back index next


光を求めて クスハ ~ 第7話 ~

《太平洋 オルファン・WORLD AREA》

[深海]

(……俺の誕生日なんて、 誰も覚えてないだろうな…)
(…宇都宮比瑪……。 確か、そう言ってたよな。 …どういう子なんだろ?)
(…俺、17歳になってしまった。 カナン…悪いけど…!)

[オルファン・ブリッジ]

伊佐未研作「…オルファンの活性化と 例のエネルギーには、何らかの関係が あるのかも知れん」
伊佐未翠「この間、プレートがリバイバルした 地域で検出されたという…?」
伊佐未研作「うむ。 ガバナーはビムラーと呼んでいたな」
伊佐未翠「オーガニック・エナジーの 一種ですか?」
伊佐未研作「もっと異質なものだと思うがね。 いずれにせよ、相互関係は調べねばならん」
伊佐未翠「ええ。 上の騒ぎが大きくならない内に」
伊佐未研作「…前大戦で確認された 海底への強力なバイタル・グロウブ…」
伊佐未研作「そして、 日本近海に落下したジュピトリアンの 巨大サイコミュ装置…」
伊佐未研作「オルファンは我々の予想以上に 外部からの影響を受けている。 このままでは……」
(扉が開閉する)
「………」
伊佐未翠「あら、ちょうど良かった。 もう一度あなたのデータを取りたいの。 準備してくれる?」
(銃を構える)
伊佐未研作「! 勇…!」
「………」
伊佐未翠「銃を下ろしなさい…!」
「オルファンが海から浮上したら 人類はみんな死ぬんだろ? そういうのを 手伝う仕事なんか…もう嫌だ!」
伊佐未翠「あなたもリクレイマーになって 7年…。オルファン浮上のために…」
「精神も肉体もグランチャーに合わせて アンチボディになることは辛いんだぞ!」
伊佐未研作「勇、冷静に!」
「親父の研究のおかげで 子供が実験台にされたんだ…!」
「お袋だって姉さんだって ここに来てから、まるでオルファンの アンチボディじゃないか!」
(銃声)
「! 姉さん!?」
クインシィ「裏切り者はっ!」
伊佐未研作「待て、依衣子!」
クインシィ「私はクインシィ・イッサー。 伊佐未依衣子ではない!」
「くっ!」
(勇が立ち去る)
クインシィ「! 逃がすか!!」
伊佐未翠「これが…オルファンの意志と いうのですか…!?」
伊佐未研作「そうなのか…?」

[格納デッキ]

(アラート、非常灯点灯)
「おい、付き合ってくれるな?」
ユウ・ブレン「………」
「お前だって… 光って言うのを見たいだろ?」
ユウ・ブレン「………」
(ブレンパワードとの共鳴)
「そうだ! お前は オルファンにいるような奴じゃない」
「急げよ…!  こんなブレンパワードのごみ箱で 金属の塊にはなりたくないだろ?」
ユウ・ブレン「………」
(システム起動)
「海中に出るぞ。耐圧、かけられるな?  ようし…いい子だ!」
「さあ、行こうか! 頼むぞ!」
(ブレンパワードとの共鳴)

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[大空魔竜・ブリーフィングルーム]

