back index next


滅びを告げる者 アイビス ~ 第6話 ~

万丈「正面突破か…。 正々堂々の勝負は僕も望むところだ」
レディ「では、マザー・バンガードを 中心に部隊を集中させて 敵防衛部隊の突破を図る」
レディ「無謀な突撃は控え 波状攻撃で防衛ラインを崩していくぞ」
一矢「よし…腕がなるぜ」

[マザー・バンガード・ブリッジ]

ベラ「全乗組員に伝達します。 これより母艦マザー・バンガードは 衛星イオの敵本拠地に攻撃を開始します」
ベラ「作戦決行は5時間後!  各員は持ち場について下さい!」
ザビーネ「………」

[格納デッキ]

ベルナデット「トビア、 あなたも出撃するの!?」
トビア「ああ」
ベルナデット「どうして、あなたが…」
トビア「心配してくれるのは嬉しいけど、 もう決めたんだ。僕はこの戦いの結末を この目で見届けたいんだ」
ベルナデット「で、でも…」
一矢「心配するな、ベルナデット。 こう見えてもトビアは、 なかなかやるんだぜ」
ルー「そうよ。トビアも あたし達の大事な戦力なんだから」
トビア「自信があると言えば 嘘ですけどね…」
ウモン「大丈夫だよ。 俺の勘は当たるんだ。お前にゃ ニュータイプの素質があると見た」
トビア「ニュータイプ…?」
キンケドゥ「勘がよかったり、 人の心が少しだけ読めたりする ちょっとだけ進化した人間のことだ」
フォウ「そんなの、ただの概念よ。 進化した人間だなんて…」
キンケドゥ(そうか、彼女は……)
ウモン「確かに、進化とか革新とか そんなご大層なモンじゃねえが… かく言うワシもニュータイプでね」
ルー「えっ!? 嘘ぉ!?」
ウモン「何をそんなに驚いとるんじゃ?」
ルー「だって、 あたしの知ってるニュータイプって、 みんな若い子ばっかりだから…」
ウモン「年寄りだって覚醒するわい。 でなければ、一年戦争の時にボールで ドムを6機も落とせん」
ルー「へーっ。 ある意味、アムロ大尉より凄いかもね」
ウモン「何にせよ、戦場じゃ生き残ることが 第一じゃ。死んじまったらニュータイプも へったくれもないからな」
トビア「覚えておきます」
ウモン「あとはアイビス、 お前さんも気をつけろよ」
アイビス「………」
ウモン「お前さん、 何に迷っとるか知らんが、 どうもやることが危なっかしいんじゃ」
アイビス「それも ニュータイプとやらのカンなの?」
ウモン「いや…年寄りのおせっかいじゃよ」
アイビス「だったら余計なお世話よ…」
ウモン「そういう風に 妙にイライラしとるところが 心配なんじゃよ」
ツグミ「ご心配なく、ウモンさん。 私が絶対にアイビスを 死なせたりしませんから」
アイビス「………」
ベルナデット「トビア…これ…」
トビア「これは…ペンダント?」
ベルナデット「おまもり…持って行って」
トビア「う、うん」
ベルナデット「必ず帰ってきてよ…。 お友達がいなくなっちゃうの イヤだからね…!」
トビア「ああ、約束する…!」
キンケドゥ「さあ、 そろそろ最終ブリーフィングだ。 行くぞ、みんな」


第6話
滅びを告げる者

〔戦域:イオ基地周辺〕

(マザー・バンガードが出現)
トッポ「す…凄い数の敵だよ!」
レイカ「覚悟はしていたけど さすがは木星帝国の本拠地ねえ」
レディ「よし、各部隊出撃!」
(出撃準備)
レディ「各小隊はマザー・バンガードを 中心に陣形を形成! 密集隊形のまま 敵基地を目指すぞ!」
ベラ「これより木星帝国を討つ!  宇宙海賊クロスボーン・バンガード、 攻撃開始!」
トビア(バーンズ大尉…いないのか…?)
トビア(バーンズ大尉…あなたは この戦いが避けられない戦いだと言った。 でも、僕はそんなことは認めない!)
トビア(僕がこの手で! この戦いを 終結させて、それを証明してみせるっ!)
(作戦目的表示)

