ヘンケン「物資の運び出しは終わった
ようだな」
アストナージ「そうですね。本当ならどこかで船体
の修復もしたいところですがねぇ」
ヘンケン「今はどこも無理だな。ブライト
艦長やクワトロ大尉には
伝達してあるが、宇宙では
新造戦艦のネェル・アーガマが
完成したと聞く。いずれはそちらに
移ることになるだろう」
ジュドー「ねぇるあーがま? どういう意味?」
ヘンケン「アーガマに近いもの、ということらしい
がな」
カミーユ「しかし宇宙で新造戦艦って、
なんでそんなことが可能なんです?」
ヘンケン「OZにはもともと地球圏全体を
見張れるような戦力はない。月の
フォン・ブラウン市にだって反OZは
いるし、アナハイムの協力もある」
ショウ「それで、OZは兵員不足を補うた
めに無人機を導入したってことか」
カミーユ「でもアナハイム、あまりいい気はしません
ね。死の商人の実験台ですか
僕らは」
ヘンケン「OZに対抗するにはそんなものにも
すがらにゃならん。それが現実だ
連中だってOZが完全に支配
するとなるとロームフェラの影響下に
入ることになる。それは避けたいのだ
ろう」
カミーユ「やりきれませんね」
ヘンケン「そうだな……あ、特尉、お茶でもどう
かな」
エマ「だめです。忙しいですから」
ヘンケン「そ、そうか。ならいいんだ」
ジュドー「タイミング悪いんだよな」
ヘンケン「お前ら、さっさと仕事をせんか!」
万丈「ギャリソン、本当にこんなところに
いるのかい?」
ギャリソン「間違いございません。ただ……私の
調べたところによりますと
少々問題がございますが……」
万丈「なんだい?」
ギャリソン「その方はこの数年はずっと酒びたり
であるとか。あまり期待できるとは
思えません」
万丈「それでも、彼がだめならもう、
どうにもならないさ」
(通信)
万丈「こちら万丈」
レイカ「レイカよ。例のものは確認したわ。
操縦者たちにも接触。いま
ビューティーが話をしているところよ。
博士の死後、彼らが隠していた
らしいんだけど、情報通り今のまま
では使い物にならないわね
動かせるようにできれば、彼らも
戦ってくれるはずよ」
万丈「ご苦労さん。こっちは今からそれを
なんとかしてくれる人物に
接触する予定」
レイカ「了解。うまくいくことを祈ってるわ」
万丈「失礼、四谷博士とお見うけ
いたしますが?」
四谷博士「ここには博士などおらん。お前たちは
なんだ?」
万丈「僕の名は破嵐万丈。博士は
いらっしゃらないとおっしゃるが、あなたは
博士によく似ておられる」
四谷博士「いけすかん奴だな。いかにもわしが
四谷だ。だがお前たちには用はない
わしが用のあるのは酒だけだ」
万丈「ところがこちらはそういうわけには
いかないんですよ。南原博士は
ご存知ですね」
四谷博士「……南原か。もう何年も会って
おらん」
万丈「南原博士は亡くなられた。彼が
その卓抜した先見の明で
建造した戦闘ロボットも、その時
から動かないままです」
四谷博士「そうか……南原が死んだか」
万丈「南原博士は自分にもしものこと
があれば、四谷博士を頼るように
と言い残された。探しましたよ、
あなたを。このような廃墟にお隠れに
なっているとは、思いもよらなかった」
四谷博士「……わしは何もできんし、するつもりも
ない。お引き取り願おう」
万丈「博士! いま地球は再び異星
人の攻撃にさらされている。OZとは
違うんだ。地球人が滅亡しても
かまわないとおっしゃるのか!?」
四谷博士「ふん、わしは地球を愛しこそすれ人
間などどうなってもかまうものではない
いや、地球のことを考えれば
人間など第一に滅びてしまうべき
生き物だろう」
万丈「なんだって? いったいなぜそこまで……
いや、あなたがどう思おうとかまわない
博士、僕がつかんでいる情報では
今度の敵、銀河帝国は
人間を殺すだけじゃない。この
地球そのものを破壊しても
おかしくない連中だ」
四谷博士「…………」
万丈「この地球を愛するというのなら、この
大地のために力を貸してください
博士」
