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招かれざる異邦人(後編) ~ 第32話 ~

[伊豆基地 ブリーフィングルーム]

リュウセイ「ん? ライ、お前だけか?」
ライ「ああ。まだヴィレッタ隊長や アヤ大尉は来ていない」
リュウセイ「ふ~ん……」
リュウセイ「そう言や、 アヤの奴……何やってんだろうな?  こっちへ戻って来てからまだ顔を見てないぜ」
ライ「R-GUNパワードの調整を 手伝っていると聞いていたが……」
リュウセイ「あれ、もう使えるのか?」
ライ「ああ、今日明日で仕上がるらしい」
リュウセイ「じゃあ、 今からやるミーティングって、 天上天下一撃必殺砲関連の話かな」
ライ「天上天下……何だと?」
リュウセイ「天上天下一撃必殺砲。 俺が考えたHTBキャノンの別名さ」
ライ「……そのネーミングセンスは 何とかならんのか?」
リュウセイ「じゃあ、 お前なら何て名付けるんだよ?」
ライ「……」
ライ「…………」
ライ「…………………」
リュウセイ「悪かった、聞いた俺が悪かったよ」
(扉が開閉する)
アヤ「二人共、お待たせ」
リュウセイ「あれ、アヤだけ?  ヴィレッタ隊長は?」
アヤ「今、父のラボにいるわ。 私はあなた達を呼びに来たの」
リュウセイ「ラボ? いったい、 何のミーティングをやるんだ?」
アヤ「それは……」
(アラート)
リュウセイ「な、何だ!?」
ライ「敵襲警報!?  しかし、このグレードは……!」
テツヤ「緊急事態発生!  伊豆基地内にアインストの 転移反応を多数感知した!」
テツヤ「総員第一種戦闘配置!  各機は直ちに出撃せよ!!」
リュウセイ「ア、アインストだと!?」
ライ「奴らが直接攻撃を仕掛けてきたのか!」
リュウセイ「こうしちゃいられねえ!  俺達も行こうぜ!!」
アヤ「あ、でも……!」
リュウセイ「なに言ってんだ!  お前がいなきゃ、SRXに合体できねえだろうが!」
アヤ「!」
アヤ「わかったわ、行きましょう!」


第32話
招かれざる異邦人(後編)

〔戦域:伊豆基地周辺〕

(ハガネ、ヒリュウ改、SRXチーム、龍虎王、ヒュッケバインボクサー・タイプLは出撃済み、出撃準備)
カチーナ「くそっ、 次から次へとわいてきやがって!  ゴキブリかよ、あいつら!」
クスハ「も、もしかして、 アインストは龍虎王を狙って……!?」
ブリット「いや、それだけじゃない!  奴らはここを……俺達全てを潰す気だぞ!」
(アラート)
オペレーター「だ、第9区画で 重力異常を感知!!」
サカエ「何っ!?」
オペレーター「あ、新手の アインストシリーズです!!」
(アインストアイゼンが出現、南側に出撃している機体がアインストアイゼンの方を向く)
サカエ「あ、あれは!?」
アラド「ア、アルトアイゼン!?」
カチーナ「マ、マジかよ!?」
イルム「あの数、形…… アインストが作った物か?」
ラトゥーニ「ええ、おそらく」
レオナ「しかし、何故アインストは アルトだけを……!?」
ライ「キョウスケ中尉やエクセレン少尉と 何か関係があるのか?」
レイカー「迎撃システム、全機作動!  非戦闘員の避難を急げ!」
サカエ「はっ!」
レイカー「百里と小松からの支援は どうなっている?」
オペレーター「そ、それが 当基地と同じくアインストシリーズの 襲撃を受けています!」
レイカー「!  ここを孤立させる気か……!」
ダイテツ「だが、 敵の本命はワシらのはずだ。 全機、直ちに敵を迎撃せよ!」
カイ「了解!」
リオ「リョウト君、 AMボクサーの調子はどう?」
リョウト「大丈夫…… 出力、シンクロ共に安定してる」
リオ「あまり無茶しないでね?」
リョウト「うん、リオも……!」
アヤ「システム、オールグリーン…… T-LINK開始」
リュウセイ「アヤ、いけるな?」
アヤ「ええ…… 隊長の訓練の成果、見せてあげるわ」
アヤ(……あの子はまだシミュレーターで 訓練をしている段階……)
アヤ(実戦に出るのはまだ無理。 だから、私が頑張らなきゃ……!)
アヤ「二人共、 すぐにフォーメーションRを 仕掛けるわよ! いいわね?」
リュウセイ「おう!」
ライ「了解!」
カイ「よし!  各機、攻撃を開始しろ!!」
(作戦目的表示)

