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楽園からの追放者 ~ 第35話 ~

[個室]

ラミア「う…ここは…?  …どういうことだ? 私はアンジュルグもろとも…」
ラミア(各部に損傷はなし… まさか、自爆装置が完全に機能しなかったとでも?)
ラミア(それに…ここは?  ハガネでもヒリュウ改でもない…。 状況の把握が最優先か)
(扉が開閉する)
ラミア「む…! 誰だッ!?」
レモン「…はぁい、W17。お目覚めのようね」
ラミア「レモン…様…!?  あなたがおられるということは… ここはシロガネ…」
ラミア「ん? 言葉が……」
レモン「言語系は修復済みよ。 私はかまわないけど、いつまでもあの喋り方じゃ、 あなたのイメージが…ね」
ラミア「…ありがとうございます。 レモン様、あなたがご無事で…私にも損傷がないと いうことは、アンジュルグの自爆は…」
レモン安心なさいな。 私は回避が早かっただけよ」
レモン「ツヴァイは大きなダメージを受けたわ。 システムXNの一部が損傷…あの場で撤退せざるを 得なくなった」
レモン「…つまり、あなたの試みは成功したってこと」
レモン「後のことは簡単よ。 奇跡的に残ったコックピットブロックを回収… 損傷箇所を修理したのよ。言語系も含めて、ね」
ラミア「ありがとうございます…。 それで…私を生かした理由は何ですか?」
レモン「ふふ…さすがに勘がいいわね、W17。 …わけを聞かせてもらおうと思ってね」
ラミア「……」
レモン「あなたは指令を無視したばかりか、 味方である私達もろとも消えようとした」
ラミア「…この世界に…我々の居場所はありません。 それが…わかっただけです。だから私は…」
レモン「そこよ。 あなたには……いえ、Wシリーズには指令に対して 疑問を持つどころか……」
レモン「それに逆らって行動するような 思考ルーチンを組み込んではいないのよ?」
ラミア「では、私は… やはり壊れているのでしょうか?  修理をされたはずの今でさえ、その気持ちは…」
レモン「…修理をしたのは体と、言語系のみよ。 それ以外は、今までのあなたのまま」
ラミア「……」
レモン「あなた…まるで人間になったようね」
ラミア「人間…?  レモン様、私はWシリーズ…作られた物です」
ラミア「創造主である、あなたの意にそむく… そんなことが許されるわけがありません」
レモン「ある意味…あなただけが、私の望むままの 存在になりつつあるのかも、ね…」
ラミア「…え?」
レモン「ハガネとヒリュウの確保… その指令を伝える時、自分で考え、自分で決めろ… そう言ったわよね?」
ラミア「…はい、その結果…私は…」
レモン「そう、完全な自我の確立…。 Wシリーズは本当の意味で“自分で考え、決める” ことはできないように作られているの」
レモン「だけど…あなただけが、 そのステージまで上がることができた…」
レモン「シャドウミラーが求める、兵器としての Wシリーズという意味では失敗作…」
ラミア「………」
レモン「でも…科学者としての私が、あなた達に 望む最終形…それがあなたよ」
ラミア「…レモン様が望んだ…もの?」
レモン「テストケースとして、W15には ゼンガー・ゾンボルトの人格をインプット… 彼はそのように振舞ってはいるけど…」
レモン「それはオリジナルでなく、コピー… “ゼンガーならばこう判断するだろう”…という、 シミュレーションに過ぎない」
レモン「しかも、W15を安定させるには メイガス・ゲボの存在が必要だった… つまり、彼は自分の力で自身を律することができない」
ラミア「……」
レモン「でも… あなたにだけは、あなただけの自我が生まれた」
レモン「……与えられた指令に従わず、 自分自身の意思で判断し、行動するという…ね」
ラミア「…これから私は…どうすればいいのですか…?  レモン様の望む者…それに私がなれたとしても、 Wシリーズとしては失敗作…」
ラミア「この世界には居場所がなく、 Wシリーズとしての使命も果たすことができない…。 では、私は…」