アカリ「あ~っ! ユキオ、ずるい!  ケーキ二つも取ったぁ!」
ユキオ「俺は大きいんだから、 一つじゃ足りないの!」
ロペット「皆サン、 ケンカ ハ イケマセンヨ」
ハチロー「じゃあ、もう一個ちょうだい」
クマゾー「イルイも食べるも?」
ケン太「じゃあ、僕ももう一個!」
イルイ「ううん。 私、もうお腹がいっぱいだから…」
ケン太「じゃあ、僕がもらっていいかい?」
イルイ「うん…」
ケン太「じゃあ、ロペット。 もう一個ケーキを出してよ」
ロペット「OVA ノ 許可ガ 出ナイト 駄目デス」
ケン太「え~っ!? 何それ!?」
OVA「ケン太君、甘い物を 食べ過ぎると虫歯になっちゃいますよ」
ケン太「もう!  うるさいなぁ、おばさんは」
OVA「私の名前はOVAです。 『さん』はいらないって何度言えば わかってくれるんです?」
ケン太「イ~ッ、だ!  百回言われてもわかんないよ~だ!」
OVA「もうっ、ケン太君たら!」
(扉が開閉する)
サンシロー「おいおい… 何の騒ぎだ、こりゃあ?」
クスハ「いったい、何をやってたの?」
OVA「すみません…ご覧のとおりで。 私、教育ロボットの自信を なくしてしまいそうです…」
ロペット「仕方アリマセン。 人数ガ 人数デスカラ」
OVA「は、はあ…面目ありません…」
比瑪「ユキオ、アカリ、クマゾー!  ダメじゃない、ちゃんとOVAの いうことを聞かなきゃ!」
ユキオ「ご、ごめんよ、比瑪姉ちゃん」
クマゾー「ごめんなさいだも!」
サンシロー「まあまあ、いいじゃないか。 子供ってのは元気が一番なんだからさ」
比瑪「でも、結局この子達も大空魔竜へ お邪魔することになっちゃったし、 あまり迷惑をかけるわけには…」
サンシロー「いいって、いいって。 大空魔竜の中は広いんだ。 気にするこたあないよ」
ハチロー「ねえねえ、サンシローさん!  この子達に野球を教えてやってよ!」
サンシロー「おう、いいぜ」
ユキオ「すっげぇ~! プロの選手に 教えてもらえるなんて、感激~!」
サンシロー「この代わり、練習は厳しいぞ?」
クマゾー「僕、頑張るも!」
クスハ(ふふ… サンシローさん、子供が好きなんだ)
イルイ「………」
OVA「あら、イルイちゃん。 どうしたんです?」
イルイ「…………」
クスハ「…もしかして、 気分が悪いの?」
イルイ「……来る………」
クスハ「え!? 来るって…何が?」
イルイ「…わからない………」
クスハ「………」

[大空魔竜・ブリッジ]

(アラート)
大文字「何だ!?」
ミドリ「ノヴィス・ノアより受信!  Gアイランドシティ方面へ 接近する所属不明の機体あり!」
大文字「機種は判別できんのかね!?」
ミドリ「アンチボディ、グランチャー… いえ、ブレンパワードです!」
大文字「!!」
ピート「ブレンパワードなら、ノヴィス・ ノアの所属じゃないんですか!?」
大文字「念のために照会を!  各員は警戒態勢!」
ピート「了解!」


