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もう一つのゲッターロボ クスハ ~ 第8話 ~

《日本 UNKNOWN・JAPANESE AREA》

[草原]

武蔵「いや~…いい天気だなぁ。 浅間山が一段とキレイに見えるぜ」
隼人「…ああ、まったくだ」
弁慶「ムサシ先輩…ミケーネやドクーガが 動き出したってのに、俺達はこんな所で ノンビリしてていいんスかね?」
武蔵「しょうがねえだろ。 ゲッターは最終調整中だし、真・ゲッターは 別の所に行っちまってるんだ」
武蔵「だから、休める内に休んどこうぜ」
隼人「そういうことだ、ベンケイ。 どうせまた、すぐに忙しくなるからな」
弁慶「そういや、 真・ゲッターが運ばれた先… 神重工業ゲッター線研究所だっけ?」
弁慶「そこって、 ハヤトと何か関係があるのか?」
隼人「……さあな」
弁慶「さあなって…。苗字が一緒なのによ」
武蔵「ところでさ、ハヤト。今日、 お前の姉さんが研究所に来るんだって?」
隼人「ああ。 久しぶりに留学先から戻って来たんだ」
弁慶「こっちにはいつ来るんだ?」
隼人「それが、予定より遅れていてな…」
(足音)
武蔵「ん? もしかして…」
流竜作「………」
武蔵「何だぁ、あのおじさん?  ハヤトの姉さんじゃねえぜ」
流竜作「…早乙女研究所はこの先かね?」
武蔵「研究所に何の用だ、いったい?」
流竜作「お前達、研究所の者か?」
武蔵「ああ、そうだい!」
流竜作「なら、そこをどいてもらおう」
武蔵「待て待て!  怪しい奴を通すわけにはいかねえ!  このムサシ様が相手に……」
流竜作「…!」
(倒れる)
武蔵「!?」
弁慶「ム、ムサシ先輩!!」
流竜作「…御免」
(流竜作が立ち去る)
武蔵「い、いてて…!  な、何なんだよ、あいつ!?」
隼人(ムサシの投げを いとも簡単にかわしやがった…。 何者なんだ、あの男は?)

[早乙女研究所]

竜馬「何だって! 恐竜帝国が!?」
甲児「ああ。Gアイランドシティに 偵察部隊が現れやがったぜ」
早乙女「むう…。 予想以上に動きが早かったな」
竜馬「博士、もうぐずぐずしていられません。 俺達を大空魔竜戦隊へ行かせて下さい!」
早乙女「うむ。ゲッターの最終調整を急ごう」
甲児「リョウ達が来てくれるのなら百人力だ。 早いとこお願いしますよ、早乙女博士」
早乙女「ああ、わかっておる」
大文字「ですが… 極東支部の方はよろしいのですか?」
早乙女「彼らは 独自に地下勢力を追っていますからな… 文句は言わんでしょう」
早乙女「それに、三輪長官は 真・ゲッターにしか興味がないようですし」
大文字「…彼らしいですな」
早乙女「しかし…恐竜帝国が相手とは言え、 私はあれを使いたくはない。 …真・ゲッターはまだ我々の手に余る…」
早乙女「ですから、 今はこの早乙女研究所ではなく、 別の場所に封印してあるのです」
大文字「そうですか…」
早乙女「それに、今後の自体に備え… ゲッター1の強化改造もしております。 …戦力的には問題ありますまい」
竜馬「ゲッター1を改造…?  博士、その話は本当ですか!?」
早乙女「うむ。真・ゲッターと一緒に 神重工業ゲッター線研究所へ 預けておってな…」
早乙女「すでに調整作業は終わり、 間もなくここへ輸送されてくるはずだ」
竜馬「………」
早乙女「では、大文字博士… ゲッタードラゴンの調整作業が済み次第、 ゲッターチームをそちらへ合流させます」
大文字「お願いします」
(通信切れる)
早乙女「…極東支部では恐竜帝国の拠点を 突き止められなかったか…」
竜馬「実際に駆けずり回っているのは 鉄也さん達ぐらいですからね。 仕方がありませんよ」
早乙女「だが、大空魔竜戦隊が 本格的に活動を開始した…。地下勢力に 対して、攻撃を開始するのはこれからだ」
早乙女「今度こそ、 ワシらはミケーネ帝国や恐竜帝国と 決着をつけねばならん」
竜馬「はい…!」
(扉が開閉する)
ミチル「リョウ君、ここにいたのね」
竜馬「どうしたんだい、ミチルさん?」
ミチル「あなたに面会の人が来てるわよ」
竜馬「俺に? ハヤトじゃなくて…?」