レモン「思い悩むことはないわ。 また、決めればいいだけのことよ」
レモン「あなたの力は、私がよくわかっているわ。 …どう? 戻って、また力になってくれないかしら?」
ラミア「………」
ラミア「…はい。 レモン様がそうおっしゃるのならば」
レモン「…ダメよ、W17、あなた自身が決めるの。 Wシリーズとしての…いいえ、ラミア・ラヴレスの 意思でね」
ラミア「………」
ラミア「……出ます」
レモン「ふう…。 後部格納庫にアンジュルグが置いてあるわ。 それに乗ってお行きなさい」
ラミア「…ですが、あの機体は…」
レモン「ふふ、安心なさい。 修理は完全…自爆装置もつけていないから」
ラミア「レモン様……」
レモン「味方が寝返る…… これも戦争の常よ。 私達が望んだ世界にはつきもの」
レモン「ただ、それが… その世界を支えていくはずだったWシリーズの 最高傑作だったというのは、皮肉なことだし…」
レモン「寝返る理由が、科学者にとっては これ以上ない、喜ぶべきことだった… まったく複雑な気分ね」
ラミア「…申し訳ありません、レモン様。 ですが、あなたによって与えられた命… そして…あなたによって与えられたチャンス…」
ラミア「この戦争で、力の限り使います」
ラミア(そして…最後は…)
レモン「これで私とあなたは敵同士… 見せてもらうわ…あなたがどこにたどり着くのか」
ラミア「…はい。では…」
レモン「…W17、行く前にもう一つだけ聞かせて」
レモン「ATXチームのエクセレン・ブロウニング… 彼女は…どんな子だった?」
ラミア「やはり、 彼女とレモン様には関係が……?」
レモン「……」
ラミア「もしや、『向こう側』では…肉親…」
レモン「さあて、ね」
ラミア「……」
レモン「で、どんな子?」
ラミア「ベーオウルフのパートナーです。 つかみどころのない、不思議なお方。 …私にもよくして下さいました」
ラミア「そして…… どことなく雰囲気が似ています。 レモン様と……」
レモン「そう……。何故、そのことを 最初に報告しなかったの?」
ラミア「…自分でもよくわかりません。 何故か…伝えてはいけないような気がしました」
ラミア「そして、それは エクセレン・ブロウニングにも……」
レモン「………」
レモン「そのあたりからだったのね、 あなたに変化が起こり始めていたのは」
ラミア「…おそらくは」
レモン「じゃ、エクセレンの話をしてくれた お礼に、一つだけ教えてあげましょう」
レモン「アギュイエウスの扉…… もうじき開かれることになるわ」
ラミア「……!  もしや、システムXNが?」
レモン「例の機能回復にはもう少し…… 後はコアを手に入れさえすれば」
ラミア(コア……ヘリオスか。 だが、あの男の行方はまだ……)
レモン「システムXNの設置は… さっき話したわよね?」
ラミア「ツヴァイザーゲイン。 アンジュルグの自爆装置でも破壊までには いたらなかった…」
レモン「さ、急ぎなさい。 すぐにこの艦はアクセルの部隊と合流するわ。 顔なんか合わせたら、ただじゃ済まないわよ?」
ラミア「…はい。では、レモン様… 私は行ったり来たりなんかしちゃ…む!?」
レモン「あらあら…やっぱりね」
ラミア「レモン様、これは…。 言語系は修理してくださったのでは…」
レモン「…パーツ交換をしてしまえば 簡単だったんだけど…それだと、メモリーの 一部が消えてしまうのよ。ほんの少しだけどね」
レモン「今のあなたを形成しているものが、 そこに含まれているかもしれない…そう考えたら、 パーツ交換はできなくなってしまったのよ」
レモン「バグが少し残るかも…とは思ったけれど、 本当に残っちゃってたわね」
レモン「…どうする?  交換するならやってあげるけど?  時間はかからないわよ」
ラミア「いえ、すばらしい判断です。 私を私のままにしてくれたこと… 感謝しちゃいますのです…レモン様」
レモン「ふふ…お行きなさい、W17」
レモン「私達とあなた… どちらの戦いが正しいのか…この戦争の 行く末が、それを証明してくれるでしょう」
ラミア「はい。…お元気で、レモン様」


