(通信)
ルー「艦長、イゴール将軍から
通信が入っています」
ブライト「イゴール将軍から? まわしてくれ」
イゴール「おお、ブライト中佐。
そちらもなかなか、大変なようだな」
ブライト「はい。連中の策略に、
はまってしまいました」
イゴール「その件の影響については我々の
方で多少押さえているがな」
ブライト「それで、どのようなご用件です?」
イゴール「うむ。実はカンザスシティで
武装市民が占領軍に
反発して一斉蜂起したのだ。
しかし占領軍の
鎮圧部隊によって、街が
攻撃を受けているらしい
そこで、君たちに市民の救援に
向かってほしいのだ」
クワトロ「しかし、我々も補給をしませんと」
イゴール「わかっている。すでにカラバとも
連絡をとって手配してある
補充の人員もまわしてある。
もうじき、そちらに合流できるはずだ」
ブライト「わかりました。では我々は
補給物資を受け取ったのち
カンザスシティに向かいます」
イゴール「頼んだぞ」
カミーユ「アムロさん、もうすぐ補給部隊と
合流だそうですよ」
アムロ「…わかっている。あとで行く」
アムロ「シャアもブライトも、
俺にあてつけているんだ。
ガンダムを若い奴に使わせて……」
沙羅「もと地球防衛軍第13特殊
機甲部隊所属、
結城沙羅、司馬亮、
式部雅人、着任いたしました」
ブライト「ご苦労。まさか獣戦機隊が
無事だったとはな。よく来てくれた」
沙羅「イゴール将軍の指示で、一旦
解散して身を隠してましたから」
ブライト「そうか……獣戦機隊は4名では
なかったか? 1人たりないようだが」
雅人「忍は見つかんないんですよね、
どっかいっちゃったまま
沙羅が寂しがっちゃって
大変なんですから」
沙羅「うっさいんだよ、雅人。
居場所は大体見当ついてんだ
首に縄つけてでも、
ひっぱってきてやるさ」
亮「まったくあのバカはな。獣戦機隊も
4機そろわなけりゃ、さまにならん」
ブライト「……そうか。それで、
補給物資の方はどうなっている?」
雅人「それなら、カラバのベルトーチカっていう
美人さんがやってくれてますよ」
沙羅「あんた、相変わらずそればっかりだね」
雅人「人生楽しく生きなきゃ。
ここは美人が多くて、
やりがいがありそうだよ」
(足音、扉が開閉する)
ベルトーチカ「艦長、搬入した物資のチェック
終了しました」
ブライト「ああ、ご苦労さま。少し休んでくれ。
アムロも来たな、紹介しよう」
ベルトーチカ「カラバのベルートチカ・イルマです」
アムロ「よろしく。アムロ・レイです」
ベルトーチカ「アムロ……あなたが。あら?
この香り……ヘレンヘレンでしょ」
アムロ「え?」
ベルトーチカ「あたしの好きなセッケン」
アムロ(……なんでアウドムラに
ヘレンヘレンがあるんだ?)
ブライト(俺は知らんよ)
ベルトーチカ「……あなたがアムロ・レイ? ふぅん、
ニュータイプっていっても普通の人ね」
アムロ「すいませんね」
ベルトーチカ「あたしね、アムロ・レイってもっと
好戦的なタイプと思っていたの。
安心したわ。あたし、ライフとか
カラバが帝国と同じように
ううん、スペシャルズみたいに、
大義名分を隠れみのに平気で
同じ地球人を殺すような
集団だったらどうしようって
怖かったの」
アムロ「それなのに、カラバに?」
ベルトーチカ「町はゲリラ狩りで焼かれてしまったし
占領軍も嫌いだったから」
(扉が開閉する)
クワトロ「艦長、時間が押している。
作業を急がせてくるが」
ブライト「ああ、頼む」
(扉が開閉する・クワトロが立ち去る)
ベルトーチカ「あの人、誰?」
アムロ「解放戦線の、クワトロ大尉だよ」
ベルトーチカ「……恐い感じの人ね。あの人には
平和なインテリジェンスを感じないわ」
アムロ「クワトロ大尉はそんな人じゃない。
本質的にはやさしい人だ」
(足音、扉が開閉する・アムロが立ち去る)
ベルトーチカ「……あたし、何か悪いこといいました?」
ブライト「いや、気にすることはない」
ベルトーチカ「……ウソよ」
レイン「バランサー、パワーバランスシステム……
OK。オープンゲージ……
誤差ゼロコンマ+2。
変形システム……正常。よしっと」
アストナージ「すまない、それが終わったら
こっちも見てやってくれないか」
レイン「はい、構いませんよ。
ちょっと待ってください」
アストナージ「助かるよ。なにしろ人手不足でね」
アーク「アストナージさん、
システムのバックアップ終わりましたよ」
アストナージ「スクリーン回りの不具合は
どうした?」
アーク「データ表示のエラーですか?
