいい機会です」
サコン「ノヴィス・ノアの人間に会えば、 オルファンのことが詳しくわかるかも 知れません」
大文字「うむ。 我々としてもリクレイマーの存在を 無視するわけにはいかんからな」
大文字「では、ピート君… ノヴィス・ノアと合流するぞ」
ピート「了解です」

[大空魔竜・休憩室]

「おい、どういうことだ!  何で寄り道なんかするんだ!?」
ブンタ「そ、そんなことを僕に言われても 困りますよ。博士の決定なんですから」
「チッ…冗談じゃねえぜ!」
「そんなワケのわからねえ艦と 合流してる暇があるんなら、さっさと 邪魔大王国の本拠地を捜せってんだ!」
美和「宙さん、 子供みたいなことを言わないで。私達の敵は 邪魔大王国だけじゃないのよ?」
「言っとくがな、ミッチー。俺は奴らを 倒すためにこの大空魔竜へ乗ったんだ」
「ドクーガだかリクレイマーだか 知らねえが、そんな連中と戦ってる余裕は ねえんだよ!」
美和「…わかったわ、宙さん。 あなたが大空魔竜へ乗った本当の理由が…」
「本当の理由だと!?」
美和「あの時、鉄也さんに言われたことが 悔しかったんでしょう? だから、 その当てつけでここにいるんだわ!」
「うるせえ!  あんな奴のことなんか関係ねえ!」
「こうなったら、俺一人でも邪魔大王国の 本拠地を探し出してやるぜ!」
(扉が開閉する)
美和「宙さん!!」
ブンタ「どうやら、図星だったみたいですね」
美和「………」
ブンタ「大丈夫、 ここは海の上です。飛び出そうったって、 そう簡単にはいきませんよ」
美和(…だといいんだけど……)

《日本近海・JAPANESE AREA》

[ノヴィス・ノア・ブリッジ]

ゲイブリッジ「皆さん、 ノヴィス・ノアにようこそ」
ゲイブリッジ「私がこの艦の責任者、 ウィンストン・ゲイブリッジ… そして、こちらが…」
アノーア「本艦の艦長、 アノーア・マコーミックです」
大文字「早速ですが、オルファンに関する ご説明をお願いします。我々の方では、 報道程度の情報しかありませんので」
ゲイブリッジ「わかりました」
ゲイブリッジ「…オルファンとは、 太平洋の海溝に沈んでいる 巨大な遺跡のことです」
ゲイブリッジ「そして、研究のために オルファン内部へ入り込んだ者達は リクレイマーと呼ばれています」
サコン「リクレイマーの目的は オルファンの浮上だと聞いていますが…」
サコン「その影響として考えられるのは、 大規模な津波だけなのですか?」
ゲイブリッジ「鋭い質問だな、 サコン・ゲン君。噂どおりの天才だ」
ゲイブリッジ「…オルファンが 浮上した時、地球上の生命は 全て死に絶えると言われている」
ピート「な、何だって…!?」
大文字「生命が…全て!?」
ゲイブリッジ「ええ。オルファンに オーガニック・エナジー…つまり、 生体エネルギーを吸収されてね」
大文字「それは本当なのですか?」
アノーア「…一部の学会では、 信憑性が高い説だとされています。 政府や軍上層部は信じていませんが」
ゲイブリッジ「彼らは オルファン浮上の際に発生する大津波を やり過ごしたいだけなのだ」
サコン「では、あなた方の目的は?」
アノーア「このノヴィス・ノアと ブレンパワードでリクレイマーを 監視し……」
アノーア「オルファンの浮上を 阻止することです」
大文字(オルファン問題…。 今の話が事実だとすれば、予想以上に 深刻だな…)
(通信)
ミドリ「…大文字博士、 三輪長官から通信が入っています。 至急、大空魔竜へお戻り下さい」
大文字「…やれやれ、忙しいことだ。 すぐに戻るよ、ミドリ君」

[大空魔竜・ブリッジ]

