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修羅と、姫と、世界と ~ Epilogue ~

〔エスピナ城内〕

[ネージュの部屋]

「それ取って~」
「あれ? 牛乳はないの?」
「あちちっ!」
「ンまぁーーいっ!」
「……持って帰って売るニャ」

アレディ「皆さん、楽しまれているようですね」
ネージュ「ほぉら、アレディ。 ドあ~んとして♪」
アレディ「ネ、ネージュ姫殿…… 自分で食べられます……」

ハーケン「それにしても…… よくこんなに用意できたもんだな」
神夜「お、お肉がこんなに……いけません……」
アレディ「どうしたのですか? 神夜姫殿。 獣肉はお嫌いですか?」
神夜「私の国では、お魚の料理が多いんです。 ですから、ちょっとくらくらと……」
ネージュ(魚メインで、どうして そのボディになっちゃうのかしら)

アン「陸の動物の肉もいいもんだねえ。 なかなかジューシーじゃないさ」
琥魔「ご飯に味噌汁をかけたものこそ 至高でございます」
琥魔「そこにカツオブシなど かかっておりましたら……私……私……」
錫華「わらわ的にも味噌汁は好物であるが、 このような会場では、期待薄ぞよ?」
錫華「しかし、すごい肉量であるな。 こんなのばかり食うておるから、 ネージュはあんな風になったのであるか」
ドロシー「……絶対にリンゴがメインに 来る気がしておりましたが、 別にそんなことはなかったですわ」
アシェン「肉の方をフィーチャーするとは、 あの肉弾姫、さすがでやんすのことです」

キュオン「これだけのお肉を牛乳で流し込めば…… キュオンは……無敵になるの……!?」
ヘンネ「聞かれても。 そんな極端じゃなくて、バランスよく 食べなきゃダメなんじゃないのかい?」
カッツェ「大丈夫、大きくなってるわよ?  ……下腹の方が」
キュオン「は、はひィ! うそっ!?」
 新フォルミッドヘイム
エイゼル「バレリアネア塔…… しばらくは戦術砲機は使わず、 徒歩にて上がるがよい」

KOS-MOS「おいしいですか? モモ」
M.O.M.O.「はいっ!  シオンさんやJr.さんにも 持って帰ってあげたいです!」
T-elos「いつまでやっている、KOS-MOS。 この世界ですべきことは終わったはずだ」
KOS-MOS「わかっています、T-elos。 モモが食べ終わるまで待ってください」
T-elos「ちっ……モタモタと。 それを食ったら、すぐに帰るわ。 早くしな」
M.O.M.O.「モモ、食べるのが遅くてすいません……」
T-elos「…………」
T-elos「……口ぐらい、ちゃんと拭きな」

アルフィミィ「森羅と逢魔…… 色々と大変なんですのね」
沙夜「ことあるごとに邪魔されて。 ただでさえ逢魔は、肩身が狭いのに」
零児「世界を混沌に陥れようという組織が、 大手を振れるわけがないだろ」
アクセル「……世界を……混沌に……?」
沙夜「あん、そんな逢魔の私に、 どこかのイイ男が応援でも してくれないかしら、ね」
小牟「ふむ、いつもがんばっちょるわしを 優しくはげましてくれる男は おらんもんかの。零児」
零児「……俺はやらんぞ」
アクセル「ゴホン。 では、せんえつながら、このおれが」
アクセル「小牟ちゃん、沙夜ちゃん、 がんばってねえん」
沙夜「気持ち悪い」
小牟「地獄に落ちろ」
アクセル「ひでえ」
アルフィミィ「気持ち悪くても、地獄に落ちても、 アクセルはアクセルですの」
アクセル「……フォローかなあ、それは」
コウタ「やれやれ、何やってんだよ」

(ルボールとクレオが入ってくる。入口付近にいるアレディ達がルボール達の方を向く)
クレオ「まいど~!  『ファッティ・ヘンゼル』お届けだから!」
 スイーツ
ネージュ「来ましたわね、スウィーツ担当!」
神夜「こんなにお肉を食べた上に、 甘いものなんて食べたりしたら…… 私、もう……もう……!」
アシェン「図らずも、セリフはすでに 牛になっておりますが。甘乳姫」

