トーマス「なかなか粘るじゃねえか。
ま、それも予想範囲内だが」
キョウスケ「隊長、奴ら…」
エクセレン「まだ余裕があるって感じね。
ボス、どうするの?」
ゼンガー「…うむ。流れは悪いな。
戦争を決めるのは、やはり物量か…
面白くない話だが」
レフィーナ「…ま、まさか…!」
ユン「3時方向、レンジ3に反応あり!
警戒網の穴を抜けてきたようです!」
カチーナ「な、何だって…!?
くそ、きりがねえぞ…!」
(基地の南東にリオンが多数出現)
レフィーナ「あ、あの数…!」
ブリット「た、隊長…!」
ゼンガー「うろたえるな、ブリット!
…気持ちがなえた時点で、敵が
何機だろうと負けたと思え!」
ブリット「す、すみません!」
キョウスケ「とは言え、数が数だな。
どこまで保つ…?」
エクセレン「あ、あの~、ヴァイスなら
ひとっ飛びなんで…私、極東支部に
応援を要請してきてもいい?」
キョウスケ「…この場で撃ち落とすぞ。
どこまで行く気だ」
レフィーナ「…やれるところまでやります。
もう…逃げ道はないですから」
トーマス「これでチェックメイトだ。
ユー・シー?」
カチーナ「ふ、ふざけやがって…!」
トーマス「オーケー、
これで今回のビジネスは終わりだ。
シー・ユー・アゲン!」
(ガーリオンのみが撤退)
ゼンガー「…進退極まったか。
ならば打つ手は一つ…」
キョウスケ「隊長?
…弱い所を突いて、切り崩すしかない。
どのポイントから…」
ゼンガー「お前達はここから撤退しろ」
キョウスケ「…!?」
カチーナ「どこに逃げるって!?
ここがあたし達の本拠地だよ!!」
ゼンガー「どこでも構わん。
俺が時間を稼ぐ。その間に撤退しろ」
グレッグ「君もだ、少佐」
ゼンガー「!」
グレッグ「今からHOSジャマーを
使用し、敵の目を潰す」
グレッグ「その間に君達と
ヒリュウ改はこの空域を離脱し…
マンハッタン隕石孔に向かえ」
ゼンガー「承服出来ません、司令!
自分が敵を抑えている間に、
総員へ撤退命令を!!」
グレッグ「…時間が経てば、
敵は前回同様MAPWによる攻撃を
仕掛けて来る」
グレッグ「逃げ場がないのは…」
グレッグ「君達ではなく、私達なのだよ」
ゼンガー「しかしッ!!」
グレッグ「ここで
ATXチームとヒリュウ改を失えば、
我々の敗北は確実だ」
ゼンガー「司令は
自分達に生き恥をさらせと!?」
グレッグ「そうだ。
生きていれば反撃の機会はつかめる」
グレッグ「だから、君達はマンハッタン
隕石孔へ向かえ。そこには連邦軍の
残存部隊が集結しつつある」
ゼンガー「司令!」
グレッグ「これは命令だッ、
ゼンガー・ゾンボルト少佐!!」
ゼンガー「!!」
グレッグ「隊長のお前が抜けたら…
残された者達はどうなるっ!」
ゼンガー「ぐ………!」
グレッグ「いいな?
今からHOSジャマーをかける」
グレッグ「ゼンガー・ゾンボルト少佐
以下、ヒリュウ改の今後の躍進を
期待する…!」
エクセレン「キョウスケ…」
キョウスケ「撤退だ」
ゼンガー「………」
カチーナ「キョウスケ! てめえ…
司令や博士、他の兵士達を見殺しに
するつもりかよッ!」
キョウスケ「…隊長。撤退命令を。
命令がなければ、コックピットから
引きずり出してでも連れて行きます」
ブリット「少尉! 何故、そこまで!?」
キョウスケ「…命を賭けるには、
場が小さすぎる」
キョウスケ「おれ達の命は、
これから起こる、もっと大きな戦いの
中で張らなければならない…」
キョウスケ「その賭けに乗った司令達…
その期待は裏切れん…!」
ブリット「……!」
リシュウ「フフ…ゼンガー、お主…
本当に良い部下を持ったようじゃの。
それもまた士道。よく心得ておる」
リシュウ「じゃから、お主も見極めよ。
己が命を賭ける場所をな」
ゼンガー「…くっ……承知…!」
レフィーナ「…各機…帰還して下さい。
本艦は…これより撤退…します…!」
ショーン「…賢明なご判断です、艦長…!」
ブリット「く、くそっ!」
ブリット「俺は逃げるんじゃない…、
逃げるんじゃないぞぉぉぉっ!!」
キョウスケ「吠えるな、ブリット。
…その怒り、まとめてぶつける時が来る。
それまで…とっておけ…!」
(味方機が全機撤退)
グレッグ(…………)
グレッグ(これで私の役目は終わった。
後は任せるぞ、レイカー…
そして、ノーマン少将…)
グレッグ「よし!
HOSジャマーと基地の対空設備で、
可能な限り時間を稼ぐ!」
グレッグ「各員は地下より脱出!
急げよ!」
マリオン「また生きて会えれば、
新しい装備を考えてあげるわね…
Mk-III、Mk-IIカスタム…」
マリオン「そして…ジガンスクード…」
エルザム「ヒリュウ改が?」
ユーリア「はい。
北米ラングレー基地から脱出…
何処かへ去ったようです」
エルザム「…我が友、
ゼンガー・ゾンボルトらしからぬ決断だな」
エルザム「あるいは、
あの男を説得できる人物がいたか…」
ユーリア「………」
エルザム「ラングレー…。
さすがに地球圏防衛計画の拠点の
一つだけのことはある」
エルザム「人材の優秀さは我が軍に匹敵していたか。
…惜しいことをした」
ユーリア「ですが、
我らやDCの意志に従わぬのであれば…
倒すべき敵であります」
エルザム「フッ…。お前はこの戦いの
本当の意味を知らぬのだ」
エルザム「我が弟、ライディースと同じくな」
ユーリア「実は…
地球への降下直後、あの方と一戦を交えました」
エルザム「気にすることはない。
…弟は我がブランシュタイン家と縁を切った身だ」
エルザム「私も…説得をするつもりはない」
ユーリア「はっ…」
エルザム(さて、ヒリュウ改…
来るべき戦いの中核戦力となるかどうか…)
エルザム(それを確かめねばなるまい。
そのためには…やはり、あの男を引き入れねば
ならんか………)