back index next


天の龍、異界の風 キョウスケルート ~ 第5話 ~

【デモムービー『ヒリュウ改登場』】

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ユン「降下シーケンス、終了。 現在、太平洋ガラパゴス諸島沖上空です」
レフィーナ「では、各部のチェックを… 特にテスラ・ドライブを重点的に」
ユン「了解です」
ショーン「ううむ…久々ですな、 この肩の重みは。おかげで、地球に 帰って来たという実感がわきます」
レフィーナ「ええ。 アステロイドベルトから、ここまで 無事に来られたのは幸運でした」
ショーン「運も実力の内です。 何にせよ、あなたをこのヒリュウ改の 艦長に抜擢したのは正解でしたな」
レフィーナ「でも、 ダイテツ中佐や副長を差し置いて、 私が艦長になるなんて…」
ショーン「ダイテツ中佐は、 新造艦『シロガネ』の艦長に 就任なされましたし…」
ショーン「私などには、 艦長という大役は務まりませんからな」
レフィーナ「しかし、 この艦が地球までたどりつけたのは 副長のおかげです」
ショーン「いやいや、 謙そんなさることはありませんぞ」
ショーン「艦長は、イカロス基地の 航宙士官学校を首席で卒業なされ、 その上容姿端麗…」
ショーン「連邦軍史上、最年少艦長であり、 さらにスリーサイズはパット込みで上から82…」
レフィーナ「!  ど、どうして、そんなことをご存じなんです!?」
ショーン「なに、 情報収集は副長としての務めです。 クルーのデータも含めてね」
レフィーナ「わ、私… パットなんて入れていません!」
ショーン「なるほど、そうでしたか」
レフィーナ「え…?」
ショーン「はっはっは。 艦長ももう少し駆け引きと先読みが 出来るようになりませんとな」
レフィーナ「は、はあ…」
ショーン「では、 ATXチームとの合流ポイントに 向かいましょうか」
レフィーナ「は、はい」
ショーン「………」
ショーン(…地球に着くまでに 何とか艦長達を一人前に育てられたか…)
ショーン(それがあの事件で おめおめと生き延びてしまったことに 対する贖罪だとは言え…)
ショーン(私達はいつまで若い子らを 戦いに駆り出さなればならないのでしょうな、 ダイテツ中佐…)

《連邦軍北米支部ラングレー基地》

[ラングレー基地内]

???(エルザム)「…我が友よ、時が来た。 我らは間もなく行動を起こす」
ゼンガー「………」
???(エルザム)「それがどのような形となるか、 まだ教えられんが…… ゼンガー、お前も感じているはずだ」
???(エルザム)「人類が未来を手にするためには、 “劇的な試練”が必要だと」
ゼンガー「………」
???(エルザム)「我らと志を共にする者と信じて、 お前にこのVDメールを送る…」
???(エルザム)「我が父とビアン・ゾルダーク博士に 賛同する意志があるのなら、我らの下へ来い。 私はいつでもお前を待っている」
(通信切れる)
ゼンガー「…エルザム…もしや、お前達は…」

[地球連邦軍ラングレー基地 ブリーフィングルーム]

