アラン「さてと、まずは状況を整理しよう。
まずホワイトファングだが、リーブラが
落ちたことでほぼ壊滅したと考えて
間違いない。OZはトレーズを
失ったが、レディ・アンの尽力で
どうにか再編されつつあり、これは
ロームフェラ財団の生き残りと
ともに、地上の混乱を収め
難民たちの救助にあたるべく
活動を始めている」
ブライト「あの様子ならば地上は
まかせておいても問題ないだろうな」
万丈「ああ、僕もそう思う。
今のレディ・アンならまかせられるさ
それに聖女やリリーナ嬢も
一緒にいる」
シーラ「そうですね。あの方々ならば、
うちひしがれた民衆の
心の支えとなれるでしょう」
リョウ「となると残るは銀河帝国軍と、
ハマーンのアクシズか」
アラン「そうだ。銀河帝国軍はいまだに
動きがないものの、戦闘光はかなり
前から観測できなくなっている。
そろそろ混乱も収まってきたと
みるべきだろう。戦力的にはほぼ
以前とかわりなく、依然として
我々にとっては脅威だ。しかし、
士気の低下ぶりがいちじるしいと
思われるため、以前ほど
絶望的な状況ではないだろう」
甲児「ハマーンの方はどうなんだよ。
確か銀河帝国軍も
地球圏も自分たちが
制圧するとかいってたよな」
忍「そういやそうだったな。アラン、
アクシズについては何かわかったのかよ」
アラン「アクシズはすでに
地球圏に到達している
観測によれば、
かなりの規模の宇宙要塞だ
残念ながら戦力は
把握できていないが……」
アムロ「アクシズ自体の規模を考えれば、
相当な戦力の
可能性があるか……」
ブライト「ああ、ハマーンの自信もそれを
裏づけているな。ハマーンめ
初めからそのつもりだったということか」
万丈「油断できないな。あの女は僕たちと
OZを、当て馬に使ったんだ
地球が滅びる可能性を前に
しながら、ね。普通じゃできないことだ」
ジュドー「で、結局ハマーンのもくろみ通りに
なりつつあるってことかよ
冗談じゃないぜ。だから俺がいった
じゃないかよ、あの女は怖いんだって
真っ先にやっちまうべきだったんだ」
カミーユ「ジュドー、あの状況でそうはできな
かったことは、君だってわかっているはずだ」
ジュドー「だけどさ……」
ブライト「もういい、ジュドー。過ぎたことを
悔やんでも始まらん
それよりもこれから我々が
どうするかだが……」
(扉が開閉する)
大介「マリア?」
マリア「兄さん、みんな、大変!
大変よ!」
デュオ「またか。やれやれ、なんだか
この数ヶ月そればっかり
聞いてるような気がするぜ」
ヒルデ「しかたないでしょ。文句ばっかり
いわないの」
デュオ「へぇへぇ」
甲児「どうしたんだよ、マリアちゃん」
マリア「アクシズからかなりの数の艦艇が
放出されたのが観測されたって
いま博士たちが大騒ぎなのよ!」
甲児「なんだってぇ!?」
アーク「……確かに、大変だな」
ブライト「それで、数は? どこへ向かっている?」
マリア「あたしが聞いた話では、
あたしたちの数倍はいるって
どこへ行くつもりなのかは
まだわからないみたいだけど……」
アムロ「ブライト、月のレディ・アンに
連絡をとってみよう
向こうでも観測しているはずだ」
ブライト「そうだな……そうするか」
レディ「はい、その件はこちらでも確認して
います。我々はアクシズ軍の
規模を、かつての我々よりも
大きいと推測しています」
アムロ「そんなにか……」
レディ「いまのところはまだ詳しいことは
わかりませんが、いくつかの艦隊に
