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エンドレス・フロンティア

《ツァイト・クロコディール甲板》

ハーケン「ぐ……! ここは……!?」
神夜「ハーケンさん、無事ですか……!?」
アシェン「これは……ツァイト……!」
錫華「わらわ達は、 外に放り出されたようであるな……。 腰が痛いことこの上ないぞよ?」
神夜「あ……! あらあら!? 零児さんと小牟ちゃん…… それに、こすもすさんはどこですか!?」
ハーケン「まさか、いないのか……!?」
アシェン「……周囲に反応はありません。 我々と違う場所に飛ばされたか、 あるいは……」
錫華「あのアインストめのいた世界に……?」
ハーケン「馬鹿な……! くっ、みんな……」
リィ「艦長っ!」
鞠音「……どうやら、無事のようですわね」
アシェン「副長にドクター。 あなた達は無事でございやがりましたか」
ハーケン「くそっ……! 本当にあの3人だけがいないぜ……!」
錫華「……もしや、本当に……」
鞠音「……確認する方法はありませんが、 もしかしたら、彼らが本来属していた 世界に戻ったのかもしれません」
神夜「元の世界に戻れたってことですか? どうしてそれが……?」
鞠音「…………」
鞠音「クロスゲートが“消滅”し、 すべてが混ざりあった、本来の姿に 戻ったからですわ」
ハーケン「本来の姿? クロスゲートが……消えた!?」
ハーケン「ドクター、 言ってることが理解できないんだが?」
リィ「……ハッキリ言って、 見回してもらえれば一発でわかりますよ」
ハーケン「周りを……?」
ハーケン「………………」
ハーケン「お……おい、こいつは……ッ!」
(全ての世界が混ざり合っている。ヴァルナカナイも砂漠の上に出現している)

《シュラーフェン・セレスト》

ハーケン「なんだ……!? どこなんだ、ここは……!」
アシェン「……見たことのあるものばかりが、 ぶちまけられているように見えます」
錫華「これは、交鬼門が…… すべてなくなっているとな……!?」
リィ「そういうことです。 敵の腹の中で、いったい何を やらかしたんですかい? 艦長」
ハーケン「……簡単に言うと、 クロスゲートをこの世界に持ち込んだのは アインストだったらしい」
ハーケン「……そのボスを俺がブチ抜いた」
鞠音「リンクしていたのかもしれませんわね。 その存在と、クロスゲートが」
神夜「はい。力を集めて、あと一歩で交鬼門を 暴走させられると……言ってました」
アシェン「その状態で開放されたエネルギーが、 世界をこのような形に……?」
鞠音「……おそらくは」
神夜「次元を区切る壁が消えて、 すべてが混ざり合った世界……」
ハーケン「OK、こりゃケッサクだ。 世界を救うつもりで撃ち込んだ ラストショットが……」
ハーケン「世界を作り変えちまったってわけだ。 ……まるで創造主だな、俺は」
錫華「言葉の意味合いとしては 間違っておる気もするが、今はよかろう」
神夜「みんなは無事なんでしょうか? 零児さん達みたいに、消えてしまって たりしたら……」

〔砂漠に出現したヴァルナカナイの辺り・西側には不死桜がある〕

アン「まさかこんなことになるなんてねえ……」
ボニー「ですが船長、なかなか絶景ですな。 カグラアマハラには行ったことが ないので、何もかもが新鮮です」
アン「こんな砂漠に打ち上げられたら、 あたしらが新鮮じゃなくなっちまうよ」
士浪「そんなヴァルナカナイの住人のために、 巨大な水槽はいかがかな?」
アン「ん? アンタ…… カグラアマハラの商売人かい?」
士浪「いかにも。 ……この状況には少々面食らったが、 万屋『大判小判』は年中無休だ」
琥魔「はぁ~い! お買い物ならおまかせ! ちょっと紫外線が気になるお年頃の 琥魔でございまぁ~す♪」
士浪「ぬう……琥魔! おまえのような奴が出る幕ではない! 引っ込んでるワン!」
琥魔「黙るがいいニャ、このカビ犬が。 あんたんトコの水槽なんぞ使ったら、 この魚類どもはカピカピニャ」
カッツェ「そうよォ? アタシの知り合いなんだから、 大事にしてもらわないとねェ」
アン「あらま、猫大将。 ……そうか、砂漠はアンタの テリトリーだったねえ」
カッツェ「そういうことよ、船長さん。 紫外線対策はしっかりとね? ウチの『ナイスガイズ』でどう?」
士浪「……塗りものなど、本来は邪道だ。 魚は新鮮なうちに水に入れるのが一番」
ボニー「商売人同士で盛り上がってますな。 我々、完全に魚類扱いですが」
アン「あたしも、 一応貿易はやってるんだけどねえ」
ボニー「売り込んでみたらどうです? 船長」
アン「う~ん……」
士浪「商売のイロハも知らぬ駄猫どもに、 俺のやり方をとやかく言われる 筋合いはない」
カッツェ「ちょっとアナタ、失礼じゃないの? ちょっといいお店持ってるからって」
琥魔「でかいだけニャ。 しょせんはカビ臭い犬小屋ニャ」
士浪「ふざけるな! 真・花咲抜刀牙を受けたいかワンッ!」
アン「……なんかもう、 何もかも面倒くさくなってきた……」
アン「全部…吹っ飛ばしちゃうかい? ボニー」
ボニー「…………」
ボニー「……やりますか」

