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ゲイム・システム ~ 第27話 ~

テンペスト「フフフ… この時を待っていたぞ!」
マサキ「あ、あのロボットは!!」
リューネ「親父のヴァルシオン!?」
タスク「って、何だ?」
ジャーダDC総帥のビアンが 乗ってたロボットだ。前の作戦じゃ、 かなり苦戦させられたぜ」
テンペスト「…そうだ。 おれはこのヴァルシオンによって… 16年前の復讐を果たす!」
キョウスケ「あの声… テンペスト・ホーカー少佐か」
リューネ「…くっ!」
(速い足音)
マサキ「ん!?  おい、リューネ! 待てよ!」
シロ「マサキ!?」
マサキ「シロ! クロ! 出るぞ!」
(サイバスターとヴァルシオーネが出撃)
マサキ「リューネ!  勝手に飛び出すんじゃねえ!」
シロ(って、マサキも 飛び出しちゃったじゃニャいか…)
クロ(シロ、そんニャこと 言ってる場合じゃニャいわよ)
マサキ「リューネ!」
テンペスト「ビアン総帥の娘…。 木星圏から戻って来ていたのか」
リューネ「…あんたの 復讐なんかに興味はないけどさ!」
リューネ「そのために ヴァルシオンを使おうなんて、 あたしは許さないよ!」
テンペスト「お前に許しを乞う気などない。 俺の悲願を達成するために 必要だっただけだ……」
テンペスト「そう、 このヴァルシオンの量産先行型… ヴァルシオン改がな!」
マサキ「あいつら、 ヴァルシオンを量産する気か!」
テンペスト「そのとおり。 ヴァルシオンの数が揃えば、 連邦を倒すことなど容易い!」
リューネ「そんなもの、あたし達が 全部叩き壊してやるよ!」
テンペスト「我が妻や娘への手向けだ… 貴様らを地獄へ送ってやる!」
ジャーダ教導隊のエリートが、 だだの復讐鬼に成り下がったのかよ!?」
テンペスト「復讐鬼? そうだとも…」
テンペスト「俺は…… 16年前、ジガンスクードを奪った テロリストごと…」
テンペスト「スペースコロニー 『ホープ』の隔壁を破壊した者達を 決して許しはせん!」
タスク「ジガンが!?  どういうこった!?」
レオナ「本来、ジガンスクードは…」
レオナ「当時、コロニーで 盛んだった独立自治権獲得運動を 牽制するため……」
レオナ「連邦軍が造った超巨大砲台。 つまり、宇宙の番人…その存在は コロニー民の反発を招いたわ」
タスク「……!」
レオナ「そして、ジガンは コロニー側のテロリストに奪われ…」
レオナ「あれが自分達の手から 離れることを恐れた連邦軍は…」
レオナ「テロリストが立てこもった コロニーの隔壁ごとジガンを破壊した。 それが『ホープ事件』…」
レオナ「2年前の『エルピス事件』と 並んで、コロニーの住人にとっては 呪われた記憶よ…」
ライ(…………)
タスク「じゃ、じゃあ… ゼンガー少佐が言ってたジガンの業って、 そのことだったのか…」
テンペスト「そうだ。 そして、妻や娘はその時に死んだ!」
テンペスト「連邦の無能共の 愚か極まりない策によってな!!」
タスク「あんたの気持ちは わからんでもねえがな…」
タスク「復讐するなら、 時と場所を選びやがれ!」
タスク「今は地球人同士で 戦ってる場合じゃねえんだぞ!!」
テンペスト「黙れ!  俺は待ったのだ…16年間も!  この手で連邦に復讐する機会を!」
テンペスト「それを貴様らなどに 邪魔させてたまるものか!!」
ラトゥーニ(悲しい過去… それを振り切れないのね…)
タスク「て、てめえ…」
キョウスケ「聞く耳を持つな、タスク。 戦う理由は、人それぞれ違う」
タスク「合点…!  あいつに見せてやるッスよ、 俺達の戦う理由って奴を!」
キョウスケ「出撃するぞ…!」
(出撃準備)
イングラム「各機へ。 敵があれだけの数で基地を 攻撃していたとは思えん」
イングラム「伏兵に気を付けろ」
キョウスケ「了解」
(作戦目的表示)