三輪「大文字博士、地下勢力の 本拠地捜索任務は進んでおるのか?」
大文字「…申し訳ありません。 現在、リクレイマーやオルファンの件で ノヴィス・ノアと接触していまして…」
三輪「言い訳など聞く気はない!」
大文字「!」
三輪「ワシは オルファンやリクレイマーなどに 構うなと言ったはずだ!」
大文字「…しかし、 彼らを放っておくわけにはいきません」
大文字「オルファンの浮上が原因となった 津波によって、日本の沿岸地帯は…」
三輪「貴様らに好き勝手動かれると 軍の統制が乱れるのだ! 前任の 岡の時と同じにしないでもらおう!」
大文字「………」
三輪「いいか!? 大空魔竜戦隊は 何としても地下勢力の本拠地を発見し、 これを破壊しろ! もはや猶予はない!」
大文字「…わかりました。では…」
(低いアラート)
ミドリ「博士、 ノヴィス・ノアより緊急通信です!」
ミドリ「付近の地上に 『プレート』が出現! 高速で 日本の沿岸へ向かっているそうです!」
大文字「何!? 行き先はどこだ?」
ミドリ「藤沢地区… 真田博士の研究所があった所です!」
大文字「何!?」
サコン「博士、プレートを追って リクレイマーが現れると思われます」
サコン「あるいは、プレートと 真田博士が研究していたものとの間に 何らかの関係があるのか…」
大文字「むう…!」
ミドリ「なお、ノヴィス・ノア側の 『ブレンパワード』は調査任務中のため、 合流が遅れるとのことです!」
大文字「ならば、我々が行くしかないな。 ピート君、出撃準備を!」
ピート「了解!」
三輪「何だと!? どういうつも…」
(通信)
ミドリ「申し訳ありません、大文字博士。 通信装置の調子が良くなくて…」
大文字「すまんな、ミドリ君」
ピート「涼しい顔してよくやるぜ」
ミドリ「何か言った?」
ピート「いや、別に。 …博士、大空魔竜スタンバイOKです!」
大文字「よし。 では、プレートを追ってくれたまえ!」