流竜作「リョウ…」
竜馬「お、お父さん…」
流竜作「…手紙は見たんだろう?」
竜馬「は、はい…」
流竜作「母さんが病気だ。 すぐに九州へ帰って来て、杉の子学園を 手伝ってくれ」
竜馬「そ、そんな…急に言われたって!」
流竜作「転校の手続きはもう済ませた。 これから一緒に九州へ帰ろう」
竜馬「え? これから…?」
流竜作「どうしたんだ? まさか、 帰るのが嫌だと言うんじゃないだろうな?」
竜馬「そ、そりゃあ… お母さんのことは気になるし、 一度は帰らなきゃとは思うけど…」
竜馬「今すぐってわけにはいかないんだ」
流竜作「リョウ。学校へ行ってみたが、 ほとんど寮にいないと言うじゃないか」
流竜作「学生が勉強もしないで、 こんな所で何をしている?」
竜馬「そ、それは……」

隼人「…あの男が リョウの親父さんだったとはな…」
ミチル「学校の先生、それに 剣道の師範をされていると聞いたわ」
武蔵「道理で、おいらの投げを あっさりとかわしたってわけだ」
弁慶「見たところ、 相当頑固そうだし…。リョウの奴、 九州に連れてかれちまうのかな?」
ミチル「そんな……!  いくらお父さんでもそんなこと…」
隼人(………親父、か……)
早乙女「…みんな、心配はいらん。 ワシに任せておきなさい」
ミチル「お父様…」
早乙女「ワシが リョウ君の父上を説得してみる。 今、彼に出て行かれると非常に困るからな」
武蔵「まったくだ。ドラゴンに乗る奴が いなくなっちまいますからね」
早乙女「それより、ハヤト君。 お姉さんが研究所に到着されたぞ」
隼人「わかりました。 じゃあ、後のことはお任せしますよ」
早乙女「うむ…」

神明日香「久しぶりね、ハヤト。 元気にしていた?」
隼人「ああ、姉さんこそ… 変わりがなさそうで安心したぜ」
神明日香「え、ええ……」
隼人「それより、空港まで 迎えに行けなくてすまなかったな」
神明日香「気にすることはないわ。 あなたが忙しいことはお父様から 聞いているから」
隼人「! 親父から…?」
神明日香「…その様子じゃ、 まだお父様のことを許していないのね?」
隼人「当たり前だ。あの男のせいで おふくろが死んだんだ」
隼人「しかも、 死に目にも会いに来なかった…。 そんな奴が許せるものか…!」
神明日香「…ハヤト…お父様だって、 ゲッター線研究や世の中の平和のために 力を尽くしておられるのよ」
神明日香「そのことは あなたも知っているでしょう?」
隼人「………」
隼人「…姉さん、俺は今日明日にもここを 出ていくことになるかも知れないが… しばらくゆっくりしていってくれ」
神明日香「………」
早乙女「…これがゲッター線収集装置。 ゲッターロボのエネルギー源となる ゲッター線を集めるためのものです」
流竜作「ほう…」
早乙女「リョウ君はゲッターロボの 素晴らしいパイロットなんですよ、 お父さん」
流竜作「うむ……」
ミチル(この様子だと、 リョウ君のことをわかってくれそうね…)
流竜作「…立派なお仕事ですな」
早乙女「わかって頂けましたか…」
竜馬(お父さん…)
流竜作「早乙女博士、 これからも世界中の人達の幸せのために 頑張って下さい」
早乙女「ええ」
流竜作「ワシは 子供達の教育のために頑張ります」
武蔵(頑固そうに見えるけど、 ものわかりのいい人だったんだなあ)
流竜作「…さあ、帰るぞ。リョウ」
ミチル「え!?」
早乙女「な、何ですと?」
竜馬「お父さん、どういうことです!?」
流竜作「研究所には早乙女博士を始め、 立派な人達がたくさんいる。後のことは 彼らに任せて、お前はワシと帰るのだ」
竜馬「そ、そんな…!」
早乙女「ま、待って下さい。 今、リョウ君にいなくなられては…」
流竜作「平和を守るために戦うことは 確かに大事です」
流竜作「しかし、次代を担う子供達の 教育についても同じことが言えるのでは ありませんか?」
早乙女「それはそうですが…」
流竜作「…こんな時代だからこそ、ワシは リョウに教育の大切さを教えたいのです」
流竜作「ですから、 何としてでも息子を連れて帰りますぞ」
早乙女博士「………」
竜馬「父さん……」