別れて移動しているようです。
しかし、ちょうどよいタイミングで
連絡してくれました」
ブライト「なにか?」
レディ「実は銀河帝国軍に関して
重大な情報をつかんだのです
我々は先ごろ、ひん死の状態で
漂流中だった帝国軍兵士を
救助しました。
脱走兵のようですが、その兵士の
話によると、地球圏に残留した
敵艦隊に銀河帝国の
ズール皇帝がいるというのです」
タケル「なんだって!? ズールが、
ズールがいるというのか!?」
アムロ「落ち着け、タケル」
レディ「もちろん確実な情報では
ありませんが」
ブライト「皇帝が自ら地球圏へ
来ていたというのか……?」
タケル「艦長! ズールも帝国へ
もどれないんですよ
なんとかズールさえ倒せれば……」
ブライト「ああ、残った敵は完全に
戦意を喪失するかもしれんか……」
アラン「……しかし皇帝が前線に
出てくるはずもない
敵の本艦隊に
カミカゼでもやるつもりか?」
アムロ「いや……もしも本当に皇帝が
いるのならば、こちらが攻勢にでれば
連中は守りにまわる可能性も
ある。そう悲観したものじゃない」
ブライト「そうだな。これで退くわけには
いかないという点で
我々と彼らは対等になったと
みるべきだろう」
レディ「アクシズはどうされるのですか?」
アムロ「まったく……ハマーンめ……」
(通信)
ブライト「なんだ!?」
葉月博士「艦長、銀河帝国軍が
動き出した
アクシズ軍にあわせた行動と
思われる」
アラン「ついに来たか。で、状況は?」
葉月博士「敵はふた手にわかれ、
その一方がサイド7の
コロニー群へ向かっている」
アムロ「そうか、長期戦になるとふんだな。
連中は拠点をつくるつもりだ」
アラン「うむ、私もそう思う。だとすれば、
その艦隊にズール皇帝が
いる可能性も高いな」
ブライト「アクシズのこともあるが……
やはり銀河帝国が先か
我々もサイド7へ向かうぞ」
アムロ「了解だ、ブライト。
まずズールを倒さなくてはな」
タケル「はい!」
(ネェルアーガマで宙域からサイド7へ移動)
ベルトーチカ「敵艦隊捕捉しました!」
ブライト「間にあったか……総員、
戦闘配置につけ!
敵も出てくるぞ!」
(銀河帝国軍が出現、戦艦選択、出撃選択)
ズール皇帝「地球人……マーズのいる部隊か。
どうやら
擬装にひっかかってくれたようだな……」
ブラッキー「ズール皇帝陛下?」
ズール皇帝「……ブラッキー、ダンケル、
奴らを撃滅せよ!」
ブラッキー「はっ!」
タケル「……ズールだ! 奴がいる!」
ロゼ「ズール皇帝が!? マーズ……」
タケル「ロゼ、ここで決着をつけるんだ。
ズールを倒せば
戦いは終わらせることができる」
ロゼ「マーズ……そうね、わかったわ!」
ブライト「よし、ズールに攻撃を集中しろ!
他の奴にはかまうな
なんとしてもズールを倒せ!」
ズール皇帝「フハハハハハハッ! ワシを倒すだと!?
宇宙の支配者たるこのワシを!?
すべてのものがワシにひざまづき服従を
誓う。逆らった者は死んで
自分の愚かさを知るのだ! ワシは
宇宙の支配者、すべてのものが
ワシの意のままに動くのだ!
逆らうことはできん!!」
デューク「ブラッキー!」
ブラッキー「グレンダイザー!? おのれ、
返り討ちにしてくれる!!」
タケル「ズール! 俺は貴様を倒す!!」
ズール皇帝「裏切り者マーズ。ワシに
逆らったことを後悔するがいい!」
ロゼ「ズール!!」
ズール皇帝「ロゼか、この裏切り者め!