第8話
アンチボディ

〔戦域:真田邸周辺〕

(グランチャーが2機出現、プレートを指す)
「どうやらプレートは あの場所に落ち着いたようだな」
カナン「そうみたいね。 それより、勇…身体は大丈夫なの?」
「カナンこそ、どうなんだ?」
カナン「勇のような無茶はしないわ」
「…あれもビー・プレートか?」
カナン「どちらにしても、 プレートは全て回収でしょう?」
「カナンは真面目だな…」
カナン「え…?」
「そんなにオルファンに 認められたいのか?」
カナン「あたしはグランチャーの パイロットになれたことを誇りに 思っているのよ」
カナン「…それに オルファンのリーダーがご両親の 勇とは身分が違うでしょ」
「そんなの関係ないだろ」
カナン「! 待って、 プレートの近くに人がいるわ!」
「何…!? この辺りには ドクーガの一件で避難勧告が 出ているはずだろう!」
カナン「勇! プレートが…」
(プレートの傍に比瑪達がいる)
比瑪「それ以上、こっちに来て いったいどうするつもりなの!?」
アカリ「比瑪姉ちゃん…!」
(ブレンパワードとの共鳴)
クマゾー「お、音がしたも!!」
ユキオ「な、何が起きるの!?」
比瑪(プレートからアンチボディが 生まれる…!? テレビで言ってた リバイバルって、このこと…!?)
(ブレンパワードのリバイバル。リバイバル・プレートが消滅してヒメ・ブレンが出現)
クマゾー「うああ…!」
ユキオ「グランチャーって奴が 出来たんだ!」
アカリ「嘘だぁ!  あれさ、悪い奴じゃないの!?」
比瑪「そういうのって、わかってないみたい… グランチャーっていうのと違うわ!」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「この子…! この子って…!」
クマゾー「比瑪姉ちゃん!」
比瑪「この子…優しい目をしてるよ」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「ほらね、見ててごらん」
ユキオ「でもさ!」
比瑪「この子…… 生まれたばかりの赤ちゃんなのよ!」
アカリ「これで赤ちゃん…!?」
比瑪「この子は誰かに 面倒見てもらいたがってんでしょ?」
クマゾー「それに乗っちゃ駄目だよ!  比瑪姉ちゃん!」
(比瑪がヒメ・ブレンに乗り込む)
比瑪「…ポカポカしてる…。 スベスベしてるのに、柔らかいなんて…」
比瑪「外が見える!?」
ヒメ・ブレン「『ドウスレバイイノ?』」
比瑪「…色んな言葉があった…。 あなたはどうしたいの? 生まれたのなら あなた何かしたいんでしょ?」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「立てば? 立ってから考えましょ!」
ヒメ・ブレン「………」
(ヒメ・ブレンが空中に浮き少し南へ移動)
比瑪「立てたのよ、あなた…落ち着いて。 あなたはちゃんと歩けるわ!  さあ、自信を持って!」
「プレートからリバイバルしてる。 カナン、グランチャーじゃないぞ!」
カナン「あのブレンパワードに アジャストした人がいるんだ。 誰なの!?」
(カナン機と勇機がヒメ・ブレンの所へ移動)
比瑪「別のアンチボディ…?  あれはテレビで見てるのみたい…。 あれ、君の仲間なの?」
「ブレンパワードを動かしている…!」
カナン「破壊するよ、勇。 ブレンパワードにリバイバルしたら、 破壊するのが規則だ!」
「…!」
比瑪「あれがテレビで言ってた グランチャーなら…」
「ブレンパワードに乗っている奴!」
比瑪「誰の声!? どこなの!?」
「ブレンパワードのことを知らないのに 乗るんじゃない!」
カナン「すぐに降りなさい。 不完全なアンチボディは危険なんです!」
比瑪「この子、言うこと聞いてくれるわ!  お節介はいいわ!」
「マスコミの言うことなんか 聞いてどうする! ブレンパワードは 使っちゃいけないんだ!」
比瑪「!!」
(ヒメ・ブレンがリバイバルした位置まで戻り、着地)
比瑪「ユキオ、アカリ、クマゾー! この子の 中に入って! ここを離れるから!」
ユキオ「う…うん!」
(ヒメ・ブレンが空中に浮き、北へ移動)
「まずは足を止める!」
(勇機がヒメ・ブレンに隣接)
【強制戦闘】
[ブレードヒルト]vs比瑪[反撃不可能]
(ヒメ・ブレンはチャクラシールドのおかげでダメージ0)
カナン「あのブレンパワード、 力がある…!?」
カナン「いったいどういうこと…?  オルファンのブレンは魂のない 人形でしかないのに…!」
「貴様!」
比瑪「生まれた子が 立ち上がって飛びたがってたのよ!」
比瑪「それなのに、あなた達が来たおかげで びっくりして怖がってるわ!」
「怖がってる……だって?」
比瑪「あなた達こそ、いったい何なの!?」
「グランチャーで オルファンの意志を表す者だ!」
比瑪「何よ、カッコつけて!  オルファンなんて、 海の中にある変な遺跡でしょ!?」
比瑪「女の顔をしてるとか、 地球を壊すとかってさ!」
「ペラペラうるさい女が いい加減なことを言うな!」
比瑪「あたしは! 『女』じゃないわ!  宇都宮比瑪っていうのよ!」
比瑪「そっちこそ、変な物を使って プレートを回収してるらしいけど… 何でさ!?」
「オルファンが必要としているからだ!」
カナン「勇、下がりましょう!  後続の部隊も来てくれているわ!」
「ブレンパワードは 不完全なアンチボディなんだろ!?」
カナン「それに子供を盾にしているのよ!」
比瑪「盾!?  誰が弟や妹達を盾にするもんですか!!」
クマゾー「ヒ、比瑪姉ちゃん…!」
比瑪「クマゾー、ユキオ、アカリ!  ここから逃げるわよ!」
(ヒメ・ブレンが少し後退する、作戦目的表示)

