アクセル「くっ……!
ベーオウルフ、貴様…ッ!」
キョウスケ「…もらったぞ…! アクセル!」
ラミア「隊長、運がなかったようですね」
アクセル「まだ…落ちていない。
気が早いぞ、W17…それに貴様は
裏切り者。おれを隊長と呼ぶな」
ラミア「……了解」
キョウスケ「アクセル、お前の負けだ。
勝負を降りないならば、このまま…」
アクセル「おれはまだ…最後のカードを
切っていない。ベーオウルフ、見てみるか!
おれの…!」
(ソウルゲインに通信)
レモン「…アクセル、無理はしないで」
アクセル「むっ!? レモンか…!?」
レモン「こっちは無事に転移したわ。
合流地点の座標を送るわね」
アクセル「おれの戦いに水を差すな、
レモン!」
レモン「私達の戦い…でしょう?
それとも、同じ過ちを繰り返すつもりなの?
『こちら側』のベーオウルフに対しても」
アクセル「……」
レモン「重要なのはこれから…でしょ?
ちょっと熱くなりすぎよ。あなたらしく
ないわ」
アクセル「……」
アクセル「…わかった。後退する」
キョウスケ「!」
アクセル「ベーオウルフ、興が削がれた。
この勝負…預けるぞ、これがな」
(ソウルゲインを含め、残っている敵機全てが撤退)
キョウスケ「逃がさん……!」
ダイテツ「待て、キョウスケ中尉」
キョウスケ「艦長?」
ダイテツ「我々はシロガネを完全に
ロストしてしまっている。
これ以上の追撃は無意味だ」
ダイテツ「我々は伊豆基地へ帰還し、
オペレーション・プランタジネットに
備えるぞ」
キョウスケ「……了解」
キョウスケ(アクセル・アルマー…
この場で決着をつけたかったが…)
キョウスケ(手負いの獣にならねば
いいが、な)
ラミア「……」
ラミア(この戦い…
どうあれ、シャドウミラーがこの世界から
消えない限り…)
ラミア(決着はあり得ん……)
ラミア(…私の存在も含めて)
ダイテツ「……ゼンガー少佐達が
言ったことは正しかったようだな、
ラミア・ラヴレス」
ラミア「…私を信じて下さったこと、
感謝しています」
ダイテツ「では、
ここにいる皆に真実を話してもらおう」
ラミア「わかりました。
私が知っている限りのこと…お話しましょう」
ギリアム「……」
ラミア「さて…何から?」
ダイテツ「シャドウミラーとは
何者か……からでいこう」
ラミア「彼らは……
地球連邦軍特殊任務実行部隊」
カイ「……特務隊のことか?
だが、名称が違うぞ」
ショーン「ふむ……。
シャドウミラーなどという特務隊は
聞いたことがありませんな」
ラミア「それは『こちら側』の話…。
ですが、『向こう側』の連邦軍には存在していた」
タスク「こ、『こちら側』だとか『向こう側』だとか…
何のことなんスか?」
ラミア「一言で言えば、こことは違う世界のことだ」
レフィーナ「違う……世界?」
ラミア「そう、極めて近く…限りなく遠い世界。
…順を追って説明しよう」
ラミア「…新西暦160年代から盛んになった、
スペースコロニーの独立自治権獲得運動、
NID4……」
ラミア「それは地球政府とコロニーの間に
大きな確執を生み出した」
ラミア「コロニーの台頭を
恐れた地球連邦政府はNID4を弾圧…」
ラミア「連邦とコロニーの対立は激化し、
ついには機動兵器を使用したテロ事件が
数多く発生…世界は混乱に包まれた」
ラミア「そして、ある事件によりコロニーの
命運は大きく変わることになる…」
レーツェル「もしや、
それはエルピスで起きた……?」
ラミア「はい。
地球至上主義のテロリストが
スペースコロニー・エルピスへ潜入……」
ラミア「内部で毒ガスを使用し、
住人の大半を死に至らしめた事件です」
レオナ「どういうこと……!?
あの事件はそのような結末では……」
ラミア「犠牲者の中には、連邦宇宙軍総司令…
マイヤー・V・ブランシュタイン……」
ラミア「そしてその長男エルザムと、
彼の妻であるカトライアも含まれていた」
レーツェル「な……!」
ゼンガー「何だと!?」
レオナ「そんな……」
ライ「義姉上だけでなく、
父と兄までもが……?」
エクセレン「ちょ、ちょい待ち! ラミアちゃん!