[格納デッキ]

神明日香(……ここが ゲッターロボの格納庫………)
ザンキ(……神明日香よ… 俺の言うことをよく聞くのだ……)
ザンキ(お前は早乙女研究所に行き… このネジ型高性能時限爆弾・ゼロを 二つセットするのだ……)
神明日香(……ゼロを… ゲッターロボと…早乙女研究所に…)
ザンキ(そうだ…。そのために 俺はお前を捕らえたのだからな…ククク…)

[早乙女研究所]

武蔵「…リョウの奴、行っちまったな…」
弁慶「…そうッスね…。 もう戻って来ないんだろうか…」
早乙女「…正直、リョウ君のお父さんが あそこまで頑固だとは思わんかったよ」
武蔵「早乙女博士、 あれで良かったんですかい?」
早乙女「…仕方あるまい。お父さんを 説得するには時間がかかりそうだ」
早乙女「それに、病気のお母さんを 放っておくわけにもいかんからな」
武蔵「はあ… これから、どうなっちまうんだろ」
隼人「…心配することはないぜ。 すぐにリョウは戻って来るさ」
武蔵「ホントかよ!?」
隼人「ああ。頑固さにかけちゃ、あいつも 親父さんに引けを取らないはずだ。 キチンと話をつけてくるに違いないぜ」
ミチル「そうね…リョウ君を信じましょう」
弁慶「でも、 ゲッタードラゴンはどうすんだ?」
隼人「リョウが戻ってくるまで、 俺とお前…そしてムサシで乗ればいい」
(サイレン)
早乙女「何だ!?」
ミチル「お父様!  メカザウルスが研究所に接近中よ!!」
武蔵「あいつら、 やっぱりこっちにも来やがったか!!」
早乙女「ドラゴンの調整作業は中止じゃ!  ハヤト君、ムサシ君、ベンケイ君!  すぐに出撃してくれたまえ!」
隼人「了解!」

〔戦域:早乙女研究所周辺〕

(敵機が出現、ゲッターライガーとレディコマンドが出現し早乙女研究所のドームが閉まる)
隼人「フッ…この時代で 奴らの顔を拝むのは久しぶりだぜ」
ザンキ「フハハハ!  我が名はキャプテン・ザンキ!  またの名を、恐竜帝国のすごい奴!!」
弁慶「何がすごい奴だ!  自分で言ってりゃ世話ないぜ!」
武蔵「お、おい、ハヤト!  どうしてドラゴンにチェンジしねえんだ?  せっかくおいらが乗ってるのによぉ!」
隼人「奴らのメカザウルスを見ろ… 全て陸戦型だ。だから、ライガーでいく」
武蔵「で、でもよぉ!」
ミチル「ムサシ君はドラゴンに 乗ったことがないでしょ?  ここはハヤト君に任せた方がいいわ」
武蔵「トホホ、ミチルさんに そう言われちゃちょうがねえなあ」
ザンキ「フフフ…馬鹿め。 まんまと俺の策にはまりおって」
隼人「策だと? トカゲ野郎に そんな知恵があるとは知らなかったな」
ザンキ「貴様、神明日香の弟…神隼人だな?」
隼人「! 何でお前が姉貴のことを!?」
ザンキ「フハハハ、神隼人よ!  その減らず口、すぐにきけなくしてやる!」
(ゲッターライガーに爆煙)
隼人「ぐあっ!!」
武蔵「うわあああっ!!」
ミチル「ハ、ハヤト君っ!!」
早乙女「ラ、ライガーが爆発!?  整備不良か!?」
ザンキ「ククク…そうではない」
早乙女「何!? どういう意味だ!?」
ザンキ「それに応える必要はない!  貴様らも同じ目に遭わせてやる!!」
早乙女「!!」
(研究所がゆっくり爆発、閃光)

[草原]

