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『呪い』を封じ込めたもの キョウスケルート ~ 第16話 ~

〈ペレグリンのHP25%以下〉

ジーベル「クックック…。 ここまでだな」
ジーベル「撤退する。 もう奴らと会うこともあるまい。 クックック…」
(ペレグリンが撤退、敵機が全て撤退)
ユン「敵部隊、撤退しました!」
レフィーナ「T1は?」
ユン「健在です。 回収要請を出して来ています」
ブリット「キョウスケ少尉…」
キョウスケ「あの男… ずいぶんと引き際がいいな」
ラーダ「………」
キョウスケ(引っ掛かる…何かあるな)
レフィーナ「では、T1を回収します」
ラーダ「待って下さい、艦長!」
レフィーナ「どうしたのですか?」
ラーダ「あの輸送機を… 回収してはいけません!」
ブリット(! ラーダさんも!?)
レフィーナ「ど、どういうことです?」
ラーダ「あれには…何かが…。 上手く説明は出来ませんが… 回収前に内部の調査をした方が…」
ブリット「じ、自分も…そう思います」
カチーナ「おいおい…。 どうしたんだよ、ブリット?」
カチーナ「あの輸送機の中には、 補給物資が入ってんだぜ?」
ブリット「し、しかし…」
タスク「俺もブリットやラーダ姉さんの 意見に賛成だな。疑わしきは、 まず調べた方がいいんじゃない?」
ギリアム「艦長… 敵の動きから鑑みても、T1こそが 本命だという可能性はあります」
ギリアム「見極めは… 自分とヴィレッタで行いましょう」
レフィーナ「…わかりました。では、 ギリアム少佐、ヴィレッタさん… T1の内部調査をお願いします」

[輸送機・機内]

連邦軍兵「あ、ありがとうございます。 おかげで助かりました」
ギリアム「こちらこそ、 補給物資を持って来てもらって感謝している」
連邦軍兵「い、いえ…。 …積み荷の確認はされないので?」
ギリアム「危険を顧みず、 コルムナまで来てくれた友軍を… 疑うような真似はせんよ」
連邦軍兵(…ヘッ、 意外とお人好しで助かったぜ。 今の内に始末しておくか…)
連邦軍兵(死ね…!!)
(銃声)
ギリアム「………」
連邦軍兵「こ、こいつ!  た、弾を避けやがった!?」
ギリアム「思ったとおりか」
連邦軍兵「く、くそっ!  わざと隙を見せていやがったのか!?」
ギリアム「…尋問をする時間が惜しかったのでね」
ギリアム「あえて、そちらの手に乗ってみたのさ」
ヴィレッタ「…ギリアム少佐」
ギリアム「どうだった?」
ヴィレッタ「素敵なプレゼントが積まれていたわ」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

レフィーナ「! BC兵器が…?」
ギリアム「ええ。 コンテナの中には、毒ガスの 小型タンクが入っていました」
ショーン「外側からの攻撃が駄目なら、 内側から…というわけですか」
ショーン「やれやれ…空気の 汚染という、宇宙居住者にとって 最大のタブーを犯すとは」
ショーン「ラーダ女史が気づいていなければ、 今頃我々は全滅していましたな」
ギリアム「…あのT1は、 連邦軍から奪取したものでした」
ギリアム「しかも、 わざわざ地上から毒ガスごと 打ち上げたということは…」
ギリアム「おそらく、 統合軍上層部に無断で行った 作戦だったのでしょう」
ギリアム「あのジーベルという男の性格から考えて… よほど手柄を焦っていたと思われます」
ショーン「ふむ…。さしもの統合軍も 一枚岩というわけではなさそうですな」
レフィーナ「………」

《コロニー・エルピス》

[コロニー・エルピス]

ゼンガー「貴様ッ!」
(殴る)
ジーベル「ぐうっ…!」
ゼンガー「あんなものに頼らなければ、 勝利できんというのか!」
ゼンガー「この宇宙で… スペースコロニーで生まれた者が、 行っていい作戦か!?」
ジーベル「貴様…!  よそ者の分際で俺に手を上げるとは…!」
ゼンガー「黙れ!  2年前の『エルピス事件』を 知らんとは言わせんぞ!!」
ジーベル「ぬっ…!」
ゼンカー「恥を知れ!  総司令は、そんな勝利など望んでいない!」
ジーベル「ゼンガー…貴様…!  絶対に…絶対に許さん……!」

《コルムナ》

[ヒリュウ改 食堂]

ラーダ「ごめんなさい、エクセレン…」
エクセレン「ううん、 ラーダさんのおかげでみんな助かったんだし…。 それでチャラってことで」
エクセレン「それより、 どうしてあの輸送機が怪しいってわかったの?」
エクセレン「ラーダさんって、 ひょっとして…エスパーか何か?」
ラーダ「そ、そんなことないわ。 キョウスケ少尉だって、気づいていたじゃない?」
エクセレン「だとしても、 あいつの場合はタダの勘でしょ。 でも、そういや、ブリット君も…」
ラーダ(私の力なんて微々たるもの…。 ただ、人より少々勘がいいだけ。 …『あの力』じゃないわ)
ラーダ(でも、ブリットには素質がある……)
ブリット「!  二人とも、ここにいたんですか!?」
エクセレン「わお、ブリット君。 あ、女同士の密会中だからって… 私達、そういうのじゃないからね?」
ブリット「そ、そういうの…?」
ブリット「…って、 そんなことを言ってる場合じゃ ありませんよっ!!」
エクセレン「…どうやら、 マジみたいね。何があったの?」
ブリット「L4宙域のエルピスから地球へ向けて、 コロニー統合軍の主力艦隊が出撃したんです!」
ラーダ「!!」


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