〈vs テンペスト〉

[ジガンスクードのパイロット]

テンペスト「そのジガンスクードによって レイラとアンナは命を落とした!」
テンペスト「貴様も死ね!  呪われた盾もろともに!!」
タスク「こんなことやってる場合じゃねえ!  今、俺達の頭上にはエアロゲイターが いるんだぞ!」
テンペスト「俺には関係ない!」
タスク「なに言ってやがる!  あいつらを放っておいたら、 大勢の人間が死んじまう!」
タスク「そうさせないために このジガンは生まれ変わったんだ!」
タスク「今度こそ、 多くの人達を守るための盾として!!」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「…こんなことをしても、 死んだ人は帰って来ない…」
テンペスト「百も承知だ!  だからこそ、貴様らを倒す!」
テンペスト「一人でも多く、 連邦に与する者を地獄へ送る!」

[HP60%以下]

テンペスト「フン、慣らしは終わった。 総帥が基本設計をし、副総帥が 改良したこのヴァルシオン改なら…」
テンペスト「奴らと連邦を倒せる!  戦いはこれからが本番…」
(念動感応)
テンペスト「う!?  な、何だ? このシステムは…!」
(敵機が出現)
ハンス「さしものヴァルシオンとは言え… 手こずっているようだな、テンペスト」
テンペスト「う…うう…うお…」
ハンス(む…?  まだ致命傷には見えんが…)
キョウスケ「ハンス…!」
ハンス「ほう、まだ生きていたか、 キョウスケ・ナンブ。 さすがにしぶといな」
キョウスケ「………」
ダイテツ「ハンス・ヴィーパー中佐… お前がDC側についた理由を 聞かせてもらおう」
ハンス「…私は地球連邦軍では 異星人に勝てないと判断しただけだ」
ダイテツ「しかし、 DCやコロニー統合軍は その連邦軍に敗北したのだぞ」
ハンス「結果的にはな。だが、問題は 保有戦力の差ではなく、いかにして 異星人との戦いに生き残るか、だ」
ハンス「例え地球の全戦力を結集したと しても、我々より高度な技術を持つ 彼らを倒すことなど不可能だからな」
ダイテツ「そうか…。お前の目的は DCが建設したアースクレイドルと ムーンクレイドルか」
ハンス「ああ。 あの強固な外殻と防衛機能を備えた 地下人工冬眠施設は…」
ハンス「連邦政府と EOT特別審議会が進めていた 『地球脱出計画』より確実に…」
ハンス「ヒトという種を未来へ残すことが 出来る。だから、私は生き延びるために DC側へついたのだ」
ダイテツ「自分の保身のために 連邦軍を裏切ったか」
ハンス「そうだ。貴様らもDCなど 相手にせず、さっさとホワイトスターへ 向かったらどうだ?」
ダイテツ「そうはいかん。 お前達には世界を混乱へ導いた 責任を取ってもらう」
ダイテツ「それに、 お前達へ人類の未来を託すつもりも ないのでな」
ハンス「貴様らしいな、ダイテツ。 あえて絶望の戦いに身を投じるか」
ハンス「ならば、 ここでエアロゲイターの代わりに お前達の戦いに終止符を打ってやる」
ハンス「それがかつて味方だった者に 対するせめてもの情けだ」
キョウスケ「おれなりのやり方で ケリをつけさせてもらうぞ、 ハンス・ヴィーパー…!」
ハンス「生意気な口を。 誰のおかげであの時、死なずに 済んだと思っている? あ?」
イルム「よく言うぜ…」
ハンス「こんなことなら、 あの時、ビルトラプターごと 爆破しておくべきだったな」
キョウスケ「残念だったな。 …だが、おれは甘くない。 ここで確実にとらせてもらう」
エクセレン「わお… あんまし熱くならないでよ?  キョウスケ」
ブリット「たぶん…無理ですね」
