(アルビオンで中国北東部の山の中へ)
ベルトーチカ「ねぇ、アムロ、本当にこんな山奥に
そんな施設があるの?」
アムロ「そういう話だよ。銀鈴?」
銀鈴「もう目と鼻の先まで来てますよ。
…………ほら、あそこです」
ブライト「なるほどな……今まで
発見されなかったのも、うなずける」
バニー「それにすごいミノフスキー粒子
濃度ね。あっ、艦長」
ブライト「ん? 誘導灯か。
よし、着陸の用意だ」
ブライト「准将、おひさしぶりです」
ブレックス「諸君、よく来てくれた。
反帝国を掲げて戦った
我々地球解放戦線機構も
カラバも、もはやすでに
組織として機能していない。が、
諸君らが自らの意思で選んだ
行動は、正しいものだと信じている
私も、イゴールもな」
アラン「それは我々も同じですよ。私も
万丈もOZは危険だと感じている
OZは確実に帝国軍を
排除しつつあるが
我々の戦いは終わりではない」
亮「あんたもいるとはな、アラン」
アラン「私だけではない。ここには今、多くの
者たちが集まっているのだ。万丈も
もう1人のバイストンウェルの女王
とともに、まもなく到着するだろう」
ブレックス「君たちを呼んだのもそのためだ。
我々はみな主義主張も
違う者同士だが、反帝国、
反OZの意思を持っている
この地球圏をあるべき姿に
戻すために、何をすればよいのか
話しあい、考えたいのだよ、私は」
雅人「じゃ、イゴール将軍も
ここにいるんですか?」
ブレックス「いや、彼はここにはいない。
葉月博士とともに
君たちがよく知っている
旧獣戦機基地に向かったよ」
雅人「なんだぁ。じゃ、また
ダンクーガのパワーアップはおあずけかぁ」
ヘンケン「安心しろ式部。
ダンクーガの飛行ブースターは
おれがアーガマで運んできてやった」
忍「ホントかよ!? ありがてぇ、あいつが
天駆ける姿をはやく見てぇもんだぜ」
雅人「これでようやくダンクーガも
完璧ってわけだね」
亮「フッ、メカニズムは進歩しても、
中身はかわらん」
忍「水をさすつもりかよ、亮」
沙羅「メカに頼りすぎるな、藤原!」
忍「うわっ!?」
沙羅「と、アランのダンナならいうんじゃないかな」
アラン「フッ、その通りだ」
忍「ちっ、まぁいい。
飛行ブースターのテストにかかるぜ」
デビッド「ロアン! ロアンじゃないか。
アーサーも……」
ロアン「ひさしぶりだね、デビッド、アンナ、
シモーヌ……それにエイジも」
アンナ「ロアン……」
エイジ「うれしいよ、君が来てくれて」
デビッド「ロアン……その……俺は」
ロアン「いいんだ。君たちが僕を
憎んでくれたおかげで
僕も自分の役割を演じることに
専念できたんだからね
バルディとベイブルを持ってきたんだ。
使ってくれるとうれしい」
デビッド「本当か!? なつかしいなぁ。
見に行こうぜシモーヌ」
シモーヌ「そうね、ホントひさしぶりだわ」
アーサー「僕が案内するよ。
あっちにおいてあるんだ」
(速い足音)
ロアン「フフッ、あいかわらずだね、彼らは」
アンナ「ロアン、行きましょう。
みんなに紹介するわ」
村雨「やぁ、ファルメール」
銀鈴「健二さん!?
あなたもここに来ていたのね
でも、みんなに紹介するといったら、
きっとあなたは嫌がるわね?」
村雨「ああ……俺には似合わないさ。
今のところ、“力”は
使わずにすんでいるようだね」
銀鈴「……ええ、大丈夫よ。
そういえば、ヒイロが
あなたと会ったことがあるって、
いっていたわ」
村雨「何年前になるかな、どこかの
コロニーで、暗い目をした
ガキに会ったよ。ガキのくせに
腕利きの破壊工作員だった
そいつは“死”というものを
恐れていなかった」
銀鈴「それで?」
村雨「俺がいたおかげで、そいつは任務に
失敗した。そいつはいきなり銃口を
自分に向けた。失敗=死。
覚悟だけは立派なものだがね
俺はそいつから銃を取り上げ、
いってやったのさ
『死ぬほど痛いからやめておけ』
ってね」
エイジ「姉さん? どうしてここに……」
ジュリア「みなさんとともに平和への道を
考えるために
戦いだけでは、
真の平和は得られないのです」
アンナ(キレイな人……
あれが“クスコの聖女”……
エイジのお姉さん)
リリーナ(男装)「また会えたわね、ヒイロ。
私、あなたに会いたかったの」
ヒイロ「…………」
リリーナ「初めてあなたに会った頃の私は、
世界がどうなっているのかも考えず
自分では何の代償も払わずに、
ただ幸福を享受するだけの
世間知らずだった。でもあなたと
出会ってから、私の運命は
大きく変わったわ。今は……私も
私なりのやり方で戦っているの」
ヒイロ「ああ……」
リリーナ「私、あなたに会って
それをいいたかったの」
ルー「でもおっどろいたわね。
まさかクスコの聖女隊までいるなんて」
ファ「ホントね」
カミーユ「“クスコの聖女”と、
完全平和主義を掲げる
リリーナ王女か。
いってることはわかるけど
現実的じゃない気がするな」
アンナ「そんなことないわよ。
私は、とってもすばらしいことだと思う
アークはどう思う?」
ばかげてるよ
理想だとは思うけど
きっとできると信じたい