〔マイティエーラ付近〕

ルボール「…………」
エイゼル「…………」
ルボール「世界はこんなになっちまった。 ……クロスゲートは消えた」
エイゼル「…………」
ルボール「だが、テメェらフォルミッドヘイムが やった事実は消えやしねェ」
エイゼル「……わかっている。 それで貴様の気が済むのなら、 好きにするがいい」
ルボール「……そうさせてもらうぜッ!」
リィ「待て、ルボール」
ルボール「むう……!? テメェ……リィか!」
リィ「世界がこんなになってしまった今…… 曲がりなりにも一国の王であるおまえが、 こんな所で私刑を実行するというのか?」
ルボール「なんだと……? ぬかすな、リィ!」
ジョーン「……そうだ、 我々にはやるべきことがある。 違うかな、ウルフキング」
ルボール「テメェは……“さすらいの賞金稼ぎ”、 ジョーン・モーゼスか」
ジョーン「その名は息子に譲った。 ……そっちのスカルアーマーは、 フォルミッドヘイムのエイゼルだな?」
エイゼル「いかにも。……なぜ我の名を?」
ジョーン「ハーケンから聞いている。 ……あの戦争の真実もな」
エイゼル「……今さら釈明したところで、 言い訳にしかならぬ」
ジョーン「俺は、ロストエレンシアを 立て直そうと思っている」
ジョーン「エルフェテイルはどうするんだ?」
ルボール「…………」
ジョーン「そして、フォルミッドヘイムもだ」
エイゼル「………!」
エイゼル「……フォルミッドヘイムに、王はおらぬ。 すべてはあの戦いで消えてしまった」
ジョーン「ならば、新しく作ればいい。 ……違うか?」
エイゼル「……我が、か?」
リィ「そんなに難しいことじゃないと思うがね。 ダディも、ルボールも……元々は ただのバウンティーハンターだった」
ルボール「まさか……テメェら。 そのガイコツはこの場でオレが潰す!」
ルボール「余計なコトを吹き込むつもりなら、 容赦しねェぞ、ジョーン・モーゼス!」
リィ「ダディ・ジョーンに手を出すというなら、 このオレが相手になる」
リィ「……オレのエルボーの威力、 知らないとは言わせんぞ、ルボール……!」
ルボール「面白ェ……! やるか……リィィッ!」
エイゼル「……よせ」
エイゼル「貴様の相手は フォルミッドヘイムのはずだ、狼の王よ」
ルボール「ああッ!?」
エイゼル「フォルミッドヘイムと呼ばれる国は、 今は存在しない」
エイゼル「……我が、これから作る」
ルボール「…………」
ルボール「チッ……! エルフェテイル南部を手中に収めたと 思ったら、世界はこのザマだ」
ルボール「何もかもやり直しだ。 また、俺の王国を再建してやる」
ルボール「ガイコツ野郎、それまでにテメェも 国を再建しておけ!」
ルボール「おいしくなったら、 俺がぶんどってやるからよッ!」
エイゼル「…………」
エイゼル「わかった。努力しよう」
ルボール「ケッ!」
(ルボールとエイゼルが立ち去る)
ジョーン「二人とも行ったか。 ……リィ、かまわないのか?」
リィ「私は、ツァイトの副長です。 艦長がいつもほっつき歩いてますので、 自分がやらなければね」
リィ「まあ、今は留守番をしてもらってますが」
ジョーン「フッ…… 初代、二代目と迷惑をかけるな」