第7話
光を求めて

〔戦域:宇宙開発公団タワー周辺〕

(ユウ・ブレンが出現)
(このブレンパワードは俺に合っている…。 親父達の言うことは間違っていた…!)
大河「ノヴィス・ノアからの返答は?」
「あれは 未確認のブレンパワードだそうです」
麗雄「ブレンならリクレイマーではない。 じゃが、ここへ何をしに来おったんじゃ?」
牛山「さあ…? 迷子なんでしょうかねえ」
火麻「何をノンキな!  念のために大空魔竜戦隊へ 出撃を要請しろ!」
スワン「いえ!  すでに出撃態勢に入っていマス!」
火麻「ほう、さすがに素早い対応だな。 氷竜と炎竜も出撃させろ!」
牛山「了解!」
(ヒメ・ブレンと氷竜達、大空魔竜が出撃、出撃準備)
ナンガ「見慣れないブレンパワードだな」
ラッセ「どこでリバイバルした奴だ?」
比瑪(あのブレン…もしかして…!)
火麻「さっさと奴の武装を解除させろ!」
大河「待て。 向こうに攻撃の意思はないようだ。 卯都木君、回線を開いてくれたまえ」
「了解!」
大河「ブレンパワードに告ぐ。 君がここへ来た理由は何だ?」
「…GGG長官、大河幸太郎だな?  お前達が所有するビー・プレートの 研究データをよこすんだ」
大河「ふむ…私の正体を知っているとはね。 それにビー・プレートのことまで…」
「ここがノヴィス・ノアの 寄港地であることも知っている」
「さらに、お前達がビー・プレートを 保管していることもな」
大河「そんな物はここにはないよ」
麗雄「長官、彼は……」
大河「ああ、リクレイマーだな」
比瑪「あの子、間違いないわ!」
ちずる「比瑪! どこへ行くの!?」
(ヒメ・ブレンがユウ・ブレンの所へ移動)
「お前! 宇都宮比瑪か…?」
比瑪「やっぱり、 伊佐未勇か…! 勇君かぁ!!」
ナンガ「何だって!? じゃあ、あいつは こないだのリクレイマーか!?」
豹馬「ええっ!?  リクレイマーって、ブレンパワードを 使わねえんだろ!?」
小介「は、はい」
豹馬「なのに、 何であいつはブレンに乗ってんだよ!?」
(警報)
スワン「長官!  ノヴィス・ノアより緊急通信!  リクレイマー部隊が接近中デス!」
大河「何ぃっ!?」
(グランチャー群が出現)
イルイ「…………」
OVA「イルイちゃん!  危ないですから、奥の方に!!」
シラー「…オルファンから 脱走しようってのかい、勇!!」
「!」
シラー「カナン!  あんたの役目はあたしの援護だ!  わかってるな!?」
カナン「……了解」
カナン(シラー・グラス…!  勇を沈めるつもり?)
「カナン…ついてきてくれないか?  俺の気持ちは話してきたはずだ!」
カナン「地球は再生させない方がいいから… オルファンを浮上させるんだと 言っていたのは、勇でしょ!」
「カナン…! 話せばわかるはずだ!」
火麻「おい!  このままじゃ、またGアイランドシティに 被害が出るぞ!!」
比瑪「それに、 大空魔竜にはユキオ達もいる!  リクレイマーなんかの好きにはさせない!」
氷竜「その通りです!  Gアイランドシティは…」
炎竜「僕達が守ってみせるぜ!!」
大河「やむをえん…!  各機、リクレイマーを迎撃せよ!」
(作戦目的表示)

〈1EP〉

「カナン!」
カナン「何で相談してくれなかったの!」
「相談したよ!  でも、カナンはいつも自分のことばかり 喋っていただろ!」
カナン「あたしが…?」
「あの時、ブレンパワードに会ってから ずっとだよ…!」
カナン「そうだったの……!」
【NPC戦闘】
[ソードエクステンション(射撃)]vsカナン[防御]
「カナン!  オルファンを頼ってる限り、 幸せにはなれないぞ!!」
カナン「私は…私はただ、生まれてきたことを 後悔したくないだけ!」
「だったら、なおさらオルファンから 離れなきゃ駄目だ!」
シラー「カナン!  ブレンパワードに汚染されている者の 言葉など聞くことはない!」
「カナンは誰にも愛されていないって 思い込まされてるんだ!」
カナン「あたはし生まれる前から 愛されていなかった!!」
(戦闘)
カナン「勇! あなたは!!」
「カナン! 俺の話を…!」
シラー「隙を見せたねぇっ!!」
比瑪「!!」
(あいつとなら…いけるかも知れない!)
比瑪「どうするの!? 伊佐未勇!!」
「比瑪ちゃん、ひっつけよ!」
比瑪「ひっつく? くっくつの!?」
(ヒメ・ブレンがユウ・ブレンに合流、緑の光)
シラー「勇と一緒に 仲良く死なせてあげるよ!!」
比瑪「狙えないよ!!」
「狙うことはない!」
【強制戦闘】
勇&比瑪[チャクラエクステンション]vsシラー[防御]
シラー「な、何!?  こ、このオーガニック・ウェーブはっ!?」
カナン「あ、あれが… ブレンパワードの力だと言うの!?」
ラッセ「今の光は…!」
ナンガ「二人で力を合わせたのか…!」
炎竜「まるで シンメトリカルドッキングだ…!」
比瑪「何だったの? 今の…!  伊佐未勇…君?」
「オーガニック・ウェーブ… アンチボディのチャクラ・ウェーブ・ モーションって奴かも知れないけど…」
ピート「各機、この機を逃すな!  グランチャーを迎撃するんだ!」