ルボール「…………」
小牟「で、こっちの狼は何しに来たんじゃ?  がっかり担当?」
ルボール「油揚げにして喰うぞ。 オレの目的はアグラッドヘイムよ。 ……外のな」
沙夜「あん、“アレ”ね」
ルボール「テメェら、外があの状態で…… よくメシなんぞ食ってられるな」

〔エスピナ城周辺〕

(エスピナ城の側にツァイト・クロコディールがあり、 東側の海に黒煙を上げたアグラッドヘイムが沈んでいる)
ドロシー「それにしても、 こんなにうまく落ちるとは…… ものすごい強運でしたわね」
 トレイデル・シュタット
クレオ「いやあ、キモを冷やしたよ。 トレイデル・シュタットにいたら、 ぐんぐん落っこちてくるんだもの」
零児「それで、着いたのがここだからな」
ネージュ「やっぱり、 自宅に横付けっていうのは便利よね♪」
コウタ「そうそう何度もできねえだろ、これ」
 海に浮かぶサイレント・ウォークス号
アン「ハーケンの戦艦も、よくもったよ。 うちのサイレント・ウォークスの 次にイカした艦さね」
ハーケン「そりゃどうも。 代償はでかかったけどな。 修理がうまくいってるといいんだが」
アクセル「副長さんもドクターも、 修理にかかりっきりだからな」
アルフィミィ「あとでお料理を 持って行ってあげましょうですの」

〔エスピナ城内〕

アレディ「では……名残惜しくはありますが、 出発するとしましょう」
 新フォルミッドヘイム
錫華「よいよい、まずは 新フォルミッドヘイムからであるな?」
 安定したクロスゲート
エイゼル「うむ。唯一残ったクロスゲートにて…… KOS-MOSたちを元の世界へ 送り返さん」
KOS-MOS「本当に可能なのですか?」
ヘンネ「あたしたちを信じなよ。 それと、自分の運をさ」
T-elos「ふざけるな。 運任せで違う世界に転移でもしたら、 どうするつもりだ」
 鞠音
キュオン「まあまあ、オバちゃん博士から、 モモちゃんがこっちに来た時の 転送データをもらってあるんだよん」
M.O.M.O.「あっ! それを使えば……!」
カッツェ「あとはKOS-MOSちゃんが クロスゲートをくぐってこっちに 来た時のデータと合わせれば……」
KOS-MOS「それだけ、次元転移の精度が 高まるということですね」
クレオ「話がまとまったみたいだね。 ウチもドゥルセウス封墓に帰るついでに 送っていくよ!」

マーク「じゃあ、オレも行くとするか」
マーク「オレの名はマークハンター。 まあ、そこそこうまかったぜ」
ハーケン「ちゃっかり散々飲み食いしておいて、 なんて言い草だよ」
ルボール「おい、ハンター野郎、 モタクサしてるんじゃねェぞ!」
琥魔「にゃんと?  どういうことでございましょう?」
マーク「ルボール王に雇われたんでな。 これから、墜落したアグラッドヘイムを 調査するのさ」
ルボール「領地を広げるチャンスだからな」
ルボール「オレが最初に手を付けたんだ!  後からガタガタぬかしたら、喰うぞ!」
ネージュ「あれを落としたのは私たちだし、 ここはハウゼン家の領地になると 思うんだけど……」
マーク「まったく、大人げなくていけねえな。 ……で? いつ、何を調べるんだ?」
ルボール「今、外のアグラッドヘイムをだッ!  言ったばっかりだろ!」

ハーケン「やれやれ。 ……じゃ、もう少し食ったら、 行くとするか」
アレディ「ではルボール殿、マーク殿…… さらばです」

〔バレリアネア塔内部〕

[最上階のクロスゲート前]

(クロスゲートは安定している)
M.O.M.O.「これで帰れるんですね?」
KOS-MOS「クロスゲートの出力は安定。 問題ないようです」
T-elos「……いいから、さっさと転移させな」

神夜「慌てる必要はないですよ、てろすさん。 お別れはきちんとしましょうよ」
クレオ「おみやげはちゃんと持った?」
M.O.M.O.「はいです!  ありがとうございます、クレオさん!」
M.O.M.O.「カレー味のケーキ…… シオンさん、とっても喜ぶと思います!」
零児「そいつは重畳……なのか?  嫌がらせに取られなくもないと思うが」
KOS-MOS「渡してから、確認してみます」
小牟「ふむ、バトルプログラマー・シオンに よろしくの」
ハーケン「OK、ダークレディも KOS-MOSと仲良くな」
T-elos「……ふん」
アシェン「さらばだ、KOS-MOS。 T-elos、同型で壊しあうのは…… 悲しいことだぞ」
T-elos「…………」