じゃあ、ここにいるエルザム兄さんは!?」
アラド「ま、まさか、幽霊!?」
レーツェル「悪いが……私の足はご覧の通り」
レーツェル「……付け加えれば、
私はエルザムではなく、レーツェルだ」
ヴィレッタ「もしや、
ラミアが言う『向こう側』とは…?」
ギリアム「そう……。
並行世界、パラレルワールドだ」
カチーナ「パラレルワールド!?」
ギリアム「……世界は
常に分岐の可能性を持っている……」
ギリアム「我々が存在する
この世界とは別の……並行した世界」
ギリアム「それが、彼女が始めに言った言葉、
“極めて近く、そして限りなく遠い世界”…
パラレルワールドだ」
ラミア「その通りです。ヘリオ…いえ、ギリアム少佐。
私達シャドウミラーは、その中の一つから
『こちら側』の世界へやって来たのです」
ヴィレッタ「……」
ラミア「無限の可能性の一つ…
だからこそ、私がいた世界…『向こう側』と、
この世界では、多くの事柄が異なっています」
ライ「では、エルピス事件の後は?」
ラミア「コロニーの治安維持と
NID4の弾圧が強化され……結局、
コロニーが独立することはなかった」
ラミア「そして、DC戦争が勃発……。
我々連邦軍は苦戦の末、ビアン博士を
打ち倒し……勝利を収めた」
ラミア「その後、
ビアン博士が示唆した異星人の脅威を
重く見た連邦軍は……」
ラミア「地球圏防衛のため、
大幅な軍備増強を敢行……」
ラミア「その結果、
多種多様な機動兵器が開発された」
リョウト「多種多様?」
ラミア「そう。Z&R社の
ヴァルキュリアシリーズ、
FI社のアサルト・ドラグーン……」
ラミア「イスルギ重工のリオンシリーズ、
マオ社のパーソナルトルーパーなどだ」
イルム「最初の2社は聞いたことがない
メーカーだな……」
ラミア「そして、その中でも、
数多く生産され、
連邦軍の主力兵器となったのが……」
ラミア「マオ社のゲシュペンストMK-IIと
イスルギ社のリオンだ」
テツヤ「ゲシュペンストMk-IIが
数多く生産……?
どれぐらい作られたんだ?」
ラミア「…ざっと3000機」
テツヤ「3000……!?
こちらと桁が違いすぎるぞ!」
イルム「なるほど……。
シャドウミラーのゲシュペンストMk-IIの
謎が解けたぜ」
イルム「あれはお前達が向こう側から
持ってきた機体だったんだな?」
ラミア「そうです」
イルム「そして、こっちの
ゲシュペンストMk-IIと仕様が違うのは、
向こうで改良が重ねられたから、か」
ラミア「はい。
そして、それはエルアインスにも
同じことが言えます」
リョウト「エルアインス……?」
ラミア「『向こう側』での
アルブレードの正式名称…」
ラミア「その名の通り、R-1の量産型……
ゲシュペンストMk-IIに次ぐ主力機として
マオ社が開発した物だ」
リョウト「ゲシュペンストの次……?」
ラトゥーニ「なら、量産型の
ヒュッケバインMk-IIは……?」
ラミア「向こうでの
ヒュッケバインシリーズは……」
ラミア「1号機……008Rの暴走事故によって、
開発計画の見直しが軍から要求され……」
ラミア「その後も
何機か試作機が作られたようだが、
量産には至っていない」
アヤ「……向こうでのSRXは
どうなっているの?
R-1が量産されているということは……」
ラミア「何度か
開発が中断されたようだが……」
ラミア「侵略行動を開始した
異星人との戦闘へ投入するため、
最終的にはロールアウトしている」
ライ「異星人…そうか、エアロゲイターか」
ラミア「…違う。インスペクターだ」
マサキ「何!?
あいつらが先に来たってのか!?」
ラミア「そうだ」
ブリット「そ、それで
ラミアさんはエアロゲイターのことを
知らなかったのか……」
ヴィレッタ「……メテオ3は
向こうの世界でも落下したのか?」
ラミア「いえ……」
ヴィレッタ「では、SRXの動力源は
トロニウムではないと?」
ラミア「データを見た限りでは…
おそらく『こちら側』と同じかと思われます」
リュウセイ「何だって!?
