ハマーン「な……なんだと!?
これ以上は無理ということか
くっ、撤退する!」
(ハマーン機が爆発、ハマーン軍が撤退)
クワトロ「………………」
豹馬「なんだよなんだよ、みんなしてしけた
ツラしちまってさ。結局俺たちは
勝ったんだぜ? リーブラは落としたし
ホワイトファングもなくなったじゃないか」
甲児「だけどな……なんだかこう、
すっきりしねぇんだよな」
リョウ「そうだな……なにしろクワトロ大尉も
行方不明だしな
銀河帝国軍もアクシズ軍も
まだ残っている」
ブライト「……本当に誰も、大尉を
見ていないのか?」
アムロ「もう何度も確認したよ、ブライト。
大尉は俺たちのもとから
姿を消した。生死不明でな」
ジュドー「やだなぁアムロさん、
縁起悪いこといわないでよ
あの人のことだ、きっとすぐ
もどってくるって」
万丈「だといいがね」
アラン「万丈、何か知っているのか?」
万丈「いや、そういうわけじゃない。
ただ僕が見たところ
クワトロ大尉はこのところ
ずっとうっ屈しているようだった
もしも何か考えがあって僕たちの
前から姿を消したのだとすれば……」
ギャリソン「……もどっておいでにはならない、
と、そういうことですか」
アムロ「…………」
レディ「救助していただいて感謝します。
残存したOZ兵士は
月面へ向かわせました」
葉月博士「月面?」
レディ「ホワイトファングは月面に
戦力を残しておりませんでした
ほぼ無傷で月面基地は
奪還しています」
中条長官「そうですか……しかしOZももはや
まともな戦力とはいいがたいですな」
レディ「その通りです。
トレーズ様を失った今
士気を維持するのも
難しいでしょう」
リリーナ「…………」
レディ「リリーナ嬢もおられたのですね……
どうぞこれを」
リリーナ「? 拳銃などでわたくしに
何をしろとおっしゃるのですか?」
レディ「見ての通り魂の抜け殻ですが、
どうか父上の……
ドーリアン氏のご無念を
お晴らしください」
ジュリア「リリーナ……」
リリーナ「ええ、わかっています、ジュリア様。
もう、そういうことは終わりにしましょう
復讐など、何の意味も
ないのですから」
レディ「……はい」
ジュリア「あなたにはまだすることが
残っているはずです
いま、あなたまで失えば、残された
兵士たちは
いったいどうすればよいのでしょう?
それに、OZという組織にも
これからやるべきことは、数多く
あるはずなのではないのですか?」
レディ「……確かにおっしゃる通りです。
トレーズ様の死とともに私の戦いも
終わりました。しかし果たすべき
責任はまだ残っているのですね」
リリーナ「ええ。もしもご自分の過ちに気づき
それをつぐなうとおっしゃるのでしたら
地球圏の平和のために
尽力してください
お父さまもそれを望むはずです」
レディ「はい……私も月面基地へ
向かうことにします
OZを立て直し、地上の
難民たちを1人でも多く
救うことに努力いたしましょう。
よろしければおふたりもご一緒ください
マーチウィンドはまだ
戦いをやめるわけにはいかないでしょう」
ジュリア「……そうですね……
そのほうがよいかもしれません」
リリーナ「そう思います。わたくしたちも
ご一緒いたしましょう、ジュリア様」
中条長官「頼みますぞ、レディ・アン特佐」
沙羅「ここにいたのかい。リリーナは
気色悪いくらいに変わっちまった
レディ・アンと聖女と一緒に、
月へ向かうそうだよ
それから地上へ降りるってさ」
ノイン「そうか……地上は
さぞかし大変な状態だろうな……」
沙羅「あんたは一緒に
行かなくていいのかい?
その方がいいんじゃないの?」
ノイン「気づかいは無用だ、沙羅。私は
……ゼクスが生きていると信じる
だから落ちこみなどはしない……
少なくともこの戦いが終わるまでは」
沙羅「あんたがそういうんなら、それもいいさ。
結局……何も失わずにいられる
奴なんて、いやしないのさ。
こんな戦いではね」
ブライト「アムロ、少し休んでおけ。
いつ銀河帝国軍が攻撃を
再開するかわからんし、
ハマーンのこともある。あれだけ
自信を持って出てきたんだ。
このまますむとも思えん」
アムロ「わかってるよ、ブライト。すぐに休むさ」
ブライト「……あまり、気にするなよ」
アムロ「ああ……」
アムロ「シャア…………」