M.O.M.O.「じゃあ、皆さん……!  ありがとうございました!」
KOS-MOS「この世界の方々のご協力に感謝します」
KOS-MOS「そしてレイジ、シャオムゥ、サヤ…… また、どこかでお会いしましょう」
零児「ああ。いつかまた……祭りの舞台でな」
沙夜「今度はお友達も連れていらっしゃいな」
小牟「楽しみに待っちょるぞ?」
KOS-MOS「……はい」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「さようなら、 ロスト・エルサレムの子供たち」
(T-elos、M.O.M.O.、KOS-MOSがクロスゲートで転移する。 アレディ達の後ろにキュオン、エイゼル、ヘンネがいて、アレディ達が振り向く)
ネージュ「KOS-MOSとT-elos…… あの二人、どうなるのかしらね?」
アレディ「あの方たちには、あの方たちだけの 争覇があります。 よい形で終わることを……願うだけです」
錫華「そうであるな。 美しきからくり同士、 仲良くやってほしいものである」
琥魔「沙夜お姉様、次はお姉様たちが?」
 毒牛頭と毒馬頭
沙夜「そ。 さっき、毒牛頭ちゃんと毒馬頭ちゃんから 連絡があったの」
 ミラビリス城
沙夜「ミラビリス城から、ね」
 ミラビリス城のゲート
ドロシー「あの時計型のゲートですわね」
アン「じゃ、次はそこだね。 あたしもそっちには用があるし、 丁度いいさね」

エイゼル「その前に…… 我らオルケストル・アーミーも、 ここで失礼させてもらおう」
キュオン「最初の方からくっついていったけど、 なんだかんだで楽しかったよん♪  ……また会おうね!」
ヘンネ「レイジやアクセルも帰っちまうのかい?  オルケストル・アーミーに……って 思ってたんだけどねえ」
零児「異世界をまたいでの二重就労は きつすぎるな」
アクセル「お誘いは嬉しいけどさ、 おれは組織を抜けたばっかり……」
アクセル「……って、あれ?  おれって、そうなんだっけ?」
コウタ「記憶戻らねえなあ、アクセルさん。 え~と「なんとか・なんとかー」って 軍隊にいたんだよ、確か」
アルフィミィ「コウタ、 それでは覚えていないのと同じですの」

(アシェンはオルケストルアーミーの制服姿)
アシェン「では、艦長たちと仲間を送った後、 こちらに戻りますのです」
エイゼル「わかった。 後のことは任せよう」
 ジャイアント・マーカス号
カッツェ「アタシも、クレオちゃんの所で 仕入れの話をしつつ、 ジャイアント・マーカス号に戻るわネ」
アレディ「……またお会いしましょう。エイゼル王」
エイゼル「うむ、さらばだ。 ……いつか、王となる者よ」

〔ミラビリス城内〕

[時計型ゲートの前]

毒牛頭「ひでぇぜ、アネゴ!  なんかウマいモン食ってたって話じゃ ねえですかい!」
沙夜「修羅に捕まったりした、 おしおきの一環よ」
毒馬頭「諦めろ、毒牛頭。 さらに戻ったら仕置きも待っている」
毒牛頭「……オレは、そっちは別に かまわねェんだけどよ」
ハーケン「おいおい、こいつらで大丈夫か?」
沙夜「あん、転移に関してはプロだから」
沙夜「じゃ、さっそくだけど…… おいとましましょうか」
(零児と小牟が沙夜達の方を向く)
沙夜「同じ場所に戻ったら、 その場で殺し合いになっちゃうから、 別々に転移しましょう」
毒牛頭「オレぁかまわねェけどな!」
毒馬頭「だが、沙夜様に免じて、 今回は見逃してやろう」

小牟「大した活躍もせんかったくせに、 なんちゅう厚かましい連中じゃ」
沙夜「あん、彼らの活躍はこれからだもの」
沙夜「……次なる計画で、ね」
零児「…………」

(零児が沙夜の喉にゴールドを、沙夜が零児の眉間にくろつちを突きつける)
零児「沙夜、何を企んでいる……?」
沙夜「この場でしゃべると思って?  私たちが争うべき場所は…… ここじゃないのよ、ぼうや」
零児「…………」
沙夜「この続きは…… いずれ、ふさわしい舞台で」
零児「……ああ。 その時、先に引き鉄を引くのは……俺だ」