四谷博士「……万丈といったかな。
君の名前は聞いたことがある
ゾルバドスがいた頃から戦い続けて
いるそうだな」
万丈「それが、僕が自らに課した使命
だからね」
四谷博士「……わかった。それで、わしは
何をすればいい」
万丈「南原博士の残した戦闘ロボ、
コン・バトラーVを動かしてください」
四谷博士「コン・バトラーV……できるかはわからんが
やってみよう」
レラ「何やってんのさ?」
アーク「レラか。ソルデファーのシステムを
バージョンアップしたから、
入れ替えてるんだ」
レラ「ふうん、なんかさ最近妙に気合い
入ってない?」
アーク「そうか? …そうかもな。ようやく明確
な戦う理由を見つけたからかな」
レラ「戦う理由? そんなの決まってる
じゃんか」
アーク「戦う目的というか、目指すもの
っていうのかな。俺はさ、ずっと
あいまいなままでやってきたから」
レラ「なんなのさ?」
アーク「なにが?」
レラ「その、アンタが見つけたっていうのは
何かって聞いてんの!」
アーク「別にあらたまっていうほどのこと
じゃないけどな。平和とか幸せとか
そういうんじゃなくって、理不尽な
不幸をなくしたいっていうことなんだ
戦うことでそういう未来を見られる
なら、それはいいことなんじゃないかってさ」
レラ「理不尽な不幸って、たとえば納
得できない理由で死ぬってこと?」
アーク「それもそうだけど……戦うことしか
考えられない生き方っていうのも
不幸なことだろ」
レラ「……それってさ、もしかして、アタシが
不幸だっていいたいわけ!?」
アーク「別に……お前のことだなんて
いってないだろ」
レラ「ウソつけ。顔に書いてあるよ。アタシは
自分が不幸だなんて思ったことは
ないんだ。そういうふうにしかならなかった
からそうなった。それだけのことじゃないか
それのどこがいけないのさ!?」
アーク「いけないなんていってない。じゃあ聞く
けど、もしお前がカンザスにいたとき
戦えなくなったら、どうしたんだよ」
レラ「それでも戦う。絶対にあきらめない」
アーク「だから、戦いようがなかったら、
戦うすべがなかったらどうするんだって」
レラ「そしたら……死ぬしかない」
アーク「それをいってるんだよ、俺は。そういうの
って、たぶん他にも大勢いるんだ
それはやっぱり不幸だよ。お前みたい
のが死んで、誰が喜ぶっていうんだよ」
レラ「他にやりようがないんだから
しょうがないじゃないか!」
アーク「だからさ、俺は、それをなくしたい。
他にもやりようがあるように、いや
そもそもそんなことは考えなくたって
いいようにしたいんだ」
レラ「…………」
アーク「俺、おかしなこといってるか?」
レラ「…………違うよ。アタシは、自分の
ことだけで手いっぱいだったから
そういうふうに考えたことって
なかったなって、そう思っただけ」
アーク「とにかく、それが俺の考えてることさ」
レラ「……できるのかな、そんなの」
アーク「わからないよ。でも、そういうことの
ために戦うのなら、それは
納得できる理由だから。
可能性の話をするんなら
今の俺たちの戦いだって、否定
しなくちゃならないかもしれないだろ
別に集団自殺したいわけじゃ
ないんだ」
レラ「そっか……そうかもね」
アーク「そうさ」
エルリッヒ「いまのが、君のいっていた少女だな」
アーク「そうですよ」
エルリッヒ「確かに、わかる気がするな」
アーク「俺は、あいつの中で固まってしまった
“納得して生きるには
戦うしかない”っていうのを変えて
やりたい。もっと別の生き方だって
あるんだって、見せてやりたいんです。
あいつがそれを信じてくれるなら、きっと
世界中で大勢の人たちがそれを
信じてくれる。ただの自己満足
かもしれないけど、そう思えば戦って
いける気がするんです」
エルリッヒ「そうか……」
アーク「で、何です? 何か用があったんじゃ
ないんですか?」
エルリッヒ「ああ……いや、特に用があったわけでは
ないんだが……雰囲気がな、なかなか
なじめんものだ」
アーク「それは、そうでしょう。あなたが本気で