ここでワシがじきじきに殺してやる!!」
ズール「おのれ!!」
(爆発)
ブライト「やったか!?」
(ズール皇帝が出現)
ズール皇帝「フハハハハッ! 愚か者どもめ!!」
ブライト「な……なんだと!? あれが……ズールか!」
ズール皇帝「バ、バカな!? うおおぉぉぉぉぉーっ!!」
(爆発)
ブライト「…………終わったか」
葉月博士「むっ!? 艦長、この反応は……」
(ズール皇帝が出現)
ズール皇帝「ハーッハハハハハハッ!!」
ベルトーチカ「そんな! いま確かに
ズールを倒したのに……」
ズール皇帝「まだ気づかぬのか、愚か者め!
お前たちが倒したのは
ワシの影にすぎんのだ!」
葉月博士「……実体はない。
あれは映像のようなものだな」
ズール皇帝「貴様らをおびき出してマーズを殺し
反陽子爆弾を爆発させる
つもりだったが……まぁよいわ。しょせん
お前たちではワシには勝てぬのだ
ハーッハハハハハッ!!」
(ズール皇帝が撤退)
ブライト「くっ……奴におどらされたというのか……」
レイカ「!? 艦長、新たに接近する
機影を複数確認!
これは……アクシズ軍よ!」
(アクシズ軍が出現)
グレミー「マシュマー様、あれは
マーチウィンドです
銀河帝国軍ではありません」
マシュマー「見ればわかる!
マーチウィンドの諸君
私はアクシズのマシュマー・セロである。
私は諸君らに
無条件降伏を勧告する。
素直に受け入れてもらいたい」
(少し間がある)
レイカ「ちょっと、あいつ本気なの!?」
ベルトーチカ「1つだけ救いがあったわね。
アクシズにはろくな人材がいないって
よくわかるわ」
(少し間がある)
イリア「…………」
マシュマー「おのれ、地球人同士の戦闘は
避けたいという
この私の心づかいがわからんのか!?」
パンパ「さすがですマシュマー様!
敵にも情けをかけるその心意気
それでこそ我がアクシズの、
ハマーン様の名誉も
保たれるというものです!」
マシュマー「うむ、その通りだ。
さあマーチウィンド
返答やいかに!?」
(少し間がある)
レイカ「あの連中、遊んでるつもりかしら。
本気でやってるとしたら
救いようがないわね」
バニー「どうします、艦長?」
ブライト「受け入れるわけにはいかんだろう!?
聞こえるかマシュマー・セロ
勧告は聞けない!」
ビューティ「というわけよ。お・ば・か・さ・んっ」
マシュマー「なんと!? ……騎士を
愚ろうするとは、許せん!
全機、マーチウィンドを
せん滅しろ! ハマーン様のためにッ!」
グレミー「……マシュマー様、我らの任務は
銀河帝国軍の
偵察のはずではなかったのですか?」
マシュマー「かまわん。マーチウィンドを倒せば
ハマーン様もおほめくださる!!」
グレミー(やれやれだな……)
ルー「勝手なこといってくれちゃってさ!
あんたたちに名誉なんて
あるわけないでしょ!」
グレミー「な……なんという美しい声だ。
あ、あなたも
マーチウィンドのパイロットなのか?」
ルー「はぁ? あったりまえでしょ!
あんた何いってるのよ!」
グレミー「かわいい……」
ブライト「ルー・ルカ! 何を遊んでいる!」
ルー「す、すみません、艦長!」
イリア「グレミー、状況を考えろ!」
グレミー「わ、わかった」
グレミー(ルー・ルカ……よい名前だ……)
プル「ジュドー……ジュドーがいるの?
なに……気持ち悪い……」
ジュドー「この感じ……プルか? どうしたんだ!?」
パンパ「ハ、ハマーン様!
申しわけございません!!」
ワイム「な、なんだ!? こんな……」
ビアン「マ、マシュマー様ぁぁぁーっ!!」
イリア「マシュマーめ……くそ、撤退する」