修正しましたよ」
アポリー「よう、がんばってるじゃないか」
アーク「できることはやっておかないと、
あとが大変ですから。ソルデファーは
試作機だけあって、ソフト
関係にも問題多いですからね」
アポリー「結構、結構」
(アウドムラで南東へ移動)
ブライト「そろそろだな。総員、
第一戦闘配備のまま待機!」
クワトロ「カミーユ、エマ特尉の保護観察
をとく。戦闘に参加させろ」
カミーユ「はい!」
(マラサイ3機町を攻撃、バードタイプウイング出現、マラサイの中心でMSに変形)
ヒイロ「……みじめな仕事だ……くそっ」
(ヒイロとマサライの戦闘、2機撃墜)
ヒイロ「ん……? あれは……」
(街中にカーソル)
リリーナ「早く、みなさん避難してください!
ヒイロ……? ヒイロが戦っている」
ヒイロ「……リリーナ・ドーリアンか」
(エアリーズが4機出現)
(ヒイロはマラサイと戦闘を継続)
スペシャルズ「いたぞ、リリーナ・ドーリアンだ」
リリーナ「スペシャルズ……お父さまを殺して……」
(エアリーズ2機が南に移動)
リリーナ「あぁ……ヒイロ……」
(エアリーズ2機が南に移動)
スペシャルズ「やれ」
(マラサイを撃破したヒイロが近づいているエアリーズをバスターライフルで撃墜)
リリーナ「……ヒイロ!? ヒイロがわたくしを
助けてくれたの……?」
ヒイロ「……くっ、何をしているんだ、俺は」
スペシャルズ「だ、だめだっ! 退却しろ!」
(エアリーズ撤退)
リリーナ「ヒイロ…ヒイロ、聞こえているのでしょう?
なぜわたくしを助けたの?
殺すのではなくって? 答えて、ヒイロ!」
ヒイロ「…………くっ」
(ヒイロはバードタイプに変形し、西へ移動し撤退)
リリーナ「逃げないで! お願い、ヒイロ!」
(戦闘マップ)
(敵機が出現)
グラー博士「たくさん生け捕りにするのだ。
改造して我らの兵士にしてくれる」
暗黒大将軍「百鬼一族め。
……む、レジスタンスか!?」
グラー博士「おぉ!? この反応は……
間違いない。
きゃつらめ、ゲッターロボが
混じっておるぞ」
(アウドムラが出現)
ブライト「くっ、あれはミケーネと百鬼か。
帝国についた悪魔め。
総員、戦闘開始だ!
出撃しろ!」
アムロ「くっ……」
(速い足音)
ブライト「ん? やめておけ! 3年間も
モビルスーツは、いじってないんだろう!?」
ベルトーチカ「機銃座でしょ?」
アムロ「俺は、ガンダムのパイロットだったんだ」
ベルトーチカ(アムロ……レイ……
やっぱりこの人もパイロットだった
戦う人だったんだわ……)
ブライト「各パイロットは出撃しろ!」
(出撃選択)
アムロ「くそ……」
ベルトーチカ(なぜ? いま口では戦うと
いっていた人が、怖がっているなんて
あれがニュータイプといわれた人なの?
……違う、あたしが空が
落ちてくるのが怖いように、この人も
戦うことが怖いんだわ……だけど!)
ベルトーチカ「機銃座に案内して!」
クワトロ(どうしたのだ、アムロ君……
こうして若者たちも戦っている
あのときの血の騒ぎはなくなったのか?)
(鉄甲鬼隊が出現)
鉄甲鬼「ひけ、グラー。あとは俺にまかせて
もらおう。地球人ども、俺は
百鬼一族の鉄甲鬼だ。さぁ、
この俺と正々堂々、戦え!」
ムサシ「貴様らが正々堂々だと?
笑わせるな」
グラー(奴のいうことを真に受けておっては
我が百鬼一族の野望は
達成されぬわ)
(増援)
鉄甲鬼「なに!? グラー、手を出すな!
約束を忘れたのか!?」
グラー博士「だまれ。ここで、きゃつらを倒して
ゲッター線増幅炉を手にいれれば
我らの野望は
大きく前進するのじゃ!」
アーク「こ、こんなにいるのか……!?」
鉄甲鬼「クソッ、グラーめ!
こんな戦いは俺のプライドが許さん
貴様ら、勝負は、おあずけだ。
また会おう」
(鉄甲鬼隊が撤退)
グラー博士「なに!? おのれ、鉄甲鬼め……!」
リョウ「ふぅ、なんだか知らないが助かったな」
ハヤト「ああ、百鬼一族にもあんな奴が
いるとはな。たいした奴だぜ」
(アウドムラのみ)
ブライト「どうやら終わったようだな。よし、
負傷者の救助にあたれ!」
レラ「う……うぅ……」
アーク「あ……きみ、大丈夫か?」
レラ「アタシにさわるな! くっ……」
アーク「でも、ケガをしてるじゃないか。
ほら、アウドムラに行こう。
すぐに手当てをしなくちゃ」
レラ「アタシは1人で大丈夫だ!