第35話
楽園からの追放者

〔戦域:水辺の基地周辺〕

量産型W「こちらMW2441。 基地の制圧、及び補給物資の確保を終了」
アクセル「わかった。 まもなくシロガネが来るはずだ。 搬入準備を急げ」
量産型W「了解」
アクセル(…Wシリーズ、か。造反した W17を確保したと連絡を受けたが… 普通に考えれば解体処分だな、こいつは)
アクセル(どうやら完全に おかしくなっていたか)
アクセル(…だが、そんな不良品が、 あそこまでの腕を持っているものか?)
アクセル(それに、以前おれに意見をしてきた ことといい、人形達の中ではやはり別格だ。 …おれと唯一引き分けたWナンバー…)
アクセル(…フッ。おれとしたことがな。 戦争のために生み出された人形を 気にかけるとは)
Sミラー兵「アクセル隊長、 シロガネが来ました」
アクセル「…ああ、了解した」
(シロガネが出現)
アクセル(護衛にW15とW16が 見当たらんな。伊豆で後詰めに回って いるのか?)
アクセル「こちらアクセル・アルマー。 シロガネ、応答しろ」
(シロガネの反応なし)
アクセル「どうした? リー艦長」
(シロガネに爆煙)
アクセル「!」
(アンジュルグが出撃)
リー「おのれ、ハッチが破られたか!」
アクセル「なんだ!? ハッチを破壊して… 出撃!? それに、あの機体は…!」
ラミア「…む!? あれは…ソウルゲイン…!  どうやら最悪のタイミングで飛び出して しまったようだな…」
アクセル「まさか、W17か!?  その出撃の仕方をみると、再調整された… というわけではないようだな、こいつは」
ラミア「アクセル隊長…その通りです。 私は戦うために出撃しました。 私の戦いを…私の意思で…!」
アクセル「何だと…?」
アクセル(こいつ…やはり他のナンバーとは 違う…!)
ヴィンデル「レモン、 何故W17があれに乗っている?」
レモン「さすがは私の最高傑作ね。 再調整をほどこすつもりだったのに… その前に脱走されたようね」
ヴィンデル「レモン、奴に情が移ったか…!」
レモン「あわてないで。 私まであの子みたいに裏切ったりは しないわ」
レモン「それだったら、もうちょっと逃がす タイミングを考慮するわよ」
レモン「こんな、間違いなく破壊される状況で 飛び出させはしない…」
ヴィンデル「………」
レモン(ここで散るなら、そこまで… あなたの行く道は険しくてよ? W17…)
ラミア「……」
アクセル「…W17、武装解除しろ。 今戻るなら見逃す。レモンに再調整を してもらえ」
ラミア「それでは、今の私は失われて しまいます。そうならないために…私は 出てきたのです」
ラミア「Wナンバーとしての自分から… 決別するために」
アクセル「決別、か。おれも『向こう側』と 決別するためにここへ来た。貴様も同じ 理由で自分の世界を捨てるつもりか?」
ラミア「…そういうことになるのでしょう。 …ですが、もう決めたのです、 アクセル隊長」
アクセル「…わかった。 行きたければ、おれを倒すことだ」
ラミア「…了解」
アクセル(言語系の異常は修正 されている、か。レモンがそんな半端な 調整をするはずがない…まさか、あいつ…)
レモン「………」
(ソウルゲインが南へ移動)
アクセル「他の者は手を出すな。 裏切り者のW17…これも隊長の責任だ。 …相手はおれがする」
ラミア「一対一で、私との決着… こだわっているようですね、隊長」
アクセル「フッ…そうだな。おれの性分だ」
アクセル「…ヴィンデル、リー。 見物していないで、補給物資の搬入を急げ。 …カタはすぐにつく」
ヴィンデル「了解した。任せる」
(シロガネが基地まで移動し着水)
アクセル「…来い、W17」
ラミア「了解です。 命令ではなく、自分の道を行くために… あなたを倒します、隊長」
ラミア「立ち塞がるなら撃ち貫くのみ…」
アクセル「気に入らん物言いだな、こいつが」
アクセル「貴様が影響を受けた連中… 予想がつく。…となれば、ますます 貴様には負けられん…!」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