〈2PP〉

(あいつ…何でリバイバルしたばかりの ブレンパワードを使えるんだ…!?)
(ブレンは不完全なアンチボディの はずじゃなかったのか…?)
カナン「勇、どうしたの?  また拒絶反応なの?」
「…いや、何でもない」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「! どうしたの、君?  何か来るの!?」
(敵機増援が出現)
クマゾー「グランチャーがいっぱい来たも!」
アカリ「ヒ、比瑪姉ちゃん!」
「あのグランチャー… ジョナサン・グレーンか!」
ジョナサン「勇か…」
「ジョナサン、どういうつもりだ!  命令違反だぞ!」
ジョナサン「オルファンが やろうとしていることを邪魔する奴は 全て排除する」
ジョナサン「戦力に余裕があるなら、 なおさらな」
カナン「クインシィ・イッサーの命令は プレートの回収だけのはずよ!」
ジョナサン「カナン… お前は黙って伊佐未ファミリーに 尻尾を振ってりゃいいんだよ」
カナン「!」
「ジョナサン、貴様…!」
ジョナサン「やるのか、勇?  それこそ、命令違反になるぜ?」
(グランチャーの拒絶反応)
「く…ううっ…!」
カナン「勇! 大丈夫!?」
「心配しなくていい、カナン…。 いつもの拒絶反応だ…」
ジョナサン「無理をするなよ、勇。 プレートを回収したんなら、 とっととオルファンに帰りな」
ジョナサン「クインシィ・イッサーが お待ちだぜ?」
「姉貴は関係ない!」
カナン「勇…あなたの身体のこともあるわ。 オルファンに帰還するわよ」
「いや、まだやれる。 あのブレンパワードが気になるんだ」
ユキオ「比瑪姉ちゃん!  これじゃとても逃げられないよ!」
比瑪「どうしよう…このままじゃ…」
(大空魔竜が出現、出撃準備)
比瑪「な、何なの!? あの船…」
クマゾー「でっかい恐竜だも!  鳴いてるも!」
ピート「あれは…ブレンパワードか?」
サコン「ああ、まだ生まれたてらしいな」
ピート「ブレンパワードなら、 リクレイマー…つまり、敵じゃない。 大文字博士、どうします?」
大文字「無論、救出する。 各機にその旨を伝えてくれたまえ」
ピート「了解!」
比瑪「あの人達、私を助けてくれるの!?」
甲児「なあ、一矢。 宙の奴がどこへ行ったか知らねえか?」
一矢「そう言えば、 出撃前から姿を見ていないな」
鉄也「……!」
ブンタ「も、もしかして…?」
竜馬「美和さん、彼はビッグシューターに 乗っていないのか?」
美和「ご、ごめんなさい…実は……」
鉄也「…奴は大空魔竜から降りたのか?」
美和「…そ、それは…」
ピート「いない奴の話をしても仕方がない!  各機、攻撃を開始するんだ!」
ジョナサン「フン…来るか」
ジョナサン「よし、伊佐未ファミリーに 俺達の力を知らせるいい機会だ!  存分にやれよ!」
(作戦目的表示)

〈vs 勇〉

[比瑪]

「そのブレンパワードから降りろ!」
比瑪「何よ、偉そうに!  グランチャーっていうアンチボディが 世界中でプレートを集めてるらしいけど…」
比瑪「どうしてだかわからないって ニュースで言ってたわ!」
比瑪「けど、 あんたみたいのがグランチャーに 取りつかれてやってるのよ!」
「!!」
比瑪「何でさ!?」
「オルファンの意志を表すためだ!!」

[撃墜]

(グランチャーの拒絶反応)
「うぐ…! 拒絶反応が…!」
(勇機が撤退)
比瑪「…あの子、行っちゃった…」

〈vs カナン〉

[比瑪]

カナン「そのブレンから降りなさい!  危険なのよ!」
比瑪「この子を見捨てろってこと!?  そんなこと出来るわけないじゃない!」

[撃墜]

カナン「いけない…!  これではグランチャーを失うことになる!」
(カナン機が撤退)

〈2EP〉

美和「宙さん、応答して!  どこへ行ったの!? 宙さん!!」
(………)
(…あばよ、大空魔竜。俺は俺のやり方で 邪魔大王国の本拠地を捜す)
(鋼鉄ジーグなんかにならなくても、 それぐらいは出来るぜ)