〈3PP or 味方機が基地に接近〉

(敵機増援が出現)
レイカ「後方に敵部隊が現れたわ!!」
ベラ「怯むな!  我々は前進するしかない!  後方の敵にはかまうな!」

〈NEXT EP〉

ザビーネ「キンケドゥ、気づいているか?」
キンケドゥ「ああ…妙だ。 クロスボーンが合流しているはずなのに、 ドレル・ロナが戦場にいない」
ウモン「そいつはおかしいな。 あの坊ちゃん、こういう戦いじゃ 必ず前線にいたはずだ!」
一矢「何かの罠か…?」
京四郎「『虎穴に入らずんば虎児を得ず』!  ここまで来たら行くしかないぜ」

〈味方機がイオ基地へ到達〉

(イオ基地全体に多数の爆煙)
ノイン「よし!  防衛ラインに穴が空いた!」
レディ「艦長、艦を突撃させるぞ!」
ベラ「えっ!?」
(マザー・バンガードが基地まで移動し、振動、基地の中央に爆煙)

[マザー・バンガード・ブリッジ・非常灯点灯]

(振動)
トッポ「うわっ!」
ビューティ「マザー・バンガード、 エンジントラブル発生!  もう動けないわよ!!」
ベラ「!!」
レイカ「敵基地は完全に沈黙したわ!」
ベラ「レ、レディさん…」
レディ「…先程の命令が 越権行為だったのは認める」
レディ「だが、分かっていても 艦の人間と敵兵へのダメージを考えると 艦長には今の命令は出せなかっただろう?」
ベラ「ええ…そうですね…。 すみません…」
レディ「それより、今は各部に指示を。 機動部隊のパイロット達は 既に敵基地に突入を開始している」
ベラ「では、こちらも白兵戦の準備を!  艦に侵入してくる敵兵を迎え撃ちます!」

[イオ基地内部]

(サイレン、機関銃の銃声、爆発、振動)
木星帝国兵「海賊軍が基地内に侵入したぞ!  各員、迎撃に当たれ!」
一矢「とおりゃあぁぁっ!」
(2発殴る、振動)
木星帝国兵「ぐあっ!!  す、素手でかかってくるなんて…」
一矢「懐に飛び込めば 俺の空手の方が銃より早いぜ!!」

京四郎「ふんっ!」
(日本刀で斬りつける)
木星帝国兵「うわあっ!」
京四郎「安心しろ…みね打ちだ」
ナナ「さすが、 お兄ちゃんと京四郎さん!」
万丈「みんな、無事か!?」
トビア「は…はい! 敵兵は ほとんど一矢さんと京四郎さんが 倒しました!」
(爆発、振動)
キンケドゥ「この扉の向こうに クラックス・ドゥガチがいるはずだ」
ルー「いよいよ親玉の登場ね…!」
キンケドゥ「行くぞ!」
ザビーネ(フ、フフフ…)
ザビーネ(フフ…いいぞ…いいっ!)
ザビーネ(ベラ様にその気があろうが なかろうが、これでクロスボーンを… 貴族主義を名乗る者が…)
ザビーネ(木星帝国を倒した事実に 違いはない!)
ザビーネ(それは必ずや、今一度 貴族主義者の人心を集めるかっこうの きっかけになる…フフフフフ…)
(大きな扉が開く)

[ドゥガチの居場]

一矢「全員動くなっ!  武器を捨てろ!」
木星帝国艦長「うぬっ、海賊共め…!」
ドゥガチ「………」
キンケドゥ「もうお終いだ、クラックス・ ドゥガチ! 今すぐ全軍の動きを停止し、 地球侵攻の野望を捨てろ!」
キンケドゥ「どのみち地球侵攻を選択する 余地はない!」
キンケドゥ「撤退か…さもなくば貴様の 死を以って、この計画の幕は下りるのだ!」
ドゥガチ「………」
(液体を噴射した)
トビア(何だ…?  何で水槽の中にいるんだ?  何かの溶液なのか?)
トビア(それとも人間じゃない…のか?)
キンケドゥ「さあ! 決断しろ!  クラックス・ドゥガチ!」
ドゥガチ「ククククク…」
キンケドゥ「!!  貴様を撃つことだけには… とまどいはないっ!」
(機関銃を連射、ガラスが割れる)
木星帝国兵「あ…ああ…ドゥガチ総統…」
ウモン「や…やった! やった…のか?」
フォウ「見て! ドゥガチの身体…!」
ドゥガチ「………」
アイビス「え…機械の身体…!?」
ザビーネ「アンドロイドか?」
キンケドゥ「いや…そんないいもんじゃない。 エアチューブで動くだけの人まね人形… ダミーだ」
トビア「それじゃ…?  偽物だったってことですか!?」

