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リューネ、そしてヴァルシオーネ ~ 第24話 ~

〈ジーベル艦撃墜〉

ジーベル「だ、脱出する!  俺の退路を確保させろっ!!」
(ジーベル艦が爆発、リューネに『ど根性』がかかる)
リューネ「さあ、 これで邪魔者はいなくなった。 ケリをつけさせてもらうよ!!」
マサキ「聞け、リューネ!  お前の親父は俺達に地球の 未来を託したんだ!」
リューネ「そんな戯れ言っ!」
マサキ「だが! 奴の予言どおり 異星人が現れた以上、俺達が 戦ってる場合じゃないだろうが!」
リューネ「うるさいっ!」
マサキ「しょうがねえ!  口で言ってもわからねえのなら!」
(作戦目的表示)

〈ヴァルシオーネ撃墜〉

リューネ「………」
リューネ「アハハハ… やっぱり勝てなかったか。 でも、これでスッキリした」
リューネ「親父は親父、 あたしはあたし。 あたし、あんた達が気に入ったよ」
マサキ「リューネ…」
リューネ「特にマサキ、 あんた…結構いい男だしね」
リューネ「あたしに 可愛いなんて言ってくれたのは あんたが初めてだよ」
マサキ「な…何言ってんだ」
リュウセイ「あ、あのさ。 一応、俺も…」
ライ「お前が可愛いと言ったのは 彼女の機体の方だろうが」
リュウセイ「相変わらず ツッコミが厳しいねぇ」
リューネ「ま、あんたらと 一緒にいた方が面白そうだしね」
リューネ「それに、あたしも異星人と 戦うつもりで木星から帰って来たし…」
リューネ「どう?  あたしもハガネに乗せてくれないかな?」
マサキ「おいおい、強引な奴だな」
イルム「イングラム少佐…どうします?」
イングラム「いいだろう。 今は少しでも戦力が欲しい時だからな。 艦長には俺の方から話しておく」
リューネ「さすが、話がわかるね。 じゃ、よろしく頼むよ」

[不明 (食堂)]

イルム「タスク、お前が救出した敵のパイロット、 すごい美人だってな」
タスク「チェック早いッスね。 実はそうなんですよ」
タスク「あ、でも… 一番最初に彼女をお茶に誘う権利は 俺がもらいますよ」
イルム「ちぇっ、 だったら俺が助けときゃ良かったな」
ブリット「タスク… もしかして、彼女が美人だったから助けたのか?」
タスク「んなワケねえよ。 でも、そういうことをブリット君には 言われたかないねえ」
ブリット「どういう意味だよ?」
タスク「エクセレン少尉から聞いたぜ。 お前、ハガネにいる可愛い子ちゃんを 口説いてるんだってな」
ブリット「! そ、そそそ、それは…」
エクセレン「んふふ~、 別に隠すことないんじゃなぁい?」
ブリット「しょ、少尉!」
エクセレン「おカタいブリット君も 女の子に興味があったのねって、 先生、安心してるんだから」
ブリット「先生! お願いですから、 他の人に変なこと言わないで下さいよ」
イルム(先生だ?)
ブリット「まったく…。 捕虜にした女性パイロットの 話じゃなかったんですか?」
エクセレン「はいはい。 あ、そうそう…そのパイロットって 色男さんの従姉妹らしいわよ」
タスク「色男さんって… ああ、SRXチームのライディース少尉のことか」
エクセレン「大ピンポンよん。 彼、かの有名なブランシュタイン家出身の エリートさんなの」
ブリット(ブランシュタインって… 俺達が戦ったコロニー統合軍の 総司令官と同じ…?)
イルム「ライの従姉妹ってことは きっとドエライ堅物なんだろうなあ。 でも、そういうトコがまた…」
エクセレン「あらら… そんなこと言っちゃって大丈夫、中尉?  リンさんにバレたら大変ですよぉ」
イルム「お前…あいつのこと知ってんのか?」
エクセレン「モチのロン。 天下のマオ社シャッチョーさん、 月で会いましたからね」
イルム「あいつ…俺のこと何か言ってなかったか?」
エクセレン「う~ん…。 聞かない方がいいかも」
イルム「お、おい!  そりゃどういう意味だ!?」
タスク(…それにしても、あの子が ライディース少尉の従姉妹ってことは… いいトコのお嬢様に違いねえな)
タスク(う~ん、ますます俺好み…)

[不明 (艦長室)]