俺たちと一緒に戦うつもりなら
そのうち慣れます。ここは、なんていうか
ふところが深いですから。敵じゃない
なら、なんでも受け入れちゃう
ようなとこ、ありますからね」
エルリッヒ「ああ……そうだな。それに、この雰囲
気の理由はそれなのかもしれんな」
エルリッヒ(それと強さの理由も、か)
大介「鉄也くん、甲児くん、すまないが
手伝ってくれないか」
甲児「オレたちに何を手伝えって?」
大介「グレンダイザーのサポートメカが、あと
2機あるんだ。それを取りにいきたい」
鉄也「悪いが、俺はそんな面倒なことは
いやだね。ジュンにでも頼んでくれ」
大介「そうか……しかたないな。ジュンさん、
頼めるか?」
ジュン「ホント鉄也は自分勝手だね。
いいよ、行ってあげる。ただし
さんづけはやめてよね。ジュンでいいよ」
大介「ありがとう。では来てくれ甲児くん、
ジュン。君たちなら大丈夫とは
思うが、いちおう簡単に
説明しておく」
(震動、爆音)
ブライト「な、なんだ、どうした!?」
(通信、震動)
ミカ「艦長、大変です! タケルが!」
アムロ「落ち着くんだ、ミカ。何があった?」
ミカ「たぶん、ギシン星の超能力者
です! お兄さんがさらわれて、タケルが
それを追ってガイヤーで……」
ベルトーチカ「アムロ、ガイヤーが飛んでいくわ」
アムロ「タケルの奴め。ブライト、誰かにあとを
追わせるんだ」
ブライト「そうだな。よし、ゲッターチームと
藤原忍にガイヤーを追わせる
大尉、残りの連中に艦内に
敵がいないか調べさせてくれ」
クワトロ「わかった」
タケル「くっ……待て!」
(映像音)
???(ズール)「フハハハハハッ」
タケル「お、お前はッ!」
ズール皇帝「よく来たな、マーズ」
タケル「マーグをどうした!?」
ズール皇帝「幼い頃に地球に送られたせいか、
皇帝への礼儀を知らぬようだな」
タケル「お前に礼儀など無用だ!」
ズール皇帝「マーズ、我が銀河帝国に戻れ。
宇宙は広大だ。お前にはまだまだ
やらねばならぬことがある。地球などに
いつまでもかかわっているヒマはないのだ
マーズ、地球を破壊して
帰って来い」
タケル「黙れズール! 俺の父などといって
だまそうとしたくせに! 俺はお前の
思い通りにはならないぞ!」
ズール皇帝「愚かな奴」
(飛行音)
タケル「ぐうぅぅっ……おのれぇっ!!」
(暗転)
(戦闘音)
タケル「くっ……俺は……勝ったのか……。
マーグ! 兄さん、どこだ!?」
リョウ「いたぞ!」
ベンケイ「おいタケル、ひどいありさまだがいったい
何があったんだ?」
タケル「兄さんを追っていて、俺はズールと
戦ったんだ」
忍「ズール!? おい、そいつは銀河
帝国の皇帝って奴じゃないのかよ
なんだってそんな奴がこんなところに
いるんだ!?」
タケル「わからない……俺は確かにズールと戦
って……そうだ、兄さんを探してくれ!」
ハヤト「探せといわれてもな。俺たちは上空
から見たが、それらしい人物は
見当たらなかったぞ」
タケル「そ、そんなことは……」
(衝撃波?)
タケル「うわあぁぁっ!?」
忍「くそっ! どっからの攻撃だ!?」
リョウ「みんな、マシンへ戻れ!」
ベンケイ「おい、なんだありゃあ!?」
(映像音)
ズール皇帝「ハハハハハッ」
タケル「ズール!? ばかな……?」
ズール皇帝「マーズよ、お前はワシと対等に
戦えたと思っておろうが、あれはワシの
影にすぎん。無駄なことをしたな。
ワハハハハハハハッ」
(消える)
タケル「くっ……兄さぁぁぁぁぁぁーんっっ!!」
甲児「快調快調っと! このダブル
スペイザーってのはなかなかいいじゃないか」
大介「はははっ、あまり無茶な飛ばし方は
しないでくれよ」
甲児「大丈夫だって。それっ!!」
ジュン「あっ、待ちなよ甲児!」
マリア「ふう、まったくどこもかしこも
ひどい状態ね。あっ、何かくる!?
隠れなきゃ」
(飛行音)
マリア「あ……あれは……まさかグレンダイザー!?
あの悪魔たちが、フリード星の
守り神を奪ってこの地球まで
来たというの!?