〈vs カナン〉

[比瑪]

カナン「あの時のブレンパワードね!」
カナン「あなたに会わなければ、 勇もあたしも迷うことなんか なかったのに!!」
比瑪「!!」

[撃墜]

カナン「ううっ! 後退するしかないの!?」
(カナン機が撤退)
「カナン…!」
(お前の帰るべき場所は オルファンじゃないんだぞ……!)

〈シラー機撃墜〉

シラー「いかん!  これ以上は幾らグランチャーでも…!」

〈4EP〉

(サイレン)
スワン「新たな敵集団、 Gアイランドシティへ接近中デス!」
大河「リクレイマーの増援部隊か!?」
スワン「違いマス! これは…!!」
(敵機増援が出現)
大文字「む!? あの機体は!!」
ザンキ「フン…あれが大空魔竜とやらか。 まるでメカザウルスだな」
ブンタ「あ、あれ!  恐竜帝国のメカじゃありませんか!?」
ヤマガタケ「ホ、ホントだ!  あいつら、バルマー戦役以前に 滅びたんじゃねえのかよ!?」
甲児「確かに、あの時… 俺とリョウ達はゴールを倒した…!」
甲児「だが、 俺達が未来世界へ飛ばされた時… そこにあいつらがいやがったんだ!」
サンシロー「!!」
小介「そうです…! その事実は この時代にも恐竜帝国が生き残っている ことを意味しているんです!」
豹馬「だから、俺達はもう一度ゴールと戦い、 奴を倒さなきゃならねえ…!」
ザンキ「もう一度だと?  何をワケのわからんことを…」
ザンキ「まあいい、 貴様らの力、見せてもらうぞ!」
甲児「来やがれ!  てめえらとのケリ…この時代で キッチリつけておいてやるぜっ!」

〈vs ザンキ〉

[豹馬]

豹馬「てめえらが何回出てこようが、 俺達が相手になってやらあ!」
ザンキ「よかろう、望む所だ!」
十三「できたら、 2、3回ぐらいにしといて欲しいけどな」
ちずる「ちょっと!  余計なこと言っちゃダメよ!」

[真吾]

真吾「ついに 地下勢力とやらのお出ましか」
レミー「あたし… トカゲってちょっと苦手なのよねえ」
キリー「そんなことを言ったって、 可愛さのアピールにゃならないぜ?」
レミー「別にぃ。 アピールなんてする必要ないもの」
キリー「おやま、 かなりの自信がおありのようで」
ザンキ「な、何だ? こいつらは…」

[サンシロー]

ザンキ「ほう、サル共の新型兵器か」
サンシロー「トカゲに サル呼ばわりされる覚えはないぜ!」

[ピート]

ピート「真っ直ぐにこちらを狙ってきた…?」
ザンキ「では、メカザウルスもどきの データを取らせてもらうとするか」
ピート「好きにしろ。 だが、タダでというわけにはいかんぞ!」

[勇]

「こいつらが…恐竜帝国か!」
ザンキ「見慣れん連中だが、所詮は サル共の道具…恐れることなどない!」
「! ブレンは道具なんかじゃない!」

[クスハ]

ザンキ「フフフ… 知っているぞ、この機体。超機人だな?」
クスハ「! どうして…!?」
ザンキ「マシーンランドに記録が残っていた。 だが、それは本当の意味で過去の物となる」
クスハ「ここで倒されるってこと…?  そんなこと、させませんっ!!」

[撃墜]

ザンキ「クックック… これで貴様らの力はわかったぞ!」
(撤退)
サンシロー「何だ、あいつ…?  口の割には大したことなかったな」
レミー「ホントね。 いったい何しに来たのかしら?」
ファン・リー「こちらの力を見るとか 言っていたが…」
甲児(だが…これで恐竜帝国の連中が 本格的に動き出したってことがわかった)
甲児(それを… リョウ達にも教えてやらねえと…!)