クレオ「ちょっと、びっくりさせないでよ!  戦いが始まったのかと思っちゃったから!」
沙夜「ごめんなさいね。 ぼうやを見てると、からかいたく なっちゃうのよ、ね」
琥魔「まあ、わからなくもないがニャア。 まだまだガキっちゅうことニャ」
小牟「あれで、自分は大人じゃとか 勘違いしちょるフシがあるからの」
零児「……おまえら、二人まとめて二千叩きだ」
琥魔「はひィ! 有栖流・千手観音……!」
小牟「なんじゃと!? し、新技!?」

沙夜「じゃ、お先に失礼するわね」
 百夜
アシェン「もうビャクヤとか造るの、 カンベンしてつかあさいなのです」
ネージュ「ヨソの世界に迷惑をかけるのは ドやめなさい?」
沙夜「はいはい。それじゃ……」

沙夜「“百一胎計画”で会いましょう、ぼうや」
零児「なに……!?」
(沙夜、毒牛頭、毒馬頭が転移する。零児と小牟がアレディ達の方を向く)
小牟「ひゃくいったいけいかく?  逢魔にはどんだけ企画があるんじゃ」
ドロシー「まったく、騒々しい方々ですわねえ」
カッツェ「じゃ、次はアナタたちねェ、ボウヤ」
ハーケン「やっと…… ちゃんと見送ってやれるぜ、レイジ」
零児「ああ、今回も世話になった。 祭りも……もう終わりだ」
アクセル「楽しかったぜ、二人とも。 もう会えないかもしれないけど、 元気でな」
アレディ「異邦より来た友人のこと……忘れません」
小牟「世界はつながっておるんじゃ。 また会うこともあるじゃろう」
小牟「もし、こっちの世界に来たら、 秋葉原のモヤモヤしたスポットとか 案内しちゃるからのう♪」
コウタ「そっちの世界にも、秋葉原はあるんだな。 浅草だけじゃなくてよ」
アレディ「悪鬼覇原……!?」
神夜「悪鬼覇原……!  わかりました、覚悟して行きます……!」
アルフィミィ「正しく伝わってない気がしますの」
零児「まあいいさ。……お別れだ」
(皆がゲートに近づく)
ハーケン「アディオス、ゆらぎの街のアリス」
零児「ああ。またいつか、な」
小牟「達者でのう」
(零児と小牟が転移する。アレディ達が向き合う)
ネージュ「これで、残るはアクセルたちだけね」
 シュラーフェン・セレストの大型転移装置
ハーケン「Dr.マリオンから聞いたが、 転移装置の修理は終わったらしい」
 滅魏城
アン「おっと、その前に…… あたしもここらでお別れするよ。 メギ城に行かないとねえ」
錫華「何かあるのかえ?」
 滅魏城の地下水脈
アン「地下水脈から、お宝の引き揚げさね。 もう潜っても平気だろうからさ」
錫華「つみれにならぬよう気をつけるぞよ?」
 守天
錫華「わらわはもう少しこやつらに付き合う。 守天には、そのあと戻ると伝えてたもれ?」
アン「わかったよ。 それじゃ、また取引に来ておくれよ?」
アレディ「アン船長殿、お元気で」
 シュラーフェン・セレスト
アクセル「じゃあな、船長さん。 おれたちはあの戦艦に行かないとな」

〔シュラーフェン・セレスト内部〕

[奥の大型転移装置]

(転移装置の中にアルフィミィ、コウタ、アクセルが、コンソールの前にアレディ達がいる)
アルフィミィ「これで……帰れますの?」
 鞠音
コウタ「信じるしかねえな。 鞠音博士の腕をよ」
アクセル「……ぐっ」
アルフィミィ「アクセル? 大丈夫ですの?」
アクセル「あ、ああ……大丈夫だ」