〈3PP〉

クマゾー「比瑪姉ちゃん!  あそこ! あそこ見るだも!」
比瑪「! あ、あれは…!?」
(真田邸西側の通路上に少女)
少女「あ…ああ……!」
甲児「子供!?」
ミドリ「大文字博士!  街の中に逃げ遅れた子供がいます!」
大文字「何だと!?」
少女「た、助けて……!」
サンシロー「まずいぜ!  あの子を助けてやらなきゃ!!」
ファン・リー「だが、俺達が行けば 敵を引きつけてしまうだけだ」
サンシロー「じゃあ、 このまま見捨てろっていうのかよ!?」
ファン・リー「違う。 方法を考えろと言っているんだ」
一矢「く…!」
京四郎「待て、一矢! 何をする気だ!?」
一矢「トライパーであの子を助けに行く!」
京四郎「馬鹿なことを言うな!  狙い撃ちされるぞ!」
鉄也「美和、俺の声を奴のペンダントへ 送ることは出来るか?」
美和「え、ええ…!」
鉄也「なら、やってくれ」
美和「わ、わかったわ」
鉄也「…司馬宙、聞こえているか?  応答しろ」
(! 剣鉄也か…!?)
鉄也「貴様に少しでも意地があるのなら、 応答しろ。ないのなら、さっさと消えろ。 意気地なしに用はない」
「誰が意気地なしだと!? ふざけるな!」
鉄也「だったら、 そうじゃないってことを証明してみせろ」
「何…!?」
鉄也「お前の近くに逃げ遅れた子供がいる。 その子を助けるんだ」
「悪いが、他を当たれ。 俺はもう大空魔竜には…」
甲児「バカヤロウ、そんなことを 言ってる場合か! 今の状況じゃ、 てめえにしか出来ねえんだ!!」
「!!」
甲児「それとも何か!?  てめえの勝手な都合で、その子を 見殺しにするってのかよ!?」
「くっ! 俺は……俺はっ!!」
(サイボーグ宙が出現し、少女のところまで移動)
少女「!!」
「助けに来たぞ!」
美和「ひ、宙さん…!」
豹馬「あいつ…!」
甲児「ヘッ、思ったとおりだぜ。 口じゃ、ああだこうだ言ってやがるが…」
甲児「ああいうのを 見逃せねえ奴だってことは、 長野の時でわかってたぜ」
竜馬「ああ、そうだな」
鉄也「フッ…」
(サイボーグ宙の傍のビルに爆煙)
少女「ああっ!」
鉄也「いかん、ビルが崩れるぞ!!」
「しまった!?」
ゼンガー「!!」
(グルンガスト参式が高速でサイボーグ宙の所まで移動し、サイボーグ宙とビル間に入る。ビルに爆煙と衝撃)
「あんた…! 自分を盾にして…?」
ゼンガー「気にするな。 当然のことをしたまでだ」
ゼンガー「…それに、 俺はもうあの時と同じ想いを するつもりはない…」
ゼンガー「…二度とあんな想いは…」
「あ、あんた…」
ゼンガー「その子は俺が預かる。 だから、お前は行け……」
ゼンガー「お前の戦場へ… お前が倒すべき敵の所へ」
「…………」
「いや、どうやら俺の戦場は あんた達と同じ所のようだぜ」
ゼンガー「!!」
「母さんとまゆみを守れても… 俺達の世界が滅びちまったら、 何の意味もねえからな」
ゼンガー「お前…!」
「ミッチー!  俺にジーグパーツをくれ!!」
美和「! 宙さん…!!」
「いいから、早く!!」
美和「わ、わかったわ!!」
(ビッグシューターがサイボーグ宙に隣接)
美和「宙さん、行くわよ!  ジーグパーツ、シュートッ!!」
「ビルドアァァァァップ!!」
(鋼鉄ジーグが出現し、ビッグシューターと合流)
甲児「宙!  サボってた分、ちゃんと働いてもらうぜ!」
鋼鉄ジーグ「てめえこそ、 手を貸してやるから感謝しやがれ」
甲児「チェッ、口の減らねえ野郎だぜ」
鋼鉄ジーグ「それはお互い様だろうが?」
甲児「ヘヘッ、違いねえ」
鉄也「よし、甲児君…宙!  この地域からあいつらを叩き出すぞ!!」
鋼鉄ジーグ「おう!」
甲児「行くぜっ!!」
(作戦目的表示)