レオナ「…私を尋問しても無駄です。 このまま捕虜になり、生き恥をさらすつもりは 毛頭ありません」
レオナ「煮るなり焼くなり、 私の処分はお好きにどうぞ」
ダイテツ「…ならば、我々に協力してもらおうか」
レオナ「! 協力…?」
レフィーナ「ええ。ホワイトスターが現れた以上、 もはや地球人同士で争っている場合ではありません」
レフィーナ「今こそ連邦軍やDC、 コロニー統合軍が力を合わせて地球を 防衛しなければならないのです」
レオナ「…甘い考えですね」
レオナ「今のコロニー統合軍やDCの中に、 そのようなことを考えている者は ほとんどいませんよ」
レオナ(そう…リリー中佐やエルザム少佐、 ゼンガー少佐達を除いては…)
レフィーナ「では、 あなたはどう思っているのです?」
レオナ「………」
ダイテツ「ビアンやマイヤーを倒した我々は…」
ダイテツ「彼らの代わりに エアロゲイターと戦わなければならない」
レフィーナ「その通りです…」
ダイテツ「だからこそ、我々は少しでも 多くの戦力を必要としている」
レフィーナ「ですから、 コロニー統合軍親衛隊…トロイエ隊の出身である あなたに力を貸して頂きたいのです」
レオナ「どうせ死ぬなら、 異星人と戦って死ね…と?」
ダイテツ「そう受け取ってもらっても構わん」
レオナ「…敵である私を信用できるのですか?」
ダイテツ「…ライディース少尉の 口添えもあるのでな」
レオナ(…あの人が…)
レオナ「…わかりました。一度は捨てた命です。 好きに使って下さい」

[ハガネ 格納庫]

リュウセイ「う~むむむ。 見れば見るほど可愛い…。 とてもロボットとは思えねえ」
リョウト「この機体…もしかしたら、 ヴァルシオンの系列機か何かじゃないかな」
リュウセイ「マジかよ!?」
リョウト「うん。サイズは全然違うけど 似たような武器を持っているし…」
リューネ「あんたのいうとおりだよ。 ヴァルシオーネはヴァルシオンの 2号機みたいなものなんだ」
マサキ「だったら、何であんな姿をしてんだ?」
リューネ「あたしが親父に頼んだのさ。 でなきゃ、あのイカついヴァルシオンに 乗せられるところだったからね」
マサキ「別にあれでもいいじゃねえか」
リューネ「だって… あのデザイン、あたしの趣味じゃないもん」
マサキ(だからって、 女の子の姿ってのもどうかと思うけどな…)
リュウセイ「ふ~ん…親父さんの作ったロボットか」
リューネ「今は形見になっちゃったけどね」
マサキ「リューネ…」
リューネ「そういう湿っぽいのはなし。 親父は親父、あたしはあたしだって言ったでしょ」
マサキ「ああ」
リューネ「それにさ、 あんた達に親父を止めてもらって 良かったとも思ってるんだ」
リョウト「…どうして?」
リューネ「力におぼれてしまった人間の たどる道は決まってるからね」
リョウト「………」
リューネ「あ、ごめんごめん。 結局湿っぽくなっちゃったね」
リューネ「そうだ、マサキ… ハガネの中を案内してよ」
マサキ「ああ、任せな」
(扉が2回開閉する・マサキとリューネが立ち去る)
リュウセイ(…力におぼれた連中のたどる道、か…)
リュウセイ(俺達も下手すりゃ、 いずれはビアンみたいに…)
リョウト「あのさ、リュウセイ君。 あの二人…あのまま行かせて良かったのかな?」
リュウセイ「何で?」
リョウト「だって、マサキ君は…」
リュウセイ「そうだった!  このままじゃ、迷子が二人になっちまう!  早く追いかけなきゃ!」

[ハガネ 艦内]