アクセル「W17、貴様の思惑がどうであれ… 指令に従わず、レモン達を殺害 しようとした」
アクセル「その報いは受けてもらうぞ」
ラミア「…もとより覚悟の上です」
アクセル「力のあるイレギュラーほど 厄介なものはない」
アクセル「それは世界のバランスを崩す存在… おれの望む世界には必要ない、これがな」
ラミア「わからなくはありません。 …しかし、そのような力は時に必要になる… それが今であると、私は信じる…!」

〈3PP〉

アクセル「…どうした、W17?  最初の元気はもうないようだな。 …現実はこういうものだ、これがな」
ラミア(わかってはいたが… やはり、こちらの方が圧倒的に不利…)
ラミア(何かきっかけがあればいいのだが…)
(シロガネにアラート)
アクセル「!」
ヴィンデル「何だ?」
リー「こちらへ急速接近中の物体あり」
リー「数は3。反応から見て、特機パーソナルトルーパーだと思われます」
ヴィンデル「ハガネの手の者か?」
(ゲシュペンスト・タイプRV、グルンガスト参式、ヒュッケバインMk-IIIトロンベが出現)
ラミア「あれは……!」
リー「ヒュッケバインMk-IIIと グルンガスト参式、それに……」
アクセル「黒いゲシュペンストだと?  だが、あの形は……!」
ラミア「こちらの量産型とも違う。 アルトやヴァイスのような カスタムタイプか?」
ギリアム「間違いない、あの機体は マスタッシュマンだ」
レーツェル「マスタッシュマン……。 オペレーションSRWの最中に 現れた所属不明機のコードか」
ギリアム「……ああ。 そして、シャドウミラーの機体だ」
(ゲシュペンスト・タイプRVに通信)
ギリアム「応答せよ、 シャドウミラー隊指揮官…… ヴィンデル・マウザー大佐」
ヴィンデル「何者だ?」
ギリアム「ヘリオス……と 言えばわかるだろう」
ヴィンデル「!!」
レモン「まさか……嘘でしょう!?」
アクセル「顔はともかく、この声… 間違いないようだな、こいつは」
ギリアム「……」
ラミア(きっかけは…できたか。 だが、それが本命中の本命とは…)
ヴィンデル「ふ、ふふふ…… 久しぶりだな、ヘリオス…… ヘリオス・オリンパス」
ヴィンデル「それがお前の素顔か?」
ギリアム「……」
ゼンガー(ヘリオス・オリンパスだと?)
レーツェル(ギリアムのことか?)
ギリアム「ヴィンデル大佐…… 再びお前と会うことになるとはな」
ヴィンデル「ああ、お前が残した システムXNのおかげだ」
ヴィンデル「やはり、アギュイエウスの扉は ファーストジャンパーである お前に通じていたようだな?」
ギリアム「……」
レモン「随分と捜したのよ、あなたを」
ギリアム「お互いにな」
ヴィンデル「いつ気づいた?」
ギリアム「マスタッシュマンが 『こちら側』に現れたことを知った時…」
ギリアム「いや、 お前達が初めてテスラ研に来た時だ」
レモン「あらあら、 最初からバレてた……ってこと?」
ギリアム「テスラ研でシステムXNの 作動に目処がついた頃……」
ギリアム「真っ先にプロジェクトチームへ 接触して来たのはDCではなく、 お前達シャドウミラーだったからな」
ヴィンデル「故に疑念を持ったか」
ギリアム「だが、 今やそれは確信に変わった」