メテオ3が落ちてきてねえのに、
何でトロニウムがあるんだ!?」
ラミア「…トロニウムについてのデータはない。
だが、存在自体は確認されていたようだ」
ヴィレッタ(何者かがトロニウムを
地球にもたらしたと言うのか……?)
キョウスケ「ことのあらましはわかった。
…ある意味、ここからが本題だ。
おれ達の世界に直接関わりのあることだからな」
ラミア「……」
キョウスケ「シャドウミラーが『こちら側』の世界へ
来た理由は? そして、その方法は?」
ラミア「理由…ロールアウトが遅かった私は
よく知りませんが…データはあります」
キョウスケ(ロールアウト…?)
ラミア「それは穏やかな腐敗…。
平和という安息の下で、地球連邦は…」
ラミア「いえ、“世界そのもの”が少しずつ
おかしくなっていった…とあります」
ラミア「シャドウミラー隊指揮官…
ヴィンデル・マウザー大佐はその世界を憂い、
クーデターを起こしたのです」
アイビス「絶えず争っている世界を
作るために?」
ラミア「そう、戦争は終結してはならない。
その後に待つのは平和という名の腐敗…」
ラミア「だが、闘争が日常である世界ならば、
それは永遠に起こることはない。
そのようなバランスのもとに、世界は調律される、と」
ツグミ「そんなの……
理論上のものに過ぎないわ」
ラミア「……理論上と言うよりは
確率の問題だ」
ラミア「闘争を日常とする…混沌たる世界であれば、
腐敗が起こる可能性は低いということだ」
キョウスケ「待て。
それが正しいか否か…議論するつもりはないが、
『こちら側』でそれをやろうという理由がわからん」
エクセレン「そうね…ちょっと無責任な言い方かも
知れないけど…自分の庭でやってよって感じ?」
カチーナ「まったくだぜ。
…それか、そうできない理由でもあったのかよ?」
ラミア「…その予想が正解に近いです。
我々シャドウミラーが『こちら側』に来た理由…
それはある部隊に敗れたため…」
ラミア「…いえ、もっと正確に言えば、
混沌たる世界のバランスを崩すほどの力を持った
部隊が現れ…世界を破壊し始めていたためです」
エクセレン「その部隊って…もしかして、
そっちのボスのヴィンちゃんが言ってた…?」
ラミア「はい。ゲシュペンストMk-IIIを
隊長機とした連邦軍特殊鎮圧部隊、
ベーオウルブズ……」
キョウスケ「…ベーオウルフ…。
アクセル達が散々おれに対して言っていた…」
ラミア「そうです。
ベーオウルブズ…隊長はキョウスケ・ナンブ大尉」
キョウスケ「…そういう…ことか」
タスク「な~る、
それでアクセルはアルトアイゼンを
ゲシュペンストMk-III……」
タスク「キョウスケ中尉を
ベーオウルフって呼んでたわけか」
カチーナ「…あの野郎がしつこくキョウスケを
狙ってきやがった理由がわかったぜ」
カチーナ「大方、向こうのキョウスケ大尉殿に
こっぴどくやられたんだろ?
で、逆恨みでこっちにインネン付けて来た、と」
ラミア「それは違います。
アクセル隊長は…恐れていたのです」
ラミア「『こちら側』のキョウスケ・ナンブか…
『向こう側』のベーオウルフが持っていた…
謎の“力”を得ることを」
キョウスケ「謎の力…だと?