ドゥガチ「フハハハハハハ!  アハハハハハハ!  いいや…わしはドゥガチだよ」
ツグミ「この声…ドゥガチと同じ声!?」
ドゥガチ「君達の倒した人形、 それは間違いなくクラックス・ドゥガチだ。 正確にはドゥガチの1人ということだがね」
ルー「ドゥガチの1人!?」
一矢「姿を見せろ! 卑怯者め!」
ドゥガチ「ワシは既に自分の人格を 複数のバイオユニットに移し終えた。 その人形は単なる飾りに過ぎない」
キンケドゥ「何だと…!?」
ドゥガチ「複製した人格全てが同じ判断をし、 同じことを考えるクラックス・ドゥガチ 本人であると言えるのだ!」
ドゥガチ「つまり、貴様達は確かに クラックス・ドゥガチを追い込み 打ち倒したというわけだ…ただし…」
ドゥガチ「クラックス・ドゥガチの内の たった1人をな!」
万丈「お前は… 人であることを捨てたというのか!?」
ドゥガチ「そうだ。 かつてのメガノイドと同じようにな…」
万丈「!!」
ドゥガチ「ワシからの連絡により、 眠っていた他の全てのドゥガチ達は 目覚め、動き出した」
ドゥガチ「既に木星帝国軍本隊と その協力者であるクロスボーンは 地球圏へ向けて出発したところだ」
キンケドゥ「なっ…!!」
ドゥガチ「そしてドゥガチの1人を 追い込んだ貴様達には、その働きに免じ、 この基地と運命を共にする栄誉を授けよう」
万丈「栄誉だと!?」
ドゥガチ「そう!  基地ごと貴様達を爆破する!」
キンケドゥ「何っ!?」
ドゥガチ「既にカウントダウンは 始まっている。あと5分27秒で この基地はイオの地表から消滅する」
一矢「馬鹿な! この基地には まだ兵が残されているんだぞ!  それを道連れにする気か!?」
ドゥガチ「木星帝国の兵は ワシの忠実なしもべだ。 その命は全てワシのものだ」
木星帝国艦長「ドゥ…ドゥガチ様…」
京四郎「おい!  貴様は木星帝国の将軍だろう!  基地の爆破を止める方法はないのか!?」
木星帝国艦長「だ…駄目だ…! その手の 最高決定を変えるためのパスコードは ドゥガチ総統の身辺のものしか知らぬ…」
木星帝国艦長「奥様が亡くなられた今では 他に知る者は…」
万丈「ツグミ!」
ツグミ「バイオユニットの端末から 基地のメインコンピュータに アクセスしてみます!」
ドゥガチ「無駄だ! 無駄だよ!  間に合いはしない!」
万丈「だからと言って、 あきらめるわけにいくか!」

(機関銃の銃声)
ザビーネ「新手だと!?」
木星帝国兵「宇宙海賊め!  よくもドゥガチ様を!」
ルー「何てこと…!  この人達、逃げる気がないの!?」
キンケドゥ「この基地が爆発するんだぞ!  貴様らの総統はお前達を切り捨てた!」
木星帝国兵「ジーク・ドゥガチ!」
木星帝国兵「ジーク・ジュピター!」
木星帝国兵「木星に逆らう者に裁きの雷を!」
一矢「やめろ! 爆発を止めなければ お前達も死ぬんだぞ!  わからないのかっ!?」
木星帝国兵「我が生命は木星の捨て石の 一つに過ぎず…」
木星帝国兵「我が死をもって木星に栄光を!  最もふさわしき者に緑の地を!」
木星帝国兵「全ては ドゥガチ総統のためにささげ… 全てはより良き人類の未来のために!」
キンケドゥ「貴様ら!  貴様らぁっ! ばかやろおおおっ!!」
キンケドゥ「自分の命すら大事だと 思わないから、人の命を奪うっ!!」
キンケドゥ「何故、部下の命すら たやすく切り捨てる男が人類全てのことを 考えられると思うっ!?」
キンケドゥ「死を強いる 指導者のどこに真実があるっ!  寝言を言うなっ!!」