〈敵機全滅〉

(グランチャー群が出現)
火麻「くそっ!  今度は本当にリクレイマーの増援か!!」
レミー「んも~!  こうなったら、何が来ても驚かないわよ!」
キリー「お、おいおい…よせよ。 そんなこと言ってると、本当に とんでもないものが来ちまうぜ?」
「あのグランチャーは…!」
ジョナサン「…奴ら相手では、 先発隊もそう長く保ちはしなかったか」
エッガ「どのみち、ここはもう終わりだ。 俺達はそれまでの時間を稼げばいい」
「ジョナサン!」
ジョナサン「勇…!  そんな機能不全のアンチボディで!」
「ジョナサン! 俺達が戦ったって、 何にもならないんだぞ!」
ジョナサン「オルファンが やろうとしていることを邪魔する奴は、 全て排除する!」
ジョナサン「貴様の任務も 同じだったはずだ!」
「今は違う!  グランチャーの任務もオルファンの 目的だっておかしいんだ!」
ジョナサン「おかしくはない!」
「グランチャー部隊の任務なんて 嘘っぱちだ!」
ジョナサン「オルファンの永遠は 人類の永遠である!」
「その前に人間が滅ぼされちまう!」
ジョナサン「人類の遺伝子はオルファンと グランチャーに残るんだよ!」
「馬鹿なことを言うな!」
エッガ「…どのみち、貴様らは ここで死ぬことになるんだよ」
エッガ「だから、 戦士らしい最期の時を迎えてみせろ!」
(イルイに精神感応)
イルイ「ああっ…!」
ケン太「どうしたの、イルイちゃん!?」
イルイ「こ…ここは……危ない…!」
OVA「危ないって… どういうことです!?」
イルイ「逃げて……! 早く…!!」
(揺れ)
クスハ「!? 地震…!?」
サンシロー「こんな時に…!  何かの前触れなのか!?」
ピート「かまうな! 敵を迎撃しろ!」
(作戦目的表示)

〈エッガ機撃墜〉

エッガ「ええい!  どうしたのだ、グランチャー!」

〈vs ジョナサン〉

[勇]

ジョナサン「そんな機能不全の ブレンパワードでっ!」
「ジョナサン・グレーン!」
ジョナサン「死ねよやぁぁぁぁぁっ!!」

[比瑪]

比瑪「あんた達!  ここには人がたくさん住んでるのよ!  いったいどういうつもりなの!?」
ジョナサン「そんなもの、 所詮はGGGの隠れミノだろうが!!」
ジョナサン「それに、 オルファンに選ばれた者以外の連中が どうなろうが…俺には関係ない!」

[撃墜]