『向こう側』とやらのおれは、念動力のような
ものを持っていたというのか?」
ラミア「…詳細な記録は残っていませんが、
もっと異質の…人知を超えたものだったようです」
エクセレン「わお! 人知を超えてるって…
あらゆる博打で必ず勝てるとか?」
キョウスケ「…それはいい、な」
ラミア「いえ、その力は…常人をはるかに越えた
肉体の能力…筋力、反射神経、回復能力を持ち…
乗り込んだPTの姿をも変質させた…とあります」
キョウスケ「乗っている…機体の姿も…だと?」
ラミア「はい…
そしてベーオウルブズは今のハガネやヒリュウ改と
ほぼ同じ戦力を持っていました…」
ラミア「結果、シャドウミラーは彼らに
追い詰められてしまったのです」
ラミア「そして、シャドウミラーが最後に
選択した手段が…」
ヴィレッタ「…『こちら側』への転移というわけか」
ラミア「はい」
キョウスケ「ここが次の問題点か。
ラミア…その転移の方法は?」
ギリアム「……それについては
俺が説明しよう」
キョウスケ「!?」
カイ「ギリアム……何故、お前が?」
ギリアム「それは……」
ギリアム「俺もシャドウミラーと同じく、
『向こう側』から来た人間だからです」
カイ「!!」
カチーナ「な、何だとォ!?」
ラーダ「じゃあ、少佐は
この世界の人間ではないと……!?」
ギリアム「……ああ」
レーツェル(やはり、あの時の話は……
そういうことだったのか)
ヴィレッタ「……」
ギリアム「向こうでの俺は……
テスラ研でシステムXNという装置の
研究に従事していた」
ツグミ「システムXN……?」
ギリアム「空間・次元転移装置のことだ。
2基存在し、それぞれ『アギュイエウス』、
『リュケイオス』と言う」
ギリアム「だが、
俺はアギュイエウスの起動実験に失敗し……」
ギリアム「単身、
この世界へ飛ばされてしまった」
ツグミ「……」
レーツェル「では、
ヘリオス・オリンパスという名は……」
ギリアム「向こうの世界での俺の名だ」
ギリアム「そして、
元の世界へ戻れなくなった俺は
ギリアム・イェーガーと名乗り……」
ギリアム「この世界で生きる決意をした。
その後はカイ少佐やゼンガー、
レーツェルも知っての通りだ」
ゼンガー「……」
ギリアム「お前達……いや、
ここにいる者達には今まで真実を話さず、
すまなかったと思っている……」
ギリアム「だが、後続者が現れる可能性がある以上……
俺は素性を明かすわけにはいかなかった」
ゼンガー「後続者……
それはシステムXNを使って
転移してくる者のことか?」
ギリアム「そうだ。
アギュイエウスとリュケイオスが
『向こう側』に残っている以上……」
ギリアム「俺と同じように
この世界への転移を試みる者は必ずいる……」
ギリアム「だが、もしそれがテスラ研の人間ではなく、
システムXNの悪用を目論む者だったら……」
ギリアム「その者は俺を捜し出し、
己の目的のために利用しようとするだろう」
ヴィレッタ「利用?」
ギリアム「そうだ。アギュイエウスは
作動の確実性を向上させるため、
俺とリンクするように作られていた」
ギリアム「つまり、
俺はシステムXN・アギュイエウスの
コアとも言える存在なのだ」
ゼンガー「それで、お前は……」
ギリアム「ああ。『こちら側』で素性を隠し、
次なる転移者を待ち続けた。
そして、その結果現れたのが……」
カイ「シャドウミラーだったというわけか」
ギリアム「ええ。
ただ……俺と彼らの転移タイミングには
大きな差があったようです」
ラミア「そう……
シャドウミラー隊がテスラ研を占拠し、転移したのは…
一番初めに転移を成功させた人物…」
ラミア「『ファーストジャンパー』ヘリオス…
つまり、ギリアム少佐が転移してから、
約2年後のことでした」
ダイテツ「……転移を行った
シャドウミラー隊の規模は?」
ラミア「連邦軍より奪取した
ASK系、RGC系の試作機や
新主力機のエルアインス…」
ラミア「さらにテスラ研で入手した
SRG系、EG系などの機体…」
ラミア「そして、シャドウミラーが元々所有していた
ゲシュペンストやリオン、フュルギアやソルプレッサ
などを合わせて…」
ラミア「……496機」
レフィーナ「そ、そんなに!?」
ラミア「はい。ヴィンデル大佐に
賛同する他部隊の兵士やDC残党も
加わっておりましたので」
ラミア「しかし……実際にたどり着いたのは、
おそらくその半分以下かと」
クスハ「え……!? 何故なんですか?」
ラミア「同一世界内での空間転移とは異なり、
時空転移は不確定要素が多く…なにより不安定だ」
ラミア「例えるなら、濁流の中で蜘蛛の糸を
辿るようなもの…」
ラミア「部隊の者の大半は…
残念ながら時空のねじれに巻き込まれて…消滅した」
ラミア「私の言語系に誤動作が起きたのも…
この時の影響だ」
クスハ「げ、言語系って…!?」
ツグミ「も、もしかして、あなたは……!?」
ラミア「私の正式名称はW17……」
ラミア「指令を忠実に実行し、
戦争を継続させるためだけに生まれた…人形だ」
クスハ「……!」
ツグミ「つまり、人造人間……」
ラミア「そう。シャドウミラー隊では
Wシリーズと呼ばれている」
ラミア「その中でも
優秀な性能を持ち、特殊任務を
遂行する者がナンバーズ……」
ラミア「つまり、
私は17番目にロールアウトした最新型…W17。
今後はそう呼んでもらって構わん」
ラトゥーニ「……」
アラド「な、名前がナンバー……!