ギリアム「システムXNは お前達に制御できるものではない」
ギリアム「その機能は 限定されているとは言え、下手に 使用すれば世界の因果律が狂う」
ギリアム「アギュイエウス…… そしてリュケイオスの扉は 二度と開かれてはならないのだ」
レモン「ふふ、確かに…そうかも しれないわね」
レモン「あなたですら『こちら側』に 飛ばされてしまったくらいの 不安定さだものね」
ギリアム「……」
レモン「おかげで 私達も多くの仲間を失ったわ……」
アクセル「……」
ギリアム「システムXNは この世界に存在してはならない。 そして……お前達もな」
ラミア「……」
ヴィンデル「ふん、お前に言えることか」
ギリアム「だからこそ、 俺はこの世界で待っていた……」
ギリアム「システムXNを 悪用する者を……追放者達を。 その存在を抹消するために」
ヴィンデル「……ヘリオスよ、 我らに降るのなら今の内だぞ」
ギリアム「断る」
ヴィンデル「ならば、 力ずくでも従わせるまでだ」
レーツェル「来るか……!」
アクセル「…どうやらツキがあったようだな。 一度に決着をつけるチャンスが 巡ってくるとは」
(アンジュルグがソウルゲインの方を向く)
ラミア「むしろ幸運なのは私の方かも しれません。この状況を一転させる きっかけ…彼らが作ってくれる」
アクセル「よく言う…饒舌になったものだな、 W17」
レーツェル「彼女は……」
ゼンガー「キョウスケの部下だ。 しかし……」
ギリアム「Wシリーズ…… 君は我々の味方なのか?」
ラミア「好きに判断すればいい。私が戦うべき 相手はシャドウミラー…。それ以外は、 かかってこない限り手は出さん」
ギリアム「……いいだろう。 ゼンガー、レーツェル、異存は?」
ゼンガー「ない」
レーツェル「行動で その証を立てるのであれば」
ラミア「…感謝する」
アクセル「甘いな…貴様も、教導隊の者達も。 それでは、真の意味で世界は救えん。人の 意思が世界のバランスを崩す、これがな」
ラミア「…しかし、人の意思が世界を 作り出すのもまた事実…私は今まで、 それをわかろうともしなかった」
ラミア「私は指令さえこなしていれば 良かった。ですが…自分の意思で世界に干渉 することを、その意味を知ってしまった」
アクセル「…ならば、貴様はこの世界を どうしたい?」
アクセル「戦いを終わらせ…平和を もたらすつもりだとでも…? “夢”まで 見れるようになったか? …W17」
ラミア「……」
ヴィンデル「……平和は何も生み出さん。 ただ世界を腐敗させていくのみ」
ヴィンデル「そして、闘争を忘れた者達は 兵士を……軍を切り捨てる。 我らの存在を否定するのだ」
ラミア「…それは戦う者だけの都合です… ヴィンデル様」
ヴィンデル「何だと?」
ラミア「戦いを望まない者、平和という世界に 可能性を見出す者達にとっては、むしろ その方がイレギュラー…なのだと思います」
ヴィンデル「人形風情がつらつらと…!」
レモン「W17…こういう話を知っている かしら? 知恵のリンゴを食べたアダムと イブは…楽園から追放されたのよ?」
ラミア「承知です。 ならば……私は自分の足で、 次の楽園を探しましょう……」
(作戦目的表示)