キョウスケ「…南極へ?」
ゼンガー「うむ。 シロガネとEOTI機関の新型機動兵器の お披露目が行われる」
ブリット「隊長、シロガネとは?」
エクセレン「んもう、勉強不足ねえ」
エクセレン「シロガネってのは、 スペースノア級万能戦闘母艦。 その壱番艦のことよ」
エクセレン「勉強になったかしら? ブリット君」
ブリット「なるほど…。 よくわかりました、先生」
エクセレン「女教師ブロウニングと 呼んでもらって結構よん?  生徒の憧れ、まぶしい白衣…」
キョウスケ「保健教師と混ざってるぞ。 それはともかく…EOTI機関の 新型というのが気になるな」
ブリット「前回の戦闘で 連邦への反乱を目論んでるって噂が ますます信憑性を増しましたからね」
キョウスケ「…反乱か。 だとすると、今度の竣工式…どうもキナ臭いな」
ゼンガー「そのために我々が守備任務に就く。 万が一のことに備えてな」
ゼンガー「なお、 南極アレキサンダー島沖で 『ヒリュウ改』と合流する」
ブリット「ヒリュウ改?」
エクセレン「んもう、ホントに勉強不足ねえ。 じゃ、先生が教えてあげるわ。ヒリュウ改ってのは…」
ブリット「人類初の外宇宙探査航行艦を 改造した戦艦でしょう?」
エクセレン「あらら、教えるまでも ないじゃない。良くできました。 …後で体育倉庫ま・で・ね?」
ブリット「た、体育倉庫なんて、 この基地にありましたっけ…?」
キョウスケ(しかし… 連邦軍もある程度はEOTI機関の動きを 察知しているはずだ)
キョウスケ(なのに、 どうしてお披露目などで互いのカードを 見せ合う必要がある?)
ゼンガー(キョウスケは 薄々気づいているようだな…)
ゼンガー(南極の式典は 例の会見を隠すための手段に過ぎん)
ゼンガー(せめて、 お前達には真実を伝えておきたいが… 機密事項では如何ともしがたい。許せ…)

[ATX計画ラボ]

ジョナサン「おいおい、 またATXチームと一緒に行くのか?  君も好きだねえ」
マリオン「何をおっしゃるの?  シロガネを見ておきたいとは思わないのかしら?」
ジョナサン「見るも何も、ウチの研究所は テスト艦のスペースノアを含めて、 あれの建造に関わっていたんだが?」
マリオン「あら、そうでしたわね。 でも、私はスペースノア級の艦首モジュールにも 興味がありましてよ」
マリオン「確か3つのバリエーションがあるとかで、 挙げ句の果てには発射も可能とか」
ジョナサン「どこぞのミサイル艦じゃないんだ。 そんなことは出来んよ」
ジョナサン「そんなことより、早く『ヴァイス』に 私が持ってきた例の装置を取り付けてくれ」
マリオン「……」
ジョナサン「ダウンサイジングは成功したし、 フレームのキャパシティにも合わせた。 TC-OSの最適化はパイロットに任せるとして…」
ジョナサン「君のGOサインが出れば、 もう一押しでロールアウト。 白銀の“天使”の誕生さ」
マリオン「あれを積めば、“堕天使”ですわ」
ジョナサン「堕ちないよ。 空を飛ばすための、魔法のアイテムなんだから」
マリオン「…お断りですわ。 私の機体に、EOTを応用した装置など 必要ありません」
ジョナサン「だが、あれを装備すれば… ヴァイスは単体での飛行が可能となる」
ジョナサン「バーニアスラスターで 無理矢理空を飛ばすよりは スマートだと思うんだがねえ」
マリオン「…それでもお断りです」
ジョナサン「…アーマードモジュールが 現れた以上……」
ジョナサン「従来の兵器と陸戦型のPTを わずかしか配備していない連邦軍は、 間違いなく劣勢に追い込まれるだろう」
ジョナサン「もちろん、 EOTI機関がその気なら…の話だが」
マリオン「………」
ジョナサン「…今の状況で、 空飛ぶ白騎士がさっそうと登場すれば… お偉方の印象も変わってくるぞ?」
マリオン「印象…」
ジョナサン「そう。ISA…『空母の役割を果たす戦艦と、 それに搭載された人型機動兵器による電撃戦』。 ヴァイスなら、それがスムーズな形で可能となるんだ」
マリオン「………」
ジョナサン(…もう一息かな?)
ジョナサン「…それから、 例のドライブはEOTそのものを 使ってるわけじゃない」
ジョナサン「元々、あれはメテオ3落下以前から テスラ研が研究開発していたもので……」
マリオン「…もう充分ですわ。 この目で実際に動くアーマードモジュールを 見てしまった以上…」
マリオン「あれに負けるわけにはいきません。 二千歩譲って、ドライブの搭載を許可しますわ」
ジョナサン「二千歩…ねえ。 心が広いんだか狭いんだか、わからんな」
マリオン「では、 Mk-IIカスタムの改修は あなたにお任せしますわ」
ジョナサン「お任せ?  やれやれ、よほど南極に行きたいらしいな」
マリオン「ええ。 本命はシュウ・シラカワ博士やエリック・ワン博士らが 開発した例の機体でしてよ」
ジョナサン「なるほど…『グランゾン』を その目で確かめたいというわけか」
マリオン「何でも、搭乗者次第では 世界中の戦力を壊滅させるのに 一日とかからないとか…」
マリオン「そんな妄想めいた話、 私は認めるわけにはいきません。 ですから、事実を確認してきます」
ジョナサン「…いいだろう。 ならば、ヴァイスの改修は私がやっておく」
マリオン「…Mk-IIカスタムに 妙なクセをつけると承知しませんわよ?」
ジョナサン「わかったわかった。 ともかく、くれぐれも気をつけてな」


