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彼方への扉 ~ 第49話 ~


第49話
彼方への扉

〔戦域:変質したホワイトスター内部〕

(クロガネ、ヒリュウ改、キョウスケ機、エクセレン機、ギリアム機、ラミア機、龍虎王は出撃済み、出撃準備)
レフィーナ「ユン、状況の報告を!」
ユン「周辺の隔壁が 未知の物質に侵食されています!」
ユン「おそらく、 このブロックだけでなく、 ホワイトスター全体が……!!」
アラド「こ、これじゃ、あの時の アースクレイドルと同じだ!!」
ゼオラ「未知の物質って、 いったい何なの!?」
エクセレン「未知じゃない……!  これは……!!」
テツヤ「ホワイトスター外部の 状況はどうなっている!?」
エイタ「きょ、強力な エネルギーフィールドに覆われて いるらしく、調査不能です!」
エイタ「センサー類は真っ白、 外部との通信も不可能です!!」
テツヤ「なっ……!!」
ツグミ「あ、あの時と…… エクセレン少尉を助けた時と 同じ……!?」
テツヤ「俺達はホワイトスターに 閉じ込められたのか!?」
ギリアム「……」
(アラート)
ユン「か、艦の前方に反応あり!  アインストです!!」
レフィーナ「!!」
(アインストが出現)
アラド「あ、あのデカい アインストは!?」
リュウセイ「SRXを 取り込もうとした奴だ!!」
キョウスケ「どうやら…… 奴が“女王蜂”ということらしいな」
???(アインストレジセイア)「……」
(精神感応)
リュウセイ「くあっ!!」
アヤ「つうっ!!」
マイ「こ、この念は…… エクセレン少尉を操っていた……!?」
???(アインストレジセイア)「……」
龍虎王「ウウウゥゥゥ……!!」
クスハ「! 龍虎王……!!」
龍虎王「ウオオオォォォ……!!」
(クスハに『気迫』『鉄壁』『熱血』)
クスハ「!!」
ブリット「あ、あの時と同じだ!  やっぱり、あれがアインストの 親玉なのか!?」
クスハ「……」
エクセレン「……あれは……監査官」
???(アインストレジセイア)「……」
(精神感応)
エクセレン「う! ああっ!!」
アヤ「エクセレン!!」
エクセレン「く……ううっ!」
キョウスケ「エクセレン、落ち着け!  お前はもう大丈夫なはずだ!」
エクセレン「うう……!」
キョウスケ「エクセレン!」
エクセレン「う、うん……。 ありがと、キョウスケ……」
アルフィミィ「……エクセレン、 やはり、あなたは……」
エクセレン「お嬢ちゃん……!」
ライ「生きていたのか……!」
アルフィミィ「はい。 このペルゼインが…… 私を護ってくれますの…」
キョウスケ「ペルゼイン……!?  その赤い機体のことか?」
アルフィミィ「はい……ここにいると…… あなたを感じますのよ、キョウスケ。 それは、エクセレンが……ここで……」
エクセレン(! やっぱり……!!)
キョウスケ「終わりが見えてきたようだな。 アルフィミィ……お前達アインストの真意、 今こそ教えてもらうぞ」
アルフィミィ「……」
アルフィミィ「私達の望みは…… 静寂なる宇宙……」
アルフィミィ「でも……この宇宙は 大きく歪んでしまいましたの……」
アルフィミィ「あなた達…… 『人間』の存在によって……」
キョウスケ「……インスペクターの連中も 同じようなことを言っていた」
キョウスケ「おれ達地球人類は病原菌…… いずれ銀河を滅ぼし得る存在だとな」
アルフィミィ「……」
アイビス「でも、 あたし達地球人は、まだ太陽系の外へ 出るのがやっとなのに……!」
タスク「そうだ!  他の星の連中にケンカなんて 吹っ掛けてねえぜ!」
アルフィミィ「……同じことですのよ」
アイビス「え……!?」
アルフィミィ「あなた達以外の人間が…… すでにこの宇宙を乱しているのですから」
アイビス「あたし達以外って……!?」
ユウキ「インスペクターのことか?」
アルフィミィ「他にも…… いらっしゃいますのよ」
ユウキ「信じ難い話だが、 そうも言ってられんか」
カーラ「ま、まだ疑っていたの?  宇宙人のこと」
