……東京、渋谷。
続発する超常現象により『閉鎖都市指定』を受け、
無人となったこの街で……
かつて、二つの『組織』同士の戦いがあった。
『逢魔(おうま)』と『森羅(しんら)』。
『逢魔』は"ゆらぎ"と呼ばれる空間の歪み、
時空を越え、異世界とこの世界をつなぐ
"門"を開こうとした。
そして『森羅』は、世界を混沌へと導く
その"計画"を阻止しようとした。
幾度かに渡る、完全封鎖された渋谷での戦い。
人知れず行われた争いは熾烈を極め……
やがて、終結したのだった。
政府直属の特務機関『森羅』に所属する
親子二代に渡るエージェントたちが、
"ゆらぎ"の拡大を防いだことによって。
特務機関『森羅』。
悪霊、鬼、天狗……
古来より、人の世に害をなす
異界の存在と戦い続けてきた組織。
かつて、その組織を知る者は少なく……
その戦いもまた、人知れぬ歴史の闇や
異境の地で連綿と続けられてきた。
時代が変わり、組織の存在が明るみとなった
現在に至っても、また。
……人は信じない。
自分達が生きる、この"世界"の他に、
異なる"世界"が存在することを。
……人は感じない。
静かに、確実に……人あらざる者たちが
この"世界"に足を踏み入れていることを。
……そして人は知らない。
決して交わることのない"世界"が
交わった時……何が起こるのかを。
幾度かの戦いの後、一時の平穏を取り戻した
"世界"に突如として現れた「金色の鎖」。
それが異世界からのメッセージであることを、
この時……やはり誰も知らなかった。
過去から続く戦いは……
新たな局面を迎えようとしていたのである。
そして、現在。
……東京、六本木。
特務機関『森羅』の本拠地があり、
異なる次元、異なる時空への"ゆらぎ"が
大きくなりつつある街。
かつて、『森羅』のエージェントが戦った
"あの日"から始まった変化。
物語は新たに……
この街から始まろうとしていた。
(北端の階段の上に零児が立っている)
零児「やはりここか。
六本木は問題が多いようだな」
零児「次元の裂け目……「ゆらぎ」も安定していない。
いつ"閉鎖都市指定"を受けるかわからんか……」
零児「それはそうと……
小牟(シャオムゥ)の奴、何をやってるんだ?」
(西側から小牟が歩いてくる)
小牟「おう、零児! 待ったぁ~?」
零児「遅いぞ、小牟。
自分の立場や仕事、わかってるんだろうな?」
小牟「うるさいのう。
ぬし、怒り方が父親の正護(しょうご)に似てきたぞ?」
小牟「世界を妖物から守る、我ら森羅のエージェントは……
などと、くどくどくどくどと!」
零児「親父じゃなくても言うに決まってるだろう。
次の遅れてきたら、おしおきだからな」
小牟「それがあるかないかが違うとこじゃ……」
小牟「……と、うっとりしちょる場合じゃないのう。
何をするんじゃっけ?」
零児「指令書くらいは読んでおけ。
まず、このあたりで出たという妖物の反応を調べる」
零児「次に、BSAAと合流するため、渋谷に行く」
小牟「BSAAっちゅうと……バイオテロの対抗組織か。
プログレッシブ・マップ・リンク・システムじゃっけ?」
クリスとジル
零児「バイオテロリズム・セキュリティ・アセスメント・
アライアンスだ。いつもの二人が来ているはずだ」
小牟「まったく、他に人はいないんかい、あの組織は」
零児「……俺たちも人のことは言えんがな。
残りの一人、"博士"は?」
小牟「まだ来ちょらんのう。
新兵器を持ってくるとか言っとったが」
小牟「化粧でもしとるんとちゃう?
あやつは年齢不詳じゃからのう」
零児「年齢はおまえも怪しいもんだろう、小牟」
小牟「ふん、765歳から先は覚えていない!
わしほどの妖怪になると、色々とあるんじゃ、色々と」
零児「その大妖怪の仙狐(せんこ)様に、
さっそく仕事をしてもらおう。……何かわかるか?」
小牟「ふむ……おかしな気配はあるのう。
六本木の中の妖物たち、出て来いや!」
(北側の階段の踊り場にブルー・ハッターが出現する)
???「………………」
零児「本当に出たな。こいつが反応のあった妖物か。
しかし……」
小牟「
この感じ……怪しいのう」
零児「『逢魔(おうま)』の……新しい妖物か?」
小牟「う~む、近いような、そうでもないような」
???「………………」
零児「ともかく、敵意を持っているのは間違いないようだな。
……やるぞ、小牟」
小牟「ふむ、まあ仕事はせんとな。
まずは様子を見つつ、近づいてみるかの」
零児「ああ、距離を詰めるぞ……!」
(小牟が零児に近づいてユニットを組む)
(勝利敗北条件表示)
(ブルー・ハッターが左を向く)
零児「動きはなしか。
……よし、こちらから仕掛けるぞ」
零児「うまく回り込めれば、死角から攻撃できそうだな」
小牟「後ろから前から、どうじゃ……と言いたいとこじゃが、
正面よりは横、横よりは後ろから、じゃな」
零児「ああ、だがそれは敵にとっても同じだ。
後ろから狙われないようにしなければな」
(ブルー・ハッターが出現する)
(ブルー・ハッターが零児&小牟の側に移動する)
零児「しまった! まだいたか……!」
小牟「ジョーカーを引いてしまったようじゃの!