竜馬「ああっ! 研究所がっ!!」
流竜作「…行くぞ、リョウ」
竜馬「な、何だって!? 仲間を 見捨てろって言うんですか!?」
流竜作「…お前はもうあの人達とは 関係がない。ワシと一緒に九州へ帰るのだ」
竜馬「……!」
流竜作「どうした、リョウ?」
竜馬「…父さんがいう 教育の大切さって奴はわかります…!」
竜馬「だけど!  平和を乱す奴らを倒さなきゃ、子供達だって 満足に勉強することが出来ないんだ!!」
流竜作「…さっきも言ったはずだ。 それは研究所の人達に任せればいい」
竜馬「ち、違う…!!」
竜馬「俺は……俺は平和な世の中を作るために ゲッターロボで戦わなくちゃならない!」
竜馬「今の俺が やるべきことは…それなんだっ!!」
流竜作「! リョウ………」
(飛行音)
流竜作「む…?」
竜馬「あ、あれは…輸送機?  こっちに降りてくるぞ…?」


第8話
もう一つのゲッターロボ

〔戦域:早乙女研究所周辺〕

ミチル「お父様! お父様っ!!」
(研究所を指すが、反応はない)
ミチル「ダメ、返事がないわ!!」
隼人「う、ううう……!」
ミチル「ハヤト君! 無事なの!?」
隼人「俺は平気だが、 ライガーの変形機構がやられちまった…。 チェンジ不能だ…!」
ザンキ「クックック、神隼人よ… 時限爆弾の味はどうだ?」
隼人「爆弾だと!?」
ザンキ「そうだ。俺はゼロをゲッターロボと 早乙女研究所に仕込んでおいたのだ」
ミチル「そ、そんな、いつの間に!?  研究所にハ虫人類なんて…!」
ザンキ「フフフ… 今日、お前達の所へ部外者が来たはずだ」
ミチル「ま、まさか!  リョウ君のお父さんが…!?」
隼人「いや、違うぜ…俺の姉貴だな?」
ミチル「ええっ!?」
ザンキ「そうだ。 俺は研究所へ向かう途中の神明日香を 捕らえ…後催眠をかけたのだ」
ミチル「そ、そんな…っ!」
隼人「トカゲ野郎め、 汚ねえ真似をしやがって…!」
ザンキ「フフフ…神隼人よ、 俺が陸戦型のメカザウルスを 引き連れて来た理由がわかるか?」
隼人「何!?」
ザンキ「こちらの布陣を見れば、 貴様らはライガーで出てくる…」
ザンキ「そう、陸戦型であり…ゲッターの中で 最も攻撃力の低いライガーでな」
隼人「!」
ザンキ「そして、ゼロの爆発によって ライガーはチェンジ不能となった…」
ザンキ「フハハ! 俺のゼン2号にとって、 これほど倒しやすいゲッターはない!  フハハハハ!!」
隼人「フン、 所詮はトカゲ野郎の浅知恵だぜ…」
ザンキ「何!?」
隼人「ゼロってので、一思いにライガーを 吹っ飛ばしちまえば良かったものを…」
ザンキ「フン…俺の手で貴様の首を取れば、 功績がさらに上がるんでな」
隼人「フッ…だったら、教えてやるぜ。 貴様のその欲が命取りになるってことを…」
隼人「そして、 俺の家族を利用した罪の重さをな!!」
ザンキ「ほざくな!  このキャプテン・ザンキが 貴様の息の根を止めてくれるわ!」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