許せない! グレンダイザーはあたしが
取りもどしてみせるわ!」
マリア「……たしかこの辺に来たはず
なんだけど……あっ、戦艦だわ。そうか
あそこにいるのね。
よーし、見てなさいよ悪魔どもめ」
ヘンケン「そうか、それは大変だったな」
ブライト「ああ、どうやったのか知らないが、その
皇帝ズールという奴は、ギシン星に
いるはずだそうだ。まったく、恐ろしい
力だよ」
ヘンケン「そんな連中と戦っていかなきゃならん
とはな」
クワトロ「中佐、何か用件があったのでは?」
ヘンケン「そうだった。君たちの宇宙行きの
件だが例のクラッシャー隊基地は
もう使えんそうだ。万丈くんからの
情報では、他にいくつか使えそうな
施設があるが、どこも敵がいるそうだ」
ブライト「そうか……結局、戦闘は避けられん
か」
ヘンケン「そういうことになる。そこでだ、
1つ、提案があるんだが」
ブライト「なにか?」
ヘンケン「うむ、実はそのうちの1つに、ミケーネ
の残党がいることがわかっている
ヘンケン
可能なら君たちにそれを叩いて
もらいたい」
鉄也「ミケーネが!? 艦長、こいつは
放ってはおけない話だ」
ブライト「そうだな。わかった、その件は検討
してみよう」
ヘンケン「よろしく頼む。ああ……それと……その」
ブライト「まだなにか?」
ヘンケン「いや……なんだ、エマ中尉は元気で ←特尉の間違い
やっているかな」
クワトロ「特に問題はないようだが……用が
あるなら呼んでこようか」
ヘンケン「ああ、いや、いいんだ。それじゃあな」
バニー「プッ」
ベルトーチカ「ヘンケン中佐も、何か適当な
用事つくってしまえばいいのにね」
ブライト「まぁ、そういうな。それよりアムロ、
みんなを集めてくれ。今の話を
検討したい。ベルトーチカ、データは
ブリーフィングルームにまわしてくれ」
ベルトーチカ「はい」
ブライト「というわけなんだが、どうだ?」
甲児「なんだよ、また宇宙に出るのか。って
ことは、銀河帝国軍って奴と
戦うってことか」
クワトロ「そうだ。現状ではまず銀河帝国
軍にあたらねばならん。これはOZでも
同じことだろう」
忍「ああ、これで人類が滅びるとなりゃ
地球圏の支配も地球の
再生もへったくれもねぇからな。
そうでなきゃこまるぜ」
エイジ「そう考えると、確かにムゲゾルバドスの
ときとは違うということか。グレスコや
ル・カインは地球を帝国に組み
込もうとしていただけだったからな」
クワトロ「そういうことだ。マーグやデュークの
言葉を信じるならば、すでに多くの
星々が滅ぼされている。この地球
圏をその二の舞にするわけにはいかん」
デュオ「そうと決まったら、さっさと宇宙へ
あがろうぜ」
アーク「そうだな……そういうことなら少しでも
早い方がいいかもしれない」
ブライト「そのことだが、現在我々が使用
できる施設は存在しない。どこを
使うにしても、そこにいる敵と交戦
する必要がある。ほとんどはOZだが
1個所だけ違うところがあるらしい」
甲児「じゃ誰がいるってんです、艦長?
もったいぶらないで早くいってくれよ」
鉄也「お前にも無関係じゃない。
ミケーネの残党がいるんだ」
甲児「ミケーネだって!? 奴ら、散りぢりに
なったんじゃなかったのか」
鉄也「どうやらそうじゃなかったようだ。
かつてゾルバドス軍が使っていた
地下施設を占拠しているという
話だ」
デュオ「ってことは、OZとやるか、ミケーネと
やるかってことだろ。なら、答えは
決まってんじゃねぇか」
鉄也「ああ、俺もそう思うぜ」
ドモン「フッ、当然ミケーネだな」
大作「そうですよね、やっぱり」
アムロ「ということだ、ブライト」
ブライト「そうだな、それが妥当だろう。
よし、では我々はこれからミケーネの
占拠している旧帝国軍基地
へ向かう」
マリア(ここにグレンダイザーがある……
見つけたわ、悪魔どもめ!)
(速い足音)
甲児「ん? あんな子いたっけ……?
いや様子がおかしい。おい待て!」
マリア「見つかった!? えい!」
(超能力で攻撃?)
甲児「くっ!」
大介「甲児くん!?」
甲児「気をつけろ! かわいい顔しちゃいるが
そいつは敵だ!」
マリア「悪魔どもっ、覚悟ぉぉーっ!」
(空をきる)
大介「くっ……!? 待て、そのペンダントは!」
マリア「やぁっ!!」
(拳が空をきる)
大介「君は誰だ!? 君はいったい……!?」
マリア「フリード王の娘、
グレース・マリア・フリード!