ハーケン「アクセルの調子が悪そうだが…… もうひとつ、問題があるな」
アレディ「ハーケン殿……? それは?」
ハーケン「アインストであるアルフィミィを このまま帰してしまっていいのか、さ」
アルフィミィ「…………」
コウタ「ちょっと待ってくれ。 アルフィミィは……なんていうか、 いいアインストなんだよ」
コウタ「この世界に来る前…… 襲ってきた敵から、俺たちの身代わりに なって助けてくれたんだ」
コウタ「もう仲間なんだよ!  でなけりゃ……お互いに命を預けて 戦うことなんざできねえ!」
アルフィミィ「コウタ……」
ハーケン「OK、アーマードボーイ。 ……アルフィミィをどうこうしようと いうわけじゃない」
ハーケン「その言葉が聞きたかっただけさ」
アレディ「アルフィミィ殿と共に、 この争覇を駆け抜けました」
アレディ「悪しき者であれば…… それはおのずと覇気に現れます」
アルフィミィ「私は……いかがでしたの?」
アレディ「……我々の仲間です。 元の世界へ戻っても、健やかに。 アルフィミィ殿」
アルフィミィ「アレディ……」
アクセル「…………」
アクセル「……そうだ。 そういうことだ、これがな」
アシェン「……む?」
コウタ「アクセル……さん!?」
アレディ「アクセル殿の覇気が……変わった?」
琥魔「もしや、記憶が戻ったのでございますか?」
アクセル「ふう……。 どうやら、そうらしい。 ……迷惑をかけたようだな、コウタ」
コウタ「へっ、気にすんなよ。 退屈はしなかったしな」
アクセル「そして……また借りを作った。 すまんな、アルフィミィ」
アルフィミィ「お帰りなさいですの、アクセル」

ネージュ「記憶が戻ったって…… 雰囲気までド変わりすぎじゃない?」
カッツェ「アラ、ステキな感じになったじゃない?  今までのことは覚えてるの?」
アクセル「…………」
アクセル「残念ながら覚えている、これがな」
アクセル「……我ながら、 おかしなしゃべり方をしていたものだ」
神夜「あと、ちょっと不埒(ふらち)でしたね」
アクセル「ぐっ……。 言うな、カグヤ・ナンブ」
アクセル「……ハーケン・ブロウニング」
ハーケン「OK、ウェイクアップ・ワカメ。 何か質問かい?」
アクセル「元の世界に戻る前に……聞きたい。 貴様のブロウニングという名…… どこから付けられた?」
 ジョーン
アクセル「貴様の父親のファミリーネームは モーゼス……実の親子ではあるまい」
ハーケン「…………」
ハーケン「俺の母親……になるのかな?  レモン・ブロウニング。 その人のファミリーネームさ」
アクセル「レモン……。そうか」
アルフィミィ「アクセル……?」
ハーケン「育ての親はアシェンになるけどな」
アシェン「育てまくりでした」
アクセル「子を……育てた?  W07……Wナンバーの貴様が?」
(コードDTDが発動している)
アシェン「ふふ~ん、 実働23年はダテじゃないよん」
アクセル(そうか、レモン……。 これが……“闘争を日常とする世界”で、 貴様がWシリーズに託した……可能性か)
アクセル「ハーケン、 自分の秘密を知りたくはないか?  貴様は……」
ハーケン「……ウェイトだ、アクセル・アルマー」

〈シュラーフェン・セレストと落下してくるネバーランド〉

ハーケン「あんたは、おそらくネバーランド…… つまり、俺やアシェンと関係のある 人間なんだろう」

〔大型転移装置前〕

ハーケン「そして、俺の本当のファーザーも 知っているのかもしれないな」
アクセル「…………」
 ジョーン
ハーケン「だが、俺にはもうオヤジがいる。 ……俺を“二代目”と言ってくれた男が」
アクセル「…………」
ハーケン「俺には、その誇りさえあればいい。 他は間に合ってるぜ」
ハーケン「ただでさえ、今回はシュラに…… 妖精族のドプリンセスまで来ちまって、 忙しいからな」
アレディ「ご迷惑をおかけします」
ネージュ「私は元々、この世界の住人なんだけど」
アクセル「…………」
アクセル「フッ……そうだな。 つまらないことだ、これがな」
アクセル「この未知なる無限の開拓地に生きる…… 貴様らにとっては」

アクセル「戻るぞ。コウタ、アルフィミィ。 おれたちは、おれたちの居るべき場所へ」
アルフィミィ「ラジャー了解ですの」
コウタ「ああ、 ショウコに爺ちゃんが待ってる。 それに、戻ればロアだってきっと……」