〈敵機12機撃墜〉

(アラート)
サカエ「何だ!?」
オペレーター「第4区画に重力異常!  ア、アインストですっ!!」
サカエ「!!」
(アインストが出現)
シャイン「ま、まだ 出てくるのでございますの!?」
ラーダ「数で押す気ね……!」
ラッセル「まさか、この調子で どんどん増えるんじゃ……!?」
アラド「くそっ、 こんな時にマサキさんやリューネさんが いてくれりゃあ……!」
ブリット「弱音を吐くな、アラド!  一体でも多くの敵を倒すんだ!」
アラド「は、はいっ!」
リュウセイ(……このまま敵が増え続けたら、 みんなが保たねえ……!)
リュウセイ「アヤ、 ヴァリアブル・フォーメーションだ!  SRXで奴らを一気に倒すぞ!」
アヤ「そうした方が良さそうね……!」
ライ「……」
アヤ「ダイテツ艦長、 SRXの合体許可を下さい!」
ダイテツ「いや、まだだ」
アヤ「え!?」
ダイテツ「この戦いは持久戦になる。 さらに、戦力の高い個体が現れる 可能性も高い」
アヤ「だから…… SRXの合体可能時間のことも踏まえて、 まだ許可は出せないと?」
ダイテツ「その通りだ。ただし、 いつでも合体できるようにしておけ」
アヤ「了解!」
リュウセイ「戦力の高い個体って…… アルフィミィって奴が乗ってた 赤いロボットか?」
ライ「そうだ。そして、 別の個体が現れる可能性もある」
リュウセイ「別の?」
ライ「ああ。 エクセレン少尉を誘き出したのが アルフィミィであり……」
ライ「アインストが ここで俺達を殲滅する気ならば」
リュウセイ「もっと上の奴が 出てくるかも知れねえってことか」
アヤ「リュウ、ライ!  いざと言う時に備えて、 フォーメーションを崩しちゃダメよ!」
リュウセイ「わかったぜ!」
ライ「了解!」
ヴィレッタ(リュウセイ、ライ…… アヤ……!)
ヴィレッタ「オオミヤ博士、 R-GUNはまだ出られないのか?」
ロバート「すまない、接続部分の調整に もうしばらくかかる!」
ヴィレッタ「なら、 T-LINKシステムを切って、 ノーマルモードに!」
ヴィレッタ「それなら、 すぐに出られるでしょう?」
(扉が開閉する)
ケンゾウ「……それは許可できん」
ヴィレッタ「コバヤシ博士……!」
ケンゾウ「ヴィレッタ大尉、 R-GUNにはマイを乗せる」
ヴィレッタ「彼女を いきなり実戦に出すというのか?」
ケンゾウ「そうだ。 今の状況を打開するためにな」
ヴィレッタ「……!」

〈敵機12機撃墜〉

(アインストが出現)
ユン「12時方向、敵の増援です!」
レフィーナ「艦回頭! 迎撃を!!」
カチーナ「チッ!  倒した分だけ出てきやがるのかよ!?」
タスク「こ、これじゃ、 わんこアインストたぜ……!」
シャイン「わんこ? 犬ですの?」
タスク「ちゃうちゃう。 ちゃうちゃうちゃうんとちゃう」
カチーナ「ヘッ、王女様は まだ余裕があるみてえだな?」
シャイン「ご、ごめんなさいませ。 私にはラトゥーニや皆様が いて下さいますから……」
カチーナ「だったら、あたしらが くじけるわけにゃあいかねえぞ、 タスク!」
タスク「合点承知!  こうなったら、毒を食らわば テーブルクロスまで!」
カイ「全機、密集隊形を取れ!  援護フォーメーションで 敵機を撃破するんだ!」

〈敵機12機撃墜〉

(アインストが出現)
ラッセル「ま、まだ出てくるのか!」
イルム「だが、さっきより数が少ない。 そろそろ在庫切れか?」
カチーナ「よし、 一気に片づけちまおうぜ!!」

現在、戦闘区域にいるのは
龍虎王 虎龍王


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