ユウキ「お前は疑問に思わないのか?  俺達とインスペクターの姿形が 同じだと言うことを」
カーラ「た、確かに、あいつらは 昔のSF映画に出てくるような 宇宙人じゃないけど……」
ユウキ「……俺には偶然の一致だと思えん」
ユウキ「もしかしたら、地球人と インスペクターのルーツは……!?」
アルフィミィ「……」
キョウスケ「……人間は 静寂の宇宙を乱す存在…… だから、滅ぼすと言うのか?」
アルフィミィ「はい…… そして、新たな種を創り出しますの」
キョウスケ「……!」
マサキ「創り出すって……お前らが!?」
アルフィミィ「その通りですの。 私達が望む進化を遂げる生命体…… その種子を……ですのよ」
アヤ「もしや、 あなた達アインストは……!?」
アルフィミィ「……」
キョウスケ「そうか……読めたぞ」
エクセレン「ええ、 間違いない……でしょうね」
キョウスケ「お前達がエクセレンを さらった理由……そして、アルフィミィ…… お前が何者なのか」
アルフィミィ「……」
キョウスケ「人間の進化の形を求めた結果…… それがお前だというなら……アインストの 目的は達成されんということがな」
アルフィミィ「何故……?  何故、そんなことを…… おっしゃいますの……?」
アルフィミィ「キョウスケ、私は……!」
キョウスケ「……お前は 本当にそう思っているのか?」
アルフィミィ「どういう意味ですの……!?」
エクセレン「あなた自身の言葉なのか、 ということよ」
アルフィミィ「私は……究極の進化を……」
キョウスケ「それがお前だというなら、 それ以上望むのは……やめておくべきだ」
アルフィミィ「! 何故……!?」
キョウスケ「何をもって “究極”とするのかは知らん。 だが、それを求めるのならば……」
エクセレン「私を基にするのは 間違ってるってことよ、 アルフィミィちゃん……」
エクセレン「いえ、もう一人の……私」
アルフィミィ「……」
ラミア「まさか……!  エクセ姉様、彼女は……!」
アヤ「エクセレンの……!?」
アルフィミィ「……」
キョウスケ「何故、 お前がおれに拘るのか…… 何となく想像はついていた」
アルフィミィ「……」
キョウスケ「そして、お前が『創られた』 目的を考えれば……もうその存在を 放っておくことはできん」
アルフィミィ「その考えが…… 結局はこの宇宙を乱していることに 何故、気づいてはいただけませんの?」
キョウスケ「理解できないか?  ……できないだろうな、お前には」
アルフィミィ「わからない……。 わかりませんの……」
エクセレン「究極の進化なんて…… 何の意味もないのよ、お嬢ちゃん」
エクセレン「それも、自然の流れに反した、 作為的な進化なんてのは、ね」
アルフィミィ「……!」
エクセレン「そもそも、あなた達は 見守るための存在だったはず……」
アルフィミィ「ですが、 流れは乱されてしまいましたの…… 人間によって……」
キョウスケ「だから、 乱した原因を抹消すると言うのか」
アルフィミィ「それだけでは ございませんのよ、キョウスケ……」
アルフィミィ「お話し致しますの。 私達は……」
キョウスケ「もういい、黙れ」
アルフィミィ「……!」
キョウスケ「続きを話したければ、 おれ達を倒した後に…… 一人でゆっくりするんだな」
アルフィミィ「……キョウスケ…… どうして……そこまで……」
キョウスケ「宇宙を乱す存在とやらが おれ達なのか、お前達なのか…… その答えはおれにもわからん」
アルフィミィ「……」
キョウスケ「だが、 黙ってお前達に滅ぼされるつもりは 毛頭無い……!」
エクセレン「ちょっと ボスっぽかったわね、今の。 人の話をあんまり聞かない所とか」
ゼンガー「世迷言を聞く必要などない。 己の信念を叩きつけてやればよい。 行くぞ、我らは……ここで止まれん……!」
キョウスケ「……そういうことだ、 アルフィミィ」
キョウスケ「戦争は最後に立っていた者が 正しい……気に入らん考え方だが、 結果的にはそういうことになる……!」
アルフィミィ「わかりました……」
アルフィミィ「私は……ここで 『扉』を開かせていただきますの……新しい 種子と……静寂なる宇宙のために……」
(作戦目的表示)