第5話
天の龍、異界の風

〔戦域:海上〕

(ヒリュウ改がいる)
レフィーナ「ATXチームは?」
ユン「2分後に接触します」
ショーン「予定通りで助かりますな。 歳を取ると、どうも寒い所が苦手で」
レフィーナ「まだそんなことを仰る 歳ではないでしょうに」
ユン「…艦長、第2格納庫で 騒ぎが起きているようです」
レフィーナ「え…?」
ユン「映像、出します」
(通信)
タスク「…ちょっと、中尉!  いい加減にしてくださいよ!  出撃命令なんて出てないんだから!」
カチーナ「うるせえ!  現場の判断って奴だ! それに、 いつ敵が来るかわからないんだぞ!」
カチーナ「整備員の分際で あたしに偉そうな口を利くな!」
タスク「ちょっと、その台詞聞き捨て ならねえッスよ! 俺だって、 適性検査に合格してりゃ今頃は…!」
レフィーナ「あの…」
タスク「あ、あれ? ひょっとして ブリッジに筒抜け? あっちゃ~…」
カチーナ「チッ…!」
レフィーナ「やっぱり、騒ぎを 起こしていたのはあなた達ですね…」
タスク「いや、 自分は被害者に近いんスけど~」
(アラート)
レフィーナ「!」
ユン「艦長! コーツランド基地より 電磁波バーストが!」
レフィーナ「何ですって!?」
ショーン「状況は!?」
ユン「詳細は不明ですが、 基地内で爆発が起きた可能性が 高いかと…!」
レフィーナ「まさか、彼らが攻撃を!?」
ユン「11時方向、 レンジ3に熱源反応多数!  本艦へ急速接近中!」
レフィーナ「識別は!?」
ユン「該当するデータがありません!」
(ガロイカが多数出現)
ショーン「確かに、 見た事がない機体ですな…」
ショーン(冥王星でも、 あのようなタイプは見かけなかった。 新型…? それとも…)
カチーナ「カチーナ・タラスク、 出るぜッ!」
ラッセル「ま、待って下さい、中尉!  自分も出撃します!」
(F-28メッサー×2が出撃)
カチーナ「何となく嫌な感じは してたのさ。だけど、相手が 宇宙人の偵察機なら好都合だ」
ラッセル「ま、まだ 偵察機だと判明したわけじゃ…!」
カチーナ「るせえ!  あの手の奴はそうだと 相場が決まってんだよ!」
ラッセル「ど、どこの 相場なんですか!?」
カターナ「ゴチャゴチャ言うな!  この機会に撃墜数を増やしてやるぜ!!」
ラッセル「中尉、もう少しで ATXチームが来てくれます!  無茶はしないでくださいよ!?」
カチーナ「どこの馬の骨ともつかない 連中をアテにしてどうすんのさ!  あたし達だけでやるよ!」
ショーン「カチーナ中尉、 我々はこれから南極へ向かわねば なりません」
ショーン「本艦の防衛を最優先で お願いしますよ?」
カチーナ「任せな!  一機残らず叩き落としてやる!!」
ショーン「誰もそんなことは 言ってませんが…」
レフィーナ「中尉、 こちらの命令を聞いて下さい!」
カチーナ「問答無用!  以上、通信終わりッ!!」
(通信切れる)
レフィーナ「ど、どうして言うことを 聞いてくれないの…?」
ショーン「まあまあ、艦長…この程度で 嘆いているようでは、ATXチームを 扱うことなどできませんぞ」
レフィーナ「え…?  それはどういう意味です?」
ショーン「まあ、類は友を呼ぶとでも 言いましょうか…」
ショーン「とにかく、ATXチームが 来るまでの時間を稼ぎましょう」
(作戦目的表示)