グレンダイザーを取りもどしに来た!」
大介「フリード王の娘……マリア!?」
マリア「たあっ!」
(空をきる×2、ぶつかる)
大介「ぐっ……!!」
甲児「大介さん!?」
マリア「う、腕で止めるなんて!?」
大介「マリア……これを……」
マリア「!! 同じペンダント……まさか」
大介「そうだ、僕がデューク・フリードだ」
マリア「お兄ちゃん……!? 本当にあたしの
お兄ちゃんなのね?」
大介「ああ」
マリア「お兄ちゃん、生きてたのね!?」
大介「マリア、お前こそよく……」
マリア「あの時、あたしは侍従に
連れられてフリード星を脱出して
地球まで来たのよ」
大介「そうか……マリア、会えてよかった。
お前にも苦労をかけたな。これからは
ずっと一緒だ」
マリア「お兄ちゃんッ!」
さやか「ちょっと甲児くん、なに涙ぐんでる
のよ」
甲児「だってよ……大介さんが……
大介さんが……」
アラン「なんだ、どうしたんだ?」
甲児「チクショウ、オレにはうまく言えねぇや。
あの夕陽にでも聞いてくださいよ」
(川の傍にバトルマシンとダイターン3、戦艦が出現)
豹馬「それで俺たちはどこへ向かうってんだ?」
万丈「マーチウィンドの所さ。彼らは
これから宇宙に上がるそうなんでね
その前に合流しておきたい」
ギャリソン「万丈さま、こちらは問題ありません」
万丈「よし、では出発するとしようか」
レイカ「待って、万丈。何か来るわ!」
(対岸にエアリーズ×6が出現)
万丈「あれは……OZか」
豹馬「あんな奴ら、やっちまおうぜ」
万丈「あまり時間を無駄にしたくないな。
間に合わなくなると困る」
四谷博士「ならば、コン・バトラーVでやればよかろう
豹馬、コンバインじゃ!」
豹馬「オッケーッ! いくぜ、みんな!」
ちずる「ええ!」
ロペット「コンバインオッケー、コンバインオッケー!」
豹馬「よぉし!
レェェェェッツ・コンバイン!!」
【デモ『レッツ・コンバイン』】
(バトルマシンが合体)
豹馬「コォォォォンバトラァァァー・ブイッ!」
万丈「よし、いくぞ君たち!」
豹馬「まっかせとけ!」
(ダイターンが1機撃墜、コンバトラーに「集中」がかかり残りを撃墜)
万丈「終わったようだな。よし、これ以上
時間を無駄にしていられない
みんな、急ごう」
(敵機が出現)
(アーガマが出現・出撃選択)
ヤヌス侯爵「なに? 人間どもが
攻めてきただと!? おのれ
わがミケーネ闇の帝国の復活、
邪魔はさせぬぞ!
返り討ちにしてくれるわ!!」
(ダイターン3とコン・バトラーVが出現)
アラン「あれはダイターン3! 万丈か!?」
万丈「やぁアラン。君だけにずいぶん無理を
させて悪かった。これからは僕も
合流させてもらう。さぁこいミケーネ!
この日輪の輝きを、恐れぬのならば
かかってこい!」
ドモン「破嵐万丈か……面白い奴だ。
気に入ったぜ」
ブライト「万丈くん、それはいいが、その
もう1機はいったい?」
万丈「南原博士の建造した
コン・バトラーVだ。これから一緒に
戦ってくれる仲間さ」
クワトロ「コン・バトラーVだと? 信じられん、
まさか無事で残っていたとは」
豹馬「はん、俺たちがずっと守ってたんだ。
あったりまえだぜ」
ちずる「ちょっと豹馬!
すみませんマーチウィンドのみなさん
私は南原ちずるです。
これからよろしくお願いします」
豹馬「ちぇっ、ちずるのやつ、
ひとりでいいか格好して
葵豹馬だ。
ま、ひとつよろしく頼むぜ」
十三「わいは浪花十三や。よろしゅう
たのむわ」
小介「北小介です。メカのことならボクに
まかせてください」
大作「おいは西川大作ですたい。よろしく
たのむばい」
万丈「さぁさぁ、自己紹介はあとだ。
敵さんお待ちかねのご様子だぞ
さっさと片づけて、宇宙旅行と
しゃれこもうじゃないか」
ヤヌス侯爵「おのれ、ふざけおって。奴らを生かして
帰すな!!」
(敵機増援が出現)
ヤヌス「こ、こんな…………」
ブライト「よし、準備を急ごう」
(カタパルトの前に集合)
アラン「ブースターとカタパルトの準備は
完了したようだ」
ブライト「よし、全員引きあげさせろ。
上部ハッチはどうした?」
銀鈴「それが……開かないようです。
ここからじゃコントロールをうけつけません」
ギャリソン「ふむ、故障ですかな。他の場所
から試してみてはいかがでしょう」
(ガンダムアラート)
万丈「おっと、まだ残ってたのか?」
ベルトーチカ「違うわ、これは……OZです!」
ブライト「なんだと!?」
(OZ部隊が出現)
ジェリド「残念だったな。すでにコントロールは
おさえてある。そうそう貴様らの
好きにさせてたまるかよ」
万丈「しまった、僕らがつけられたのか!?」
カミーユ「あいつ……ジェリドか!」
ジェリド「カミーユ、ここを貴様らの墓場に
してやる。宇宙にあがれぬまま
死んでいけ!」
カミーユ「ばかな、今がどういうときか
わかっているのか!? 地球そのものが
なくなるかもしれないんだぞ!」
ジェリド「そんなことはさせんさ。OZは力だ!