ハンス「楽しみにしよう。 …攻撃開始だ、テンペスト少佐」
テンペスト「うぐ…ぐ… そ、そうだ…復讐…だ…復讐…」
(ヴァルシオン改がハンスの方を向き、機械の動作音がする)
ハンス「何をしている、少佐?  機体に異常でもあったのか?」
テンペスト「ふ、ふ…ふ…ふ…」
リュウセイ「あいつ… 様子が変だぜ!?」
ラーダ「もしかして…?」
(ヴァルシオン改が変化、皆がヴァルシオン改の方を向く)
テンペスト「ふ、ふふふ、復讐だ… 復讐…連邦に復讐を…復讐…」
ハンス「どうした、テンペスト!?」
テンペスト「潰す…連邦を潰す… レイラとアンナを殺した奴は 皆潰す…粉々に潰す…粉々に…」
(ヴァルシオン改が東を向く、機械音)
エクセレン「何か… ヤバい感じじゃなぁい?」
ラトゥーニ「………」
ラーダ「おそらく、ヴァルシオン改の マシン・マン・インターフェイスが…」
ラーダ「機能向上と引き替えに、 彼の精神へ異常な影響を 与えているのだと思うわ」
リュウセイ「何だって…!?」
ブリット「今までは大丈夫だった じゃないですか!」
キョウスケ「誤動作か… 機体の損傷率に応じて発動する 仕掛けだったのかもしれん」
ラトゥーニ「あれは… 崩壊しかかった精神がかろうじて 肉体に張り付いている状態…」
ラトゥーニ「私… あの人達と同じ様な状態になった人を スクールで見た…」
ラトゥーニ「…ああなったら、 …もう終わらせてあげるしかない…」
ハンス(アードラーめ… あれでは欠陥品ではないか!)
ハンス(やむをえん。いざとなったら テンペストを犠牲にしてでも…)
イングラム「各機へ。 敵を撃破し、この区域を突破するぞ」
キョウスケ「了解…!」
ハンス「予定外のイベントが 起こったが、キョウスケ・ナンブ…。 お前達を潰すことに変更はない」
キョウスケ「おれにもだ。 お前に死んでもらうことに変わりはない」
ハンス「フン…。 貴様らのデータは全てこちらにある。 我々に勝てると思うなよ」
ライ「ハンス中佐、最後に聞こう。 …シャイン王女の行方は?」
ハンス「王女?  …そういえばいたな、そんな娘が。 さて、な」
ハンス「今頃、アードラーの手によって どのような目に遭っているのかな?  私も胸が痛むよ、フフフ」
ライ「貴様…!」
エクセレン「はいはい、そこまで。 性悪おじさんの口車に乗っちゃ 駄目よん、色男さん?」
ライ「こんな時までふざけるな…!」
エクセレン「…怒るだけで ここにいない王女が助けられるなら、 私も一緒に怒ってあげるけどね」
ライ「何…!?」
アヤ「ライ、落ち着いて。 ここで焦ったって、何にもならないわ」
リュウセイ「そうだぜ。 王女さんが生きているって わかっただけでもめっけモンだ」
リュウセイ「連れ去られた者は 取り戻せばいい…そう言ったのは お前だろ?」
ライ「…そうだったな。 すまなかった、エクセレン少尉」
エクセレン「どういたしまして。 相方が相方だから、こういう 突っ込みって珍しいのよ?」
キョウスケ「誰のことだ。 …よし、攻撃を開始するぞ」

[撃墜]

テンペスト「復讐だ、俺は復讐の、 復讐のために、復讐を誓う故に…」
ラトゥーニ「…死んだ人の意思を 確認することなんて…出来ない」
ラトゥーニ「…あなたは 進むべき道を間違えたの…」
ラトゥーニ「だから… もう家族の所へ帰ってあげて…」
ラトゥーニ「あなたの戦いは… 16年前に終わっているのだから…」
テンペスト「!!」

ハンスを撃墜したのは
キョウスケ キョウスケ以外


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