〈敵を6機撃墜〉

(アラート)
ユン「重力震反応あり!  30秒後、現空域の中央に 敵機が転移して来ます!」
レフィーナ「各機、警戒を!」

〈2PP〉

(東側にタウゼントフェスラーが出現)
ゼンガー「各員、出撃準備!」
ゼンガー「なお、 今回は水中戦がメインとなるため、 ビーム兵器はほとんど役に立たん」
ゼンガー「なるべく実体弾・実体剣系の 武器を装備して出撃しろ!」
(出撃準備)
ゼンガー「アサルト1より各機へ。 これよりヒリュウ改を援護する!」
エクセレン「OK、ボス!」
キョウスケ「アサルト4、了解」
ブリット「アサルト3、了解!」
キョウスケ「博士、 アルトは海中ではいけるのか?」
マリオン「私のMk-IIIに 不可能はないですわよ。あなたが ちゃんと動かしさえすれば」
キョウスケ「結局、おれ次第か。了解」
キョウスケ(…しかし、あの敵は何だ?  PTやアーマードモジュールとは 形状がまるで違う…)
カチーナ「フン、あいつらが ATXチームか。こっちは戦闘機で 立ち回ってるってのに…」
カチーナ「試作型のPTでご登場か。 いい身分だよ、ったく」
ラッセル「ちゅ、中尉、何を…!?」
カチーナ「テストパイロット上がりの 連中が、実戦で使い物になるとは 思えないけど…いないよりマシか」
ラッセル「あ、あの、中尉… 初対面の人にそんなことを 言うのはどうかと…」
エクセレン「わお、『立て板に水』ね」
キョウスケ「…『水』だ」
ブリット「いえ、あってます」
カチーナ「随分と余裕な態度を 見せてくれるじゃないか」
カチーナ「ま、戦闘機より厚い装甲を 持つPTに乗ってりゃ当然か。 気楽でうらやましいぜ」
ブリット「!  少し失礼じゃありませんか、中尉?  自分達だって命をかけて…」
キョウスケ「そこまでにしろ、 ブリット」
ブリット「し、しかし、あそこまで 言われて黙ってるなんて…!」
キョウスケ「任務遂行が先だ。 ヒリュウ改を軸に、一気に敵を叩く。 戦闘機のパイロット、いけるか?」
カチーナ「! 当たり前だろ、 誰に向かって言ってるつもりさ!?」
ユン「…確かに、 類が友を呼んでいますね」
レフィーナ「…え、ええ…」
ショーン「いやはや…元気があって よろしいのではないですかな?」
レフィーナ「………」
ショーン「…ああ、艦長、ですから そんな涙目にならなくても…」