ザンキ「クックック…神隼人よ。 いくら強がっていても多勢に無勢だ。 あきらめてその首をさっさと差し出せ」
隼人「ふざけたことを…!」
武蔵「ハヤト、このままじゃヤバいぜ!  いくらなんでも、ライガーと レディコマンドだけじゃ…!」
隼人「…ムサシ、ベンケイ。 ライガーから降りろ」
弁慶「な、何言ってんだ、ハヤト!?」
隼人「ライガーは俺一人で充分だ。 お前達まで付き合うことはない」
武蔵「ば、馬鹿いうんじゃねえ!  お前を見捨てて逃げられるかってんだ!」
隼人「俺にもしものことがあっても… お前とベンケイ、そしてリョウがいれば、 ゲッターチームは成り立つ」
隼人「だから、さっさと脱出しろ」
武蔵「バ、バカヤロウ!  俺達みんなで一つのチームなんだぞ!!」
???「そのとおりだ、ハヤト!!」
隼人「!!」
(ブラックゲッターが出現)
ミチル「あ、あれはっ!?」
弁慶「く、黒いゲッターロボ!?」
武蔵「誰が乗ってんだ!?」
竜馬「待たせたな、みんな!」
ミチル「リョ、リョウ君!  どうしてブラックゲッターに!?」
弁慶「ブラックゲッター!?」
ミチル「え、ええ…神重工業で改造された ゲッター1のことよ…!」
隼人(! 親父の会社で…!?)
竜馬「みんな、話は後だ!  メカザウルスを片づけるぞ!!」
ザンキ「フン。 ゲッターがもう一体現れたところで、 俺の手柄が増えるだけよ!」
竜馬「黙れ! 貴様にブラックゲッターの力を 見せてやる!!」

〈vs ザンキ〉

[初戦闘後]

(大空魔竜が出現、出撃準備)
武蔵「何だ、ありゃ!?  新手のメカザウルスかよ!?」
隼人「馬鹿を言うな。あれは大空魔竜だ」
甲児「みんな! 無事かっ!?」
竜馬「甲児君!」
武蔵「あ、ありがてえ!  来てくれたのかよ!?」
豹馬「ああ!  お前らがあんまり遅せえから、迎えによ」
隼人「フッ…すまなかったな」
ザンキ「ちょうどいい。 奴らを倒せば、さらに手柄が増える。 そうすれば、出世は思いのままだ!」
甲児「馬鹿言ってんじゃねえ!  手柄どころか、格下げにしてやるぜ!!」
大文字「諸君、攻撃を開始してくれたまえ!」

[竜馬]

ザンキ「そんな旧式… 俺のゼン2号の相手にはならんわ!」
竜馬「その台詞は俺を倒してから言え!」
ザンキ「何!?」
竜馬「貴様と父さんに見せてやるぜ…!  俺の戦いをな!!」

[隼人]

隼人「貴様なんぞの浅知恵で、 このライガーを倒せると思うな!」
ザンキ「フン! 姉を利用されて 頭に血が上ったか、神隼人!」
隼人「!」
隼人「…姉さんは 俺達の戦いには関係のない人だ…」
隼人「なのに、 貴様はあの人を巻き込んだ…!」
ザンキ「それがどうした?  サル共を利用して何が悪い?」
隼人「黙れ、キャプテン・ザンキ!  風穴が開くぐらいじゃすまねえぜ!!」

[ミチル]

ミチル「よくも研究所を…!  許さないわよ!!」
ザンキ「フン!  貴様も同じ目に遭わせてやるわ!」

[甲児]

甲児「どうした!?  こないだやられちまったせいで 翼が取れちまったかよ!?」
ザンキ「貴様らを倒すのに 空戦能力などいらん!  俺のゼン2号の実力を見せてやる!」

[豹馬]

小介「豹馬さん、気をつけてください!  あのメカザウルスは前回の物に 改造が加えられています!」
豹馬「え? どこに?」
小介「ほ、ほら!  翼がなくなってるじゃないですか!」
大作「ほんなこつじゃ。 ばってん、そいがどげんしたと?」
十三「まったくや。 わざわざ空を飛べへんようにするなんて… アホちゃうか?」
ザンキ「き、貴様ら! 許さんぞ!!」

[真吾]

真吾「キリー、レミー… またいらっしゃったみたいだぞ」
レミー「あら、ホント。 口ほどにもないトカゲさんだわ」
キリー「そりゃ失礼ってもんだ。 あちらさん、乗ってるメカに ひと工夫してるみたいだぜ?」
レミー「え~? どこどこ?」
ザンキ「お、おのれ!  どこまでも減らず口を!!」

[撃墜]

ザンキ「お、おのれぇ!  せっかくの手柄を!!」
ザンキ「だが、俺はあきらめんぞ!!」
(撤退)

[格納デッキ]

