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放浪者たち ~ プロローグ 1 ~

西暦20XX年。 世界は静かな混沌の渦中にあった。

変わらない平穏な日常の裏に 潜む影。

人知れず、闇にうごめく 異形たち。

現実世界と異世界をつなぐ、 謎に満ちた次元の扉。

しかし、過ぎゆく日々は それすらも飲み込み、

やがて人々は "それもまた日常の一部" として受け入れていった。

日常を脅かす、 真の怪異と戦う人々や 組織の存在も知らずに。

黄龍寺家

古来より歴史の裏舞台で 暗躍してきた一族がいた。

物語は、一族が代々守ってきた秘宝…… "経界石(きょうかいせき)"が 何者かに奪われたところから始まる。

黄龍寺美依は、 私立探偵の天斎小吾郎の手を借り、 秘宝の捜索に乗り出す。

石を奪ったのは誰なのか? その目的は?

そこに様々な人、組織…… そして異形の者たちの 思惑が絡み、

事件はやがて 大きなうねりとなっていく。

過去、未来、 そして次元を超えた 異世界をも巻き込み、

彼女たちの長い長い"旅"が…… 始まろうとしていた。

〔戦域:黄龍寺屋敷〕

(屋敷の扉が開いて、中から美依が出てくる。屋敷の扉が閉まる)
美依「ふう、私が最後ね」
美依「お屋敷とも、 しばらくお別れ……ってね」
美依「それにしても…… おっそいんじゃないかしら?  あいつ……」
(美依が周りを見回すと、南側から小吾郎が歩いてくる)
小吾郎「よう、お嬢。 戸締りは済んだかな?」
美依「もう、おっそい!  何やってたのよ、家庭教師!  職務怠慢ってね!」
美依「普段からロクなこと 教えてくれないんだから、」
美依「こういう時くらい ちゃんとしてって!  小吾郎!」
小吾郎「そうカリカリすると、 お肌によくありませんぞ?  お嬢」
小吾郎「……ま、ちょっと 事務所の方で ゴタゴタがあってだな」
美依「ほほう? ろくに仕事も ない私立探偵のくせに、 見栄をはらないでってね」
美依「あなたはおとなしく、 私の家庭教師を してればいいの」
小吾郎「相変わらず、 手厳しい生徒だこと」
小吾郎「ただ、そのゴタゴタ…… 今回の件と無関係じゃ なさそうかな」
美依「どういうこと?  もしかして……」
美依「私の屋敷から……『あれ』 が盗み出されたのと、 何か関係があるって……」
小吾郎「むっ……!  待て、お嬢! 何か来る!」
(小吾郎が美依の側へ移動し、 屋敷入口のまわりに敵(オロス・スネーク)が三体出現)
???「ほっほっほ」
???「我が主の名において」
美依「ああ~!  このバケモノって!」
小吾郎「犯人の一味、かな。 ……まだ盗り足りないらしい」
美依「もう! とっつかまえて、 どこに持っていったのか 白状してもらうんだから!」
美依「小吾郎!  やっちゃいましょ、ってね!」
小吾郎「よしなに、お嬢」
小吾郎「天斎流忍術、 久々にお見せするかな」
美依「ふふん♪ カッコよかったら、 褒めてあげるってね」
小吾郎「こいつらを締め上げて、 あっさり片付けばいいが……」
小吾郎「なんとなく、 長い旅が始まるような 予感がする……かな」


プロローグ 1
放浪者たち

(目的表示)

小吾郎「さて、始めるとしますか。 お嬢、武器は?」
美依「こんなこともあるんじゃ ないかと、バッチリとね♪」
小吾郎「しかし、高校生に 銃を持たせるかね、普通」
美依「黄龍寺家は元々は僧院だもの。 これくらいの装備はね」
美依「刃物持ち歩いてる 探偵も相当ヘンでしょ」
小吾郎「悪漢と戦うこともあるからな。 これも探偵のたしなみさ」
小吾郎「そのおかげで、 武術も教えることが できるわけだ」
美依「忍術も そろそろ教えなさいよね」
小吾郎「年端もいかない 高校生にはまだ早い。 大学生くらいならアリかな」
美依「ヘンなのじゃなくて、 ちゃんとした忍術? それ」
小吾郎「……さて」
美依「小吾郎の教えてくれたこと、 前に部活で話したら すごく笑われたんだけど?」
小吾郎「チアリーダー部だったかな?  アレはまだ早かったか」
小吾郎「ま、今回は 武術のおさらいだ。 得意だろ? お嬢」
美依「当然♪ 国語は苦手だけど、 こっちならおまかせ!」

〈敵全滅〉

(噴水側に美依と小吾郎がいる)
小吾郎「敵の気配はもうないな。 あのバケモノども…… どうしてまた来たんだ?」
美依「"あの石"が奪われて…… ここにはもう何もないはず なのに、ってね」
小吾郎「調査した方がよさそうかな。 この屋敷に、まだ何かあるって ことだろうからな」
美依「ほほう?  ちょっと探偵っぽくない?  小吾郎」
小吾郎「探偵だから」
小吾郎「しかし…… "黄龍寺家の秘宝"、ね」
 経界石
美依「経界石(きょうかいせき)。 あの石以外の何かが……?」


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