イングラム「Rシリーズの テストパイロットになりたいだと?」
カチーナ「ああ、必ず乗りこなしてみせるぜ」
イングラム「悪いが間に合っている」
カチーナ「しかし、 R-2のライディース少尉は別として…」
カチーナ「R-1とR-3の テストパイロットは実戦経験の浅い、 素人同然の者だと聞いてるが…」
イングラム「あの2機は リュウセイとアヤ用に調整されている」
カチーナ「なら、新型のR-GUNをあたしに!」
イングラム「…いいだろう。 自信があるのなら、いずれ機会を与える」
カチーナ「了解」
(扉が開閉する・カチーナが立ち去る)
ラーダ「いいのですか、少佐…」
イングラム「構わん。 R-GUNは俺専用の機体として 作られたわけではないからな」
ラーダ「そうではなく、 カチーナ・タラスク中尉のことなんですが…」
イングラム「…試作機に執着があるようだな」
ラーダ「ええ…」
ラーダ「腕は確かなのですが、 少し協調性に欠け、無鉄砲なところも…。 根は悪い人ではないのですが…」
イングラム「そういう人種の扱いは、 お前が最も得意とすることだろう?」
ラーダ「それが… 最近、私がヨガを教えようとすると みんな逃げるんです」
イングラム「無理なポーズを させ過ぎたからだろう。 ヴィレッタから話は聞いているぞ」
ラーダ「あら、そんなことはありませんわ。 いつも簡単なアサナしか教えてませんのに…」
ラーダ「ほら、 こんな感じで。少佐ほどのお方なら、 きっと出来ますわ。お試しあれ」
イングラム「悪いが、遠慮しておく」
ラーダ「ヴィレッタは、 ちゃんとこのアサナをこなしましたわよ?」
イングラム「ヴィレッタが?」
イングラム「ならば……」
ラーダ「そうです、そこで足を曲げて…そう…」
イングラム「む……これ以上は…」
ラーダ「あら、少佐…。 意外にお体が固いんですね」
イングラム「…それより、 ヴィレッタは月に残ったのか?」
ラーダ「はい。 彼女は特別任務があると言って…」
イングラム「そうか…」
イングラム(ならば、俺も急がねばならんな…)

[不明 (艦長室)]

ダイテツ「伊豆の帰還命令が出ただと?」
テツヤ「はい。総合参謀本部から…」
ダイテツ「発信者は誰だ?」
テツヤ「記述されていません。 しかし、コードは間違いなく本部のものです」
ダイテツ「ホワイトスターを放っておいて 帰還しろと言うのか…」
ショーン「ふむ…。 上にEOT特別審議会からの 横槍が入ったのかも知れませんな」
ダイテツ「テツヤ、レイカーに確認を取ってくれ」
テツヤ「それが…司令はジュネーブへ 出向かれているようです」
ダイテツ「………」
レフィーナ「確か、 レイカー司令は地球防衛委員会の メンバーのお一人ですよね?」
ダイテツ「そうだ」
レフィーナ「あの方が ジュネーブへ向かわれたとなると… 上層部で何か大きな動きがあったのでは?」
ダイテツ「………」
ショーン「ここは 命令に従っておいた方が得策でしょうな」
ダイテツ「うむ。 レフィーナ艦長、すぐに伊豆へ帰還するぞ」
レフィーナ「わかりました」

《南米ペルー沖(クロガネ)》

[不明 (海岸)]

一般兵「少佐、お迎えにあがりました。 陸はどうでしたか?」
エルザム「いい食材を手に入れることが出来た」
エルザム「クロガネに戻ったら、 調理場を空けるように言ってくれ」
一般兵「はっ。兵達も喜びます」

[クロガネ ブリッジ]

エルザム「それで…連邦軍の動きは?」
艦長「ハガネとヒリュウ改が 伊豆へ帰還しましたが…」
艦長「我々のクロガネや、 アースクレイドルの所在地に 気付いたわけではないようです」
エルザム「そうか」
艦長「それから、 例の声明の整音作業が終了しました。 お聞きになりますか?」
エルザム「頼む」
(雑音の入った通信)
???(レビ)「…レビ・トーラーの名の下、 地球人類に告げる…」
???(レビ)「地球時間で30日以内に 全ての武装を解除し……」
???(レビ)「我らに降伏せよ……」
エルザム「女の声… しかも、我々の言語で降伏勧告か」
エルザム「単純明快な内容からみて、 彼らの自信の程がうかがえるな」
艦長「…エアロゲイターは、 我々と同じ様な人間タイプの 生命体なのでしょうか?」
エルザム「今までの調査では、そうだと言われている」
エルザム「だからこそ、EOT特別審議会の カール・シュトレーゼマン議長は…」
エルザム「南極で彼らと極秘裏に会見… そして、交渉を行おうとしたのだろう」
艦長「何という愚かな真似を…!  EOT特別審議会は地球を異星人に 明け渡すもりだったのですか!?」
エルザム「それもまた、 人類が生き残る術の一つだ。 私は認めんがな」
艦長「我々も他の残存部隊と合流するか、 アースクレイドルへ向かった方がよろしいのでは?」
エルザム「今のDCに、 ビアン総帥や我が父の遺志は存在せん。 よって、クロガネはこのまま単独行動を取る」
艦長「………」
エルザム「これより、 我らは孤立無援の戦いの中へ 身を投じることになる」
エルザム「私の決定に異議のある者は 艦から立ち去らせろ」
艦長「いえ…。 このクロガネにそのような者はおりません。 皆、少佐にお供する所存です」
エルザム「…すまんな。 では、私は調理場へ行く。 後は任せるぞ」
艦長「はっ」

『ねじりハチマキ』を入手した。

『ガーリオン』を入手した。


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