ミチル「お父様!」
早乙女「いや、心配をかけてすまなかったな。 研究所はかなりの損害を受けてしまったが… ワシはこのとおり無事じゃ」
早乙女「不幸中の幸いだったのは、 ケガ人が少なかったことと…真・ゲッターが ここになかったことじゃな」
武蔵「やれやれ、 一時はどうなるかと思いましたよ」
隼人「だが、ライガーは 簡単に直せる状態じゃなくなっちまった」
早乙女「うむ…。 時間をかけて修理するしかあるまい」
神明日香「も、申し訳ありません…。 私のせいで……」
隼人「姉さんがあやまる必要はない。 …あれは仕方のないことだったんだ」
神明日香「ハヤト……」
早乙女「彼の言うとおりです。 壊れた物はまた直せば済む話ですからな」
ミチル「でも、お父様… ハヤト君のお姉さんには、しばらくここに いてもらった方がいいんじゃない?」
早乙女「そうじゃな…。 お父上の神大造氏にはブラックゲッターの 礼も兼ねて、ワシの方から連絡しておこう」
隼人(……やはり、 あれを改造したのは親父の会社か…)
武蔵「でもよぉ、 隼人は別の意味で姉さんが ここにいる方がいいんじゃないのか?」
神明日香「え…?」
隼人「別の意味だと?」
武蔵「ああ。 姉さんにたっぷり甘えられるだろ?」
隼人「ば、馬鹿なことを言うんじゃねえぜ」
ミチル「ふふふ…意外に本音だったりして」
隼人「それより、早乙女博士… これからどうするんです?」
隼人「ライガーがああなった以上、 俺達は大空魔竜へ合流できませんよ」
早乙女「ううむ…」
(扉が開閉する)
竜馬「なら、俺がブラックゲッターと一緒に 大空魔竜へ先に合流します」
早乙女「リョウ君…! しかし、君は…」
竜馬「…九州に帰るのは 今回の戦いが終わってからでもいいんです。 …父もきっとわかってくれると思います」
ミチル「それなんだけど… お父様は一人で九州に帰られたわ」
竜馬「え?」
ミチル「この手紙を残して、 誰にも何も言わずに……」
竜馬「…父さんが……?」

[草原]

竜馬「………」
流竜作(リョウ…。お前と会うと また怒鳴りそうだから、会わずに帰る)
流竜作(母さんのことは心配するな。 ワシがついておる)
流竜作(リョウ… お前はお前の道を行け………)
竜馬「…ありがとう、お父さん……」
竜馬「俺は仲間たちがいる所……大空魔竜へ…」
竜馬「…俺の戦場へ行きます」
竜馬「そして… この戦いが終わったら、必ず家へ帰ります」
竜馬「それまで元気でいて下さい。 お父さん、お母さん………」

[マシーンランド内部]

バット「ええい、この馬鹿者めが!  まったく、口ほどにもない!!」
ザンキ(くそっ…!)
ガレリィ「ゼン1号に引き続き、 ゼン2号まで無駄にしおったか。 …バット将軍もよい甥を持ったのう」
ザンキ(おのれ…今に見ていろ。 俺は必ず手柄を立てて…貴様らを 今の座から引きずりおろしてやる…!)
ゴール「…もうよい。そこまでにしておけ」
バット「し、しかし、帝王ゴール様。 この愚か者に罰を与えませんと、 他の者に示しが…」
ゴール「作戦には失敗したが、 ザンキは早乙女研究所を大破させた。 …その功績で今回の件は不問とする」
ザンキ(…やれやれ、助かったぜ…)
ゴール「それよりも、バット将軍。 日本の地下に建設した前線基地の方は どうなっておるか?」
バット「現在、 地上侵攻のための準備を進めております」
ゴール「うむ。ラドラはおるか?」
ラドラ「ははっ、ここに」
ゴール「よいか。前線基地へ赴き、 大空魔竜をそこへ誘い込んで殲滅せよ。 場合によっては基地を犠牲にしてもよい」
ラドラ「おおせのままに」
ゴール「行け、ラドラ。恐竜帝国の 名誉にかけて、奴らを打倒するのだ」
ゴール「成功の暁、お前の頭上に輝くのは 栄光だ。しかし…失敗すれば、 お前を待っているのは死の処刑だ」
ゴール「栄光か、死か。 お前が選べるのは二つに一つ…!」
ラドラ「わかりました、ゴール様。 キャプテン・ラドラの名誉にかけて…」
ラドラ「必ずや 栄光を選んでご覧に入れましょう……!」

『プロペラントタンク』を入手した
『カートリッジ』を入手した
『リペアキット』を入手した


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