「ジョナサン・グレーン! 姉さんと 親父とお袋に伝えるんだ! オルファンに 従うことは絶対に正義じゃない!」
「オルファンで人類を抹殺することも、 地球を死の星にすることも、 絶対にさせない!!」
ジョナサン「勇ゥゥッ!」
「今言ったことを伝えるんだ!  行けぇっ!!」
(ジョナサン機が北へ移動)
ジョナサン「うわあっ! ゆ、勇めぇっ!!」
「伝えろ! そのために狙撃はしない!」
ジョナサン「ゆ、勇は…俺をメッセンジャー ボーイにしたのか! そのために見逃して くれたというのか、あやつはっ!!」
(ジョナサン機が撤退)
レミー「さっきの敵も やけにあっさり引きあげたわね…」
サコン「…別の目的があるのかも知れない。 とにかく、今は油断をしない方がいい」
イルイ「早く…! みんな、早く逃げて!!」
クスハ「!  どうしたの、イルイちゃん!?」
甲児「逃げろって…どういうことだ!?」
(サイレン)
大河「こ、この警報は!!」
スワン「哨戒機より入電!  Gアイランドシティに津波が来マス!!」
大河「津波だと!?」
「は、はい! オルファン浮上に 伴う地震が原因のようです!!」
火麻「じゃあ、 リクレイマーはそのことを知っていて 逃げ出しやがったのか!!」
牛山「津波は320秒後に直撃!  住民の避難はとても間に合いませんっ!!」
大河「あきらめるな! 緊急警報発令!!」
スワン「了解デス!」
大河「大空魔竜を沿岸へ回すよう要請しろ!  少しでも津波の勢いを弱めさせるんだ!」
火麻「残りの機体は救援活動をっ!!」
(小隊がGアイランドシティを走り回る)
ボス「こ、こんなんじゃ 到底追っつかねえよ!!」
クスハ「も、もう津波が来ちゃう…!」
ピート「あきらめるのはまだ早い!  バリアを持っている機体は前へ出ろ!」
ヤマガタケ「そんなんで 津波を何とか出来るのかよ!?」
ピート「時間がない!  バリアでも何でも、壁になればいい!!」
「バリア…!? そうか!」
「チャクラシールドは グランチャーをはねのけられたんだ…!」
(ユウ・ブレンが南中央に移動)
比瑪「何をするつもりなの!?」
「比瑪ちゃん、集中しろ!」
「バリアを持ってる機体!  それに、サイズの大きい奴は 俺に力を貸してくれ!!」
サンシロー「どういうことだ!?」
「壁になるのは、 多ければ多いほどいい! 頼む!!」
甲児「壁…!? そうか!!」
麗雄「長官、 イレイザーヘッドの使用許可を!!」
大河「何!?」
麗雄「彼らが津波を止めた瞬間、 イレイザーヘッドで海水を宇宙へ 放出するんじゃ!!」
大河「うむ! 火麻参謀、 イレイザーヘッドの射出準備を!!」
火麻「任せろ! 超特急でやってやる!!」
麗雄「氷竜! 炎竜!  シンメトリカルドッキングじゃ!!」
炎竜「了解!」
氷竜「シンメトリカルドッキング!!」
(超竜神に合体し、宇宙開発公団タワーの南側へ移動)
スワン「津波が来マス!!」
「来いっ!!」
(津波をユウ・ブレンが止め、超竜神がイレイザーヘッドで宇宙へ、ユウ・ブレンが超竜神の傍へバイタルジャンプ)
大河「お、おおっ!!」
「津波は完全に消滅しました!  成功です!」
麗雄「やれやれ… 今回も何とか助かったわい」
火麻「よくやったぞ、超竜神!」
超竜神「いえ、私は後始末をしただけ…。 あのブレンパワード…そして、 皆さんのおかげです」
大河「うむ。諸君、ご苦労だった!」
比瑪「これがブレンパワードの威力よね…。 こういう風に使えばいいんだ…!」
「お疲れさん、ブレン……」
比瑪「伊佐未勇…君?  ねえ、顔を見せてよ」
「………」
(ハッチを開く)
【プチデモ『勇と比瑪のキス』】
比瑪「! 今、何をやったの!?」
「お前のブレンパワードの扱い方、 イエスだね!」
比瑪「ああ! そうかあ!  あはは、そうなんだ!  あたし達でやったのよね!」
サンシロー「おいおい… あいつら、何やってんだ!?」
レミー「あらら。 あの二人、前置きが短いわねえ」
キリー「フッ…若いのさ」
真吾「まあ、 何にしても…大したもんだぜ、あの連中」
レミー「あたし達も負けてられないわね」
キリー「若さじゃ勝ち目ないぜ?」
レミー「失礼ね。レディは歳取らないの」
大文字「諸君、ご苦労だった。 大空魔竜へ帰還してくれたまえ」

《太平洋 オルファン・WORLD AREA》

[オルファン・ブリッジ]