この力があってこそすべてを
制することができる!」
カミーユ「勝手なことを!」
ブライト「総員戦闘配備! 敵を
近づけるな!」
クワトロ「艦長、コントロールをおさえてハッチを
開けなくては、危険すぎる」
万丈「そう思う。ギャリソン頼む、どこから
開けられるか調べてみてくれ」
ギャリソン「そのようなこともあろうかとすでに
調べておきました」
甲児「へぇ、やるじゃないか」
ギャリソン「このくらい当然でございます」
(エリア表示・入口に一番近い扉のような所)
ギャリソン「この位置にある制御室ですな。し
かし敵の司令官の言葉によれば
OZが占拠しているものと思われます」
万丈「これはロボットじゃ制圧できないか……
ビューティー、レイカ、頼む」
レイカ「了解よ」
ビューティ「まっかせて、万丈」
アムロ「しかし、ふたりだけで大丈夫なのか?」
チボデー「なら俺たちが行くかい? 俺たちなら
白兵戦でも後れはとらねぇぜ」
サイ・サイシー「そうさ。オイラたちにまかせときなって」
ブライト「だめだ。何が起こるかわからん。
パイロットは降ろさせられん」
レラ「ならアタシが行くよ。パイロット以外
じゃ武器の扱いはアタシがいちばんの
はずだ。アタシはずっと市街戦を
やってきたんだ。こういうのなら慣れてる」
アーク「レラ、お前……」
ブライト「しかし……わかった、頼む」
レラ「まかせて!」
(扉前)
レラ「このぉっ!!」
(機関銃音)
レイカ「くっ……これじゃ先へ進めないわ。
ビューティー」
(機関銃音)
ビューティ「えいっ!」
(爆発音)
レラ「ナイスッ! 急ぐよ!」
ジェリド「なぜだ!? なぜこういつもいつもっ!!
だが貴様らはここから逃がさんぞ
爆発にまきこまれて死ぬがいい!」
(爆発)
ブライト「なんだ、どういうことだ?
奴は何をした!?」
ギャリソン「これはいけません。どうやらOZは
この基地の自爆コードを
知っていたようですな」
万丈「なんだって!? じゃギャリソン、ここが
爆発するっていうんだな?」
ギャリソン「さようでございます」
ブライト「全機、急いで帰投しろ!
上部ハッチはまだ開かんのか!?
ブースター点火の用意も
しておけよ!」
(扉前)
(機関銃音)
ビューティ「あら? 敵が引きあげていくわよ」
(爆音、震動)
ビューティ「きゃあっ!!」
レイカ「え……通路を爆破したの?
どういうつもり!?」
(通信)
(アーガマのみ発射台にいる)
ギャリソン「お嬢様方、基地の自爆
装置が作動しました
もう時間がございません。
お急ぎください」
レラ「なんだって!?」
ビューティ「そんなこといってもこれじゃ、どうすれば
いいのか……」
レイカ「ギャリソン、他に道はないの!?」
ギャリソン「……ございません。ああいや、1つだけ、
エアダクトが通じております」
(扉を指す)
レイカ「エアダクト……あれね。
……ちょっとギャリソン!