零児、ここは耐える時じゃ!」
零児「ちっ、仕方ないか……! 小牟、下がっていろ!」
(ブルー・ハッターが零児&小牟の側に出現する)
小牟「ほれほれ、零児。たまりにたまった、ぬしのリビドー……
いつものようにぶつけてやれい」
零児「そんなにため込んでいるつもりはない。
だが、一気に攻めるチャンスだな」
(零児&小牟がレベルアップし、スキルを覚え、ブルー・ハッターが「回復錠」を落とす)
小牟「おお、なんか出しよったぞ?
それから、わしも何か閃いた気がするのう!」
零児「使える物なら使っていくぞ。
何がどう役に立つかわからんからな」
(噴水の側にブルー・ハッターが出現する
小牟「イライラするのう! どういうつもりじゃ!
まるで時間稼ぎでもしておるような……」
零児「可能性はあるな。
博士が遅れているのも、もしかしたら……」
小牟「可能性はあるのう。
零児、ここは時間をかけず、大技をぶちかます時じゃ!」
零児「それがよさそうだな。いくぞ……!」
(XPが150%になる)
零児「敵の気配は……もうないな?」
小牟「大丈夫なようじゃの。
わしの妖物センサーにも反応ナシじゃ」
零児「そいつは重畳(ちょうじょう)。
あとは博士か……無事だといいがな」
(噴水の側に零児と小牟がいる)
零児「本部からの連絡だが、さっきの連中が現れたらしい。
……どうも、俺たち森羅の足止めが目的らしいな」
小牟「ふむ……こりゃ裏嶋(うらしま)の奴、
やられたかもしれんのう」
零児「博士との連絡は取れないままか……。
……ん?」
(エンジン音が聞こえだす)
小牟「な、なんじゃ? この音は。
車にしては……ちとデカすぎじゃぞ?」
零児「おいっ! 来るぞ!」
(南側から赤い大型車両が移動してきて止まる)
零児「これは……車なのか!?」
小牟「デカアァァァァァいッ! 説明不要!」
零児「逢魔の新兵器か!?
だが、この形状にカラーリングは……」
(大型車両の中から女性が出てくる)
???(裏嶋)「ふぅ~、着いたってところ? やっと」
小牟「う、裏嶋……?
ちゅうことは、このバカでっかい車は……」
裏嶋「小牟さん、よろしい?
博士とお呼びなさい、ハカセと。何度も言ってるけど」
零児「で、装備課の裏嶋千鶴(うらしま・ちづる)課長。
そのふざけた車はなんだ?」
裏嶋「零児くん? ……ハ・カ・セ。
かわいくない子なんだから。あなたは」
裏嶋「そして訊いてくれましたね! よくぞ!
これこそが、我が装備課が誇る局地用特務車両……」
(上、後ろ、前の3方向から大型車両を見る)
裏嶋「『龍亀一號』(りゅうきいちごう)!
50名の隊員を収容できるわけ。ラックラクに!」
零児「もしや、合流時間が遅れたっていうのは……」
裏嶋「この車両、走れる場所が限られてるのね。大きいから」
小牟「心配してソンしたぞ!
もっと小回り君の効く車、装備課にはあるじゃろ!」
裏嶋「今回はヨソの組織との合同作戦でしょう?
お披露目しようと思って。華麗に」
零児「博士、今回BSAAへ接触するのは、俺と小牟だけだぞ。
……こんな車で何をしようっていうんだ?」
裏嶋「ちょっと、ロマンがないんじゃないの? 若いのに。
なんのトキメキも感じないの? この車両を見ても!」
零児「仕事は仕事だ、博士。
ロマンじゃメシは食えんし、敵と戦うこともできん」
小牟「女か友情が絡まんとロマンを感じんからな、零児は。
ほんと、面倒なダメロマンチストじゃ」
零児「……おまえは後で尻をつねる」
小牟「あ、新しい……!」
裏嶋「プレイは車内でやりなさいね。たっぷりと。
……ほら、乗って! 向かうから。渋谷に」
零児「やれやれ、こんな大仰な物に乗って、
BSAAのメンツに会うのか……。笑われるぞ」
小牟「ま、たまにはこんな始まりもいいじゃろ。
これなら、100人乗っても大丈夫そうじゃしな!」
零児「そいつは重畳。
……長い戦いにならんといいがな」