〈NEXT EP〉

(ガロイカが出現)
ブリット「くっ、結構な数だな…」
カチーナ「怖じ気づいたんなら、 さっさとそのPTから降りな!」
ブリット「は!?」
カチーナ「代わりに あたしが乗ってやる!」
ブリット「そ、そんな無茶苦茶な…!」
ゼンガー(これが…奴らとの本格的な闘争の 発端となるのか?)
ゼンガー(エルザム… これが劇的な試練の始まりなのか?)
エクセレン「こんなんで 南極の式典に間に合うのぉ!?」
ブリット「いや、もしかしたら、 もう式典は…!」
(アラート)
ユン「戦闘空域へ 高速で接近してくる物体あり!」
レフィーナ「!」
ショーン「やれやれ、 今日は千客万来ですなあ…」
【デモムービー『サイバスター登場』】
(サイバスターが出現)
カチーナ「何だ、あいつは!?」
ブリット「そ、空飛ぶ人型だ…!」
エクセレン「わお、 刺さったら痛そうな機体ねえ。 ラドム博士、あれはどちら様?」
マリオン「…よそ様ですわね」
キョウスケ「何者だ?  …感じからして、敵の増援では ないようだが…」
シロ「…ここはどこだニャ?」
クロ「見た感じは すごく寒そうニャ所だけど…」
マサキ「向こうの方に流水が見えるな。 もしかして、北極か?」
ショーン「それは違いますぞ」
マサキ「!?」
クロ「マサキ、 あの艦から通信が入ってるニャ!」
ショーン「ここは南極… アレキサンダー島沖です」
ショーン「ところで…あなたの所属と お名前を教えて頂けませんかな?  出来れば、その機体についても…」
マサキ「そんなことを聞いて どうするつもりだ?」
ショーン「ご覧のとおり、我々は 取り込み中でして。事と次第では あなたを攻撃せねばなりません」
マサキ「わりぃが、 あんたらに構ってる暇はねえ」
クロ「マサキ!  あのトゲトゲが!」
(ガロイカ×4がサイバスターを包囲)
マサキ「こいつら、 サイバスターを狙って!?」
ショーン(ふむ…。 彼は少なくともエアロゲイターでは なさそうですな)
マサキ「オッサン!  これはどういうつもりだ!?」
レフィーナ「待って下さい!  その機体は私達の物では ありません!」
マサキ「じゃあ、何なんだ!?」
ショーン「先程の質問に答えて 頂けるのなら、お教えしますが?」
マサキ「フン、やなこった」
クロ「マサキ、 どうするつもりニャの?」
マサキ「今、俺の正体がバレたら 面倒なことになる」
マサキ「ここはさっさと 降りかかる火の粉って奴を払って、 シュウの野郎を追いかけるぜ!」
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

マサキ「片づいたか…」
シロ「マ、マサキ!  これを見てくれニャ!!」
マサキ「! この反応は…間違いねえ、 奴だ! 場所はどこだ!?」
シロ「氷原がある方だニャ!」
マサキ「あの野郎、 南極にいやがったのか!  行くぜ、クロ、シロ!!」
(サイバスターがサイバードに変形して南へ移動し、撤退)
ユン「正体不明機、 現空域より離脱していきます!」
ショーン「凄まじいまでの速度ですな。 まるで疾風…」
マリオン「…テスラ・ドライブで、 あそこまでの機動性は出せませんわ。 …興味深い…本当に興味深いわ…」
エクセレン「いったい 何者なのかしらねえ?」
ブリット「声から判断すると、 パイロットは自分と同い年ぐらい だったようですけど…」
エクセレン「それに、 ニャーニャーだかミャーミャーだか 言ってるのもいたわね」
ブリット「もしかして、 ナゴヤ出身の人間だとか?」
エクセレン「案外、直球勝負で 喋るネコちゃん…とかね?」
エクセレン「『ケンカ上等』とか ハチマキしちゃってるような」
キョウスケ「…くだらんことを 言ってる場合じゃないぞ、二人とも」
ゼンガー「キョウスケの言うとおりだ。 予定外の足止めを食ってしまった」
レフィーナ「ユン、あの機体は どこへ向かっているのです?」
ユン「方角から予測して、 南極コーツランド基地だと 思われます」
レフィーナ「コーツランド…!?  まさか、例の会見場へ?」
ショーン「先程の電磁波バーストが 気になります。我々も急ぎましょう」
レフィーナ「ええ…!」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