あんたたちの世話になんかならない。
恩義せがましいんだよ!」
アーク「そんなこといってる場合じゃない
だろ!? ほら、血が出てるじゃないか」
レラ「放せっ、バカやろう! あぅぅっ!」
アーク「無茶するなよ……
おい、大丈夫か? きみ!?」
レラ「…………」
アーク「大変だ……レインさーん!」
ブライト「せっかく補給した物資も、
カンザスシティで放出してしまったな」
ベルトーチカ「ええ。現在の状態では、
このあたりでこれ以上の補給は
無理でしょう。ネオホンコンの
ルオ商会なら
手配してくれるはずだと聞いています」
ブライト「ホンコンか……どう思う、大尉」
クワトロ「現在の状態が長びけば士気に
かかわる。行くしかないだろう」
ブライト「そうだな……。
よし、アウドムラはホンコンに向かう」
(アウドムラが真っ直ぐ西に、荒地の西側まで)
雅人「ちょっと沙羅。
今勝手に出ちゃまずいんじゃない?」
沙羅「すぐに戻ってくるよ。ちょっと
寄らなきゃならないところがあるんだ」
雅人「いくらランドクーガは、置いて
いくからって……ちょっと沙羅ってば」
亮「行かせてやれ、雅人。どこに行く
つもりなのかはお前もわかっているだろう」
雅人「ちぇっ、俺1人悪者かい。
わかりましたよ、ほっときゃいいんでしょ」
デュオ「よっと。連絡艇で出るんだろ?
キーカード持ってきてやったぜ」
沙羅「サンキュ。気がきくじゃないか」
デュオ「へへっ、お礼はいらないぜ」
レラ「う……ん……」
アーク「気づいたか?」
レラ「ここは……」
アーク「アウドムラの中だ。君が失血と
痛みで意識を失ってしまったから
運び込んだんだ。
大丈夫、治療は終わってるよ
レインさんはあんまり体を動かすなってさ
……ってちょっと、どこ行くつもりだよ?」
レラ「放せ! アタシは街に戻る。
またいつ、奴らが来るかもしれないんだ」
アーク「悪いが、アウドムラはホンコンに
向かってる途中だ。引き返せない」
レラ「な……なんだって!?」
アーク「意識不明のまま、
おいてくるわけにはいかなかったんだ
それに、どうせ当分まともに
動けないだろ」
レラ「くっ……ふざけるな! 今すぐおろせ、
自分で戻る」
アーク「無茶いうなよ! 大体お前
あのままじゃ死んでたんだぞ
助けてもらって礼のひとつも
いえないのかよ」
レラ「アタシが頼んだわけじゃない!」
アーク「……勝手にしろ! とにかく、
治るまではここにいろ
その後は好きにすればいいさ。
……不便だから名前くらいは
教えてほしいな。
俺はアークライト・ブルーだ」
レラ「……レラだよ」
(足音、扉が開閉する)
沙羅「やっぱりこんなトコにいたんだね……忍。
うすぎたなくて、あんたにピッタリだよ」
忍「…………沙羅……か」
沙羅「召集命令は聞いてるんでしょ、
忍。亮も雅人も、もう戻って
ムゲ野郎と戦ってるよ。なのに
あんたは、なんだってこんなトコで
ウダウダやってんのさ」
忍「…………」
沙羅「黙ってないで、なんとかお言いよ!」
忍「…………うるせぇな……帰れよ」
沙羅「忍!? どうしたっていうのさ?
ふぬけになっちまったっていうのかい!?」
忍「俺は……もうじゅうぶん戦った」
沙羅「忍……あんた……。そうだね、
長い長い戦いだったさ
とっても長いね。失うものばっかりで、
気がついてみれば裸同然に
されてたよ。いったいなんのために戦って
きたのか……ってね、そう思ったよ」
忍「沙羅…………」
沙羅「だけどさ……信じられるものだって、手
に入れたんだよね。違うかい、忍?」
忍「…………」
沙羅「あたしは……あんたを信じてる。じゃあね
忍、久しぶりに会えて、よかったよ」
(足音、扉が開閉する・沙羅が立ち去る)
忍「…………くそ……」
アーク「デュオ……? こんなところで何を?」
デュオ「あんたか……いや、地球で見る月は
キレイだなと思ってさ
コロニーじゃ月がはっきり見えすぎて、
まるで墓場みたいだった
帝国の基地もあったしな。俺は
いつまでこの月を見ていられるのかなぁ
……あいつは月なんか見やしないだろう
けどな……」