〈ペルゼイン・リヒカイトのHP20%以下 or アインスト・レジセイアのHP60%以下〉

アルフィミィ「やはり…… 急ぎすぎましたのね……それに……」
クスハ「え……!?  急に力が……弱まった?」
アルフィミィ「『鍵』が…… 揃わなければ……『扉』は完全に……」
???(アインストレジセイア)「…………」
アルフィミィ「かしこまりました…… もう少しだけ時間を…… 作っていただきたいですの……」
(ペルゼイン・リヒカイトが転移撤退)
シャイン「き、消えましたわ!!」
カチーナ「あいつ、また!?」
レフィーナ「ユン、 外周部のエネルギーフィールドは!?」
ユン「消えていません!  周辺の状況にも変化なし!」
レフィーナ「で、では、フィールドを 張っているのは……!?」
キョウスケ「あの巨大なアインストか……!」
???(アインストレジセイア)「………」
キョウスケ「ならば、倒す……!  それだけだ!」

〈アインスト・レジセイアのHP40%以下〉

(アラート)
エイタ「後方より熱源体、多数接近!  シャ、シャドウミラー隊です!!」
テツヤ「何だと!?」
キョウスケ「ちっ……!」
(シャドウミラー隊が出現)
リュウセイ「あ、あいつら、 今までどこに隠れてやがった!?」
ラウル「もしかして、 あれがシャドウミラーの……!?」
リュウセイ「ああ、 アタマを張ってる連中だ」
レモン「ふふ……ホントは 最後まで見物していたかったんだけど、 そうもいかなくなっちゃったのよね」
ギリアム「ここからの脱出が 困難になったからか?」
ヴィンデル「そうだ、ヘリオス。 アインストシリーズが展開した エネルギーフィールドのせいでな」
キョウスケ「つまり……おれ達は 全員ここに閉じこめられたということか」
レモン「そ。 私達も試してみたけど、通常転移じゃ 外への脱出は不可能……」
レモン「まさか、アインストが こんな手を使ってくるとは思わなかったわ」
ヴィンデル「我らがここから脱出するには、 次元転移を行わねばならん」
ヴィンデル「だが、 アインストのフィールドを 確実に突破するには……」
ヴィンデル「システムXNの機能が 完全でなければならん」
ギリアム「なるほど…… それで俺を捕らえに来たわけか」
ヴィンデル「そうだ。 そして、エクサランスも手に入れば、 なお良し」
ラウル「……!」
レモン「……他にも目的はあるけどね」
ラミア「……」
エクセレン「……」
ヴィンデル「これが最後通告だ。 我らと共に来い」
キョウスケ「おれ達の答えは変わらん」
ヴィンデル「……」
レモン「エクセレン、あなたは?」
エクセレン「悪いけど、 もうキョウスケの敵に 回るつもりはないのよね」
レモン「そう……」
ブリット「争いを食い止めるなら ともかく、それを広げることに 荷担なんて出来るか!!」
ヴィンデル「前にも言ったな?  人間の歴史は戦いの歴史だ。それは 我々の世界でも、この世界でも同じ」
レモン「それに、常に戦いは 人間に新たな進化を促してきた。 精神的にも……技術的にも」
レモン「それこそ、インスペクターから 目を付けられるぐらいにね」
ヴィンデル「戦争がなければ、 人類は未だに宇宙へ飛び出すことすら 出来なかっただろう……」
ツグミ「確かに、それは事実よ。 でも、私達は戦争をするために 宇宙を目指しているのではないわ」
ヴィンデル「だが、 宇宙を飛ぶための技術の多くが 兵器に流用されている」
ヴィンデル「その最たる物が テスラ・ドライブではないか」
アイビス「それは兵器として使う奴らが 悪いだけだよ!」
アイビス「せっかくの技術や発明を 何でも戦争の道具にしてしまう奴らが!」
ヴィンデル「だが、 闘争は人間にとって滋養分なのだ」
ヴィンデル「それがない世界は ゆっくりと腐敗し……やがて、 取り返しのつかない世界となる」
シャイン「それはあなた達の 勝手な理屈でございましょう!」
マサキ「屁理屈ってんだよ、 そういうのはな!」
ヴィンデル「真実だ。 だが、あのビアン・ゾルダークが 行動を起こさなければ……」
ヴィンデル「連邦政府や連邦軍は 腐敗を続け、対異星人用の兵器も 量産されることなく……」
ヴィンデル「地球人は 異星人に屈していただろう」
リューネ「それは……!!」
ヴィンデル「ビアンも私と同じく、 戦争によって人間の進化を 促そうとしたのだ……」
ヴィンデルエアロゲイターや インスペクターという異星からの 侵略者に打ち勝つために」
ヴィンデル「そして、その結果…… 生まれ出でたのがお前達という存在だ」
ヴィンデル「その点で 我らシャドウミラーとお前達は 似ているのだよ」
リューネ「冗談じゃない!  あたし達は争いが続く世界を 望んでなんかいないよ!」
ヴィンデル「だが、これからの時代は 戦争を望む者だけが生き延びる……」