〈少女救出後にゼンガーが戦闘〉

ゼンガー「まだ向かってくるか…!」
ゼンガー「ならば、 容赦はせんぞッ!!」

〈シラー機撃墜〉

シラー「いかん!  これ以上は幾らグランチャーでも…!」

〈vs ジョナサン〉

[比瑪]

ジョナサン「潰れろ、ブレンパワード!」
比瑪「な…! 何なの、こいつ!?」

[撃墜]

ジョナサン「ちっ、遊びが過ぎたか。 撤退する!」
(撤退)

〈敵機全滅〉

豹馬「ふう…終わったか」
鋼鉄ジーグ「あいつら… いったい何者なんだ?」
甲児「ああ、リクレイマーって言ってな、 セロハンだかオルファンだか知らねえが… そこから来た連中だ」
鋼鉄ジーグ「オルファン?  親父から聞いたことがあるぜ。 確か、海の中の遺跡だったか?」
甲児「そう、それそれ」
鉄也「今までも 連邦軍とリクレイマーの間で 何回か小競り合いがあったが…」
鉄也「あれだけの数が 出てきたのは初めてだな」
竜馬「ああ。彼らはプレートという物体を 捜しに来ているらしいが…」
(東端からナンガとラッセが出現)
ナンガ「…やれやれ、もう終わっていたか」
ラッセ「ああ。連中のお手並み拝見…とは いかなかったな」
ユキオ「比瑪姉ちゃん、あれ…」
比瑪「あれもブレンパワードなの…?」
ナンガ「ほう…ブレンにリバイバルしたか。 彼らがいなけりゃ、危ない所だったな」
ラッセ「アジャストしたのは…女か?」
比瑪「あの人達は……?」
ミドリ「大文字博士、あれはノヴィス・ノアの ブレンパワード隊です」
大文字「うむ。 では、彼らと一緒にノヴィス・ノアがいる ポイントまで向かおう」
ピート「了解。大空魔竜、発進します」

《日本近海・JAPANESE AREA》

[ノヴィス・ノア・ブリッジ]

比瑪「…だいたいの事情はわかりました」
アノーア「理解が早くて助かるわ」
ゲイブリッジ「そこで、宇都宮比瑪君… 君に頼みたいことがある」
比瑪「何でしょう?」
ゲイブリッジ「ブレンパワードの力は まだ未知数だ。もしかするとオルファンの 秘密を解き明かす鍵になるかも知れない」
ゲイブリッジ「だから、 ノヴィス・ノアとしてはブレンに認められた 君に是非とも協力をお願いしたい」
比瑪「それって…さっきのグランチャーと 戦えってことですか?」
ラッセ「その答えでは50点だな」
ナンガ「今となっては、俺達の敵は リクレイマーだけじゃなくなった」
アノーア「最近の日本地区に起きている異変… あなたも知っているでしょう?」
比瑪「ええ…。 だから、あたし達は逃げ回って…」
ゲイブリッジ「…どうかね、宇都宮比瑪君?  このノヴィス・ノアに乗ってもらえると、 我々としては非常に助かるのだが」
比瑪「………」
比瑪「今、地球圏全体が どういう状況になっているのか… 把握は出来てませんけど…」
比瑪「何かが おかしいってことぐらいはわかります。 私に出来ることがあるなら手伝います」
ナンガ「では、決まりだな」
ラッセ「ああ。歓迎するぜ、比瑪ちゃん」
比瑪「その代わり… 私のお願いを一つ聞いてもらえませんか?」
アイリーン「子供たちのことね?」
比瑪「あなたは…?」
アイリーン「アイリーン・キャリアー。 このノヴィス・ノアの船医を務めているの」
比瑪「…アイリーンさん、皆さん…。 出来れば、この子達を…」
ユキオ「………」
アカリ「………」
クマゾー「………」
比瑪「この子達はひだまりの館から ずっと一緒なんです」
比瑪「お願いします。この子達も ここに置いてもらえませんか?」
クマゾー「比瑪姉ちゃんと離れたくないも!」
アカリ「そうよ、そうよ」
ユキオ「アカリ、クマゾー。わがまま言って 比瑪姉ちゃんを困らせちゃダメだぞ」
アカリ「でも…でも…」
比瑪「お願いします。この子達だって、 炊事や洗濯の手伝いぐらい出来ます」
ゲイブリッジ「…どうするかね、艦長?」
アノーア(…子供を…戦艦に乗せるなんて)
アイリーン「いいんじゃありません?  彼女のブレンは、この子達との接触で 何かを学んだのかも知れません…」
アイリーン「それに、人手は必要でしょう?」
アノーア「……わかりました。 いいでしょう」
比瑪「あ、ありがとうございます!  ほら、あんた達もお礼を言って!」
クマゾー「ありがとうだも!」
アイリーン「その代わり、 ちゃんと働いてもらうわよ?」
アカリ「はーい!」
アノーア「…では、ゲイブリッジさん。 これより、ノヴィス・ノアは 東京湾上のGGG本部へ向かいます」
ゲイブリッジ「了解した」