ドロシー「準備はよろしいようですわね?」
アクセル「ああ、ドロシー。やってくれ」
コウタ「アレディ……がんばれよ」
アレディ「コウタ殿……」
コウタ「あんたは、いい修羅になると思うぜ。 ……俺の知ってる修羅に似てるんだ」
コウタ「そいつはいつも悩んでて、 そしていつだって……強かった」
アレディ「私も修練の果てに、 誰にも恥じることのない強さを 身につけましょう」
アレディ「コウタ殿も、修練を怠りませぬよう」
コウタ「ああ。元の世界へ帰っても、 ファイター・ロアとしてやらなきゃ ならねえことはあるだろうしな」
コウタ「……じゃあな、剛錬のアレディ!」
アルフィミィ「では、ごきげんようですの」
錫華「アルフィミィよ。 次はわらわも、鬼の面を操れるように しておくぞよ?」
アルフィミィ「その時は合身させますの」

ハーケン「アディオス。 極めて近く、限りなく遠い世界から やって来た……エトランゼ」
アクセル「…………」
アクセル「また、会えると思うか? ハーケン」
 零児と小牟
ハーケン「シャオムゥとレイジが言ってたろ?  ……世界はつながっているのさ」
ハーケン「あんたと俺の往く道が…… いつか交わる刻がくれば、な」
アクセル「……フッ。そうだな」
(転移装置が作動し、アクセル、アルフィミィ、コウタが転移する)
神夜「行っちゃいましたね、ハーケンさん」
ハーケン「……ああ。 KOS-MOSたち、レイジたち、 そしてアクセルたち……」
ハーケン「騒がしい連中だったが、 いざ帰っちまうと、寂しいもんだな」
クレオ「これで、異世界のお客さんは 全員帰ったんだね」
カッツェ「まだよ。 ……シュラのコがねェ」
アレディ「…………」
ネージュ「そうよね、シュラは……」
 覇龍の塔
アレディ「私は……覇龍の塔へ戻ります」
 龍寓島
琥魔「あ、私はここからだと龍寓島が 近いので、撤収させていただきます」
アレディ「そうですか。 ……琥魔殿、ありがとうございました」
琥魔「感謝しとんなら、 もっと色々買えっちゅうねん」
琥魔「な~んて。 毎度ありがとうございました~♪」
(琥魔が立ち去る)
錫華「まったく…… 相変わらず己の欲望で動いているぞよ?」
ドロシー「商売人としてはわからないでも ないですけどね」

〔ドゥルセウス封墓付近〕

(アレディ達がドゥルセウス封墓から出てくる)
クレオ「じゃ、ウチが送るのはここまで。 ここでサヨナラするよ」
クレオ「お菓子ショップ、 『ファッティ・ヘンゼル』は年中無休!  また来てね♪」
 シンディ
アレディ「はい、クレオ殿。 我が師シンディ・バードも喜ぶでしょう。 許しが出れば、毎日でも参ります」
 スイーツ
錫華「甘味の恐ろしさを知らぬとは。 あんな菓子を毎日食べたりしたら……」
神夜「シンディさんの腹筋、二ヶ月ともたずに ぷるぷるになっちゃうと思うんですけど」

 マーカス・タウン
カッツェ「アタシもここでお別れよ?  喫茶『スイート・ガイズ』の仕入れの件で クレオちゃんと商談があるの」
ネージュ「カッツェ・コトルノス。 ここまでありがとう」
 ジャイアント・マーカス号
ネージュ「ジャイアント・マーカス号で 保護されている妖精族の仲間たち……」
 エスピナ城
ネージュ「エスピナ城の再建が終わったら、 すぐに迎えに行きますから」
カッツェ「…………」
カッツェ「アタシはいつでもかまわん。 好きな時に来ればいいさ」
 エスメラルダ城塞
ドロシー「ワタクシもここで失礼しますわ。 東へ歩けば、エスメラルダ城塞ですから」
ネージュ「ドロシー、 長々と付き合わせちゃったけど、 あなたにもド感謝してますから」
ドロシー「あら、殊勝なこと。 別に何も出ませんし、商品を安くも いたしませんわよ?」
ネージュ「べ、別に期待などしておりませんからね!」
ドロシー「はいはい」
 不死桜
ハーケン「OK、バトルマーチャンツ。 俺たちは南下して、フジザクラへ向かう」
ハーケン「また、遊ぼうぜ」
カッツェ「そうねェ。 今度は……もう少しラクしたいけどネ」
(アシェンはオルケストルアーミーの制服姿)
アシェン「まったく同感でがんす、副長」
アレディ「ありがとうございました。 あなた方の売上げに…… 死凶星が落ちぬよう、祈っています」
クレオ「ちょっと、 縁起でもないこと言わないでほしいから!」
(アレディ達が南へ歩き出す)