〈敵機15機撃墜 or ソウルゲインのHP60%以下 or シロガネのHP90%以下〉

ヴィンデル「フッ、しぶとい連中だ」
レモン「こっちでも教導隊の名は 伊達じゃないってことね」
レモン「さて、どうするの?  連邦軍の追撃部隊もこっちへ向かって きてるみたいだけど…」
ヴィンデル(システムXNは まだ完全ではない……)
ヴィンデル(そして、 戦力の立て直しも図らねばならん。 ここでの無理は禁物か)
ヴィンデル「リー、補給作業は?」
リー「完了しています」
ヴィンデル「では、 エルアインス隊を出撃させろ」
リー「はっ」
(エルアインスなどが出現)
レーツェル「!  こちらの足を止める気か!?」
ギリアム「ヴィンデル・マウザー!  逃がしはせん!」
ヴィンデル「ヘリオス…… 例えファーストジャンパーのお前で あっても、我らを止めることは出来ん」
ギリアム「……!」
ヴィンデル「……レモン、 システムXNを使うぞ。通常転移だ」
レモン「ちょっとお待ちなさいな。 修理はまだ完全じゃないのよ?  今の状態じゃ、距離が稼げないけど…」
ヴィンデル「構わん。 この場から離脱できればいい」
レモン「でも、ようやく姿を見せたヘリオス… このまま放っておいていいの?」
ヴィンデル「万が一にも、 ここでシステムXNをこれ以上 損傷させるわけにはいかん」
レモン「…W17の例もある、か。 そうね、コアを手に入れても、システムに 問題があったら意味がないものね」
ヴィンデル「最悪の場合、 奴なしでもあの機能は発動できる。 ……我々がこちらへ来たようにな」
レモン「その分、 確実性には欠けるけどね」
ヴィンデル「……」
ヴィンデル「……アクセル」
アクセル「状況はわかった、こいつがな。 …後詰めはおれがやる。行け」
レモン「任せるわ。このまま粘れば… ベーオウルフも来るかもしれないしね、 アクセル」
アクセル「…そこまでこだわってはいないさ。 …合流地点はあとで連絡してくれ」
レモン「了解。…気をつけてね」
ギリアム「待て!!」
レモン「じゃあね、ヘリオス・オリンパス。 …ミスター・ファーストジャンパー」
ヴィンデル「また会おう。 例の機能を回復させた後でな」
(シロガネが転移撤退)
レーツェル「反応が消えた……!  追跡は……不可能か」
ギリアム「くっ、ここまで来て…!  お前達がしていること…それがどのような 結果を招くのか…わかっているのか!」
アクセル「何…?  どういうことだ、ヘリオス」
ギリアム「……お前達は知るまい」
アクセル「?」
ギリアム「この世界は 我々という異物を受け入れながら、 奇跡的なバランスで保たれている」
アクセル「何……?」
ギリアム「本来なら、 崩壊していてもおかしくはない。 あり得ないのだ、このような世界は」
アクセル「ならば、何故おれ達は… この世界は存在し続けているというんだ?」
ギリアム「何かの力が…… 何者かの意思が作用しているのだ」
アクセル「何者かの……だと?」
ギリアム「さながらこの世界は、 その者が作り出した実験室の フラスコ……」
ギリアム「その実験の結果が出た時、 我々の存在は………」
アクセル「だから、干渉をやめろと?  …ここまで来て、はいわかりましたと 言えると思うのか?」
アクセル「貴様がその事を本気で危惧して いるなら、貴様こそが…最初に自分自身を どうにかすべきではないのか?」
アクセル「『ファーストジャンパー』… さまよい人、ヘリオス・オリンパス…!」
ギリアム「…そうかも…知れん」
アクセル「貴様にもわかっているはずだ、 こいつが」
アクセル「この世界を作り出した者が何で あろうと、おれ達を導いた存在が誰で あろうと…」
アクセル「おれはおれの意思…自分が 信じる世界のために戦争をしている…!」
アクセル「その結果、世界が滅びるならば… それもまた、この世界が選んだ結末なのさ」
ラミア「……」
ゼンガー「ならば、ここは退けん。 我らもまた己の信念のために……」
ゼンガー「この世界を 存続させるために戦っている……!」
アクセル「いいだろう。 勝ち負けでしか、善悪を決めることは できん…それが戦争だ、こいつがな」
アクセル「だからこそ、おれは勝つ…!」
アクセル「リミット解除!  ソウルゲインよ、貴様の力…今一度奴らに、 そしておれに見せてみろッ!」
(アクセルに『熱血』『気合』『ど根性』、ソウルゲインがグルンガスト参式に接近)
ゼンガー「相手にとって不足なし!  いざ尋常に勝負ッ!!」
(ゼンガーに『熱血』『気迫』)