[大空魔竜・ブリッジ]

ピート「…これからGGGへ行くのですか?」
大文字「そうだ。今後、我々が地下勢力との 戦いに専念することになれば…」
大文字「リクレイマーの件は 彼らやノヴィス・ノアに任せねばならん」
ピート「なるほど。 それで、三輪長官抜きでGGGとのパイプを 持っておこうと言うわけですね」
大文字「ああ。 連邦軍は各方面における地下勢力や ドクーガとの戦闘で手一杯だからな」
大文字「後に大きな作戦が控えている以上、 過度な援助は期待できん」
ピート「…ええ。三輪長官も戦力を不必要に 割くつもりはないでしょうからね」
大文字「それに、 つまらぬ縄張り争いは極力避けたい」
大文字「いずれはロンド・ベル隊の力を 借りねばならぬ事態が起きるかも 知れんからな……」

[大空魔竜・ブリーフィングルーム]

ゼンガー「…記憶喪失?」
ミドリ「…ええ、 戦闘に巻き込まれたショックのせいで… 自分の名前もわからない状態です」
ゼンガー「……!」
ミドリ「でも、 一時的なものらしいですから…治療を 続ければ、回復する見込みはあります」
ゼンガー「そうか…」
ゼンガー「ならば、 あの子の面倒を見てやってくれ」
ミドリ「あら?  少佐はお見舞いに行かないんですか?」
ゼンガー「俺が行けば、 あの子は怖がるだろうからな。 …すまんが、後のことは頼む」
(扉が開閉する)
ミドリ「…………」
ミドリ(ふふふ…優しいところもあるのね)

[大空魔竜・ブリーフィングルーム]

美和「宙さん…本当にいいのね?」
「ああ。お前達に これ以上文句を言われちゃたまらねえぜ」
美和「………」
「それに、 甲児や鉄也達と出会ってわかったのさ…」
「地下勢力や他の連中と戦ってるのは、 俺だけじゃないってことがな」
「だから、ミッチー… これからもよろしく頼むぜ」
美和「ありがとう、宙さん。 ありがとう…」

《??? UNKNOWN・JAPANESE AREA》

[パスダー前]

(何かがせり上がる)
パスダー「目覚めよ…機界四天王よ…」
???「ポロネズならここにおります、 パスダー様…」
???「プリマーダ、 もう待ちくたびれましたわ」
???「ピッツァ。只今、到着…」
???「このペンチノン、 すぐにでも出港可能です」
パスダー「有機生命体を進化させる エネルギーが現れた…」
パスダー「あれが成長する前に、 この星をゾンダー化せねばならぬ…」
パスダー「心弱き者共…。 我が力を授けようぞ…」


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