こんなんじゃ入れっこないわよ!」
ビューティ「えーっ!? どうしよう……」
レラ「アタシが行く。アタシなら入れるはずだ」
ビューティ「で、でもひとりで行って
何かあったら……」
レラ「そんなこといってる場合か! アタシだ
ってこのくらいやってみせる。アンタたちは
先に戻って、退路を確保して」
(爆発音、震動)
レイカ「爆発? ちょっと、大丈夫!?」
レラ「…………う……」
ビューティ「ちょっと!? どうしたの!?」
レラ「だ、大丈夫。もう終わるよ」
アーク「艦長、全機収容終わりました」
ベルトーチカ「ハッチ開き始めました!」
ブライト「よし、ブースター点火だ。
作業班を急いで回収しろ!」
(爆発音、震動)
ブライト「くっ……間に合ってくれよ……」
バニー「えぇっ!? なんですって!?」
ブライト「どうした?」
ビューティ「あの子が戻ってこないのよぉっ!」
アーク「なんだって!? レラ、どうしたんだ!?」
レラ「アーク……あは、しくじっちゃった
みたい……足やられちゃって」
アーク「戻れないのか!?」
レラ「動けないんだ……
血も止まらないし……」
ブライト「なんとういうことだ……」
アーク「ちょっと待ってください!
僕が行ってレラを連れてきます!」
(爆発音、震動)
ブライト「くっ、残念だがもう間に合わん……
あきらめるしかない!」
アーク「まだ、まだ少しは時間があります。
行きますッ!」
(扉が開閉する、速い足音、ソルデファーが出現し少し移動)
アムロ「よせ、アーク!
君もまきこまれるぞ!!」
クワトロ「ええい!」
(クワトロが百式で出現し、ソルデファーの前へ出る、機械音)
アーク「クワトロ大尉!?
離してください!!」
クワトロ「かわいそうだが、君を行かせるわけには
いかん。我々は君まで失うわけには
いかんのだ!」
アーク「大尉ッ!!」
(少し間がある)
レラ「……アーク……?」
アーク「レラか? 待ってろ、すぐ行ってやる!」
レラ「アタシさ……信じるよ、アーク。
アンタのいったこと……
きっとアンタなら……できるって」
アーク「レラ……!?」
レラ「だから……約束してよ。アタシにも、
アークのいってた未来を
見せてくれるって」
アーク「あ……ああ、約束する。
約束するよ。絶対だ!」
レラ「うん……
へへっ、誰かを信じていられるってさ、
こんなに……気持ちが軽いなんて、
知らなかった。なんかすっごくいい
気分だよ。ねぇ……
この戦争が……終わったらさ、
アタシ……」
アーク「レラ! どうした!?」
レラ「おかしいな……なんだか、寒くなって
きちゃった……」
アーク「レラ!?」
レラ「アーク……寒い……」
(爆発音、震動、扉の辺りに爆煙がたくさん)
アーク「あ…………」
アーク「くっ………………
レラァァァァァァァァーーッッ!!」
(爆発音、震動)
クワトロ「艦長、アークは収容した」
ブライト「あ、ああ……よし、発進させろ!」
(草間)大作「そんな、そんなのってないですよ!
どうして助けてあげなかったんですか!?」
銀鈴「…………」
鉄也「このバカガキが! 俺たち全員あそこ
で死んだ方がよかったてのか!?」
大作「僕はそんなこといってません!」
銀鈴「やめなさい、大作くん!」
鉄也「同じなんだよ! あの状況じゃ
そうするしかなかったんだ」
大介「鉄也くんも、やめるんだ」
ブライト「くっ……誰だって……死ぬんだよ……」
沙羅「……もう誰もあんたを苦しめたりしない
だから、ゆっくりとお休みよ、レラ」
アムロ「……アークはどうした?」
デュオ「自分の部屋ん中さ。あーやだやだ
こんな雰囲気」
ルー「そんなこといったってしょうがないでしょ。
結局、あの子が気を許した
相手は、アークだけだったんだし」
リョウ「俺たちで様子を見てこようか」
アムロ「いや、今はやめておいた方がいい。
あとで俺とクワトロ大尉で
話をしておくよ。大丈夫だ。
彼はそれほど弱くはないさ」
カミーユ「そうですね……そう思います。
大丈夫ですよ」
アムロ「ああ……そうさ」
エルリッヒ「少し、いいかな」
アーク「あんたか……ほっといてくださいよ。
俺はいま誰とも話したくないんだ」
エルリッヒ「そうしてもいいが、君には借りがある」
アーク「……なんです?」
エルリッヒ「気持ちはわかるが、君は戦いを
やめるわけにはいかない身だ
彼女のことを嘆き悲しむのは、
今だけにしておきたまえ」
アーク「俺を殺そうとしてたあんたに、いわれる
すじあいのことじゃない」
エルリッヒ「彼女が命をかけて守ろうとしたのは
この小規模な艦隊でも
我々でもない。彼女は君を、
君の言葉を、君の信じた
未来を守ろうとしたのだ。君には
そこへ向かう義務がある」
アーク「……努力はするさ。でも……自分が
どうなるかなんてわかれば苦労はしない」
エルリッヒ「前を見続ければいい。
後ろを見ては死んでいった者たちに
ひかれてしまう」
アーク「詩人なんだ、あんたは」
エルリッヒ「アークライトくん……」
アーク「わかってるよ。俺は、やれるとこまでやる
だけだ。もう出てってくれないか」
エルリッヒ「ああ……そうだな」
万丈「どうしたんだい、クワトロ大尉。
スウィートウォーターと連絡を
とってから、うかない顔をしているが」
クワトロ「ああ……問題が増えた」
ギャリソン「と申されますと?」
クワトロ「アクシズから発した艦艇が
地球圏に来ているのだ」
ブライト「そうか……アクシズはジオンの残党が
つくった宇宙要塞だといったな?」
クワトロ「ああ。それがOZと接触したらしい」
万丈「しかし、それは当たり前じゃないか?