(エラーシグナル)
ルー「どうなの、ツグミ!  パスコードは解明できたの!?」
ツグミ「…だ…駄目…、 考えられる可能性だけで… 数百万通りの…パターンが…」
トビア「そんな! じゃあ、爆破の停止は…」
ツグミ「………」
アイビス(あたしは…ここで死ぬ…。 あたしはここで死ぬの…?)
アイビス(そんなのは…)
(機関銃の銃声)
フォウ「銃撃が止んだ…?」
(速い足音)

ベルナデット「ツグミさん、代わって下さい」
トビア「ベルナデット!  どうして、君がここに!?」
ベルナデット「………」
(成功シグナル)
ツグミ「プロテクトが解除されていく… 正しいパスコードが入力されたんだわ!」
ベルナデット「…これでこの基地の 爆破指令は解除されました」
トビア「パ…パスコードを知っている?  ベルナデット…君はいったい?」
ベルナデット「………」
ドゥガチ「テテニス…」
ベルナデット「…お父様…」
ナナ「お父様…!?」
ドゥガチ「テテニス…お前…」
ベルナデット「嘘を…つきましたね?  お父様…」
ベルナデット「あなたは地球の人々は みんな…残酷で野蛮だから、 滅ぼさなくてはいけないって…」
ベルナデット「私に間違いを教えて…!」
ドゥガチ「………」
ベルナデット「地球から来た人には… 海賊には…あなたの言うような 悪い人はいなかったのに…」
トビア「ベ…ベルナデット…?  そ…そんな…君のはずは…?」
ベルナデット「いいえ…本当です。 私はベルナデット・プリエット… でも、それは嘘の名前…」
ベルナデット「本当の名前はテテニス…、 テテニス・ドゥガチ…!」
ベルナデット「木星帝国総統の クラックス・ドゥガチの… あなた方の敵の娘です…」
トビア「そ…んな…?」

《木星衛星イオ・SPACE AREA》

[マザー・バンガード・ブリッジ]

フォウ「マザー・バンガードの ダメージも深刻ね…」
ウモン「修理するには かなりの日数がかかるだろうな」
フォウ「ベルナデットはどうしているの?」
ノイン「状況が状況だ。 とりあえず監視をつけさせてもらっている」
ルー「…それにしても、あたし達が 命懸けで倒したのがドゥガチの 1人に過ぎなかったなんて…」
一矢「その上、木星帝国の主力が 地球圏へ向かってるなんてな…」
京四郎「全ては奴の書いた絵図通り。 木星くんだりまで来て、陽動作戦に 引っ掛かった俺達の完全な敗北だな」
キンケドゥ「…まだ終わったわけじゃない」
アイビス「状況が見えてないの…?  あたし達は負けたのよ…」
アイビス「もう…これ以上、 戦ったって…無駄なあがきよ…」
キンケドゥ「負けたから、 無駄だから戦わないというのなら、 ここで艦を降りてくれ」
トビア「キンケドゥさん…」
キンケドゥ「俺達はたった一度の 敗北で諦めることは許されない…」
キンケドゥ「戦うんだ…!  何度倒れても、その度に立ち上がってな」
キンケドゥ「それが俺達、 宇宙海賊クロスボーン・バンガードだ」
アイビス「………」
ベラ「キンケドゥの言う通りです。 私達は諦めるわけにはいきません」
キンケドゥ「ベラ…」
ベラ「では、 マザー・バンガードの全乗員に 改めて命令を下します」
ベラ「これより、我々は木星帝国本隊を 追撃するため、地球圏へ向かいます…!」

『スラスターモジュール』を入手した


back index next