それでいいんスか、ラミアさん!?
いいわけないでしょう!!」
ラミア「アラド・バランガ…
そうか…お前も…そうだったな」
ゼンガー「……もしや、ウォーダン・ユミルも
お前と同じく……?」
ラミア「そうです。彼は15番目…W15」
ラミア「お気付きの通り、
『向こう側』のゼンガー・ゾンボルド少佐の
データを基にして作られたナンバーズです」
ゼンガー「……奴が乗る特機は?」
ラミア「『向こう側』で入手したグルンガスト参式を
『こちら側』の技術で改造したものだと思われます」
レーツェル「しかし、
彼らは何故ゼンガーの写し身を……?」
ラミア「…ベーオウルブズの対抗手段とするためです。
キョウスケ・ナンブには及ばなかったようですが」
キョウスケ(…『向こう側』のおれに一体何が…?
そんな力に興味はないが…気にはなる、な)
ゼンガー「…『向こう側』の俺は?」
ラミア「データによれば、アースクレイドル内乱後、
行方不明…となっています」
ゼンガー「……そうか」
キョウスケ「…シャドウミラーはアクセルやウォーダン、
そしてラミア、お前達とともに…『向こう側』で
果たせなかった目的を果たすつもりか」
ラミア「…はい。
『向こう側』は、ベーオウルブズの存在によって、
完全にバランスを失っていましたので…」
ブリット「……永遠の闘争……。
戦い続けることでバランスを取る
世界なんて……!」
ツグミ「戦いの度に
技術は進歩していった……
確かに、それは間違っていないけど……」
エクセレン「戦いを望む者…
戦争を続けたい人達には理想の世界かも
知れないけど…」
エクセレン「そうでない人達にとっては地獄…ね」
キョウスケ「…おれ達の世界で好き勝手なことを
させるわけにはいかん」
ギリアム「だから、
何としても彼らを阻止し、彼らが持つ
システムXNを破壊せねばならん」
ラミア「……その通りです」
ダイテツ「……」
ラミア「ダイテツ艦長、
私の話は……以上で終わりです」
ダイテツ「……」
ショーン「……ダイテツ中佐、
これからの彼女の処置は?」
ダイテツ「現状維持だ」
ラミア「しかし、私は……」
ダイテツ「素性と過去はどうあれ、
今のお前の意思は我らと同じなのだろう?」
ラミア「……はい」
ダイテツ「ならば、それでいい。
……他に異論のある者は?」
ライ「……」
キョウスケ「……」
ギリアム「……」
カチーナ「……もう慣れたぜ」
ラミア「カチーナ中尉……」
エクセレン「…と、いうわけで…
お帰りなさい、ラミアちゃん」
ラミア「エクセ姉様……」
エクセレン「というか…
あなた、言葉遣い…治っちゃったの?」
タスク「そういや…そうッスね。
なんとかでございますのですのこと~…
みたいなのはなくなってるッスよ」
ラミア「一度部隊に戻った時に…
不完全ながら修理をしていただきました」
ラミア「だから…
お聞き苦しい言葉は、あまり発することは
なくなると思いましたりしちゃいますのです」
ラミア「…不完全なので時々は出ますが」
エクセレン「わお! やっぱそうこなくちゃね!」
ラミア「…ですが、エクセ姉様…。
本当に私は…ここにいていいのですか…?
私は元々敵であり、この世界には…」
エクセレン「私達はいいって言ってるのよん。
あとは、あなた次第。
…自分でいるか、いなくなるか…決めなきゃね」
ラミア(自分で…。
…まるで…レモン様に言われているようだ…な)
ヴィレッタ「ラミア…
これからの戦いで、あなたの存在は
なくてはならないものとなる」
ブリット「そうです、ラミアさん。
俺達に力を貸して下さい!
…戦いは…これからなんです!」
タスク「それに、
ボイン要員が多いに越したことはねえしさ!」
レオナ「…ボイン…要員?」
タスク「あ、じょ、冗談でございますので
ありますのことッスよ? レ、レオナ様」
ラミア「…ここで、この戦争の最後を見届ける。
それが私の決めた…私の戦いだ」
ラミア(悪くない…そう、悪くない気分だ。
はるか遠い時代…楽園から追放された者達も…
同じ気持ちだったのかも…しれんな)