〔不死桜の東側〕

(アレディ達が歩いてきて止まり、不死桜を見る)
アレディ「……美しい」
アレディ「ここからアグラッドヘイムに 向かったというのに…… なぜか懐かしさを感じます」
ネージュ「桜のド真ん中に 穴が開かなくてよかったわね」
アレディ「これから皆さんはどうされるのです?」
 ヴァルナ・ストリート 南西の入口
アシェン「東のヴァルナ・ストリートを調査しつつ、 新フォルミッドヘイムに戻りましたり します予定です」
 滅魏城
錫華「わらわ的には、そろそろ滅魏城に 戻りたいものであるが…… 神夜が少々心配である」
ハーケン「OK、ツル腹プリンセス。 プルンセスの方は、俺が責任を持って タケトリ城までエスコートするさ」

神夜「ありがとうございます、ハーケンさん♪」
ハーケン「この平和を感じつつ、町を歩かないかい?  その後はさ……」

〈武酉城城下町と乙音、士浪〉

神夜「はい! お師匠様や士浪さんを呼んで、 お食事でもしましょう」

〔不死桜の東側〕

ハーケン「う……。そ、そうだな」
ネージュ「……エグい」
錫華「わらわが心配せずとも、 シメるところはシメているようである」
アシェン「やりますね、シメ乳姫」

アレディ「ネージュ姫殿? どういう意味ですか?」
ネージュ「……あなたはまだいいのよ」

ハーケン「ゴホン……ま、ともかく……」
ハーケン「ここでお別れだ。 シュラボーイ&フェアリープリンセス」
ネージュ「そうね、キザカウボーイ」
アレディ「最後に……お礼を言わせてください。 数々の剛敵との争覇に勝ち抜けたのは、 皆さんのおかげです」
ハーケン「そうさ、みんなの力だ。 アレディ、あんたも含めてのな」
錫華「これから修羅はどうするのであるか?」
 アグラッドヘイム
アレディ「アグラッドヘイムが崩壊した今、 我が波国を元の世界に戻す方法は ないでしょう」
ネージュ「そう……なのよね」
アレディ「…………」
アレディ「だから、ここで生きていきます。 未知なる無限の開拓地…… このエンドレス・フロンティアで」
アレディ「修羅たちをまとめ…… 共に生きていこう、と」
 ヘイムレンとゲルダ
ハーケン「スノークイーンやパイド・パイパー…… いわゆる敵のシュラもか?」
アレディ「我々がすべきは…… できることは争覇だけではない。 それを伝えるだけです」
アレディ「その結果、再び拳を交えることに なるやもしれません」
アレディ「それでも、やらねばなりません。 ……我々修羅が、この世界の一員と なるために」
ネージュ「アレディ……」
神夜「応援します、アレディさん。 楠舞家は、いつだってあなたの 味方ですよ」
(アシェンはオルケストルアーミーの制服姿)
アシェン「我がオルケストル・アーミーもだ。 まだ許可は取っておらなんだけれども」
アレディ「皆さん……感謝します……!」

ハーケン「この世界の一員、か。 ひとつだけ言えることがあるぜ。 ……あんたにだけは」
アレディ「それは……?」
ハーケン「改めてようこそ、 エンドレス・フロンティアへ」
ハーケン「少なくともアレディ…… あんたはもうこの世界の仲間さ」
アレディ「ハーケン殿……。 その言葉、励みになります」
ネージュ「あとはド努力していくだけよ、アレディ」
アレディ「はい……!  では、皆さん……またお会いしましょう」

錫華「よいよい、滅魏城にも遊びに来るがよい」
(コードDTDが発動している。服は通常のもの)
アシェン「がんばってちょ~~!」
 エスピナ城
神夜「さようなら……!  ネージュさん、またエスピナ城を 訪ねます!」
ネージュ「ドよろしくてよ!  タケトリ城よりもドでかいのを ドッ建て直しますから、ド期待あれ!」