クインシィ「勇がノヴィス・ノアやGGGに このオルファンの弱点を教えることに なるのだから…」
クインシィ「防衛のために グランチャー部隊を強化するのは 当然でしょう!」
伊佐未研作「オルファンが浮上すれば、 ノヴィス・ノアやGGG…さらに 地下勢力など問題ではない」
クインシィ「勇はグランチャーの抗体に ならなかったにしても、オルファンを 知っています」
伊佐未研作「あれはお前の弟なんだぞ!  それを倒そうというのか!」
クインシィ「異分子は排除しなければ ならない! 勇がビー・プレートを 手に入れたら、どうなる!?」
伊佐未研作「ビー・プレートのことは まだその威力も存在も仮定のものなんだぞ、 依衣子…!」
クインシィ「依衣子など、ここにはいない…!  私はクインシィ・イッサーである」
ジョナサン(…オルファンは 伊佐未ファミリーの所有物ではない。 それを彼らも知るべきだな…)
ジョナサン(だが、 勇の奴にさっきの借りを返すためにも… グランチャー部隊の強化は必要だな)
カナン(…勇…… あなたがオルファンに戻らないのなら…)
カナン(私は………)

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[ノヴィス・ノア・ブリッジ]

アイリーン「…身体検査の結果、 伊佐未勇君の身体に問題はありません。 DNAの書き換えもされていないようです」
アノーア「わかりました」
コモド「伊佐未って、リクレイマーを 統率しているファミリーの名前でしょう?」
「………」
コモド「あなた、どうしてここへ来たの?」
アノーア「コモド、 彼への質問は私が行います」
コモド「あ…。はい」
アノーア「伊佐未勇…私はあなたを全面的に 信用しているわけではありません」
「…だろうね」
アノーア「あなたが リクレイマーを裏切った理由は何です?」
「…さっきの津波でわかるように、 オルファンはもう浮上を始めている」
「あれが海上に出たら 人類の手には負えないということぐらい、 あんた達だってわかっているはずだ」
アノーア「無論です。 そのためのノヴィス・ノアなのです」
「でも、リクレイマーと戦う力は まだ充分に備わっていない」
「だから、あんた達はGGGや 連邦軍の手を借りているのが実情だ」
アノーア「…こちらの事情に詳しいようね」
「だいたいの情報はオルファンで手に入る。 あんた達やGGGのことも含めてね」
アイリーン(…密通者がいるの…?  いえ、考えすぎね)
コモド「ずいぶんなことを 言ってくれるけど…」
コモド「オルファンから逃げ出した ブレン1機でオルファンを阻止しようなんて 出来るわけがない!」
「…ノヴィス・ノアは サバイバルのための艦だ。地球の海を 漂うだけ。けど、オルファンは違う…」
コモド「!?」
「オルファンって、 銀河旅行をする凄い船なんだよ」

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[メインオーダールーム]

麗雄「それにしても…ブレンパワードが あんな力を持っておったとはな」
猿頭寺「そうですねえ…。 データを見直す必要があると思われます」
火麻「あの伊佐未勇とかいう奴は どうなった?」
「アノーア艦長からの報告では、 私達に協力をしてくれるとのことです」
火麻「ほう…素直だな。 そういうタマには見えなかったが」
麗雄「ふふふ…宇都宮君のおかげかも知れん。 あの子は人をひきつける何かを 持っておるようじゃからな」
大河「ところで、博士…氷竜と炎竜の方は?」
麗雄「やはり、再調整が必要じゃ。 シンメトリカルドッキングを より確実なものにするにはな」
大河「そうか…。 では、調整作業を急いでくれたまえ」

[大空魔竜・ブリッジ]