協力して銀河帝国軍に
あたろうってことだろう」
クワトロ「そう思うが、アクシズの指導者
ハマーン・カーンは何を考えているのか
わからん。私がアクシズを離れて、
だいぶたつ」
アムロ「アクシズか……どの程度の規模
なんだ……?」
クワトロ「私にも今のアクシズはわからんよ。
だから問題なのだ」
大介「一段落ついたようだな。
みんな、紹介しよう
僕の妹、グレース・マリア・フリードだ」
ひかる「大介さんの妹ということは、やっぱり
フリード星の生き残りなのね」
大介「そうだ。あわただしかったので乗っている
のを知らなかった人もいると思う
僕とひかるさんを仲間として迎えて
くれたときと同じように、妹も
同行することを許してほしい。
マリア」
マリア「うん。グレース・マリア・フリードです。
あたしも兄さんや皆さんと一緒に
あの悪魔たちと戦わせて。
お願い」
甲児「大丈夫だって、マリアちゃん。
ここには戦う意志のある人間を
追い出すような奴はいないよ。
苦しい戦いだけど、これからよろしくな」
マリア「ありがとう、甲児。あたしがんばるわ。
あっ、そういえば甲児、あの時の傷
大丈夫だった?」
甲児「大丈夫、大丈夫。あんなの
ケガのうちに入らないさ」
ボス「あららら、なんだかいきなり仲良しな
雰囲気だわさ。どーなってるのよ」
さやか「……甲児くん、ちょっと」
甲児「なんだよ、さやかさん。用事なら
あとにしてくれよ」
さやか「いいから、いらっしゃい!」
(扉が開閉する)
リョウ「はははっ、甲児くんも災難だな」
マリア「なぁに? どうしたの?」
雅人「なんでもない、なんでもない。
俺、式部雅人、ランドライガーの
パイロットなんだ。よろしくね、マリア。わ
からないことがあったらなんでも聞いてよ」
マリア「ちょっと、甲児をどこへ連れて
いくのよ」
(扉が開閉する)
ルー「ププッ」
雅人「なんだよルー、その笑いは」
忍「へっ、雅人、お前は眼中に
ねぇとさ」
雅人「ちぇっ、ちょっとタイミングが悪かった
だけさ」
ロアン「みんな、大変ですよ!」
シモーヌ「どうしたの、ロアン?」
忍「なんだ、ムゲ野郎でも戻ってきたって
のか?」
ロアン「そんなことじゃありませんよ。
コロニーで武装集団が決起して
OZの駐留部隊と交戦している
そうです」
リョウ「なんだって!? そんなバカな」
ロアン「本当ですよ。OZに志願した
コロニー市民の中にもその仲間が
いたらしくて、完成間近だった
宇宙戦艦リーブラでは
争奪戦をしているそうです」
雅人「それって正気とは思えないよ。
どうかしてるんじゃないの!?」
ハヤト「まったくだな。銀河帝国軍が
目の前にいるのに、OZの戦力を
減らすとは。自殺に近い」
リョウ「落ち着いている場合か、ハヤト。
そいつらが自殺するのはいいが
地球圏がまきぞえになるのは
ごめんだぜ」
(扉が開閉する)
アラン「その様子では、お前たちも聞いた
ようだな」
忍「ああ。いってぇどういうことだ!?」
アラン「わからん。ひとつだけ確かなことは、
我々はますます窮地に
追い込まれつつある、ということだ」
デュオ(まさか……まさか、あいつらが……)