〈2 NEXT PP〉

レーツェル「! 来たか……!」
(ハガネ、ヒリュウ改、アルトアイゼンが出現、出撃準備)
エクセレン「わお! ここにいたのは やっぱりボス達だったのね!」
ゼンガー「エクセレン…… それに、キョウスケ達か」
キョウスケ「ゼンガー少佐、 シロガネの姿が見えないようですが?」
ゼンガー「……すでに転移した」
ラミア「追跡は不可能だ。 なんとか足止めくらいはしたかったがな」
キョウスケ「……!」
ブリット「ラ、ラミアさん!!」
マサキ「お前、無事だったのか!?」
ラミア「……見ての通りだ」
リューネ「あ、あの爆発で……?」
エクセレン「ちょっとラミアちゃん!  今までどこで何やってたの?  まさか、生きて会えるなんて…」
カチーナ「何を言ってやがる!  元いた所に戻ってただけだろうが!」
ラミア「…そう思われても仕方がない。 私は…」
レーツェル「経緯はどうあれ、 今の彼女は我々の味方だ。 私が保証する」
ツグミ「レーツェルさん……!」
ライ「エルザム……兄さん」
レーツェル「勘違いしてもらっては困る。 私はレーツェル・ファインシュメッカー…… お前の兄ではない」
ライ「……!」
リュウセイ「いや、 そんなこと言われたって ありゃどう見ても……」
タスク「あ、あの旦那だよなあ」
レーツェル「……」
ライ「兄さん…… あなたの言葉を信用しろと?」
レーツェル「その気になれば、彼女は いつでも我らを討つことが出来た」
レーツェル「それに…… この状況下で我々を陥れようと 言うのも不自然ではないか?」
ライ「……」
カチーナ「今まで あたしらを欺いてきた奴だぜ?  そう簡単に……」
ゼンガー「彼女の戦に迷いはない。 結果がそれを証明している」
ギリアム「……私も同感だ」
カチーナ「……」
ラッセル「ちゅ、中尉……」
カチーナ「ヘッ、あのメンツにそこまで 言われちゃあ信じるしかねえか」
レオナ「カチーナ中尉……」
カチーナ「今に 始まったこっちゃねえってことだろ?  ……わかってるさ」
エクセレン「んじゃま、これにて一件落着… その他諸々、とりあえず水に流すって ことで」
エクセレン「…詳しくはあとでね、 ラミアちゃん」
ラミア「エクセ姉様… お心遣い、感謝します…」
キョウスケ「後は……奴か」
アクセル「来たか、ベーオウルフ。 キョウスケ・ナンブ」
キョウスケ「アクセル・アルマー… この間の借りを返させてもらう。 それに…」
キョウスケ「『向こう側』やら『力』やら… わけのわからんゴタクの意味も 教えてもらうぞ」
アクセル「それを知ってどうする?  …何の意味もない、これがな」
キョウスケ「おしゃべりは趣味じゃない。 …撃ち落としてから、ゆっくり聞かせて もらう…!」
アクセル「『向こう側』の貴様と違って、 気が合うな」
アクセル「おれも聞きたいことがある… 叩き落としてからしゃべってもらおうか、 ベーオウルフ!」
(作戦目的表示)

ソウルゲインのHPを50%以下にしたのは
キョウスケ キョウスケ以外


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