大文字「…では、伊佐未勇君を加えた ブレンパワード部隊を我々に預けると?」
ゲイブリッジ「そうです。 ノヴィス・ノアは対リクレイマー用に 建造された艦とは言え…」
ゲイブリッジ「主な任務はオルファンの 調査です。今後のことを考えれば、 そうした方が得策でしょう?」
大文字「おっしゃるとおりですが、それでは そちらの戦力が減ってしまうことに…」
ゲイブリッジ「その点に関しては ご心配なく。しばらくの間、リクレイマーは ノヴィス・ノアを狙うことはないでしょう」
大文字(…何故、そう言い切れるのだ?)
ゲイブリッジ「では、ノヴィス・ノアは 引き続きオルファンの調査を行います。 比瑪君達のことを頼みます」
大文字「わかりました…」
(モニターオフ)
甲児「………」
さやか「どうしたの、甲児君?」
甲児「ああ、 恐竜帝国のことが気になってな…」
さやか「…わかってたことだけどね…」
甲児「それに… 奴らがこの時代に現れたことで、 未来が変わっちまった…」
さやか「そうね…向こうで会った人達は どうなるのかしら…?」
甲児「………」
サコン「それに関しては大丈夫だろう」
さやか「え?」
サコン「…口を挟んですまないな。 君達が未来世界へ行ったという 報告書を読んでいたものでね」
甲児「じゃあ、 さっき大丈夫だって言ったのは…」
サコン「ある説によれば、時間の流れには 無数の分岐点があるという…」
サコン「そして、君達が行った未来世界への 時間の流れと、俺達がいる時間の流れは イージス計画が成功した時点で分岐し…」
サコン「別の時間の流れとなった。 だから、君達が出会ったという人々の 世界はそこに存在することになる」
甲児「ってことは… あいつらは消えたわけじゃない…?」
さやか「あたし達が向こうでやったことは 無駄じゃないんですね?」
サコン「おそらく…としか言えんがな」
甲児「推測だとしても、 そういう可能性があるってことが わかっただけでも嬉しいぜ」
さやか「ええ…」
サコン(だが…俺達の世界の未来は 甲児達が見てきたものと 変わってしまったことになる…)
サコン(これから何が起きるか、 俺達の未来がどうなるか… それは誰にもわからんのだ……)

[マシーンランド内部]

バット「ザンキ、どういうつもりだ!?  あれだけの大口を叩いておきながら、 ゼン1号を失って逃げ帰ってくるとは!」
ザンキ「随分なお言葉ですな、叔父上。 帝王ゴール様のご命令どおり、 大空魔竜のデータは取ってきましたぞ」
ザンキ「それに、ガレリィ長官が 空中戦闘能力に固執して作り上げた ゼン1号など…惜しくはありません」
ガレリィ「な、何じゃと!? ワシの メカザウルスに文句をつける気か!」
ザンキ「そうです。 俺ならば、地上戦闘能力に優れた ゼン2号を作りますよ」
ガレリィ「何?  そんなものでどうするつもりだ?」
ザンキ「無論、 早乙女研究所を破壊し、我らの仇敵 ゲッターロボを倒すのです」
ゴール「…ほう、ゲッターを倒すだと?」
ザンキ「はい。 奴を倒すには地上戦が最も有効かと」
バット「馬鹿を言うな。 ゲッターは空・陸・海と変幻自在… そんな手は通用せんぞ」
ザンキ「フフフ…俺には策があるのですよ、 叔父上。早乙女研究所を破壊し、 新型のゲッターロボを倒す策がね…」
ゴール「面白い。 では、キャプテン・ザンキ… 貴様の策でゲッターを倒してみせよ」
ゴール「成功した暁には、キャプテンから ワシ直属の参謀へ昇格させてやる」
ザンキ「ははっ、ありがたきお言葉!」
バット(…こやつ…!)
ガレリィ(ワシらを出し抜くつもりか…)
ザンキ「…ときにガレリィ長官、 一つお願いがあります」
ガレリィ「何じゃ?  ゼン1号の改造なら、好きにするがいい」
ザンキ「いえ。長官が開発された ネジ型高性能時限爆弾・ゼロを お貸し頂きたいのです」
ガレリィ「何、ゼロを?」
ザンキ「ええ。 あれを早乙女研究所ゆかりの者に 使わせようと思いましてね…」
ゴール「ガレリィ、 ザンキの望むようにするのだ」
ガレリィ「は、ははっ。では……」
ザンキ(ククク…ゲッターロボよ、 首を洗って待っていろ)
ザンキ(貴様を倒せば、 恐竜帝国での俺の立場は不動のものとなる… フフフ…フハハハハ……!)


back index next