レフィーナ「副長、コーツランドまでの所要時間は?」
ショーン「およそ15分ほどです」
レフィーナ「基地との通信は?」
ユン「開戦が封鎖されていなす。 また、サテライト・リンクも不可能です」
ショーン「極秘会見が仇となりましたな…。 オクト小隊を先行させますか?」
レフィーナ「ええ。 弾薬補給が済み次第、再出撃を」
ショーン「了解です」
ユン「艦長、先程のアンノウンに 関するデータを発見しました」
レフィーナ「どちらの方です?」
ユン「人型です。 以前に、極東伊豆基地所属の偵察機が あれと接触したようです」
レフィーナ「エアロゲイター…なのですか?」
ユン「違うようです。 なお、もう一方のアンノウンに関するデータは、 AGXアーカイブ内にも見当たりません」
ショーン「…そちらの方は、 エアロゲイターの新型である 可能性が高いでしょうな」
(爆発、ゆれ)
レフィーナ「きゃああっ!!」
ユン「くううぅ!!」
ショーン「艦長、艦の前方を!!」
レフィーナ「な、何て巨大な爆煙……!!」
ショーン「先程の衝撃といい、 爆発光といい、MAPWクラスが 使用されたのでは…!」
レフィーナ「……!」
ショーン「状況を把握しようにも、 この有り様では…!」
ユン「! こ、これは!?」
レフィーナ「どうしたのです!?」
ユン「何者かの声明放送らしきものを キャッチしました!」
レフィーナ「今、そんなものに 構っている場合では…!」
ユン「で、ですが、この内容は!!」
レフィーナ「!?」

[中継映像]

ビアン「…もはや、人類は逃げ場を失った!」
ビアン「我々に必要な物は、方舟ではなく… 異星人に対抗するための剣なのだ」
ビアン「本日ここで、我々EOTI機関は 『ディバイン・クルセイダーズ』として新生し、 地球圏の真の守護者となることを宣言する」
ビアン「今後の地球圏に必要なものは、 強大な軍事力を即時かつ的確に行使できる政権である」
ビアン「だが、それは人民を恐怖や独裁で 支配するためのものではない」
ビアン「我々は守るべき対象である人民に対して 刃を向けるようなことはせん」
ビアンディバイン・クルセイダーズの意志を理解し、 地球圏と人類の存続を望む者は、沈黙を以て その意を示せ!」
ビアン「意義ある者は力を以て その意を示し、我らDCに立ち向かうがいい」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

キョウスケ「ディバイン・クルセイダーズ… 略してDC、か」
エクセレン「ん~、EOTI機関ってのよりは 呼びやすくなったけど」
ブリット「でも、あの演説は…!」
エクセレン「かなりヤバめの話だったわね」
ショーン「ええ。よりにもよって、 ビアン博士の口から異星人の存在が、 このような形で言明されましたからな」
ゼンガー「………」
ショーン「ディバイン・クルセイダーズには メテオ3という証拠があります。連邦政府が 白を切っても、民衆の疑念は消せないでしょう」
レフィーナ「そうですね。 これで多くの人々は、地球がエアロゲイターの 脅威にさらされていることを知ってしまった…」
エクセレン「…今時、映像なんて いくらでも改ざん出来るとは言え、ね」
キョウスケ「そして…ビアンは宣戦布告を行った。 以前、おれ達が接触した空飛ぶ人型は…奴の駒か」
カチーナ「元からやる気満々だったのかよ。 けっ、面白くねえ」
エクセレン「何にせよ、 これからは忙しくなりそうね…」
ゼンガー「………」
ゼンガー(人類が生き残るための試練が、 始まったというのか…)
ゼンガー(そして、エルザム…お前は… いや、コロニー統合軍は…)
ユン「艦長、 コーツランド基地の状況が判明しました」
レフィーナ「どう…なのです?」
ユン「施設の7割近くが損壊… シロガネは大破状態です」
ユン「そして…EOTI機関の新型機、 『グランゾン』は行方不明とのことです」
レフィーナ「……!」
エクセレン「もしかして… 派手にブチかましちゃったのって、 そのグランゾンじゃない?」
キョウスケ「…だろうな」
レフィーナ「ビアン・ゾルダーク博士は… 連邦軍全てを敵に回し、勝つつもりなのでしょうか?  そんなことが可能だと思って…」
マリオン「誓って断言しますわ。 彼は、安易な考えで行動を起こす男ではなくてよ」
マリオン「研究者でありながら、 本来研究者が持つべきでない資質を その手にした男…」
マリオン「それ故に、彼は『天才』と 呼ばれたのだから」

『防塵装置』を入手した。
『補給装置』を入手した。


back index next