〔シュラーフェン・セレストの南に龍寓島〕

乙音「さて……困ったものだな」
アシェン「どうしやがりましたのですか?」
乙音「む? おぬしはからくり……アシェンか」
乙音「……フッ、 この龍寓島は、交鬼門を監視するために 造られた町だ」
乙音「交鬼門が消えてしまった今、 ここには役目がなくなってしまった。 ……武酉城との距離もある」
アシェン「なるほど」
乙音「おぬしこそ、 このような場所に、何の用があるのだ?」
アシェン「シュラーフェン・セレストに 行方不明になったメンバーを 探しに来ていたのです」
アシェン「その帰りに、こちらの島に 怪しげな影が飛んでいくのを見たので、 立ち寄った次第なのですことよ」
乙音「怪しげな影だと?」
ヘンネ「そいつは、あたしじゃないのかい?」
アシェン「おそらくそうです」
アシェン「赤い服に、黒い翼。 そして性格が悪く、短気そうなツリ目の、 正体不明の飛行物体でした」
ヘンネ「ケンカ売ってんのかい? アンタ!」
(コードDTDが発動)
アシェン「ん~? ボクわかんな~い」
乙音「やめぬか。 ……おぬし、フォルミッドヘイムの者か?」
ヘンネ「ああ。ウチのリーダーが、 変にやる気を出しちまったもんでね。 忙しくなっちまったのさ」
アシェン「リーダー…… エイゼル・グラナータですか?」
ヘンネ「フォルミッドヘイムを再建し、 過去の戦争で被害を受けた者たちに 償いをするんだとさ」
乙音「そうか……。見上げたものだな」
ヘンネ「そのために、 飛び回るあたしの身にもなれってんだよ。 人手が全然足りないってのに」
(アシェンが通常モードに戻っている)
アシェン「グチ、入りました」
乙音「まあ、わからぬでもない。 ……必要なら、我が裏玄武の人員を 貸さぬでもないが?」
ヘンネ「ありがたい話だね。 ……そうだ、もう一つエイゼルに 言われている仕事があるのさ」
アシェン「なんでしょう?」
ヘンネ「オルケストル・アーミーの増強だとさ。 ……で」
ヘンネ「アンタら、 オルケストル・アーミーに入らないか?」
乙音「は……?」

〔エスメラルダ城塞の南にネバーランドの艦首部分〕

ドロシー「聞いておりませんでしたの? あの戦艦をしらべる権利があるのは、 ワタクシだけですわ」
ドロシー「ワタクシの城の目の前にあるんですのよ?」
鞠音「私は、旧ロストエレンシアで、 ネバーランドの後部について研究・ 調査をしておりました」
鞠音「当然、その前部に関しても、 研究・調査を行わせていただきます」
キュオン「あの残骸があったのは、元々は フォルミッドヘイムだよ!」
キュオン「だからあれは、 オルケストル・アーミーが接収するの!」
ドロシー「もうフォルミッドヘイムもなにも ございませんわ」
ドロシー「ここはもう新しい世界! 過去のことなど関係ありません!」
鞠音「目の前にあるから自分のものだなどと、 まるっきり泥棒の発想ですわね」
キュオン「後ろを調べてたから、 前もいいなんて、ただのヘリクツじゃん!」
ドロシー「きぃ~~!」
鞠音「ぬう~~!」
キュオン「もぉ~~!」
ドロシー「もうラチがあきません! こうなったらケンカ祭りですわ!」
キュオン「やる気なら、キュオンは受けて立つよ! オルケストル・アーミーの名にかけて!」
鞠音「…………」
鞠音「お待ちなさい。 非戦闘員の私に、それは不公平ですわよ」
ドロシー「ああ~ら、ごめんあっさぁっせ♪ でも、そう決まってしまったものは 仕方ありませんですわ~ッホッホッホ!」
キュオン「というわけで、まずはオバちゃんから 退場してもらっちゃうよ~ん♪」
鞠音「オバ……ッ!」
鞠音「…………」
鞠音「兵装の使用はアリですの?」
ドロシー「ご自由に。ワタクシは、 もうたんまりと持っておりますから」
キュオン「キュオンの“戦術砲機”、 ブロンテクラフトが火を噴くよん!」
鞠音「……わかりました。では」
ナハト「…………」
アーベント「…………」
ゲシュペンスト「…………」
ドロシー「うっ……!」
キュオン「あ……」
鞠音「では、ミンチにならなかった人が、 ネバーランドを調査するということで よろしいですわね?」
ドロシー「平和的に話し合うべきだと思いますわ」
キュオン「キュオンもさんせーい」
鞠音「……よろしい」