ヴィンデル「人類は闘争によって さらなる進化を遂げなければ、 来るべき星間戦争を生き残れんのだ」
ゼオラ「だから、自分達で訓練代わりに 戦争をやろうって言うの!?」
ゼオラ「戦いを望まない人達まで 巻き込んで!」
ヴィンデル「そうだ。戦争が始まれば、 人は戦わざるを得なくなる。 己自身が生き残るためにな」
アラド「ふざけんな!  わけもわからず戦わされるのは、 おれ達だけでもう充分だ!!」
ヴィンデル「ならば、 何故お前達は戦いに身を投じている?  何のために戦っている?」
クスハ「それは、 あなた達のような人達を止めるためです!」
レモン「まるで正義の味方ねえ。 ……これは駄目かもね、ヴィンデル」
ヴィンデル「下らん。見込みはあるかと 話していたが……どうやらこの世界も 愚か者の集まりのようだな」
レーツェル「否定させていただこう。 愚かなのはお前も同じだ」
ヴィンデル「何……?」
レーツェル「……ビアン総帥や我が父は、 己の選んだ道が愚かであることを 理解していた……」
レーツェル「だからこそ、 自分達の力を凌駕する者が 目の前に現れた時……」
レーツェル「彼らへ 地球圏の命運を託し、己の愚行を 償うために散っていったのだ」
ヴィンデル「フン、 己の愚を自覚せぬ者こそが 真の愚者ということか」
ヴィンデル「だが、 ビアン達が武力で地球圏を支配すれば、 このような事態を招かずに済んだものを」
ゼンガーDCを 否定する者が現れなければ、 総帥達もその道を選んだだろう」
ゼンガー「だが、 先程も貴様が言った通り…… 結果はここにある」
ヴィンデル「では、 何故DC戦争に荷担した貴様は ここにいる?」
ヴィンデル「何故、 愚行を償うために自決せんのだ?」
ゼンガー「確かに……我らの罪は重い。 命ある限り、それを償わねばならん。 例え生き恥をさらし続けても」
ヴィンデル「良かろう……。ならば、 我らの世界のお前と同じ結末を 迎えさせてやる。そして……」
ゼンガー「黙れ。 貴様らにウォーダン・ユミルのような存在を 作り出させはせん」
ゼンガー「奴のように 哀しく、虚ろな存在を……もう二度とは」
レモン「……そうね」
ラミア「レモン様……」
レモン「W17、ここまで来たのね。 じゃあ……アクセルは……死んだのね」
ラミア「はい……残念ですが……」
レモン「仇討ちはさせてもらうわ。 結構気に入ってたのよ、 あの人のこと」
ラミア「……私にとっては敵だった。 敵は倒す……そう教えられてきました」
レモン「そんな所だけは優秀ね、あなた」
ラミア「……はい」
ラミア「レモン様、 アクセル隊長は……最期に……」
レモン「そこまでよ、W17」
ラミア「……レモン様」
レモン「それ以上はいいの。 すべてを語ることが正しいわけではないわ。 ……もう少し学ばなければならないわね」
ラミア「……わかりました」
ヴィンデル「人形風情が無駄口を叩くな。 アクセルが倒れたとて、 我らの作戦は揺るがん」
ヴィンデル「そして、ヘリオス…… 我らの理想成就のため、 その身柄を貰い受けるぞ」
ギリアム「ヴィンデル、 お前達を向こうの世界へ 行かせはしない」
ギリアム「必ず葬り去る。 その歪んだ理想とシステムXNごとな」
ヴィンデル「ならば、 この戦いを永遠の闘争…… その皮切りとしてくれよう!」
ラミア「………」
ラミア「永遠の闘争…… その先にあるのは、進化ではなく破滅」
ラミア「その到達点は……間違っている」
ラミア「ヴィンデル様、レモン様。 お覚悟を決めまくり…… いえ、お決め下さい」
ヴィンデル「W17……!」
レモン「ふふ……やっぱり可愛いわよ、 あなた」
レモン「W17…… 今の言葉……それはあなた自身の 意思なのね?」
ラミア「はい。 私はアインストと……あなた方を倒します」
ラミア「そして進みます……」
レモン「進む……?」
ラミア(アクセル隊長…… あなたが最期に言った、生きる道…… その到達点まで……!)

〈アインスト・レジセイア撃墜〉

???(アインストレジセイア)「…………」
(アインスト・レジセイアが爆発)
キョウスケ「とったぞ……! これで!」
テツヤ「エイタ、状況に変化は!?」
エイタ「あ、ありません!  ホワイトスター外周部のフィールドも 存在し続けています!!」
テツヤ「何!? なら、フィールドを 展開しているのは何者なんだ!?」
キョウスケ「まさか……!?」
リューネ「あいつの上にまだ……!?」
ヴィンデル「ふん……やはり、 システムXNの機能が完全でなければ、 ここから転移出来ぬようだな……!」

状況選択

ヴァイスセイヴァーをエクセレンが撃墜した
ヴァイスセイヴァーをエクセレン以外が撃墜した
ヴァイスセイヴァーよりツヴァイザーゲインを先に撃墜した


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