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ワイズ・ドール エチオピアへ行く ~ 第19話 ~

〈vs エキドナ〉

[ラミア]

ラミア(ラーズアングリフに 乗っているのは……隊長か?)
(通信)
ラミア(機密通信…… このコードはW16。隊長ではなかったか)
エキドナ「機密通信装置は 問題なく使えるようだな、W17」
ラミア「新たな任務の伝達か?」
エキドナ「いや。今回は別だ」
ラミア「別?  もしや、あのゲシュペンスト隊に 関わることか?」
エキドナ「そうだ。我々の兄弟……と 言えばわかるだろう?」
ラミア(もう量産態勢に入ったのか)
エキドナ「こちらは 任務が終わり次第撤退する」
エキドナ「そちらは ヘリオスの情報をつかめたか?」
ラミア「まだだ。 詳細が判明次第、報告する」
ラミア「それと…… 言語部位の交換用シナプスは?」
エキドナ「準備に しばらく時間がかかるとのことだ」
ラミア「了解」
エキドナ「では、行くぞ。 お前が疑われない程度にな」

[ブリット]

エキドナ「今の量産型では彼らを 食い止めることが出来なかったか」
ブリット「この感じ…… こいつも他の連中と同じなのか?」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「あなた達は 何故、スクールの攻撃パターンを 使っているの……?」
エキドナ(スクールの関係者なら、 気づかれて当然か)

[撃墜]

エキドナ「任務は終了した。撤退する」
(ラーズアングリフ、ゲシュペンスト隊が撤退)
ラミア「……」
ラミア(我々の……兄弟、か)

〈敵機全滅〉

エイタ「敵機の反応なし。 敵艦隊の阻止に成功しました」
ダイテツ(だが、今の戦闘で 本艦の機関部に損傷を受けた……。 結果は痛み分けか)
テツヤ「艦長……」
ダイテツ「PT各機を収容。 本艦は機関部の修理を行いつつ、 本隊との合流を図る」
テツヤ「はっ」

[ハガネ ブリーフィングルーム]

キョウスケ「……あのゲシュペンストが 無人機だっただと?」
ラトゥーニ「はい。 機体の残骸を回収して調べたのですが……」
ラトゥーニ「コックピットに人が乗っていた 形跡はありませんでした」
ブリット「そ、そんな馬鹿な。 確かに機械的な動きをする連中だったけど……」
ブリット「中には 確かに誰かが乗っていたはずなんだ」
ラミア「……」
キョウスケ「パイロットが外へ脱出した形跡は?」
ラトゥーニ「それもありません……」
ライ「ゲシュペンストのコックピットは ノーマルタイプだったのか?」
ラトゥーニ「はい。有人仕様です」
イルム「ふうん……そいつは妙だな」
ライ「ええ。 普通、無人機ならコックピットモジュールを 丸ごと入れかえるはずです」
キョウスケ「なら、何者かが乗っていた可能性は高い… 撃墜されたあと、消え失せたとでも言うのか…?」
イルム「文字通り、幽霊だったりしてな」
ブリット「ま、またそんなことを……」
ラミア(……機密保持のために 消去コードを発動させたか)
ラミア(私も任務に失敗すれば、 同じ結果を迎えることになる。 ……それが我々の宿命だ)
(扉が開閉する)
カイ「……ここにいたか、お前達」
キョウスケ「少佐……」
カイ「先程、マオ社にいるヒリュウ改から 連絡があった」
カイ「エクセレンやリュウセイ、 カチーナ達が地球へ降下…… 後でこちらと合流するそうだ」
キョウスケ「では、 ビルガーやファルケンのタイプL、 ヒュッケバインMk-IIIも?」
カイ「いや、ビルガーとMk-IIIは 結局ロールアウトが間に合わず……」
カイ「ファルケンは 敵との戦闘で撃墜されたそうだ」
ブリット「ええっ!?」
キョウスケ「敵……。 もしや、DC残党が月にも?」
カイ「それが……アインストとは別の アンノウンだったらしい」
キョウスケ「……!」
イルム「そいつはまた、 穏やかな話じゃありませんね」
ライ「ここに来て、 第三の勢力の登場か……?」
カイ「レフィーナ艦長によれば、 L2宙域で起きた消失事件と何か 関係があるのではないかとのことだ」
ラミア「……」
ラミア(間違いない……彼らだな)
ラミア(どうやら、こちらでは順序が違うらしい……)

[ハガネ ブリッジ]

ダイテツ「大尉、機関部の修理状況は?」
テツヤ「約70%…… 作業は2時間後に完了する予定です」
ダイテツ「そうか。本隊の現在位置は?」
テツヤ「エジプトのムータ基地まで後退…… その後、地中海へ抜け、戦力を立て直すとの ことです」
ダイテツ「ならば、アフリカ北東部の 最終防衛線はムータ基地か」
テツヤ「はい。 戦況は我が軍が劣勢……各方面軍へ 支援要請が出ているようです」
ダイテツ「その前に第二のアンノウンの 介入があれば、我々はアビアノまで 後退することになるかも知れんな」
テツヤ「……艦長は、彼らとDC残党に 関係があるとお考えなのですか?」
ダイテツ「いや、おそらくは……」
(通信)
エイタ「本隊より暗号電文です。 ハガネはムータ基地でシロガネと 合流されたし、とのことです」
テツヤ(シロガネ……。 リーがこちらへ来ているのか)
エイタ「なお、エクセレン少尉達は すでに先方でシロガネと 合流しているそうです」
ダイテツ「よし…… 針路変更、本艦はこれよりムータ基地へ向かう」

《アースクレイドル》

[アースクレイドル 内部]

ヴィンデル「……テストの結果はどうだ?」
レモン「全機撃墜されたけど、 改良点のヒントが得られたわ」
レモン「それに、ハガネの足止めも 出来たみたいだしね」
ヴィンデル「証拠の隠滅は万全なのだろうな?」
レモン「それはもちろん」
レモン「バン大佐がつけたお目付役さん達は 彼らの正体に気づかなかったようだし……」
レモン「仮に向こうで何かあったとしても、 W17が何とかするでしょうしね」
ヴィンデル「……」
レモン「それで…… 次の段階に進みたいんだけど」
ヴィンデル「あの男を使うのか?」
レモン「ええ、機体の調整も終わっているわ」
レモン「しばらくの間、彼にはアクセルの 代わりを務めてもらいましょう」
ヴィンデル「連邦とバンを黙らせるには 好都合か……」
レモン「アクセルには悪いけど、 ターゲットは狼さんでいいかしら?」
ヴィンデル「構わん。 奴がここで倒れるようなら、 所詮それまでの男だと言うことだ」


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