 波国
ネージュ「さ、アレディ。 ハリュウの塔に帰りましょう」
ネージュ「私たちの旅が……始まった場所へ」
アレディ「はい、ネージュ姫殿」

〔覇龍の塔の前〕

(アレディ達が東から歩いてきて、覇龍の塔を見上げる)


Epilogue
修羅と、姫と、世界と

アレディ「帰ってきたのですね。 ……覇龍の塔に」
ネージュ「そう……ここから始まったのよね」
 シンディ
ネージュ「さあ、 あとはシンディ様に報告しましょう」
ネージュ「それが終わったら…… 私はお城に戻らなくちゃ」
アレディ「…………」
アレディ「ネージュ姫殿…… 波国に妖精族の方々が瞬転され……」
アレディ「あなたに出会えて…… よかったと思っています」
アレディ「千の修練よりも、 ひとつの出会いが……なにより、 私を強くしてくれました」
ネージュ「な、なによ。急にド改まって」
アレディ「いえ、ひとつの争覇を終え…… 次なる争覇へと向かう前に、 お礼をしておきたかったのです」
アレディ「あなたが……私を救ってくれたことに」
ネージュ「救った……? 私が?」
アレディ「そうです。 あなたは、戦いしか知らなかった私に…… 様々なことを教えてくれました」
アレディ「アグラッドヘイム、 そしてゲルダ一派との熾烈な 争覇の中にあっても……」
アレディ「あなただけは、 いつも明るく振る舞ってくれた」
ネージュ「そ、それは私がノーテンキだからなんて 言わないでしょうね!」
アレディ「いえ、それは心の強さなのだと思います。 肉体的な強靭さではなく、魂の強さ……」
 シンディ
アレディ「我が師……影業のシンディが、 無敵無双の業(わざ)を」
アレディ「妖精の姫……ネージュ姫殿が、 心の強さを教えてくれました」
アレディ「そして、数多くの異邦の友が、 この争覇を勝利に導いてくれたのです」
アレディ「もし私が一人で、 このエンドレス・フロンティアに 瞬転していたら……」
アレディ「今、ここに私は存在しなかったでしょう」
ネージュ「…………」
ネージュ「……あなたは元々強くて、 人を引きつける力もあったのよ」
ネージュ「それでいいじゃない、アレディ」
アレディ「…………」
ネージュ「ほら、堅苦しい話はおしまい。 あなたのお礼は受け取っておくから」
ネージュ「今度は、私の話を聞いてくれるかしら?」
アレディ「……なんでしょうか?」
ネージュ「エスピナ城で与えた、 私の護衛をする任……ここで解きます」
ネージュ「そしてまた、護衛の任を与えます」
アレディ「……え?」
 エスピナ城
ネージュ「そりゃそうでしょ。 ここから、またエスピナ城に戻るのよ?  ドか弱い私に何かあったらどうするの?」
アレディ「ではなぜ、ここまで?  エスピナ城で任を解いていただければ……」
ネージュ「ド世話になった、 異世界の人たちの見送りがひとつ」
ネージュ「もうひとつが…… シュラ、アレディ・ナアシュに 今回の戦いの褒美を与えるためよ」
アレディ「私は、何か見返りを得るために 今回の争覇を戦ったわけではありません」
ネージュ「これはハウゼン家のプライドの問題なの!」
ネージュ「功労者に褒美のひとつも取らせないで、 ハウゼン家はドケチなどと 思われるわけにはまいりません!」
アレディ「誰も思わないのではと……」
ネージュ「おだまりゃっ!」
ネージュ「それに……みんながいたら…… ド恥ずかしいでしょ……!」
アレディ「今、何か?」
ネージュ「ん~、ゴホン、ゴホン!」
アレディ「……わ、わかりました。 ありがたくお受けします、ネージュ姫殿」
ネージュ「……よろしい」
ネージュ「では、褒美を授けます。 アレディ・ナアシュよ」
アレディ「ありがとうございます、ネージュ姫殿」
ネージュ「……目を閉じなさい。 (わたくし)がいいというまで、 絶対に、絶対に開けないように」
アレディ「え? ……わ、わかりました」
(アレディが目を閉じる)
ネージュ「………………」
(ネージュがアレディに近寄り、アレディの顔を手で包み込む)
ネージュ「絶対に……開けちゃ、だめよ……?」

<スタッフロール>

The End


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