〔滅魏城周辺〕

錫華「…………」
讃岐「では滅魏城の主、守天よ。 ……それでかまわぬのだな?」
守天「ああ、男に二言はねえ。 ……俺様たち、式鬼の一族は、 今後一切……武酉城に手は出さねえ」
守天「……すぐには手を出せない距離に なっちまったってのもあるがな」
錫華「距離など問題ではないぞよ?」
錫華「そちがつまらぬわだかまりを 捨てたということに意味があるぞよ?」
守天「そうだな。 それが心に隙を作り、利用してたつもりの アインストに、いいように使われた……」
守天「……情けねえ話さ」
錫華「よいよい。 それがわかっただけでも、大した 成長であるぞよ?」
錫華「そろそろ、 滅魏城に戻ってやるとするか」
守天「ほ、本当か!? 錫華よぉ!」
讃岐「うむ。しかし…… 錫華姫が滅魏城に戻るとなると、 祝宴が寂しくなってしまうな」
錫華「よいよい、その時には呼べばよかろう。 わらわ的にはいつでも登場し、 舞いまくってやるぞよ?」
守天「舞いまくる……? おい、錫華! おめえ……まさか“あの舞い”を!?」
錫華「当然である。 特に祝いの席には欠かせぬものぞよ?」
守天「あれは俺様の前だけだって 言ってたろうがよ!」
錫華「そうであったか? 人の心はうつろいゆくもの。 ケチケチするでない、守天」
守天「あんなの人前でするもんじゃねぇだろ!」
讃岐「いや、あれがない宴(うたげ)など、 物足りぬこと極まりない」
讃岐「……そうだ、世界が混ざり合ったことを 祝して、宴を開こうではないか」
讃岐「神夜にも、そろそろ舞いを習わせようと 思っておったのだ」
錫華「ほ~っほっほっほ! 錫華師匠にお任せあれであ~る♪」
守天「す、錫華よぉ……」

《ツァイト・クロコディール》

ハーケン「報告を見る限り…… どうやら、みんな無事のようだな」
神夜「そうですね。……でも、いいんですか? ハーケンさんも行かなくて」
ハーケン「副長もドクターも出払ってるし、 たまには留守番もいいさ」
ハーケン「……それに、レイジ達を捜すために、 広域センサーもオンにしてる」
ハーケン「反応があったら、 すぐに行ってやらないといけないしな」
神夜「…………」
神夜「大丈夫ですよね? 零児さん、小牟ちゃんに、こすもすさん…」
ハーケン「ドクターの話によれば、 クロスゲートが消滅する直前、 転移反応は確認されてるそうだ」
ハーケン「……おそらくそいつが、 あいつらが転移した反応だろうって話さ」
ハーケン「確認する手段がないんで、 なんとも言えないが……な」
神夜「…………」
神夜(みなさん、どうかご無事で)
神夜「あの……ハーケンさんは、 これからどうするんですか?」
ハーケン「ん? そうだな……。 この新しくなっちまった世界を…… 回ってみることにするさ」
ハーケン「退屈はせずに済みそうだ」
ハーケン「……プリンセスはどうする?」
ハーケン「一緒に……来るかい?」
神夜「…………」
神夜「国へ戻ります。ハーケンさん」
神夜「世界はこんな風になってしまいました。 ……武酉城も大変極まりないと思います」
ハーケン「そうか。……そうだな」
ハーケン「今度は命を賭けずに、 使命をまっとうしてくれよ?」
ハーケン「何かあるたびに、飛び出していって さらうわけにはいかないからな」
神夜「その時はご連絡しますよ。 「さらいに来てください」……って♪」
ハーケン「フッ、なるほど。 では、その時が来たら遠慮なく コールしてくださいませ」
神夜「お待ちしております♪」
神夜「……ハーケンさん」
神夜「改めて……もう一度言います。 ……楽しかったです。本当に」
ハーケン「OK、俺もだ、エンジョイプリンセス。 今回は、別れの言葉はいらないぜ?」
神夜「はい……! また、いつか必ず…… 一緒の道を行きましょう!」
ハーケン「ああ、 その日を楽しみにしてるぜ、カグヤ」
神夜「はい……!」
ハーケン「…………」
神夜「…………」
ハーケン「…………」
神夜「…………」
神夜「…………あのう、ハーケン……さん」
ハーケン「ん……?」
神夜「……明かりを…落としてもらえますか?」
ハーケン「………!」
ハーケン「おっと……こいつは失礼。 レディに恥をかかせるところだったぜ」

<スタッフロール>

The End
to be continued.....?


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